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第三章 『地底世界エンダルシュア』
第1話 クラリッサという名の少女
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「ボクはクラリッサ。このネフレシアの街に住んでるんだ」
ヒルダに落とし込まれた奇妙な洞穴の中で、俺とティナとパメラの3人はクラリッサという名の人間の小娘に出会ったんだ。
背丈はティナやパメラよりも低く、年も幼い。
鮮やかな明るい色の赤毛と褐色の肌を持ち、その目はオレンジ色だった。
俺の顔を見てビビッていやがったクラリッサだが、ティナの柔らかな物腰に安心したのか、表情を和らげて言葉を続ける。
「ここはボクの秘密の遊び場なんだけど、お姉ちゃんたちはこの穴から入って来たの?」
「クラリッサ。素敵なお名前ですね。私たちは天国の丘から来たのですが、気付いたらこの場所に落とされていたんです」
そう話し合うティナとクラリッサを尻目にパメラは俺に耳打ちする。
「女児なのに自分のことをボクと呼ぶなんて変わってるでござるな」
「拙者とか言ってるおまえが言うな」
俺とパメラがそう言い合っていると、クラリッサとかいうそのガキはティナから視線を外し、チラリとこっちを見やる。
「そっか。よく分からないけど、そのお兄ちゃんは体が大きいから無理だよね。この穴から入れるわけないもんね」
「ええ。そうですよね。ところで、ここはあなたの秘密基地なんですね。いい場所じゃないですか。あなたはどちらからここまで来られたのですか?」
ティナの問いにクラリッサは不思議そうに首を傾げた。
「ここはネフレシアの街の中だよ。ボクもそこに住んでるんだ。お姉ちゃんたちは天国の丘から来たの? 珍しいね」
「ネフレシア?」
その言葉にティナはわずかに首を傾げる。
そんなティナの隣では、パメラがしゃがみ込んで穴の向こう側を見通している。
「ここも街の中なのでござるか?」
「うん。でも、ここは街の外れにある岩山の中なんだけどね。この穴はボクが見つけたんだ」
そう言うとクラリッサはガキらしく得意気な顔で胸を張ってみせた。
そんなクラリッサにティナはにこやかな笑みを浮かべて言う。
「クラリッサさん。もしよろしければ私たちを街まで案内していただけませんか? 私たち、行くアテがなくて困ってるんです」
「お姉ちゃんたち迷子なの? いいよ。ボクが連れていってあげる」
満面の笑みでそう言うクラリッサだが、ふと俺を見て顔を曇らせた。
「でも、お姉ちゃんたちはこの穴を通れると思うけど、お兄ちゃんは無理だね。どうしよっか」
そう言うクラリッサに俺はニッと笑って見せた。
「なあに心配すんな。こうすればいいと思うぞ」
そう言うと俺は穴の傍に歩み寄り、膝を地面につけた膝立ちの状態で拳を振りかぶった。
そして灼焔鉄甲で思い切り穴の上側の縁辺りをぶん殴る。
「フンッ!」
ガツンという音の後、岩壁が砕けて穴が大きく広がった。
途端にクラリッサか目を吊り上げて大騒ぎし始めた。
「あああああっ! ボクの秘密の遊び場なのに!」
「気にすんなよ。入口が大きい方がいいだろ」
そう言うと俺はガツンガツンと幾度も拳を壁に打ち付け、俺が這って出られる程度に穴を広げた。
俺はさっさとその穴を這って出るが、クラリッサは泣きべそをかきながら後ろから俺の尻をバシッと叩きやがった。
「お兄ちゃんのバカ!」
このガキ……仕置きが必要だな。
俺が穴から外に這い出た後、すぐにクラリッサがプンスカ怒りながら出てきた。
俺はその耳を指でつねり上げる。
「俺のケツを気安く叩いてんじゃねえ。あとそのお兄ちゃんってのはやめろ。俺はバレットだ」
「イタイイタイ! バレットのバカ!」
「呼び捨てにすんな!」
こいつ。
なかなか負けん気の強いガキだな。
俺たちがそんなことをしていると、その後ろから出てきたティナが顔をひきつらせて声を上げる。
「バ、バレットさん? 何やってるんですか子供相手に!」
そう言うとティナは俺の腕をサッと掴む。
例によって神聖魔法の法力が込められた桃色の手が俺の肌を焼き、俺は思わずクラリッサの耳から指を離した。
「イテッ! てめえ! いい加減にそれやめろ!」
「やめません! もうっ! 乱暴なんだから。バレットさんは仕方のない人ですね。クラリッサさん。大丈夫ですか? 痛かったですよね」
そう言ってティナは半べそをかいているクラリッサの耳をさすりながら宥める。
ケッ。
子守しに来たんじゃねえぞ。
アホらしい。
こうしている間にもヒルダはどこかでこちらの様子を窺っているはずだ。
しかも今はティナが修復術を使えない。
今すぐにでも襲ってきてもおかしくないはずだ。
常に周囲の様子に気を配っていなくちゃならねえってのに、こんなガキに手間を取られている場合じゃねえ。
俺は狭苦しい穴蔵から出て、体を伸ばしながら周囲を見回す。
薄暗いそこはまだ洞穴の中であったが、天井は高く通路も広い。
そして前方に目をやると、出口らしき光が見える。
俺はギャーギャーと騒ぐクラリッサを無視して先に進んだ。
小娘どもが後ろをついてくる気配を感じながら洞穴から抜け出た俺は目を見張った。
クラリッサの言う通り、俺たちのいる場所は岩山だった。
そしてこの小高い岩山から一望できるのはそこそこ大きな一つの街だ。
後から追いついてきたティナやパメラが声を上げる。
「わぁ……こんな街が」
「ほう。これは絶景でござるな」
石造りの建物が建ち並ぶ街のそこかしこに大勢の住民たち行き交う様子が見える。
街は思ったよりも広く、この高さから見るとなかなか壮観だった。
中心部には噴水を中心とした広場があるようで、そこも人間たちで賑わっている。
だが俺はそれよりも頭上が気になった。
頭の上には空がある。
青空に浮かぶ白い雲。
だがそれは俺が見慣れた空じゃなかった。
おそらくは天井に空の画像が映されただけのひどく無機質なそれだ。
俺は気になって羽を広げて上昇する。
速度を緩めにして手を上に上げたまま、20メートルほど上ったところで、俺の手は行き止まりに触れた。
天井だ。
そこから上にはもう上がれない。
やはりここは地下なんだな。
俺がそう思っていると、ティナの奴も羽を広げて俺のそばに飛び上がってきた。
そして同じように天井に手を触れ、俺を見る。
「バレットさん。ここはおそらく地底世界エンダルシュアです。ご存知ですか?」
「エンダルシュア? 地の底にあるっていう別世界のことか」
「ええ。私も実際に目にするのはは初めてですが……」
地底世界エンダルシュア。
それは地の底深くに存在するという、天国の丘や地獄の丘とは異なる中立の世界だった。
普段は一般開放されておらず、イベント時などの特別な時にのみプレイヤーたちに開放される世界らしい。
そこには地底の民と呼ばれる人間たちが住んでいるというのを聞いたことがある。
俺はもちろん行ったことの無い場所だが、そういう場所があるということは以前にゾーランから聞いて知っていた。
「なぜそうだと分かった?」
「思い出したんです。先ほどクラリッサさんが言っていたネフレシアという名を。それはずいぶん前のアップデートによりマップ閉鎖された街の名前なんです」
そう言うとティナは眼下に広がる街並みを見下ろして息を飲んだ。
「ネフレシアの街はもう今は存在していないはずなんです。ここは一体……」
忘れ去られた地底都市ネフレシア。
俺たちをここに落とし込んだことがヒルダの思惑通りなのだとしたら、ここは完全にあいつの手中であるはずだ。
数多の罠を仕掛けて俺たちを自在に料理しようとしてくるだろう。
そして悪いことにティナは今、修復術が使えなくなってやがる。
さっきの貯蔵庫のような部屋で堕天使の死体に噛みつかれたせいでな。
俺の天魔融合プログラムの有効時間はとっくに切れ、次に使えるようになるのは約24時間後だ。
ヒルダを追い詰めるべくここまでやってきたはずの俺たちは、逆にヒルダの手によって着々と崖っぷちに追い詰められつつあった。
「くそったれが……」
俺は拳を握り締め、顔をしかめると、偽りの空を見上げた。
その空はどこまでも広がっているように見えるが、俺たちを閉じ込める冷徹な行き止まりだった。
ヒルダに落とし込まれた奇妙な洞穴の中で、俺とティナとパメラの3人はクラリッサという名の人間の小娘に出会ったんだ。
背丈はティナやパメラよりも低く、年も幼い。
鮮やかな明るい色の赤毛と褐色の肌を持ち、その目はオレンジ色だった。
俺の顔を見てビビッていやがったクラリッサだが、ティナの柔らかな物腰に安心したのか、表情を和らげて言葉を続ける。
「ここはボクの秘密の遊び場なんだけど、お姉ちゃんたちはこの穴から入って来たの?」
「クラリッサ。素敵なお名前ですね。私たちは天国の丘から来たのですが、気付いたらこの場所に落とされていたんです」
そう話し合うティナとクラリッサを尻目にパメラは俺に耳打ちする。
「女児なのに自分のことをボクと呼ぶなんて変わってるでござるな」
「拙者とか言ってるおまえが言うな」
俺とパメラがそう言い合っていると、クラリッサとかいうそのガキはティナから視線を外し、チラリとこっちを見やる。
「そっか。よく分からないけど、そのお兄ちゃんは体が大きいから無理だよね。この穴から入れるわけないもんね」
「ええ。そうですよね。ところで、ここはあなたの秘密基地なんですね。いい場所じゃないですか。あなたはどちらからここまで来られたのですか?」
ティナの問いにクラリッサは不思議そうに首を傾げた。
「ここはネフレシアの街の中だよ。ボクもそこに住んでるんだ。お姉ちゃんたちは天国の丘から来たの? 珍しいね」
「ネフレシア?」
その言葉にティナはわずかに首を傾げる。
そんなティナの隣では、パメラがしゃがみ込んで穴の向こう側を見通している。
「ここも街の中なのでござるか?」
「うん。でも、ここは街の外れにある岩山の中なんだけどね。この穴はボクが見つけたんだ」
そう言うとクラリッサはガキらしく得意気な顔で胸を張ってみせた。
そんなクラリッサにティナはにこやかな笑みを浮かべて言う。
「クラリッサさん。もしよろしければ私たちを街まで案内していただけませんか? 私たち、行くアテがなくて困ってるんです」
「お姉ちゃんたち迷子なの? いいよ。ボクが連れていってあげる」
満面の笑みでそう言うクラリッサだが、ふと俺を見て顔を曇らせた。
「でも、お姉ちゃんたちはこの穴を通れると思うけど、お兄ちゃんは無理だね。どうしよっか」
そう言うクラリッサに俺はニッと笑って見せた。
「なあに心配すんな。こうすればいいと思うぞ」
そう言うと俺は穴の傍に歩み寄り、膝を地面につけた膝立ちの状態で拳を振りかぶった。
そして灼焔鉄甲で思い切り穴の上側の縁辺りをぶん殴る。
「フンッ!」
ガツンという音の後、岩壁が砕けて穴が大きく広がった。
途端にクラリッサか目を吊り上げて大騒ぎし始めた。
「あああああっ! ボクの秘密の遊び場なのに!」
「気にすんなよ。入口が大きい方がいいだろ」
そう言うと俺はガツンガツンと幾度も拳を壁に打ち付け、俺が這って出られる程度に穴を広げた。
俺はさっさとその穴を這って出るが、クラリッサは泣きべそをかきながら後ろから俺の尻をバシッと叩きやがった。
「お兄ちゃんのバカ!」
このガキ……仕置きが必要だな。
俺が穴から外に這い出た後、すぐにクラリッサがプンスカ怒りながら出てきた。
俺はその耳を指でつねり上げる。
「俺のケツを気安く叩いてんじゃねえ。あとそのお兄ちゃんってのはやめろ。俺はバレットだ」
「イタイイタイ! バレットのバカ!」
「呼び捨てにすんな!」
こいつ。
なかなか負けん気の強いガキだな。
俺たちがそんなことをしていると、その後ろから出てきたティナが顔をひきつらせて声を上げる。
「バ、バレットさん? 何やってるんですか子供相手に!」
そう言うとティナは俺の腕をサッと掴む。
例によって神聖魔法の法力が込められた桃色の手が俺の肌を焼き、俺は思わずクラリッサの耳から指を離した。
「イテッ! てめえ! いい加減にそれやめろ!」
「やめません! もうっ! 乱暴なんだから。バレットさんは仕方のない人ですね。クラリッサさん。大丈夫ですか? 痛かったですよね」
そう言ってティナは半べそをかいているクラリッサの耳をさすりながら宥める。
ケッ。
子守しに来たんじゃねえぞ。
アホらしい。
こうしている間にもヒルダはどこかでこちらの様子を窺っているはずだ。
しかも今はティナが修復術を使えない。
今すぐにでも襲ってきてもおかしくないはずだ。
常に周囲の様子に気を配っていなくちゃならねえってのに、こんなガキに手間を取られている場合じゃねえ。
俺は狭苦しい穴蔵から出て、体を伸ばしながら周囲を見回す。
薄暗いそこはまだ洞穴の中であったが、天井は高く通路も広い。
そして前方に目をやると、出口らしき光が見える。
俺はギャーギャーと騒ぐクラリッサを無視して先に進んだ。
小娘どもが後ろをついてくる気配を感じながら洞穴から抜け出た俺は目を見張った。
クラリッサの言う通り、俺たちのいる場所は岩山だった。
そしてこの小高い岩山から一望できるのはそこそこ大きな一つの街だ。
後から追いついてきたティナやパメラが声を上げる。
「わぁ……こんな街が」
「ほう。これは絶景でござるな」
石造りの建物が建ち並ぶ街のそこかしこに大勢の住民たち行き交う様子が見える。
街は思ったよりも広く、この高さから見るとなかなか壮観だった。
中心部には噴水を中心とした広場があるようで、そこも人間たちで賑わっている。
だが俺はそれよりも頭上が気になった。
頭の上には空がある。
青空に浮かぶ白い雲。
だがそれは俺が見慣れた空じゃなかった。
おそらくは天井に空の画像が映されただけのひどく無機質なそれだ。
俺は気になって羽を広げて上昇する。
速度を緩めにして手を上に上げたまま、20メートルほど上ったところで、俺の手は行き止まりに触れた。
天井だ。
そこから上にはもう上がれない。
やはりここは地下なんだな。
俺がそう思っていると、ティナの奴も羽を広げて俺のそばに飛び上がってきた。
そして同じように天井に手を触れ、俺を見る。
「バレットさん。ここはおそらく地底世界エンダルシュアです。ご存知ですか?」
「エンダルシュア? 地の底にあるっていう別世界のことか」
「ええ。私も実際に目にするのはは初めてですが……」
地底世界エンダルシュア。
それは地の底深くに存在するという、天国の丘や地獄の丘とは異なる中立の世界だった。
普段は一般開放されておらず、イベント時などの特別な時にのみプレイヤーたちに開放される世界らしい。
そこには地底の民と呼ばれる人間たちが住んでいるというのを聞いたことがある。
俺はもちろん行ったことの無い場所だが、そういう場所があるということは以前にゾーランから聞いて知っていた。
「なぜそうだと分かった?」
「思い出したんです。先ほどクラリッサさんが言っていたネフレシアという名を。それはずいぶん前のアップデートによりマップ閉鎖された街の名前なんです」
そう言うとティナは眼下に広がる街並みを見下ろして息を飲んだ。
「ネフレシアの街はもう今は存在していないはずなんです。ここは一体……」
忘れ去られた地底都市ネフレシア。
俺たちをここに落とし込んだことがヒルダの思惑通りなのだとしたら、ここは完全にあいつの手中であるはずだ。
数多の罠を仕掛けて俺たちを自在に料理しようとしてくるだろう。
そして悪いことにティナは今、修復術が使えなくなってやがる。
さっきの貯蔵庫のような部屋で堕天使の死体に噛みつかれたせいでな。
俺の天魔融合プログラムの有効時間はとっくに切れ、次に使えるようになるのは約24時間後だ。
ヒルダを追い詰めるべくここまでやってきたはずの俺たちは、逆にヒルダの手によって着々と崖っぷちに追い詰められつつあった。
「くそったれが……」
俺は拳を握り締め、顔をしかめると、偽りの空を見上げた。
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