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第参拾弐話-隠密
隠密-4
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話は数時間前に戻る。
長四郎が依頼を引き受けた頃、燐は保健室に居た。
養護教諭は倒れた生徒の対応に出ており、燐は一人保健室で暇を持て余していた。
「燐ちゃん!」
保健室のドアが勢い良く開き、燐が所属するクラスを受け持つ生田 成美が血相を変えて部屋に入ってきた。
「生美ちゃん。うるさいよ」
「ご、ごめん。そうじゃなくて、具合が悪いんでしょ?」
「え? ああ、それね。うん、ホント何でもないから。それよりさ、あの子、どうなるの?」
燐は窓から見える救急車に乗せられる男子生徒を指差して、成美に質問する。
「どうなるって?」
「いや、あの子、どう見ても覚醒剤らしき物、持っていてさ。あれ、覚醒剤だったらどうなるんだろう。そう思ってさ」
「退学だよ」
「だよねぇ~」
「というか、またなの?」その成美の言葉を燐は聞き逃さなかった。
「また? ってどういう事?」
「いや、この前もね。って、違う、違う。燐ちゃん、具合が悪いならベッドで休んでいないと」成美は誤魔化すように燐をベッドに寝かそうとする。
「私は何ともないから、それに。今の話が気になって落ち着いて寝られないよ?」
「その感じ。まさか、薬物乱用防止講座をサボろうとかしたんじゃないでしょうね?」
「分かっているなら、聞かないで欲しいな」燐は素直に認め開き直った。
「燐ちゃん・・・・・・ あのねぇ~」
「あのねぇ~ じゃなくて、この前起こったことを話して。お願い、先生」
都合のいい時だけ先生呼びかよ。成美はそう思ったが、この前の件で職員たちも頭を抱える事態になっていた。もしかしたら、燐はこの件を解決する糸口になるかもしれない。そう考えを纏めて話すことを心の中で決めた。
「分かった。でも、約束して。危険な事には首を突っ込まない。何か分かれば私に連絡すること」そう言われた燐は「Of Course.(訳:勿論)」と答えた。
成美は話し始めた。この前に起こったことを・・・・・・
それは冬休み明けすぐに起こった。
始業式が終了して、複数の生徒達が突如として発狂し意識不明になる事態が立て続けで起こったのだ。
「そんなことが・・・・・・」
「燐ちゃんは、宿題提出してすぐに帰ったから知らなかったわけだけど」
「ねぇ、その倒れた生徒は今、どうしてるの?」
「病院で入院してるって、聞いている」
「今回の件に似てるし。流石に警察が動くでしょ?」
「うん。それで急遽。薬物乱用防止教室が開催されたってわけなの」
「気になる事だらけ」
燐はこめかみを人差し指でぐりぐりしながら、考えを張り巡らせる。
「それに今回の件はうちの学校だけじゃないの。近くの都立高校でも同じ事が」
「最悪な状況ってわけか・・・・・・ 分かった。あたしに任せて」燐は成美の背中をバンッと叩く。
「燐ちゃん、一人で大丈夫なの?」
「私を誰だと思っているの? とっても可愛くて頭のキレる女子高生名探偵の羅猛燐よ!!」
自分で言うかね? みたいな顔で成美は胸をドンッと叩く燐を見る。
「じゃ、捜査に行ってきまぁ~す!!」
燐は保健室を出て、保健室に戻ってくる途中の養護教諭と出くわす。
「あ、先生。今の子、どこの病院行ったか分かります?」
「多分、この近くの大学病院だと思うけど・・・・・・ どうかしたの?」
「いえ、気になっただけなんで。深い意味なんかないですよ。あはははははは」
愛想笑いで誤魔化す燐は教室から自身のバックを取りに行ってから、担ぎ込まれた大学病院へと向かった。
長四郎が依頼を引き受けた頃、燐は保健室に居た。
養護教諭は倒れた生徒の対応に出ており、燐は一人保健室で暇を持て余していた。
「燐ちゃん!」
保健室のドアが勢い良く開き、燐が所属するクラスを受け持つ生田 成美が血相を変えて部屋に入ってきた。
「生美ちゃん。うるさいよ」
「ご、ごめん。そうじゃなくて、具合が悪いんでしょ?」
「え? ああ、それね。うん、ホント何でもないから。それよりさ、あの子、どうなるの?」
燐は窓から見える救急車に乗せられる男子生徒を指差して、成美に質問する。
「どうなるって?」
「いや、あの子、どう見ても覚醒剤らしき物、持っていてさ。あれ、覚醒剤だったらどうなるんだろう。そう思ってさ」
「退学だよ」
「だよねぇ~」
「というか、またなの?」その成美の言葉を燐は聞き逃さなかった。
「また? ってどういう事?」
「いや、この前もね。って、違う、違う。燐ちゃん、具合が悪いならベッドで休んでいないと」成美は誤魔化すように燐をベッドに寝かそうとする。
「私は何ともないから、それに。今の話が気になって落ち着いて寝られないよ?」
「その感じ。まさか、薬物乱用防止講座をサボろうとかしたんじゃないでしょうね?」
「分かっているなら、聞かないで欲しいな」燐は素直に認め開き直った。
「燐ちゃん・・・・・・ あのねぇ~」
「あのねぇ~ じゃなくて、この前起こったことを話して。お願い、先生」
都合のいい時だけ先生呼びかよ。成美はそう思ったが、この前の件で職員たちも頭を抱える事態になっていた。もしかしたら、燐はこの件を解決する糸口になるかもしれない。そう考えを纏めて話すことを心の中で決めた。
「分かった。でも、約束して。危険な事には首を突っ込まない。何か分かれば私に連絡すること」そう言われた燐は「Of Course.(訳:勿論)」と答えた。
成美は話し始めた。この前に起こったことを・・・・・・
それは冬休み明けすぐに起こった。
始業式が終了して、複数の生徒達が突如として発狂し意識不明になる事態が立て続けで起こったのだ。
「そんなことが・・・・・・」
「燐ちゃんは、宿題提出してすぐに帰ったから知らなかったわけだけど」
「ねぇ、その倒れた生徒は今、どうしてるの?」
「病院で入院してるって、聞いている」
「今回の件に似てるし。流石に警察が動くでしょ?」
「うん。それで急遽。薬物乱用防止教室が開催されたってわけなの」
「気になる事だらけ」
燐はこめかみを人差し指でぐりぐりしながら、考えを張り巡らせる。
「それに今回の件はうちの学校だけじゃないの。近くの都立高校でも同じ事が」
「最悪な状況ってわけか・・・・・・ 分かった。あたしに任せて」燐は成美の背中をバンッと叩く。
「燐ちゃん、一人で大丈夫なの?」
「私を誰だと思っているの? とっても可愛くて頭のキレる女子高生名探偵の羅猛燐よ!!」
自分で言うかね? みたいな顔で成美は胸をドンッと叩く燐を見る。
「じゃ、捜査に行ってきまぁ~す!!」
燐は保健室を出て、保健室に戻ってくる途中の養護教諭と出くわす。
「あ、先生。今の子、どこの病院行ったか分かります?」
「多分、この近くの大学病院だと思うけど・・・・・・ どうかしたの?」
「いえ、気になっただけなんで。深い意味なんかないですよ。あはははははは」
愛想笑いで誤魔化す燐は教室から自身のバックを取りに行ってから、担ぎ込まれた大学病院へと向かった。
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