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第弐話-酸素
酸素-3
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事件現場は江東区にあるオフィスビルで起きた。
被害者はこのビルに入っている企業に勤めるOLの疲 田代24歳の女性であった。
新三と愛子は近くに犯人がいないか探しに行き、誠は所轄署刑事に事件発生時の状況等の説明を聞きにと二手に分かれて行動を開始した。
10分後、三人は情報交換の為、近くの喫茶店で落ち合う事になった。
入店し各々頼みたい品を注文し、誠からどういう状況で被害者は死んだのか早速、説明を受ける新三と愛子。
「被害者の疲 田代さんは毛諭育毛社に勤める只のOLです」
「只のOL」新三はそう呟きうつらうつらさせ睡眠モードへと突入にしようとしていると、隣席の愛子に膝を抓られる。
「痛たたたたたたた」と叫びながら目を覚ます新三を無視し、誠は話を続ける。
「被害者は共用部の廊下で倒れてました」そう言いながら事件現場の写真を表示したスマホを二人の前に出す。
「なんか、自然死といった感じですね」愛子は思った事をそのまま述べると新三も「うんうん」と適当に答える。
「いずれの事件もこの様な感じで事件性がないといった扱いになりそうなんです」誠はした唇を嚙み悔しがるのを見て愛子はこの事件を解決しないといけないと心に固く誓うのに対して、新三は大きなあくびをかいている。
「どうしましょう。私達もビル周辺を歩いて犯人を探したんですけど。見つからなくて・・・・・・」
「いえ、気にしないでください。事件発生から30分は経過していたので逃走されていても仕方ありません」という誠に「そう言って頂けると幸いです」愛子は頭を下げる。
愛子と誠がそんな会話をしているのに、新三は窓からの景色をただ眺めているだけであった。
すると新三は何かを身につけたのか、鼻の穴を大きく膨らませるのだがすぐに戻り「俺、行くわ」とだけ言い愛子の膝上を跨いで席を立ち一人、喫茶店を出た。
「どうしたんだろう?」愛子が首を傾げていると誠は目を開き新三の行動の趣旨に何か気づいたのか「深見さん、行きましょう!」そう言って机に一万円を置き、愛子の手を取り新三の後を追う。
手を繋いだまま新三が通ったであろう道を走り捜索すると割と早く新三を見つけることができた。
「あっ、いた!!!」愛子は手を繋いでいる手で新三を指すと誠は愛子の手を握っていたことに気づいた。
「あっ、すいません!!!」慌てて手を放し、新三の方を見ると既にその姿はなかった。
新三は今、一人の女性を追跡していた。
この女性を窓の向こうから見ていた時、新三の中でビビビッと来るものがあった。
とはいえ、この女性が犯人という感じではなかった。
この胸のざわめきの正体を知る為、尾行していた。
しかし、新三は忘れていたのだ。自身の尾行スキルのなさを。
ひたすら女性に付いて行くと、交番に入っていった。新三は落とし物でもしたのか。そう思いながら電柱に身を隠し女性が出てくる所を待っていると交番から制服警官が出て来て何かを探すようにあたりを見回し、電柱に隠れている新三に近づいてきた。
「あの、ここで何を?」そう声をかけられた新三は「彼女を待ってます」とドヤ顔で答える。
「その彼女って、交番に入った女性?」そう聞かれ「うん、そう」と言ったと同時に手錠をかけられる。
10分後、交番に愛子と誠が姿を現した。
「すいません! ウチの馬鹿がっ!!」非行少年を引き取りに来た母親のように制服警官に謝ると同時に新三の頭を叩き続ける。
誠は新三が怪しい人物ではないことを女性と制服警官に説明し、なんとか誤解は解けた。
「帰りましょう」誠は交番の戸を開けて愛子に先に出るよう促す。
愛子は新三の首根っこを掴み交番を出て振り返ると「ご迷惑をおかけしてすいませんでした」そう言って後にした。
「愛子ちゃん、放して! 放して!」ジタバタと暴れる新三を放さないようしっかりと握りしめている。
「それで小永さんはあの女性が犯人だと?」誠が聞くと「いや、違う」そう答える新三。
「違うんかいっ!!」愛子は新三を放すとバランスを崩し転倒する。
「痛いなぁ~ 愛子ちゃん。いきなり放すなよ」愛子はそんなのお構いなしに新三に説明を求める。
「あの女性は犯人じゃないんですか?」
「うん!!」愛子の質問に元気よく答える。
「では、どうしてあの女性をストーキングしていたんですか?」
「ストーキングって。誠っちさぁ、もうちょっと、言い方あるんじゃない?」
「申し訳ない。では何故、尾行を」
「う~ん。ビビビッときた、それだけかな。あんなの初めての体験だわ」
「え? 一目惚れ?」汚物を見るような目で新三を見る愛子。
「一目惚れなのかなぁ~ 何にせよ初めての感覚だったのよ」
『呆れた』愛子と誠は声を揃えて言い、互いの顔を見る。
「え、もしかして二人出来てるの?」愛子と誠を交互に指を指し、新三はニタニタと笑う。
『出来てませんっ!!!』すぐに否定する愛子と誠。
「ほら、息ピッタリ」新三のその言葉に二人は赤面する。
「じゃあ、お詫びに飯に行きましょう。費用は愛子ちゃんモチで」
「ふざけんな!」
愛子の華麗なるビンタを顔面に浴びる新三であった。
被害者はこのビルに入っている企業に勤めるOLの疲 田代24歳の女性であった。
新三と愛子は近くに犯人がいないか探しに行き、誠は所轄署刑事に事件発生時の状況等の説明を聞きにと二手に分かれて行動を開始した。
10分後、三人は情報交換の為、近くの喫茶店で落ち合う事になった。
入店し各々頼みたい品を注文し、誠からどういう状況で被害者は死んだのか早速、説明を受ける新三と愛子。
「被害者の疲 田代さんは毛諭育毛社に勤める只のOLです」
「只のOL」新三はそう呟きうつらうつらさせ睡眠モードへと突入にしようとしていると、隣席の愛子に膝を抓られる。
「痛たたたたたたた」と叫びながら目を覚ます新三を無視し、誠は話を続ける。
「被害者は共用部の廊下で倒れてました」そう言いながら事件現場の写真を表示したスマホを二人の前に出す。
「なんか、自然死といった感じですね」愛子は思った事をそのまま述べると新三も「うんうん」と適当に答える。
「いずれの事件もこの様な感じで事件性がないといった扱いになりそうなんです」誠はした唇を嚙み悔しがるのを見て愛子はこの事件を解決しないといけないと心に固く誓うのに対して、新三は大きなあくびをかいている。
「どうしましょう。私達もビル周辺を歩いて犯人を探したんですけど。見つからなくて・・・・・・」
「いえ、気にしないでください。事件発生から30分は経過していたので逃走されていても仕方ありません」という誠に「そう言って頂けると幸いです」愛子は頭を下げる。
愛子と誠がそんな会話をしているのに、新三は窓からの景色をただ眺めているだけであった。
すると新三は何かを身につけたのか、鼻の穴を大きく膨らませるのだがすぐに戻り「俺、行くわ」とだけ言い愛子の膝上を跨いで席を立ち一人、喫茶店を出た。
「どうしたんだろう?」愛子が首を傾げていると誠は目を開き新三の行動の趣旨に何か気づいたのか「深見さん、行きましょう!」そう言って机に一万円を置き、愛子の手を取り新三の後を追う。
手を繋いだまま新三が通ったであろう道を走り捜索すると割と早く新三を見つけることができた。
「あっ、いた!!!」愛子は手を繋いでいる手で新三を指すと誠は愛子の手を握っていたことに気づいた。
「あっ、すいません!!!」慌てて手を放し、新三の方を見ると既にその姿はなかった。
新三は今、一人の女性を追跡していた。
この女性を窓の向こうから見ていた時、新三の中でビビビッと来るものがあった。
とはいえ、この女性が犯人という感じではなかった。
この胸のざわめきの正体を知る為、尾行していた。
しかし、新三は忘れていたのだ。自身の尾行スキルのなさを。
ひたすら女性に付いて行くと、交番に入っていった。新三は落とし物でもしたのか。そう思いながら電柱に身を隠し女性が出てくる所を待っていると交番から制服警官が出て来て何かを探すようにあたりを見回し、電柱に隠れている新三に近づいてきた。
「あの、ここで何を?」そう声をかけられた新三は「彼女を待ってます」とドヤ顔で答える。
「その彼女って、交番に入った女性?」そう聞かれ「うん、そう」と言ったと同時に手錠をかけられる。
10分後、交番に愛子と誠が姿を現した。
「すいません! ウチの馬鹿がっ!!」非行少年を引き取りに来た母親のように制服警官に謝ると同時に新三の頭を叩き続ける。
誠は新三が怪しい人物ではないことを女性と制服警官に説明し、なんとか誤解は解けた。
「帰りましょう」誠は交番の戸を開けて愛子に先に出るよう促す。
愛子は新三の首根っこを掴み交番を出て振り返ると「ご迷惑をおかけしてすいませんでした」そう言って後にした。
「愛子ちゃん、放して! 放して!」ジタバタと暴れる新三を放さないようしっかりと握りしめている。
「それで小永さんはあの女性が犯人だと?」誠が聞くと「いや、違う」そう答える新三。
「違うんかいっ!!」愛子は新三を放すとバランスを崩し転倒する。
「痛いなぁ~ 愛子ちゃん。いきなり放すなよ」愛子はそんなのお構いなしに新三に説明を求める。
「あの女性は犯人じゃないんですか?」
「うん!!」愛子の質問に元気よく答える。
「では、どうしてあの女性をストーキングしていたんですか?」
「ストーキングって。誠っちさぁ、もうちょっと、言い方あるんじゃない?」
「申し訳ない。では何故、尾行を」
「う~ん。ビビビッときた、それだけかな。あんなの初めての体験だわ」
「え? 一目惚れ?」汚物を見るような目で新三を見る愛子。
「一目惚れなのかなぁ~ 何にせよ初めての感覚だったのよ」
『呆れた』愛子と誠は声を揃えて言い、互いの顔を見る。
「え、もしかして二人出来てるの?」愛子と誠を交互に指を指し、新三はニタニタと笑う。
『出来てませんっ!!!』すぐに否定する愛子と誠。
「ほら、息ピッタリ」新三のその言葉に二人は赤面する。
「じゃあ、お詫びに飯に行きましょう。費用は愛子ちゃんモチで」
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愛子の華麗なるビンタを顔面に浴びる新三であった。
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