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7.馬車の外で待っていたもの
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「アリア!」
馬車から降りると、サリーナがアリアの名を呼んだ。
どうやらサリーナは馬車を降りたところに居たようだった。
「やぁ、アリア。だいぶ元気になったようだね」
サリーナと隣には、体格のいい男性が居た。彼はサリーナの夫であるステファンだった。
ステファンはアリアを優しく見つめると、
「アリア、いいかい、かなり驚くと思うんだけど……落ち着くんだよ、いいね?」
と言い、どういう意味なのだろうと、アリアは首を傾げる。
「アリア……アリア・ファインズ?」
あまり耳にした事のない声が聞こえ、アリアはそちらへと顔を向け、目を見開いた。
どうしてここに、彼が居るのだろう?
「やぁ、アリア。ステファンと一緒に、迎えに来たよ。ようこそ、フレルデントへ」
そこに居たのは、フレルデントの王太子、リカルド・フレルデントだった。
「アリア、体調はどうだい?」
リカルドは優しく、気さくにアリアに話しかけてきてくれた。
だが、アリアは何故この国の王太子が自分を迎えに来るのかがわからずに、混乱して固まってしまっていた。
だが、自分を心配そうに見つめ、優しく声をかけ続けてくれるリカルドを見ているうちに、アリアは少し落ち着いてきた。
どうして彼が自分を迎えに来てくれたのかはわからないが、大丈夫だという事を伝えて、彼に謝らなければならないと思った。
だが、声が出ない今の自分が誰かに何かしらを伝えるには、筆談用のノートとペンが必要だった。
馬車の中に置いてきたそれらを取りに戻ろうとして、アリアはふと、こんなに暗くて文字が読めるだろうか、と思う。
そして、まだ日は高かったはずなのに、どうしてこんなに暗いのだろうとも。
「アリア、どうしたんだい?」
リカルドは、アリアの記憶では確か、確か綺麗な金色の髪に、明るい緑の目をしていたはずだ。
なのに、今は何かの影になって、その金色は本来の輝きを隠されていた。
ここは街道の途中……影になるような建物など、なかったはずだ。
では、この影は、何の影なのだろう?
アリアはリカルドの背後の、大きな影を作っているモノへと、おそるおそる目を向けた。
そして――。
「っ……」
喉を潰されて声が出ない中、精一杯の悲鳴を上げて、アリアは気を失った。
リカルドの後ろに居たモノは、乗ってきた馬車の五倍はあるであろう、巨大なドラゴンだったのだ。
馬車から降りると、サリーナがアリアの名を呼んだ。
どうやらサリーナは馬車を降りたところに居たようだった。
「やぁ、アリア。だいぶ元気になったようだね」
サリーナと隣には、体格のいい男性が居た。彼はサリーナの夫であるステファンだった。
ステファンはアリアを優しく見つめると、
「アリア、いいかい、かなり驚くと思うんだけど……落ち着くんだよ、いいね?」
と言い、どういう意味なのだろうと、アリアは首を傾げる。
「アリア……アリア・ファインズ?」
あまり耳にした事のない声が聞こえ、アリアはそちらへと顔を向け、目を見開いた。
どうしてここに、彼が居るのだろう?
「やぁ、アリア。ステファンと一緒に、迎えに来たよ。ようこそ、フレルデントへ」
そこに居たのは、フレルデントの王太子、リカルド・フレルデントだった。
「アリア、体調はどうだい?」
リカルドは優しく、気さくにアリアに話しかけてきてくれた。
だが、アリアは何故この国の王太子が自分を迎えに来るのかがわからずに、混乱して固まってしまっていた。
だが、自分を心配そうに見つめ、優しく声をかけ続けてくれるリカルドを見ているうちに、アリアは少し落ち着いてきた。
どうして彼が自分を迎えに来てくれたのかはわからないが、大丈夫だという事を伝えて、彼に謝らなければならないと思った。
だが、声が出ない今の自分が誰かに何かしらを伝えるには、筆談用のノートとペンが必要だった。
馬車の中に置いてきたそれらを取りに戻ろうとして、アリアはふと、こんなに暗くて文字が読めるだろうか、と思う。
そして、まだ日は高かったはずなのに、どうしてこんなに暗いのだろうとも。
「アリア、どうしたんだい?」
リカルドは、アリアの記憶では確か、確か綺麗な金色の髪に、明るい緑の目をしていたはずだ。
なのに、今は何かの影になって、その金色は本来の輝きを隠されていた。
ここは街道の途中……影になるような建物など、なかったはずだ。
では、この影は、何の影なのだろう?
アリアはリカルドの背後の、大きな影を作っているモノへと、おそるおそる目を向けた。
そして――。
「っ……」
喉を潰されて声が出ない中、精一杯の悲鳴を上げて、アリアは気を失った。
リカルドの後ろに居たモノは、乗ってきた馬車の五倍はあるであろう、巨大なドラゴンだったのだ。
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