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第壱話-開始
開始-7
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誠は新三に指摘された事を調べる為、都内のキャリーケースを販売させる会社を巡っていた。
まず、被害者が関わっていたという業界シェア2位の同業他社の担当、小熊から聞き込みを開始した。
「え? グンギロの担当さんがウチの営業妨害をですか?」
「はい。御社ではなくとも他社の営業から聞いたとかそういったことはありませんか?」
「いえ、そのような事は・・・・・・・」
「では、質問を変えます。被害者の大隈さんの印象についてお伺いしたいです」
「大隈さんですか。残念な話です。あれだけ優秀な営業マンは見たことがありませんでしたから」
「ほう」興味深そうにメモを取る誠。
「最初にウチを訪れたのは二か月前で、大隈さんが売り込みたいという商品の科学的調査をして欲しい。その依頼でした」
「それを快く引き受けた?」
「いいえ、とんでもない。追い返そうとしたんですけどね。彼はパスポートを見せてきたんですよ」
「パスポートですか?」
「そうなんです。刑事さんは知っていますか? 空港で預けた荷物が積み込みの際にかなり雑に扱われるのを」
「知りませんでした」
「特に海外はそれが酷いんですよ。で、手荷物受け取り場から出てきたキャリーケースが傷つきボコボコに凹んでいるなんて言うのはザラなんです」
「へぇ~」自分の知らない話を聞かされた誠は感嘆の声をあげる。
「大隈さんが周っていた国々は特に雑に扱うとされる国ばかりでした。それで持参していたキャリーケースは傷一つなく凹んでいるということはありませんでした」
「凄いですね」
「はい。私も本当か気になりまして。後日、大隈さんに来て頂いて技術担当者に同席の上、キャリーケースを診てもらったんです。
担当者は驚いてましたね。その技術力に」
エンジンがかかってきた小熊は話を続ける。
「大隈さんはそれだけでなくダンぺさんとの共同開発の話まで持ち込んでくれた次第で」
「それは御社としてもプラスなお話ですね」
「そうなんです。ですが、窓口の大隈さんを失った今では・・・・・・・」
大隈は下を向き、残念がる表情を見せる。
「すいません。辛いお話をさせてしまって申し訳ありません」
「いえ、そんな事は・・・・・・二か月という短い間でしたが、大隈さんとは親しくさせて頂いたので残念です」
誠は小熊のその様子を見て、必ず事件を解決しようそう心に誓う。
それから小熊が知る限りの同業他社の営業を紹介してもらい、会社を後にした。
誠が小熊と聞き込みを行っている頃、新三と愛子は真希を尾行していた。
愛子はいつもより神経を張り詰めさせながら尾行をしていた。
その理由は新三が尾行をまともに出来ず、直ぐに対象者に見つかってしまうからだ。
「お腹、減ったね」そう愛子に話しかける新三。
「そうですね」
真希を見逃さないよう愛子は一生懸命に見張っているので、適当な返事をする。
「飯ィィィィィィィ!!!」新三は大声でいきなり叫ぶ。
新三の絶叫が聞こえた方を真希は振り向いて見るのだが、そこには誰もいなかった。
真希は首を傾げ、前方に視線を戻して歩き始めた。
「ふぅ~」安堵の溜息を吐いた愛子は新三の服の襟を掴んで揺さぶる。
愛子の咄嗟の機転で、近くに置いてあった居酒屋の看板の裏にしゃがんだ事によって上手く姿を隠せた。
「どういうつもりですか!!」
「Wait! Wait!!」必死で愛子を宥めようとする新三だが、愛子の怒りは収まる気配がない。
「もう少しでバレるところだったじゃないですか!」
「そんなことより、こんなことしている間に逃げられるよ」
「チっ!!」大きく舌打ちをした愛子は新三を突き放して真希が居た方に視線を向けるとそこに真希の姿はなかった。
「あ~もうっ!!! 小永さんのせいで逃げられたじゃないですか!!」
「ふっ」鼻を大きく鳴らし新三はドヤ顔になりこう告げる。
「バディとしてはまだまだ、だな」
その言葉にカチンときた愛子。
言い終えた瞬間、新三の臀部に大きな回し蹴りを叩きつける。
パァ~ンっと渇いた音が閑静な道路に響き渡った。新三の悲鳴と共に。
悶絶する新三を他所に尾行を続行しようとする愛子の元に誠からメッセージが入った。
至急、会って話したいと。
30分後、新三達の近くにあったファミレスで誠と落ち合う事になった。
新三が昼飯のステーキセット300gを注文して待っていると誠が姿を現した。
「どうも、お待たせしました」
「いえいえ、待っているのは誠っちじゃなくてステーキセットだから」
「そうですか。それより、深見さんの姿が見えませんが」
「ああ、愛子ちゃんはうんち」
「失礼な事言わないでください。お食事をしている方もいるんですから」
このアホ先輩はデリカシーという概念がないのか、愛子は心の中で呟くと席に着いた。
だが男二人、話を切り出すわけでもなく愛子をじっと見る。
愛子も少しドキドキする。
イケメン刑事の誠にまじまじと顔を見られているのだから。
「な、なぁ。さっきの顔と偉い違うけどどうした?」
「どうもしませんけど」
愛子はトイレで化粧直しをしていた。
勿論、誠に良い顔で見てもらいたいからだ。
しかし、新三と誠に映る愛子の顔はケバイと言うより仮面ライダーでいう所の旧本郷ライダーに登場するショッカー戦闘員の様な顔だ。
分からないという読者の方は、2023年3月公開予定のシン・仮面ライダーに備える為にもYou Tubeで仮面ライダー第一話を視聴する事をお勧めします。
これはYou Tuber界の神がお得意とするステルスマーケティング略して、ステマではありませんので悪しからず。By 作者。
それでは、本編に戻りましょう。
「では、本題に」誠は愛子の化粧に触れようとはせず、事件の話をしようとする。
「待て待て、どうしてツッコまないの? 誠っちは?」
「それは・・・・・・・・・」愛子の顔を見て答えに困る誠。
「小永さん、何をツッコむ事があるんですか? 事件の話をしましょうよ」
「何をツッコむってそりゃ愛子ちゃんの顔でしょ。ねぇ、誠っち」
「いや、それは・・・・・・・・」誠は苦笑いを浮かべて誤魔化す。
「私の顔が美しいからって嫉妬しないでください! それで、私達を呼び出した理由は何です?」
愛子のその言葉に爆笑しそうになるのを必死に堪えながら誠は用件を伝える。
「お呼びしたのは、凶器が発見されました事を伝える為です」
それだけで呼び出したわけではないと思う愛子は内容を掘り下げる。
「それだけで私達を呼んだわけではないですよね?」
「はい。発見された場所と言うのが、真希の弁護をする西岡弁護士の事務所近くのゴミ捨て場から発見されました」
「でも、犯人は真希ですよね?」
「はい。それをいつ、捨てたのか? それさえ分かれば彼を追い込むことが出来るのですが・・・・・・・・」
「つまり、誠っちはどういう風に自供させれば良いか? 知恵を貸せと?」
「その通りです」
「あっちの方はどうなの?」
「今、他の捜査員が聞き込みに回っています」
「俺はそっちから攻めた方が確実だと思うけどね」
「凶器を持っていたという事実があれば、真希を追い詰めれるじゃないですか?」
「愛子ちゃん、そうは問屋が卸さないよ。いいか? 凶器を誰かに持たされてました。
怖くなって捨てました。そう言われたらどうする?」
「しらばっくれんなで、問い詰めます」
「面白いね。それ」
「私は真面目に答えているんです!!」
「真面目ねぇ~」
「そんな事より、どうすれば?」
「う~ん」新三は一休さんが頓智を聞かせる際に行うルーティンをし始める。
ぽくっ! ぽく! チーン!!!!
「分からん!!!」
新三のその言葉と同時に、店員が新三の注文した商品を持ってきた。
「ご注文のステーキセットです。熱いのでお気を付けください」
そう言い、新三の前にステーキセットを置き引っ込んでいった。
「食べている場合ですか? 早く事件解決しないと!」
誠は小熊のあの姿が脳裏に浮かび思わず語気が強くなる。
「餅つけって、誠っち。腹減ってんだろ。これでも食べなさい!」
新三は誠の口にステーキの切れ端をほおりこむ。
「にや、ほぅ、ほぅ。おにゃがしゃん、ことょにゃ、一刻を争うんでしゅよ」
「じゃあ、これ食ったらその弁護士の所に行こう」
「何故、ですか?」と愛子が聞く。
「それは秘密」
新三は美味そうにステーキを口の中に入れた。
まず、被害者が関わっていたという業界シェア2位の同業他社の担当、小熊から聞き込みを開始した。
「え? グンギロの担当さんがウチの営業妨害をですか?」
「はい。御社ではなくとも他社の営業から聞いたとかそういったことはありませんか?」
「いえ、そのような事は・・・・・・・」
「では、質問を変えます。被害者の大隈さんの印象についてお伺いしたいです」
「大隈さんですか。残念な話です。あれだけ優秀な営業マンは見たことがありませんでしたから」
「ほう」興味深そうにメモを取る誠。
「最初にウチを訪れたのは二か月前で、大隈さんが売り込みたいという商品の科学的調査をして欲しい。その依頼でした」
「それを快く引き受けた?」
「いいえ、とんでもない。追い返そうとしたんですけどね。彼はパスポートを見せてきたんですよ」
「パスポートですか?」
「そうなんです。刑事さんは知っていますか? 空港で預けた荷物が積み込みの際にかなり雑に扱われるのを」
「知りませんでした」
「特に海外はそれが酷いんですよ。で、手荷物受け取り場から出てきたキャリーケースが傷つきボコボコに凹んでいるなんて言うのはザラなんです」
「へぇ~」自分の知らない話を聞かされた誠は感嘆の声をあげる。
「大隈さんが周っていた国々は特に雑に扱うとされる国ばかりでした。それで持参していたキャリーケースは傷一つなく凹んでいるということはありませんでした」
「凄いですね」
「はい。私も本当か気になりまして。後日、大隈さんに来て頂いて技術担当者に同席の上、キャリーケースを診てもらったんです。
担当者は驚いてましたね。その技術力に」
エンジンがかかってきた小熊は話を続ける。
「大隈さんはそれだけでなくダンぺさんとの共同開発の話まで持ち込んでくれた次第で」
「それは御社としてもプラスなお話ですね」
「そうなんです。ですが、窓口の大隈さんを失った今では・・・・・・・」
大隈は下を向き、残念がる表情を見せる。
「すいません。辛いお話をさせてしまって申し訳ありません」
「いえ、そんな事は・・・・・・二か月という短い間でしたが、大隈さんとは親しくさせて頂いたので残念です」
誠は小熊のその様子を見て、必ず事件を解決しようそう心に誓う。
それから小熊が知る限りの同業他社の営業を紹介してもらい、会社を後にした。
誠が小熊と聞き込みを行っている頃、新三と愛子は真希を尾行していた。
愛子はいつもより神経を張り詰めさせながら尾行をしていた。
その理由は新三が尾行をまともに出来ず、直ぐに対象者に見つかってしまうからだ。
「お腹、減ったね」そう愛子に話しかける新三。
「そうですね」
真希を見逃さないよう愛子は一生懸命に見張っているので、適当な返事をする。
「飯ィィィィィィィ!!!」新三は大声でいきなり叫ぶ。
新三の絶叫が聞こえた方を真希は振り向いて見るのだが、そこには誰もいなかった。
真希は首を傾げ、前方に視線を戻して歩き始めた。
「ふぅ~」安堵の溜息を吐いた愛子は新三の服の襟を掴んで揺さぶる。
愛子の咄嗟の機転で、近くに置いてあった居酒屋の看板の裏にしゃがんだ事によって上手く姿を隠せた。
「どういうつもりですか!!」
「Wait! Wait!!」必死で愛子を宥めようとする新三だが、愛子の怒りは収まる気配がない。
「もう少しでバレるところだったじゃないですか!」
「そんなことより、こんなことしている間に逃げられるよ」
「チっ!!」大きく舌打ちをした愛子は新三を突き放して真希が居た方に視線を向けるとそこに真希の姿はなかった。
「あ~もうっ!!! 小永さんのせいで逃げられたじゃないですか!!」
「ふっ」鼻を大きく鳴らし新三はドヤ顔になりこう告げる。
「バディとしてはまだまだ、だな」
その言葉にカチンときた愛子。
言い終えた瞬間、新三の臀部に大きな回し蹴りを叩きつける。
パァ~ンっと渇いた音が閑静な道路に響き渡った。新三の悲鳴と共に。
悶絶する新三を他所に尾行を続行しようとする愛子の元に誠からメッセージが入った。
至急、会って話したいと。
30分後、新三達の近くにあったファミレスで誠と落ち合う事になった。
新三が昼飯のステーキセット300gを注文して待っていると誠が姿を現した。
「どうも、お待たせしました」
「いえいえ、待っているのは誠っちじゃなくてステーキセットだから」
「そうですか。それより、深見さんの姿が見えませんが」
「ああ、愛子ちゃんはうんち」
「失礼な事言わないでください。お食事をしている方もいるんですから」
このアホ先輩はデリカシーという概念がないのか、愛子は心の中で呟くと席に着いた。
だが男二人、話を切り出すわけでもなく愛子をじっと見る。
愛子も少しドキドキする。
イケメン刑事の誠にまじまじと顔を見られているのだから。
「な、なぁ。さっきの顔と偉い違うけどどうした?」
「どうもしませんけど」
愛子はトイレで化粧直しをしていた。
勿論、誠に良い顔で見てもらいたいからだ。
しかし、新三と誠に映る愛子の顔はケバイと言うより仮面ライダーでいう所の旧本郷ライダーに登場するショッカー戦闘員の様な顔だ。
分からないという読者の方は、2023年3月公開予定のシン・仮面ライダーに備える為にもYou Tubeで仮面ライダー第一話を視聴する事をお勧めします。
これはYou Tuber界の神がお得意とするステルスマーケティング略して、ステマではありませんので悪しからず。By 作者。
それでは、本編に戻りましょう。
「では、本題に」誠は愛子の化粧に触れようとはせず、事件の話をしようとする。
「待て待て、どうしてツッコまないの? 誠っちは?」
「それは・・・・・・・・・」愛子の顔を見て答えに困る誠。
「小永さん、何をツッコむ事があるんですか? 事件の話をしましょうよ」
「何をツッコむってそりゃ愛子ちゃんの顔でしょ。ねぇ、誠っち」
「いや、それは・・・・・・・・」誠は苦笑いを浮かべて誤魔化す。
「私の顔が美しいからって嫉妬しないでください! それで、私達を呼び出した理由は何です?」
愛子のその言葉に爆笑しそうになるのを必死に堪えながら誠は用件を伝える。
「お呼びしたのは、凶器が発見されました事を伝える為です」
それだけで呼び出したわけではないと思う愛子は内容を掘り下げる。
「それだけで私達を呼んだわけではないですよね?」
「はい。発見された場所と言うのが、真希の弁護をする西岡弁護士の事務所近くのゴミ捨て場から発見されました」
「でも、犯人は真希ですよね?」
「はい。それをいつ、捨てたのか? それさえ分かれば彼を追い込むことが出来るのですが・・・・・・・・」
「つまり、誠っちはどういう風に自供させれば良いか? 知恵を貸せと?」
「その通りです」
「あっちの方はどうなの?」
「今、他の捜査員が聞き込みに回っています」
「俺はそっちから攻めた方が確実だと思うけどね」
「凶器を持っていたという事実があれば、真希を追い詰めれるじゃないですか?」
「愛子ちゃん、そうは問屋が卸さないよ。いいか? 凶器を誰かに持たされてました。
怖くなって捨てました。そう言われたらどうする?」
「しらばっくれんなで、問い詰めます」
「面白いね。それ」
「私は真面目に答えているんです!!」
「真面目ねぇ~」
「そんな事より、どうすれば?」
「う~ん」新三は一休さんが頓智を聞かせる際に行うルーティンをし始める。
ぽくっ! ぽく! チーン!!!!
「分からん!!!」
新三のその言葉と同時に、店員が新三の注文した商品を持ってきた。
「ご注文のステーキセットです。熱いのでお気を付けください」
そう言い、新三の前にステーキセットを置き引っ込んでいった。
「食べている場合ですか? 早く事件解決しないと!」
誠は小熊のあの姿が脳裏に浮かび思わず語気が強くなる。
「餅つけって、誠っち。腹減ってんだろ。これでも食べなさい!」
新三は誠の口にステーキの切れ端をほおりこむ。
「にや、ほぅ、ほぅ。おにゃがしゃん、ことょにゃ、一刻を争うんでしゅよ」
「じゃあ、これ食ったらその弁護士の所に行こう」
「何故、ですか?」と愛子が聞く。
「それは秘密」
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