探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第参拾伍話-都市

都市-6

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「で、私の推理が認められて犯人を探そうって事になったんです!!」

 燐は一川警部達に自身の推理を披露すると共に、これからの捜査方針について熱弁していた。

「成程。流石はラモちゃん。すごかぁ~」

「うん、その推理通りだと思う」

 一川警部と絢巡査長は燐の推理に感心し、拍手を送る。

「それで、犯人。とっ捕まえましょう!!」

「はい。ちょっと、待って!!」一川警部が制す。

「一川さん。なんで止めるんですかぁ~」

「いやね、犯人像は掴んだけど。そいつがどこのどいつで、かつ、いつ犯行をするのか。それが分からんとこっちも手の出しようがなかばい」

「確かに」と納得する絢巡査長。

「そ、それは・・・・・・」

「でも、手をこまねいている訳にはいきませんし。犯人が身内だとしたら大っぴらには出来ないですよ」

「いや、待ってください。勤務表。勤務表ですっ!! この署の近くの交番勤務警察官の。それがあれば私でも犯人が分かるかもっ!!」

 燐のこの進言が受け入れられて、早速、勤務表が取り寄せられた。

 三人は顔を突合せながら、この勤務表を隈なく精査する。

「事件の日全てで勤務していた警察官は・・・・・・ この人か」
 燐が指差すその先にある名前は、帆場 勲ほば いさお 。

「こいつが怪しいですね」

「今日は?」
 絢巡査長が今日の勤務表に視線を移すと、今日は勤務していた日であった。


「今日は、出勤しとうね」と一川警部が言う。

「こいつをマークしましょう」

「じゃあ、絢ちゃんとラモちゃんでこいつのマークをお願いできる?」

「一川さんは?」

「あたしはうるさい上のご意向をお聞きせにゃならんけん。ごめんね」

 このおっさんはか弱い女子二人に通り魔の相手をしろ。そう言いたいのか。燐と絢巡査長はすぐ様ツッコミたくなったがここはグッと我慢して、帆場の所へと向かうことにした。

 帆場が勤務する交番は、署から然程遠くなく徒歩20分の所にあった。

「ラモちゃん。今回はマジで危ないから、いざとなったら逃げるんだよ」という絢巡査長の発言を胸に燐は帆場の居る交番の近くへときた。

「ここから、どうします。接触します?」

「いや、迂闊に手を出すと痛い目見るかもだから様子見でいこう」

「はい。分かりました」

 二人は気づかれない位置から交番で勤務する帆場の様子を伺う。

 一時間後、定期巡回の時間が来たのか。帆場は交番を出た。

「行こう」

「はい」
 女子二人は尾行を開始する。

 帆場を尾行してはいるが、そんなに怪しい動きがなかった。

「動かないですね・・・・・・」そう言う燐に絢巡査長は「ラモちゃん。今、何時」と質問する。

「今ですか? 15時45分です」

「多分。今日は、通り魔しないと思う」

「どうしてですか?」

「思い出して、通り魔が狙う人物を」

「え~っと、あ、サラリーマン」

「惜しいっ!」

「惜しい? あ、ごめんなさい。帰宅途中のサラリーマンとか」

「そう皆が帰宅途中に襲われているし。しかも、これまでの犯行通りに行けば子供は襲わない」

「確かに、下校中の小学生や中学生が襲われたって記録はないですしね」

「多分だけど、子供が相手だと警察も本気を出すから。大人をターゲットにしているんだと思う」

「絢さん。今回物凄い推理を働かせますね」

「そう言うラモちゃんだって」

「そうですね」

「この推理が正しければ、あの男は今日は犯行を犯さない」

「どうします?」

「作戦を建てよう」

「作戦ですか?」

「ええ、作戦」

 そう言う絢巡査長の目の奥には怒りの炎が燃えていた。
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