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第一章 魔道拳士アリアナ
第11話 双子の実力
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双子の姉妹・キーラ&アディソンを向こうに回してアリアナの戦いが始まった。
双子のステータスを覗き見た僕は戦いの行方を予想する。
魔獣使いである姉のキーラが鞭を使った近接戦闘タイプで、暗黒巫女である妹のアディソンが後方から呪術でサポートする後方支援タイプ……かと思ったけれど、僕のその第一印象は大きく間違っていた。
アディソンのほうが前に出ると、豪快に杖を振り回してアリアナにガンガン攻撃を仕掛けていく。
「ぬぅぅぅぅうっ! 血にまみれて臓物ぶちまけろっ! 死ねっ! 死ねっ! 死んで腐って朽ち果てろっ!」
く、口調がさっきまでと全然違って怖いんですけど。
その顔に似合わぬ荒々しい言葉を口にするアディソンの武器は吸血杖という杖らしく、くすんだ灰色の柄の先端には銀色に輝くドクロがあしらわれている。
そのドクロはまるで生きているかのように口を開けたり閉めたりしていて、その口の中には鋭い牙が生えていた。
き、気持ちの悪い杖だな。
「ハァァァァッハッハッハ! 踊れ踊れぇ! 死ぬまで踊り狂えっ!」
一方のキーラは妹をアシストするように中距離から長く伸びる鞭・獣属鞭を使ってアリアナの足元を狙う牽制攻撃を繰り出していた。
粗暴なその性格とは裏腹に、キーラの攻撃は非常に繊細で正確無比だった。
いきなりの激しい展開に僕は息を飲む。
「あ、あの2人。見た目と戦闘スタイルが真逆だ。でも強い。しかも2人の連携がすごくハイレベルだぞ」
豊富な運動量を誇り、様々な角度から多彩な杖さばきで攻めるアディソン。
そして正確な鞭さばきでアリアナの足元をすくおうとするキーラ。
この2人の攻撃が見事なまでに絡み合ってアリアナを攻め立てる。
「でもアリアナだって負けてない」
激しいアディソンの連続攻撃をすべて手甲で受け流しながらアリアナは足元を狙ってくるキーラの鋭い鞭を華麗なステップでかわす。
防戦一方に見えるけど、アリアナにはまだ余裕があった。
相手の攻撃を冷静に見極める余裕が。
やがて戦闘が1分を経過した頃、アリアナが反撃に転じる。
アディソンの連続攻撃をかわしながらタイミングを計ると、アリアナは一瞬の隙をつき、素早い足払いでアディソンの足を払う。
「くうっ!」
思わず体勢を崩すアディソンを見たアリアナは、魔力で一瞬にして右の拳を凍らせる。
アリアナの本領発揮だ!
彼女の得意技である下位スキル・氷結拳が炸裂した。
凍結した拳のすさまじい威力を巧みに吸血杖で受け止めるアディソンだけど、体勢を崩していたこともあって、ガツンという大きな音とともにその勢いに押されて後方へ大きく弾き飛ばされた。
すごいぞ!
僕はアリアナの攻勢に思わず両手を握りしめた。
それでも空中で体勢を立て直したアディソンは地面に着地してすぐに反撃に出ようとする。
「こんなものでは……んっ?」
だけどアディソンの武器・吸血杖はアリアナの氷結拳を受けて凍りついてしまい、まともに機能しないようだった。
銀色に輝く先端のドクロも氷の塊に包まれて動かなくなっている。
「チッ! くだらない凍結化能力ごときに後れを取るとは」
アディソンは忌々しげに舌打ちをして後方へ下がっていく。
「逃がさない!」
アリアナは追撃をかけようとするけど、そんな彼女に向かって赤く光る鳥のような生き物が高速で飛来してきたんだ。
「くっ!」
アリアナは咄嗟に体をひねってこれをかわしたけど、その鳥のような生き物は唐突に空中で爆発した。
「きゃっ!」
「アリアナ!」
アリアナは爆風で吹き飛ばされて地面に転がり、ダメージを負ってしまう。
な、何だあの鳥。
生き物じゃないぞ。
「へっへっへ。アタシの爆弾鳥の味はどうだ?」
そう言うキーラの声に僕がそちらを見ると、彼女の周囲に赤い光を放つ手のひらサイズの小さな鳥が数羽飛び交っている。
キーラのコマンド・ウインドウに『中位スキル・爆弾鳥』とスキル名が紹介されていた。
「遠慮せずにもっと味わいなっ!」
そう言うとキーラは周囲を飛び交う爆弾鳥を次々とけしかける。
危ない!
アリアナはすぐに起き上がり飛来する数羽の爆弾鳥を必死に避ける。
でも爆弾鳥はアリアナに近づくと至近距離で容赦なく爆発した。
爆弾という物騒な名前通りの危険なスキルだった。
「くぅっ!」
アリアナは氷結拳を十字にクロスさせて必死に爆風から身を守りながら、素早く足を動かして一ヶ所に留まらないようにした。
爆風を浴びないよう、かなり距離をとって避けなければならず、その労苦に業を煮やしたアリアナは仕方なく大きく後方に下がった。
そして氷結拳を解除すると、開いた両手に魔力を集中させていく。
これは……。
「氷刃槍!」
アリアナの両手から無数の氷の刃が放たれる。
彼女の中位スキル・氷刃槍だ。
魔力によって研ぎ澄まされたその刃は鋭く宙を切り裂いて舞い、次々と爆弾鳥を氷結させて打ち落とし、さらに鳥たちの主であるキーラへも迫る。
「生意気なっ!」
キーラは獣属鞭を振るって氷の刃を次々と打ち落とすけど、いくつかの刃が彼女の肩や太ももを掠めてダメージを与える。
「くそっ! やってくれたな」
怒りで顔を歪めながらキーラは獣属鞭を握り締めて反撃を試みようとする。
だけどそこで後方からアディソンが声を上げた。
「単純お馬鹿なお姉さま。お遊びもそのくらいになさいませ。そろそろ準備が整いましてよ」
見るとそこではアディソンが、ようやく凍結した氷塊から解放された吸血杖を頭上に振り上げている。
その様子を振り返って見たキーラは冷静さを取り戻してニヤリと笑みを浮かべた。
「あいよ。小手調べはこの辺にしておくか」
何だ?
あの双子の余裕な様子は……。
僕は不気味な気配を感じた。
アリアナもそれは同様のようであり、警戒した表情を浮かべて立ち止まる。
そして僕らは感じ取った。
地面が小刻みに揺れているのを。
そして周囲の気温が急激に上昇し始めた。
「何をするつもりっ?」
アリアナが眉を吊り上げてそう声を上げると、双子はその顔に薄笑みを浮かべた。
「哀れな魔道拳士アリアナ。あなたの力はすでに調査済みなのですよ」
「そういうことだ。おまえはもう丸裸も同然なんだよ」
双子の言葉の意味が分からずに僕とアリアナが顔を見合わせると、僕らの前方で暗黒巫女のアディソンが吸血杖を地面に突き立てた。
そして朗々と声を響かせたんだ。
「私の下位スキルを披露いたしましょう。溶岩噴射!」
双子のステータスを覗き見た僕は戦いの行方を予想する。
魔獣使いである姉のキーラが鞭を使った近接戦闘タイプで、暗黒巫女である妹のアディソンが後方から呪術でサポートする後方支援タイプ……かと思ったけれど、僕のその第一印象は大きく間違っていた。
アディソンのほうが前に出ると、豪快に杖を振り回してアリアナにガンガン攻撃を仕掛けていく。
「ぬぅぅぅぅうっ! 血にまみれて臓物ぶちまけろっ! 死ねっ! 死ねっ! 死んで腐って朽ち果てろっ!」
く、口調がさっきまでと全然違って怖いんですけど。
その顔に似合わぬ荒々しい言葉を口にするアディソンの武器は吸血杖という杖らしく、くすんだ灰色の柄の先端には銀色に輝くドクロがあしらわれている。
そのドクロはまるで生きているかのように口を開けたり閉めたりしていて、その口の中には鋭い牙が生えていた。
き、気持ちの悪い杖だな。
「ハァァァァッハッハッハ! 踊れ踊れぇ! 死ぬまで踊り狂えっ!」
一方のキーラは妹をアシストするように中距離から長く伸びる鞭・獣属鞭を使ってアリアナの足元を狙う牽制攻撃を繰り出していた。
粗暴なその性格とは裏腹に、キーラの攻撃は非常に繊細で正確無比だった。
いきなりの激しい展開に僕は息を飲む。
「あ、あの2人。見た目と戦闘スタイルが真逆だ。でも強い。しかも2人の連携がすごくハイレベルだぞ」
豊富な運動量を誇り、様々な角度から多彩な杖さばきで攻めるアディソン。
そして正確な鞭さばきでアリアナの足元をすくおうとするキーラ。
この2人の攻撃が見事なまでに絡み合ってアリアナを攻め立てる。
「でもアリアナだって負けてない」
激しいアディソンの連続攻撃をすべて手甲で受け流しながらアリアナは足元を狙ってくるキーラの鋭い鞭を華麗なステップでかわす。
防戦一方に見えるけど、アリアナにはまだ余裕があった。
相手の攻撃を冷静に見極める余裕が。
やがて戦闘が1分を経過した頃、アリアナが反撃に転じる。
アディソンの連続攻撃をかわしながらタイミングを計ると、アリアナは一瞬の隙をつき、素早い足払いでアディソンの足を払う。
「くうっ!」
思わず体勢を崩すアディソンを見たアリアナは、魔力で一瞬にして右の拳を凍らせる。
アリアナの本領発揮だ!
彼女の得意技である下位スキル・氷結拳が炸裂した。
凍結した拳のすさまじい威力を巧みに吸血杖で受け止めるアディソンだけど、体勢を崩していたこともあって、ガツンという大きな音とともにその勢いに押されて後方へ大きく弾き飛ばされた。
すごいぞ!
僕はアリアナの攻勢に思わず両手を握りしめた。
それでも空中で体勢を立て直したアディソンは地面に着地してすぐに反撃に出ようとする。
「こんなものでは……んっ?」
だけどアディソンの武器・吸血杖はアリアナの氷結拳を受けて凍りついてしまい、まともに機能しないようだった。
銀色に輝く先端のドクロも氷の塊に包まれて動かなくなっている。
「チッ! くだらない凍結化能力ごときに後れを取るとは」
アディソンは忌々しげに舌打ちをして後方へ下がっていく。
「逃がさない!」
アリアナは追撃をかけようとするけど、そんな彼女に向かって赤く光る鳥のような生き物が高速で飛来してきたんだ。
「くっ!」
アリアナは咄嗟に体をひねってこれをかわしたけど、その鳥のような生き物は唐突に空中で爆発した。
「きゃっ!」
「アリアナ!」
アリアナは爆風で吹き飛ばされて地面に転がり、ダメージを負ってしまう。
な、何だあの鳥。
生き物じゃないぞ。
「へっへっへ。アタシの爆弾鳥の味はどうだ?」
そう言うキーラの声に僕がそちらを見ると、彼女の周囲に赤い光を放つ手のひらサイズの小さな鳥が数羽飛び交っている。
キーラのコマンド・ウインドウに『中位スキル・爆弾鳥』とスキル名が紹介されていた。
「遠慮せずにもっと味わいなっ!」
そう言うとキーラは周囲を飛び交う爆弾鳥を次々とけしかける。
危ない!
アリアナはすぐに起き上がり飛来する数羽の爆弾鳥を必死に避ける。
でも爆弾鳥はアリアナに近づくと至近距離で容赦なく爆発した。
爆弾という物騒な名前通りの危険なスキルだった。
「くぅっ!」
アリアナは氷結拳を十字にクロスさせて必死に爆風から身を守りながら、素早く足を動かして一ヶ所に留まらないようにした。
爆風を浴びないよう、かなり距離をとって避けなければならず、その労苦に業を煮やしたアリアナは仕方なく大きく後方に下がった。
そして氷結拳を解除すると、開いた両手に魔力を集中させていく。
これは……。
「氷刃槍!」
アリアナの両手から無数の氷の刃が放たれる。
彼女の中位スキル・氷刃槍だ。
魔力によって研ぎ澄まされたその刃は鋭く宙を切り裂いて舞い、次々と爆弾鳥を氷結させて打ち落とし、さらに鳥たちの主であるキーラへも迫る。
「生意気なっ!」
キーラは獣属鞭を振るって氷の刃を次々と打ち落とすけど、いくつかの刃が彼女の肩や太ももを掠めてダメージを与える。
「くそっ! やってくれたな」
怒りで顔を歪めながらキーラは獣属鞭を握り締めて反撃を試みようとする。
だけどそこで後方からアディソンが声を上げた。
「単純お馬鹿なお姉さま。お遊びもそのくらいになさいませ。そろそろ準備が整いましてよ」
見るとそこではアディソンが、ようやく凍結した氷塊から解放された吸血杖を頭上に振り上げている。
その様子を振り返って見たキーラは冷静さを取り戻してニヤリと笑みを浮かべた。
「あいよ。小手調べはこの辺にしておくか」
何だ?
あの双子の余裕な様子は……。
僕は不気味な気配を感じた。
アリアナもそれは同様のようであり、警戒した表情を浮かべて立ち止まる。
そして僕らは感じ取った。
地面が小刻みに揺れているのを。
そして周囲の気温が急激に上昇し始めた。
「何をするつもりっ?」
アリアナが眉を吊り上げてそう声を上げると、双子はその顔に薄笑みを浮かべた。
「哀れな魔道拳士アリアナ。あなたの力はすでに調査済みなのですよ」
「そういうことだ。おまえはもう丸裸も同然なんだよ」
双子の言葉の意味が分からずに僕とアリアナが顔を見合わせると、僕らの前方で暗黒巫女のアディソンが吸血杖を地面に突き立てた。
そして朗々と声を響かせたんだ。
「私の下位スキルを披露いたしましょう。溶岩噴射!」
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