Detectiveは宇宙人

飛鳥 進

文字の大きさ
15 / 27
第弐話-酸素

酸素-3

しおりを挟む
 事件現場は江東区にあるオフィスビルで起きた。
 被害者はこのビルに入っている企業に勤めるOLの疲 田代24歳の女性であった。
 新三と愛子は近くに犯人がいないか探しに行き、誠は所轄署刑事に事件発生時の状況等の説明を聞きにと二手に分かれて行動を開始した。
 10分後、三人は情報交換の為、近くの喫茶店で落ち合う事になった。
 入店し各々頼みたい品を注文し、誠からどういう状況で被害者は死んだのか早速、説明を受ける新三と愛子。
「被害者の疲 田代つかれ たよさんは毛諭育毛社に勤める只のOLです」
「只のOL」新三はそう呟きうつらうつらさせ睡眠モードへと突入にしようとしていると、隣席の愛子に膝を抓られる。
「痛たたたたたたた」と叫びながら目を覚ます新三を無視し、誠は話を続ける。
「被害者は共用部の廊下で倒れてました」そう言いながら事件現場の写真を表示したスマホを二人の前に出す。
「なんか、自然死といった感じですね」愛子は思った事をそのまま述べると新三も「うんうん」と適当に答える。
「いずれの事件もこの様な感じで事件性がないといった扱いになりそうなんです」誠はした唇を嚙み悔しがるのを見て愛子はこの事件を解決しないといけないと心に固く誓うのに対して、新三は大きなあくびをかいている。
「どうしましょう。私達もビル周辺を歩いて犯人を探したんですけど。見つからなくて・・・・・・」
「いえ、気にしないでください。事件発生から30分は経過していたので逃走されていても仕方ありません」という誠に「そう言って頂けると幸いです」愛子は頭を下げる。
 愛子と誠がそんな会話をしているのに、新三は窓からの景色をただ眺めているだけであった。
 すると新三は何かを身につけたのか、鼻の穴を大きく膨らませるのだがすぐに戻り「俺、行くわ」とだけ言い愛子の膝上を跨いで席を立ち一人、喫茶店を出た。
「どうしたんだろう?」愛子が首を傾げていると誠は目を開き新三の行動の趣旨に何か気づいたのか「深見さん、行きましょう!」そう言って机に一万円を置き、愛子の手を取り新三の後を追う。
 手を繋いだまま新三が通ったであろう道を走り捜索すると割と早く新三を見つけることができた。
「あっ、いた!!!」愛子は手を繋いでいる手で新三を指すと誠は愛子の手を握っていたことに気づいた。
「あっ、すいません!!!」慌てて手を放し、新三の方を見ると既にその姿はなかった。
 新三は今、一人の女性を追跡していた。
 この女性を窓の向こうから見ていた時、新三の中でビビビッと来るものがあった。
 とはいえ、この女性が犯人という感じではなかった。
 この胸のざわめきの正体を知る為、尾行していた。
 しかし、新三は忘れていたのだ。自身の尾行スキルのなさを。
 ひたすら女性に付いて行くと、交番に入っていった。新三は落とし物でもしたのか。そう思いながら電柱に身を隠し女性が出てくる所を待っていると交番から制服警官が出て来て何かを探すようにあたりを見回し、電柱に隠れている新三に近づいてきた。
「あの、ここで何を?」そう声をかけられた新三は「彼女を待ってます」とドヤ顔で答える。
「その彼女って、交番に入った女性?」そう聞かれ「うん、そう」と言ったと同時に手錠をかけられる。
 10分後、交番に愛子と誠が姿を現した。
「すいません! ウチの馬鹿がっ!!」非行少年を引き取りに来た母親のように制服警官に謝ると同時に新三の頭を叩き続ける。
 誠は新三が怪しい人物ではないことを女性と制服警官に説明し、なんとか誤解は解けた。
「帰りましょう」誠は交番の戸を開けて愛子に先に出るよう促す。
 愛子は新三の首根っこを掴み交番を出て振り返ると「ご迷惑をおかけしてすいませんでした」そう言って後にした。
「愛子ちゃん、放して! 放して!」ジタバタと暴れる新三を放さないようしっかりと握りしめている。
「それで小永さんはあの女性が犯人だと?」誠が聞くと「いや、違う」そう答える新三。
「違うんかいっ!!」愛子は新三を放すとバランスを崩し転倒する。
「痛いなぁ~ 愛子ちゃん。いきなり放すなよ」愛子はそんなのお構いなしに新三に説明を求める。
「あの女性は犯人じゃないんですか?」
「うん!!」愛子の質問に元気よく答える。
「では、どうしてあの女性をストーキングしていたんですか?」
「ストーキングって。誠っちさぁ、もうちょっと、言い方あるんじゃない?」
「申し訳ない。では何故、尾行を」
「う~ん。ビビビッときた、それだけかな。あんなの初めての体験だわ」
「え? 一目惚れ?」汚物を見るような目で新三を見る愛子。
「一目惚れなのかなぁ~ 何にせよ初めての感覚だったのよ」
『呆れた』愛子と誠は声を揃えて言い、互いの顔を見る。
「え、もしかして二人出来てるの?」愛子と誠を交互に指を指し、新三はニタニタと笑う。
『出来てませんっ!!!』すぐに否定する愛子と誠。
「ほら、息ピッタリ」新三のその言葉に二人は赤面する。
「じゃあ、お詫びに飯に行きましょう。費用は愛子ちゃんモチで」
「ふざけんな!」
 愛子の華麗なるビンタを顔面に浴びる新三であった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。 ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。 学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。 当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。 同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。 ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。 そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。 まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。  その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。 こうしてジュリーとの同居が決まった。

処理中です...