探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第弐拾捌話-御祭

御祭-11

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 爆破事件の翌日。
 長四郎は燐から呼び出しを受け、変邪内高校に来ていた。
「で、何で俺が呼び出されたの?」
 長四郎は自身の疑問を燐に問う。
「何でって。事件を解決する為でしょ」
「事件を解決って言うけど、俺の仕事じゃないんんだけど」
「何言ってんの。これまで多くの事件を解決してきた男が」
 燐はそう言いながら、長四郎の尻を蹴っ飛ばす。
「痛っ! どうして、暴力でねじ伏せようとするのかねぇ~」
 痛む尻を摩りながら、長四郎は燐に抗議する。
「そんで、学校で何するの?」
「というより、人を待っている」
 燐はそう答え待ち人を探していると、「お~い!」と言う元気な掛け声を出しながらこちらに向かって来る泉巡査の姿があった。
「トラブルメーカー二号の登場だ」
 長四郎が言うと同時に、「余計なこと、言わない」と燐に小突かれる。
「ごめん。待った?」
「いえ、私達も来たところですから」
「嘘つけ」
 長四郎は再び燐に小突かれるのだった。
 上司から今回の事件の捜査を許可された泉巡査と共に、事件の重要参考人かもしれない国巳豹牙の自宅へと向かった。
 国巳豹牙の自宅は高校から徒歩十五分の距離にあるマンションであった。
 ピンポーン
 マンションの廊下にインターホンのチャイム音が鳴り響く。
「はい」
 インターホンから寝起きの男の声がする。
「警視庁です。国巳豹牙さんはいらっしゃいますでしょうか?」
 泉巡査は警察手帳をインターホンのカメラに映しながら用件を伝えると、「僕ですが、何か?」と質問が返ってきた。
「昨日の事件でお聞きしたいことが」
 泉巡査がそう説明すると、チッと言う舌打ちが聞こえてきた後に「少々お待ちください」と言うセリフと共に通話が切れた。
「なんか、先生から聞いた感じとは違うね」
「ラモちゃん、彼の声を聞いて感じなかった? 寝起きで機嫌が悪いんだよ」
 長四郎が国巳の弁解をすると、玄関ドアが開いた。
「はい」寝癖頭の国巳がドアの間から顔を覗かせる。
「おはよう。ちょっと、事件について話聞きたいんだけど良いかな?」
「どうぞ」
 泉巡査は家の中で聴取したいと思っていたのだが、国巳はその意とは反してこの場で聴取を受けようとする。
「あの悪いんだけど、トイレ貸してくれない。寒いとさ、トイレ行きたくなるんだよ。俺」
 長四郎は機転を効かせて、部屋に入ろうとする。
「我慢しなさいよ」
 これまた気の効かない燐の言葉にギョッとする長四郎と泉巡査。
「我慢できないから言ってんの! 漏らすぞ。女子高生」
「どうぞ」
 長四郎のその一言を受け、国巳は渋々中に三人を招き入れた。
「トイレはここです」
 国巳はトイレの場所を長四郎に伝えて、リビングに入る。
 そして、それに続いて泉巡査と燐もリビングへと足を踏み入れる。
「で、聞きたい事って?」
 ソファーに腰を下ろした国巳が質問してきた。
「昨日、爆破事件があったのは知っているよね?」
「ええ、学校に居ましたから」
 泉巡査の質問に不機嫌そうに答える国巳。
「ねぇ、ホッバーって知ってるよね?」
「ホッバーね。内の生徒だったら誰でも知っているんじゃないんですか? って、君は女子高生なの?」
 質問に質問で返された燐は少しムッとしながら「そうですけど。何か?」と逆ギレ気味に答えた。
「あの噂、本当だったんだ」
「噂?」
「工藤新一みたいな生徒が居るって言う噂」
「ま、そんな事はどうでも良いや。それより、ホッバーが事件と関わりがあるんですか?」
「それを調べているんです」
「ふーん。にしても、探偵さん遅いですね。ウンコでもしてるのかな?」
 長四郎がトイレに入って五分ほど時間が経とうとしていた。
「そういえば・・・・・」
 そう答える泉巡査と違い、燐はここで長四郎が何をしているのか。あらかた察しはついていた。
「ちょっと、トイレでも見てくるかな」
 国巳がソファーから立ち上がると、燐は行手を阻むように立ち塞がった。
「浜屋ってどう思う?」
「いきなりな質問だな」
「どうなの?」
「嫌いだよ」
「奇遇。私も嫌いなの」
「で、探偵さんは?」
 国巳がトイレに行こうとすると、長四郎がリビングに入ってきた。
「ありがとう。おかげでスッキリした」
 国巳の肩をポンポンっと叩きながら、長四郎は満面の笑みで礼を言った。
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