異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央

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第5章・ゴブリン・デスマーチ

出陣

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「我がオブルリヒトの頼もしき兵士たちよ! そして、俺の元に駆けつけてくれた、勇敢な冒険者たちよ! まずは礼を言おう! 今この場に居て、俺の話に耳を傾けてくれることに感謝する!」

 ジュニアスがそう言うと、歓声が上がる。
 オブルリヒト城のバルコニーで、ジュニアスは五千人のオブルリヒト兵と五百人の冒険者を見下ろした。

「俺の宣言式に突然魔人が現れ、皆、驚いたことだろう。だがそれは俺が真のルリアルーク王だという証明でもあるのだ。奴らは俺を狙っている! だが俺は今世のルリアルーク王として魔人を退け、魔物たちを倒し、皆の幸せな日常を守ろう!」

 自分への歓声に、ジュニアスは酔いしれた。
 この演説はノートンの魔法により、再び全世界に伝えられている。
 もちろん自分がゴブリン・デスマーチを止め、勝利する姿も見せつけるつもりだった。

「さぁ、出陣だ!」

 ジュニアスはオブルリヒトの兵士と冒険者たちを伴い、出陣した。
 そして数時間後、王都オブリールへと進軍してきたゴブリンたちと対峙する。

「俺たち人間は、決して魔人や魔物に屈しない! 皆には、俺が居る! それに今は、矛の聖女が、炎の戦女神が居る!」

 ジュニアスがそう叫んだ次の瞬間、ジュンが特大のファイヤーボールを放ち、ジュンの放ったファイヤーボールを追いかけるように、ジュニアスが風魔法のウインドウォールを放つ。
 ジュニアスとジュンの合成魔法で作られた炎の壁が、進軍してくるゴブリンたちを押し戻し、炎の中に閉じ込める。
 そしてその炎の中で、約三百体の上位種のゴブリンたちは、次々と倒れていく。
 その様子を見て、オブルリヒト兵が歓声を上げる。

「ゴブリンなど、我らの敵ではない! 皆の者、全軍突撃だ! ゴブリンたちを倒せ!」

 ジュニアスがそう叫ぶと、五千人のオブルリヒト兵と五百人の冒険者たちが、雄叫びを上げていっせいに駆け出した。
 その光景を見て、余裕でこの戦いに勝つことができるはずだと、ジュニアスは大声で笑った。
 実際、最初に放ったジュニアスとジュンの合成魔法で作られたファイヤーウォールで、約三百体の上位種のゴブリンは全て倒すことができた。
 残るはゴブリンジェネラルが二体と、ゴブリンキングのみ。
 ジュニアスは冒険者を二手に分かれさせ、ゴブリンジェネラルに向かわせ、そして自分は五千のオブルリヒト兵と共に、ゴブリンキングへと向かう。
 いくらゴブリンキングとはいえ、五千の兵士で囲めば倒すことができるはずだ。
 ジュニアスはそう思っていた。
 だがその十数分後、ジュニアスは絶望の中、それが間違いだったと思い知らされることになる。
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