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第参拾伍話-都市
都市-3
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「これから、捜査会議を始める」
今回の丁場を取り仕切る内藤管理官が刑事達に号令を出す。
「では、最初に事件の概要から」
「はい。事件は二日前の夜、湯島天神内の通りで起きました。被害者は合歓 粋巳さん。55歳。職業は近所の医療器具メーカーに勤めるサラリーマンです」モブ刑事Aが報告する。
「次に、被害者の死因について」
「はい。被害者は心臓を一突き、されたことによる失血死でした。これまで発生した9件の事件と同様の手口です」とモブ刑事Bが発言すると長四郎は「9件も事件が起きているんすか?」と小声で一川警部に質問する。
「そうばい。ここは連続殺人事件の捜査本部と」
「いつからの事件なんですか?」長四郎は質問を続ける。
「三週間前ぐらい」
「三週間前か・・・・・・」長四郎はそう呟き捜査資料に目を落とす。
「でも、ニュースで流してないじゃないですか」燐は小声ではなく普段通りのトーンで質問する。
「報道規制をしとうと」
「報道規制? なんで?」
「そこ、うるさいぞ!!」内藤管理官に怒鳴られ「すいませぇ~ん」と若者特有の反省してまぁ~すの適当な言いまわしの謝罪する。
「というより、見かけない顔だが誰だ!」
「あ、バレちゃった・・・・・・」燐は申し訳ないように長四郎を見る。
こっそりと侵入していたのがバレてしまい、長四郎は観念したかのように席を立つ。
「どこに行くのよ」燐はすぐに後を追いかける。
「おい、貴様、何者だ!」
出て行こうとする長四郎を呼び止める内藤管理官に「通りすがりの探偵でぇ~す」とだけ答え出ていった。
「ねぇ、出てきちゃって良いの?」
「良いんじゃね?」
長四郎は適当に返事をして、一人つかつかと廊下を歩いていく。
翌日、長四郎は一人、事件現場へと出向いていた。
昨晩は夜だったので、昼間に来てみるとまた違った見方ができるので再度、訪れていた。
「ふ~む」
立ち入り禁止テープの向こう側から捜査資料を片手に長四郎は事件現場の観察を行う。
「被害者は医療関係か・・・・・・」
「あ、居た!」
長四郎は咄嗟に捜査資料で顔を隠す。が、燐はそれを引きはがして長四郎をギッと睨み付ける。
「怖い顔するなよ・・・・・・」
「私を置いて行くからこういう顔をするの」
「左様でございますね。申し訳ない」と形だけの謝罪をする長四郎。
「分かれば良いのよ。で、何か分かった?」
「分かりましぇん」
「そう言うと思って、絢さぁ~ん」
燐は一川警部の部下、絢巡査長を呼ぶ。
「呼んだ?」とひょっこり姿を現す絢巡査長。
「絢さん。こいつをこの立ち入り禁止テープの向こう側へ連れていってあげてください」
「了解。さ、どうぞ」
立ち入り禁止テープを持ち上げ、長四郎を中に招き入れる。
「失礼しまぁ~す」長四郎はその中に入って、血だまりになっているところに足を向ける。
「相当な量だね」燐が最初に声を出した。
「ああ、心臓を一突きだからな」
「でも、紘一君は血がどうのとか言ってなかったよね」
「暗い夜道だ気づかないのも無理はないが。気になるのはこれだ」
捜査資料の被害者の写真であった。被害者の顔は引きつっていた。
「引きつっているね」
「それなんですけどね。9件の事件の被害者も同様に顔が引きつっているんです」
「絢ちゃん。そういうことはもう少し早く言ってよ」
「いや、聞かないあんたが悪いでしょ」
「そうなの?」絢巡査長に問うと「はい」と答える。
「なんか、ごめん」
「謝る前になんで、被害者の顔が引きつっているんだろう?」
「そら、殺されるんだから、顔も引きつるだろ?」
「そうなのかなぁ~」燐は不服そうに答える。
「気になる?」
「気になる!」
「よしっ、じゃあ、この意味から調べよう。という事で、絢ちゃん。9件の事件資料見せて」
「了解です!!」
自分の意見が通った事で燐は少し嬉しくなるのだった。
今回の丁場を取り仕切る内藤管理官が刑事達に号令を出す。
「では、最初に事件の概要から」
「はい。事件は二日前の夜、湯島天神内の通りで起きました。被害者は合歓 粋巳さん。55歳。職業は近所の医療器具メーカーに勤めるサラリーマンです」モブ刑事Aが報告する。
「次に、被害者の死因について」
「はい。被害者は心臓を一突き、されたことによる失血死でした。これまで発生した9件の事件と同様の手口です」とモブ刑事Bが発言すると長四郎は「9件も事件が起きているんすか?」と小声で一川警部に質問する。
「そうばい。ここは連続殺人事件の捜査本部と」
「いつからの事件なんですか?」長四郎は質問を続ける。
「三週間前ぐらい」
「三週間前か・・・・・・」長四郎はそう呟き捜査資料に目を落とす。
「でも、ニュースで流してないじゃないですか」燐は小声ではなく普段通りのトーンで質問する。
「報道規制をしとうと」
「報道規制? なんで?」
「そこ、うるさいぞ!!」内藤管理官に怒鳴られ「すいませぇ~ん」と若者特有の反省してまぁ~すの適当な言いまわしの謝罪する。
「というより、見かけない顔だが誰だ!」
「あ、バレちゃった・・・・・・」燐は申し訳ないように長四郎を見る。
こっそりと侵入していたのがバレてしまい、長四郎は観念したかのように席を立つ。
「どこに行くのよ」燐はすぐに後を追いかける。
「おい、貴様、何者だ!」
出て行こうとする長四郎を呼び止める内藤管理官に「通りすがりの探偵でぇ~す」とだけ答え出ていった。
「ねぇ、出てきちゃって良いの?」
「良いんじゃね?」
長四郎は適当に返事をして、一人つかつかと廊下を歩いていく。
翌日、長四郎は一人、事件現場へと出向いていた。
昨晩は夜だったので、昼間に来てみるとまた違った見方ができるので再度、訪れていた。
「ふ~む」
立ち入り禁止テープの向こう側から捜査資料を片手に長四郎は事件現場の観察を行う。
「被害者は医療関係か・・・・・・」
「あ、居た!」
長四郎は咄嗟に捜査資料で顔を隠す。が、燐はそれを引きはがして長四郎をギッと睨み付ける。
「怖い顔するなよ・・・・・・」
「私を置いて行くからこういう顔をするの」
「左様でございますね。申し訳ない」と形だけの謝罪をする長四郎。
「分かれば良いのよ。で、何か分かった?」
「分かりましぇん」
「そう言うと思って、絢さぁ~ん」
燐は一川警部の部下、絢巡査長を呼ぶ。
「呼んだ?」とひょっこり姿を現す絢巡査長。
「絢さん。こいつをこの立ち入り禁止テープの向こう側へ連れていってあげてください」
「了解。さ、どうぞ」
立ち入り禁止テープを持ち上げ、長四郎を中に招き入れる。
「失礼しまぁ~す」長四郎はその中に入って、血だまりになっているところに足を向ける。
「相当な量だね」燐が最初に声を出した。
「ああ、心臓を一突きだからな」
「でも、紘一君は血がどうのとか言ってなかったよね」
「暗い夜道だ気づかないのも無理はないが。気になるのはこれだ」
捜査資料の被害者の写真であった。被害者の顔は引きつっていた。
「引きつっているね」
「それなんですけどね。9件の事件の被害者も同様に顔が引きつっているんです」
「絢ちゃん。そういうことはもう少し早く言ってよ」
「いや、聞かないあんたが悪いでしょ」
「そうなの?」絢巡査長に問うと「はい」と答える。
「なんか、ごめん」
「謝る前になんで、被害者の顔が引きつっているんだろう?」
「そら、殺されるんだから、顔も引きつるだろ?」
「そうなのかなぁ~」燐は不服そうに答える。
「気になる?」
「気になる!」
「よしっ、じゃあ、この意味から調べよう。という事で、絢ちゃん。9件の事件資料見せて」
「了解です!!」
自分の意見が通った事で燐は少し嬉しくなるのだった。
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