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第1章・異世界転移と異世界転生
救世主現る?①
しおりを挟む一体この仮面の女性は、誰なのだろう?
彼女は私にとって、救世主なのか、それともさらなる悪者であるのか。
そのどちらなのかはわからないけれど、とりあえずこの仮面の女性は、私を殺そうとしていた兵士たちよりも、立場が上の人間らしかった。
彼女の隣には、彼女と同じような仮面をつけ、馬に跨った男性が居る。
「ユリアナ、様……」
震えた声で、兵士の一人が名前を呟いた。どうやら、ユリアナ、というのが彼女の名前らしい。
私は彼女の姿を見つめた。
露出の少ない服を着ているけれど、かすかに開いた首から見えた肌は、褐色だった。
それに髪の毛は眩しい銀髪で、私はこの色を纏った人を思い出して、目を見開いた。
褐色の肌に銀髪って、これで瞳の色が金色だったら、オルブリヒトの王様と同じ色だ。
という事は、この女性は王族という事になるんじゃないの?
「あなた、誰!」
オルブリヒトの王族かもしれないと思い、私はそれを確かめるために口を開いた。
だって、私が先ほど殺されそうになっているのは、オルブリヒトの王子のせいなのだから。
「ば、馬鹿女! この方は、オルブリヒト王国の第一王女、ユリアナ王女だ! 頭が高いぞ!」
兵士の一人が振り返ってそう言うと、頭を掴んで地面に押し付けた。だけど、
「おい、やめろ! 乱暴をするな!」
と、ユリアナ王女が叫ぶ。
私を押さえつけていた兵士は、はいっ、と叫ぶと、すぐに私の頭から手を退けた。
「ねぇ、大丈夫、ですか?」
ユリアナ王女の隣に居た男性が、馬から降りて私たちに近寄ってきた。
この人は、肌の色は私と似たような普通の肌色で、水色の髪をしている。
体が震えてしまったのは、この仮面を付けた王女と男性の事が信じられなかったからだ。
私はこれからどうなるのだろう?
「女性の体を斬り付けるなんて、ひどいですね。今、治してあげますからね」
え? と驚いている間に、男性が私の背中に手を伸ばした。
それから、ヒール、と彼の声が聞こえて、兵士に斬りつけられた背中から、痛みがなくなっていく。
「え? 魔法?」
「えぇ、そうですよ。回復魔法のヒールをかけています。どうですか? まだ痛みますか?」
「もう痛くなくなりました。あの、ありがとうございます」
「そうですか、それは、良かったです」
私に回復魔法をかけてくれた男性は、頷いた。
顔全体を覆っている仮面のせいで、彼がどんな表情をしているのかはわからないけれど、声の感じから、とても優しい人のように感じる。
王女様の方も、兵士たちに私に乱暴するなって言ってくれている。
じゃあ、この人たちは私にとって味方なのだろうか。
まぁ、仮面のせいでどんな表情をしているのかわからないし、怪しくもあるんだけど、それでも、私を殺そうとしていた兵士たちよりも、この仮面の王女様たちの方が、今は信じられるような気がした。
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