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第1章・異世界転移と異世界転生
救世主現る?②
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「あの、この子の傷も、治してあげてくれませんか?」
「はい、いいですよ。でも……あの、この子は一体、何なのでしょう?」
サーチートを治してもらおうと、回復魔法のヒールをかけてくれた男性へと見せると、彼は首を傾げた。
確かにサーチートは何者なのだろうと、私も腕に抱いたハリネズミのぬいぐるみへと視線を落とす。
この子は、元はスマホケースのぬいぐるみだ。
それが、先ほど兵士たちに立ち向かっていった時には、本物のハリネズミのように鋭い針を体に纏っていた。
今は、斬りつけられて怪我を負い、赤い血を流しているけれど、抱いている私が感じているのは、柔らかな布の感触だ。
今のこの子を治すには、どうしたらいいんだろう?
ヒールじゃダメなのかな?
それとも、針と糸でチクチクと縫うべきなのだろうか。
ソーイングセットって、確か化粧ポーチの中に入れていたような気がする。
「アルバトス様、それは針を纏った恐ろしい魔物です! 近づいてはいけません! その女は、魔物使いです!」
「魔物使い? 何なのよ、それは! この子は私を守ってくれただけです! その人たちが、私を殺そうとしたから! この子はただの、スマホケースのぬいぐるみです!」
「ぬいぐるみ? そんなはずない! ぬいぐるみが勝手に動いて襲いかかってくるはずないだろう! 見てください、ユリアナ様、アルバトス様、俺たちのこの顔の傷は、そいつの針にやられたんです! そいつは危険な魔物で、その豚女は、魔物を操る魔物使いです!」
兵士たちが、顔の傷をユリアナ王女とアルバトスと呼ばれた男性に見せる。
それを見て少し戸惑いながら、アルバトスさんというらしい男性が、サーチートへと手を伸ばす。
だけどサーチートは警戒したのだろう、その手を拒んで払いのけてしまった。
「サーチート!」
今、アルバトスさんの手を払いのけてしまった事で、ユリアナ王女やアルバトスさんは、兵士たちの言葉を信じてしまうのかもしれない。
だとしたら、私はともかく、サーチートは彼らに殺されてしまうかもしれない。
私はまたサーチートを抱きしめて、蹲った。
この子を助けてあげるにはどうしたらいいだろう?
私にも、回復魔法が使えたらいいのに。
「はい、いいですよ。でも……あの、この子は一体、何なのでしょう?」
サーチートを治してもらおうと、回復魔法のヒールをかけてくれた男性へと見せると、彼は首を傾げた。
確かにサーチートは何者なのだろうと、私も腕に抱いたハリネズミのぬいぐるみへと視線を落とす。
この子は、元はスマホケースのぬいぐるみだ。
それが、先ほど兵士たちに立ち向かっていった時には、本物のハリネズミのように鋭い針を体に纏っていた。
今は、斬りつけられて怪我を負い、赤い血を流しているけれど、抱いている私が感じているのは、柔らかな布の感触だ。
今のこの子を治すには、どうしたらいいんだろう?
ヒールじゃダメなのかな?
それとも、針と糸でチクチクと縫うべきなのだろうか。
ソーイングセットって、確か化粧ポーチの中に入れていたような気がする。
「アルバトス様、それは針を纏った恐ろしい魔物です! 近づいてはいけません! その女は、魔物使いです!」
「魔物使い? 何なのよ、それは! この子は私を守ってくれただけです! その人たちが、私を殺そうとしたから! この子はただの、スマホケースのぬいぐるみです!」
「ぬいぐるみ? そんなはずない! ぬいぐるみが勝手に動いて襲いかかってくるはずないだろう! 見てください、ユリアナ様、アルバトス様、俺たちのこの顔の傷は、そいつの針にやられたんです! そいつは危険な魔物で、その豚女は、魔物を操る魔物使いです!」
兵士たちが、顔の傷をユリアナ王女とアルバトスと呼ばれた男性に見せる。
それを見て少し戸惑いながら、アルバトスさんというらしい男性が、サーチートへと手を伸ばす。
だけどサーチートは警戒したのだろう、その手を拒んで払いのけてしまった。
「サーチート!」
今、アルバトスさんの手を払いのけてしまった事で、ユリアナ王女やアルバトスさんは、兵士たちの言葉を信じてしまうのかもしれない。
だとしたら、私はともかく、サーチートは彼らに殺されてしまうかもしれない。
私はまたサーチートを抱きしめて、蹲った。
この子を助けてあげるにはどうしたらいいだろう?
私にも、回復魔法が使えたらいいのに。
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