甘×恋クレイジーズ

枕崎 純之助

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最終章 モール・イン・ザ・ダーク・ウォーター

第16話 崩壊する商店街

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 崩壊ほうかいした商店街に破滅はめつ羽音はおとひびき渡る。
 怪鳥かいちょうフランチェスカはほとんど消えかけた少年甘太郎あまたろうに向かって降下しながら、終局のかねを鳴りひびかせるかのごとく終わりを宣告せんこくする。

『さぁ。いよいよ終焉しゅうえんだ。貴様の作り上げた虚構きょこうの世界は今、消滅しょうめつする!』

 そう言うとフランチェスカは大きく息をい込んでいく。
 その様子を見上げて少年甘太郎あまたろうはもはや声も発することが出来ず、くやしげな表情で立ちくしていた。
 そしてフランチェスカが巨大なそのはいいっぱいにい込んだ空気を、その真っ赤なくちばしから地上に向けて一気にき出した。
 途端とたんに、激しい衝撃波しょうげきはき起こり、地上で瓦礫がれきの山と化した商店街が跡形あとかたもなくき飛んでいく。
 すさまじい轟音ごうおんが鳴りひびき、地面が割れ、アーケードの屋根ががれくずれて上空の彼方かなたへと消えていく。

『ハッハッハッハッハ! 消えろ! 全て消えせろ!』

 えるようなフランチェスカの声がひびき渡る中、商店街そのものが文字通り崩壊ほうかいし、元の黒い浮遊空間の中へと消えていく。
 足場を失って浮遊空間にその身を投げ出された少年甘太郎あまたろうは、無念の表情を浮かべて消え去っていった。
 代わりに何もなくなった漆黒しっこくの浮遊空間に別の物質が現れた。

『……何だあれは?』

 それはガラスりの球体で出来ていて、その中には小さな部屋が存在した。
 フランチェスカは目をらしてその球体に視線を送る。
 そしてその部屋の中に甘太郎あまたろうの姿があるのを確認した。
 それは先ほど消えた少年甘太郎あまたろうではなく、フランチェスカがそののどにナイフを突き立てて殺したはずの18さい甘太郎あまたろうだった。
 しかし甘太郎あまたろう椅子いすすわって目を見開いたまま、まばたき一つしていない。

『どういうことだ? アマタロウはやはり生きているのか?』

 フランチェスカは首をひねった。
 しかしすぐにあることに気が付いた。
 商店街が消えた後の浮遊空間において、ゆるやかな魔気まきの流れがしょうじ始めていた。
 そしてその魔気まきの流れは甘太郎あまたろうのいるガラスの球体を中心にして、ぐるぐるとうずいている。
 まるで太陽のまわりを様々な惑星わくせいが回っているかのように。

『なるほど。あれがこの世界のかくか。建造物けんぞうぶつ崩壊ほうかいしてあれがむき出しになったようだな。ひと思いににぎりつぶしてやろう』

 フランチェスカは嬉々ききとしてそう言うと、燃えさかつめを開いて、甘太郎あまたろうのいる球体に向かって急速接近していった。
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