探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第参拾漆話-試練

試練-7

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 40階に高橋、庵野、帝都の三人を残して、長四郎達は20階へと場所を移した。

「リリちゃんは上に残っても良かったのに」長四郎がそう言うと「ノリかかった舟じゃないですか。降りるなんて勿体無いですよ」と答えるリリに燐と馬が会うわけだと思った。

「ねぇ、これかなぁ~」

 フロアの中央に置かれたデカい時計がついた円筒の筒を見ながら、燐は触ろうとする。

「触っちゃダメだ!!!」長四郎が怒鳴る。

「もうっ! びっくりするから。怒鳴らないでよ」

「でも、探偵さんにの言う通りでさ、爆弾は無闇に触るもんじゃないのよ」

「リリちゃんは爆弾のプロか何か?」長四郎が問うと「えへへへ」と照れるリリであった。

「えへへじゃなくて、何とかしないと!」

「まぁ、落ち着けよ。ラモちゃん」

「この状況で落ち着けっていう方が無理でしょう」

「そらそうだ」と燐に納得するリリ。

“探偵さん、悲報です”

「佐藤田さん、どうしたんですか?」

“捕まえた男は爆弾の解除方法が分からんそうです”

「マジで!?」燐が一番驚いてみせる。

“長さん。今、犯人を締め上げて爆弾を作った人間を聞き出しているところです”

 そう告げる絢巡査長の横では、大谷巡査が犯人の男を締め上げていた。

「絢ちゃん、締め上げたって多分、見つかるまで時間がかかるから爆弾処理班の人に繋いでもらえる?」と依頼をする長四郎に絢巡査長は“分かりました”と本部があるテントへと向かった。

「佐藤田さん」

“はいはい”と返答する佐藤田警部補。

「制限時間はどのくらいか、聞き出してもらえませんか?」

“ちょっと、お待よ”と言って、マイクのスイッチを切った佐藤田警部補は男に向かって
「爆弾はあと何分で爆発するんだい?」と尋ねた。

「さぁ?」

「おい! 貴様、良いから答えんか!!」大谷巡査は男を再び締め上げる。

「く、苦しい!!」

「吐けぇぇぇ!!」
 そう言って、問い詰める大谷巡査の肩をポンポンっと叩いて、「そんなんじゃ聞き出せないよ」と注意する。

「し、しかし!」

 佐藤田警部補は眉を動かさずに大谷巡査をじっと見つめ、その気迫に負けた大谷巡査は手を緩める。

「ゲホッゲホッ」むせる男に「で、どう? 言う気になった?」と尋ねる佐藤田警部補。

「言う気になんかなるか!!」男はそう答えた。

「ああ、そう。じゃあ、仕方ない。大谷君、もう一度やって上げて」

 先程、言っていた事とは真逆のことを言う佐藤田警部補に戸惑いながら大谷巡査は再び男の襟を掴む。

「わ、分かった。喋るから、喋るからやめてくれ!!」と懇願する男。

「じゃ、教えてくれるね」と言う佐藤田警部補にコクリと頷いてから男は口を開いた。

「今から丁度、一時間後に爆発します」そう男が答えると、佐藤田警部補はマイクのスイッチを入れる。

“探偵さん、今から丁度、一時間後に爆発するって”

「一時間後ですか・・・・・・ その間にこのビルのロックを解除できませんか?」と長四郎は質問する。

“どうなの? ”と佐藤田警部補は男に尋ねると、「爆弾を解除しない限り、無理だ」と答えた。

「ぬわんだとぉぉぉぉ!!! 今すぐ、解除しろぉ!!!」大谷巡査が再び男を締め上げる。

「大谷君、大谷君。落ちちゃってるから」そう言われ男に目を向けると、白目を向いて倒れていた。

「な、軟弱な・・・・・・」と大谷巡査は素知らぬふりをする。

“という訳なんで、そっちで何とかしてもらうしかありません”

「そっちで何とかしろって・・・・・・」
 燐は憤慨している横で長四郎は爆弾解除のための道具を探す。

「探偵さん、これじゃないですかね?」

 リリが女子トイレに置いてあった工具箱を持って届けにきた。

「ありがとう。これで、解除できる」

“長さん、爆弾処理班の人は15分後に到着します”

「絢ちゃん、ありがとう。じゃ、15分の間に出来ることしますか!!」

 長四郎は工具箱を開けて、爆弾処理を始めるのだった。
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