探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第参拾伍話-都市

都市-8

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「なぁ~んで、飲んでるのかなぁ~」

 燐はちくりと目の前に居る長四郎に嫌味を言う。

「なぁ~んで、手伝わなければいけないのかなぁ~」

 長四郎は嫌味に嫌味で返す。

「事件解決の為よ」

「事件解決ね・・・・・・」

 結局、俺の知恵を借りるのか、長四郎はそう言いたげな顔をする。

「俺の知恵を借りるのか。って顔すんなよ」

「バレたかぁ~」

「あんたのお知恵はお借りしないんだよ。力を貸して欲しいの」

「力ね・・・・・・」

「犯人のDNAと一致したよ」絢巡査長が部屋に入ってきた。

「何したの?」と長四郎が質問すると「何にもしてないよ」と燐は答えるのだった。

 三人は警視庁が所有する寮へと向かった。

 ドアをトントンっとノックすると、中から帆場が出てきた。

「あ、君は・・・・・・」燐の顔を見て帆場は昼間に来た小娘だと気が付いた。

「昼間はどうも」

 燐はそう言って、帆場を押しのけて自室へと入る。それに続いて入る長四郎と絢巡査長の二人。

「な、何なんですか!?」

「何なんでしょう? 通り魔さん」長四郎がいきなり不躾な事を言う。

「通り魔? 何の事です?」

 とぼける帆場に対して、燐は長四郎に余計な事を言うんじゃないみたいな顔をする。

「ごめぇ~ん」と長四郎はすぐに謝る。

「何がごめんなんですか? あなた方は誰なんです? 今すぐ、人を呼びますよ」

「まぁ、そう言わないでくださいよ。帆場さん」

 どうやら、燐がここを取り仕切るらしいので、大人二人は燐の語りに耳を傾けることにした。

「因みに、当てずっぽうであなたの事を通り魔だ。って、言っている訳ではないんですよ。確証があって、言っていますから」

「確証があるからって何を言ってもいい訳ではありませんよ」

「その通りだ」長四郎が納得すると燐にギッと睨まれるので口のチャックをする。

「ここ数日、文京区内で起きた通り魔事件には共通点があります」

「共通点?」

「まず最初の共通点は、発生地域です。全部の事件が文京区内で発生しています。第二の共通点は凶器です。凶器は全てサバイバルナイフ。そして、これが確証です。第三の共通点は、帆場さんが夜勤をしているその日に事件が起きているんです」

「偶然でしょ?」

「偶然ですかね? そうは思えないんですよ。だって、この事件は土地勘のある人間でしかなしえないんですから」

「それが私である理由にはならないかと」

「それもそうだ」また長四郎は失言をする。

「あんたは黙ってて」

「はい」今度こそ長四郎はお口をチャックする。

「でも、犯人は土地勘があり、しかも警察のローラー作戦をかいくぐれる人間。それは警察関係者じゃないと無理なんですよ」

「でも、私じゃなくても良い訳だ。警察無線を傍受できる一般人でも良い訳ですから」

「ここで、確証パート2を出します。絢さん」

 絢巡査長はハンドバックからポリ袋に入ったピンクの長財布を出した。

「それは、君が落としたはずの財布だよね?」

「ええ」

「それが何の証拠になるんですか?」

「これについていた皮膚片から採取したDNAと被害者に付着していた皮膚片のDNAと一致しました。そら、前科者のDNAと合致しないはずです。だって、犯人は身内なんですから」

「はぁ~ 皮膚片を残していたとはなぁ~」悔しがる帆場。

 斯くして、帆場は緊急逮捕されたのだった。
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