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第五章 魔獣使いキーラ & 暗黒巫女アディソン
第6話 氷の涙
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「ア、IRリングが……元に戻った?」
僕は自分の左手首にはめられた黄色い輝きを放つIRリングを見て思わずそう呟きを漏らした。
IRリング。
砂漠都市ジェルスレイムのナイフダーツ・バーで景品として入手したそれを僕は装備していたんだけれど、聖岩山でタリオと共に使い過ぎた影響で不具合が出ていたんだ。
そしてずっと黒く染まって機能停止していたはずのそれが、再び元の黄色い輝きを取り戻していた。
驚きに目を見張る僕のメイン・システムに【IRリングをお使いの皆様へ】という運営本部からのメッセージが送られてきた。
【本製品の不具合・誤作動につきまして、先刻お伝えいたしました視覚機能障害の改善に続きまして、本製品の機能が全て復旧いたしましたことをご報告差し上げます。他の装備品と同時にお使いいただきましても問題ございません】
謝罪文とともにそうしたメッセージが送られてきた。
こ、これってナイスタイミングなのか?
このIRリングは自分の視界に映る相手に対し、回復アイテム等の効果を不可視エネルギーとして送ることの出来る機能を持っている。
そうした本来の使い方を一度もしたことのない僕だけど、これってもしかしたらワクチンを送ることも出来るんじゃないだろうか。
そしたら接近してワクチン・スタンプを直接押し当てなくても、遠くからこの目に映るミランダやジェネットを治せるんじゃ……。
そこまで考えて僕は首を横に振った。
「いや……でも今はダメだ」
仮にそれが出来たとしても現状の僕ではどうすることも出来ない。
ワクチン・スタンプはアディソンに奪われてしまい、岩壁に阻まれてジェネットを直接この目で見ることも出来ない。
それに今のミランダやジェネットの不調が本当にウイルスから来ているものなのかどうか、確証はないんだ。
ワクチンが効果を示すかどうかも分からない。
何一つとして確かなものはなく、どうひっくり返ってもこの場でIRリングを活用して事態を打開することは出来そうになかった。
「何か……何か打てる手はないのか?」
僕は自分に残された左の拳を握り締め、必死に思考を巡らせる。
だけどその思考は思わぬ形で中断された。
「痛っ!」
唐突にIRリングをはめている左手首にチクリと刺すような痛みを感じて、僕は思わず声を上げた。
な、何だ?
驚いて僕が左手首を見ると、IRリングが先ほどまでよりひと回り小さくなり、僕の手首に密着している。
リングと手首との間の隙間がなくなり、肌に食い込むようにピッチリとはまっていた。
「リングが小さくなってる?」
刺すような痛みは一瞬で治まり、次いでリングに締め付けられるような圧迫感を左手首に感じたけど、それもすぐに消えた。
残ったのは今までにないフィット感だ。
吸い着くようなその感じはまるで左手首とIRリングが一体化したように錯覚させる。
そして……。
「い、色が……」
黄色い輝きを放っていたそのリングは、どんどん色が薄くなり、すぐに無色透明に変化した。
僕の左手首が透けて見えるほどに。
この前は使い過ぎて黒く染まってしまったけれど、今度の変化はそれとは真逆だった。
「新しい仕様になったってことかな?」
僕は戸惑ったけれど、それ以上IRリングに注意を払うことが出来なかった。
なぜなら視界の端で岩肌の壁がぼんやりとした青白い光に照らされるのを捉えたからだ。
部屋を青白く染めるその光の源となっていたのは、床に横たわるアリアナの体だった。
「アリアナ? ど、どうしたんだ?」
彼女の全身は青白く光り輝いている。
彼女が地底湖における戦いでミランダと戦った際、第四のスキルとして繰り出した大技『乱気流雪嵐』を使う前に、こうやって全身が青白い凍気に包まれていたことを思い返した。
そしてそんなアリアナの体からは冷気が漂い始め、僕は肌寒さを感じてブルリと身震いした。
明らかにアリアナの体に異変が起きている。
僕は慌てて彼女のそばにしゃがみ込んだ。
相変わらずアリアナのメイン・システムにはアクセス出来なかったけれど、変化が起きていたのは目の前のアリアナだけじゃなかった。
モニターに映るオアシスの戦いにおいてコピーのアリアナの動きが急に鈍くなったんだ。
苛烈にミランダを攻め続けていたアリアナだけど、その攻撃の手が緩んだことでミランダは後退して距離を取ることが出来た。
その顔に怪訝そうな色が浮かんでいる。
ミランダもアリアナの変化に気が付いているんだ。
もしかして……オリジナルのアリアナが目覚めようとしているんじゃないのか?
一縷の望みを感じて僕は再び目の前のアリアナに視線を落とすと、出来る限り気分を落ち着かせながら彼女に語りかけてみた。
「アリアナ。僕の声が聞こえる? アルフレッドだよ。助けに来るのが遅くなってごめんね」
僕がそう言うとアリアナの目蓋が二度三度と痙攣するような動きを見せた。
は、反応してる。
やっぱりそうだ。
僕はアリアナを驚かせないように再びそっと話しかける。
「アリアナ。君が双子のクラスタに入ったのは僕を守ろうとしてくれたからだったんだね。何も知らなくてごめんよ。今度は僕が君を守るから。だからもう心配しなくていいよ」
僕が守る、なんておこがましい言葉だけど、それは僕の偽らざる本音だった。
もうアリアナに我慢なんてしてほしくない。
苦しいのも辛いのも、もうたくさんだよ。
これ以上アリアナが苦しむのを僕は見たくなかった。
そうした思いを込めて僕がそう言うと、不思議な現象が起きたんだ。
閉じたままのアリアナの目から涙がひとすじ零れ落ちた。
それは彼女の頬を伝い、地面に落ちる頃には氷の粒となっていた。
「アリアナが……泣いてる」
そのことに僕は驚き、モニターを見上げる。
するとモニターの中のコピーのアリアナにも同じ現象が起きていたんだ。
コピーのアリアナは鈍い動きでミランダを追いながら、その目から氷の涙をポロポロと流していた。
やはりそうか。
オリジナルのアリアナの体の奥底にある意識がコピーに影響を及ぼしているんだ。
目を閉じたまま意識がないのに涙を流すアリアナの顔が悲しくて、僕は左手で彼女の涙を拭ってあげた。
凍りついた涙は冷たく、僕の指をひんやりと冷やす。
その涙が左手首のIRリングに触れた瞬間、無色透明のリングが青白い色にパッと染まった。
そして……アリアナの体を取り巻いていた冷たい空気が、リングを通して僕の左手首から体の中に入り込んできたんだ。
「ひえっ! な、何これ? 何なの?」
僕は戸惑って思わず声を漏らす。
冷気は左肘を通って左肩に達し、そこから頭と胸に広がっていく。
そして下半身へと伝わり、足の先まで満ちていく。
それは不思議な感覚だった。
冷たいけれど、スッと体の中を清めてくれるような清々しい感覚。
そして……。
「うううっ!」
冷気は僕の右肩に達すると、そこから下に向かって伸びていく。
そこには何もない。
僕の右腕は失われているんだから。
だけど……僕は失われた右腕がそこにあるかのような錯覚を覚えた。
「いや……」
さ、錯覚なんかじゃない!
僕の右肩から抜けていく冷気は凍てつく氷の塊となり、それが僕の右腕を形作っていく。
そう。
僕の右肩から伸びたそれは、氷によって作られた右腕だったんだ。
上腕、肘、二の腕から指先に至るまで、僕の手を完全に再現している。
ただ違うのは肌の色が全て白い氷の色をしていることであり、それは物凄く精巧に作られた氷像の腕のようだった。
そして不思議なことに、その腕に僕は確かに自分の右腕としての感覚を持っていた。
僕は恐る恐る指を動かす動作をしてみる。
すると氷で出来た指先がぎこちないながらも確かに動いてくれたんだ。
今度は腰に履いた剣帯に差した鞘から右手でタリオを抜いてみる。
すると以前のように僕は右手でタリオを握ることが出来た。
「す、すごい。僕の右腕の感覚が戻ってる」
そう言うと僕は興奮気味にタリオを振ってみた。
タリオの刀身がブンッと力強い音を立てて、空を切る。
タリオの柄を握る手には確かに力が入り、剣を思う存分に振るうことが出来るようになっていた。
自分の腕の感覚を確かめるように二度三度と剣を振るううちに、鈍い金色であるタリオの刀身が青白く輝き始める。
その変化に目を見張りつつ、僕はタリオに冷気の力が集中していくのを感じていたため、そのまま剣を振り続けた。
そして……五回に渡って剣を振るった結果、僕の眼前に突然1メートル四方の氷の塊が空中に現れて落下し、その辺にある机や棚を押しつぶしたんだ。
僕はその氷の塊に見覚えがあった。
それは確かに以前に見たものと同じだ。
「こ、これは……パ、永久凍土だ」
そう。
それはアリアナが自らの上位スキルで生み出す巨大な氷の塊で、フィールド上に一メートル四方の凍土を生み出す永久凍土だった。
僕は自分の左手首にはめられた黄色い輝きを放つIRリングを見て思わずそう呟きを漏らした。
IRリング。
砂漠都市ジェルスレイムのナイフダーツ・バーで景品として入手したそれを僕は装備していたんだけれど、聖岩山でタリオと共に使い過ぎた影響で不具合が出ていたんだ。
そしてずっと黒く染まって機能停止していたはずのそれが、再び元の黄色い輝きを取り戻していた。
驚きに目を見張る僕のメイン・システムに【IRリングをお使いの皆様へ】という運営本部からのメッセージが送られてきた。
【本製品の不具合・誤作動につきまして、先刻お伝えいたしました視覚機能障害の改善に続きまして、本製品の機能が全て復旧いたしましたことをご報告差し上げます。他の装備品と同時にお使いいただきましても問題ございません】
謝罪文とともにそうしたメッセージが送られてきた。
こ、これってナイスタイミングなのか?
このIRリングは自分の視界に映る相手に対し、回復アイテム等の効果を不可視エネルギーとして送ることの出来る機能を持っている。
そうした本来の使い方を一度もしたことのない僕だけど、これってもしかしたらワクチンを送ることも出来るんじゃないだろうか。
そしたら接近してワクチン・スタンプを直接押し当てなくても、遠くからこの目に映るミランダやジェネットを治せるんじゃ……。
そこまで考えて僕は首を横に振った。
「いや……でも今はダメだ」
仮にそれが出来たとしても現状の僕ではどうすることも出来ない。
ワクチン・スタンプはアディソンに奪われてしまい、岩壁に阻まれてジェネットを直接この目で見ることも出来ない。
それに今のミランダやジェネットの不調が本当にウイルスから来ているものなのかどうか、確証はないんだ。
ワクチンが効果を示すかどうかも分からない。
何一つとして確かなものはなく、どうひっくり返ってもこの場でIRリングを活用して事態を打開することは出来そうになかった。
「何か……何か打てる手はないのか?」
僕は自分に残された左の拳を握り締め、必死に思考を巡らせる。
だけどその思考は思わぬ形で中断された。
「痛っ!」
唐突にIRリングをはめている左手首にチクリと刺すような痛みを感じて、僕は思わず声を上げた。
な、何だ?
驚いて僕が左手首を見ると、IRリングが先ほどまでよりひと回り小さくなり、僕の手首に密着している。
リングと手首との間の隙間がなくなり、肌に食い込むようにピッチリとはまっていた。
「リングが小さくなってる?」
刺すような痛みは一瞬で治まり、次いでリングに締め付けられるような圧迫感を左手首に感じたけど、それもすぐに消えた。
残ったのは今までにないフィット感だ。
吸い着くようなその感じはまるで左手首とIRリングが一体化したように錯覚させる。
そして……。
「い、色が……」
黄色い輝きを放っていたそのリングは、どんどん色が薄くなり、すぐに無色透明に変化した。
僕の左手首が透けて見えるほどに。
この前は使い過ぎて黒く染まってしまったけれど、今度の変化はそれとは真逆だった。
「新しい仕様になったってことかな?」
僕は戸惑ったけれど、それ以上IRリングに注意を払うことが出来なかった。
なぜなら視界の端で岩肌の壁がぼんやりとした青白い光に照らされるのを捉えたからだ。
部屋を青白く染めるその光の源となっていたのは、床に横たわるアリアナの体だった。
「アリアナ? ど、どうしたんだ?」
彼女の全身は青白く光り輝いている。
彼女が地底湖における戦いでミランダと戦った際、第四のスキルとして繰り出した大技『乱気流雪嵐』を使う前に、こうやって全身が青白い凍気に包まれていたことを思い返した。
そしてそんなアリアナの体からは冷気が漂い始め、僕は肌寒さを感じてブルリと身震いした。
明らかにアリアナの体に異変が起きている。
僕は慌てて彼女のそばにしゃがみ込んだ。
相変わらずアリアナのメイン・システムにはアクセス出来なかったけれど、変化が起きていたのは目の前のアリアナだけじゃなかった。
モニターに映るオアシスの戦いにおいてコピーのアリアナの動きが急に鈍くなったんだ。
苛烈にミランダを攻め続けていたアリアナだけど、その攻撃の手が緩んだことでミランダは後退して距離を取ることが出来た。
その顔に怪訝そうな色が浮かんでいる。
ミランダもアリアナの変化に気が付いているんだ。
もしかして……オリジナルのアリアナが目覚めようとしているんじゃないのか?
一縷の望みを感じて僕は再び目の前のアリアナに視線を落とすと、出来る限り気分を落ち着かせながら彼女に語りかけてみた。
「アリアナ。僕の声が聞こえる? アルフレッドだよ。助けに来るのが遅くなってごめんね」
僕がそう言うとアリアナの目蓋が二度三度と痙攣するような動きを見せた。
は、反応してる。
やっぱりそうだ。
僕はアリアナを驚かせないように再びそっと話しかける。
「アリアナ。君が双子のクラスタに入ったのは僕を守ろうとしてくれたからだったんだね。何も知らなくてごめんよ。今度は僕が君を守るから。だからもう心配しなくていいよ」
僕が守る、なんておこがましい言葉だけど、それは僕の偽らざる本音だった。
もうアリアナに我慢なんてしてほしくない。
苦しいのも辛いのも、もうたくさんだよ。
これ以上アリアナが苦しむのを僕は見たくなかった。
そうした思いを込めて僕がそう言うと、不思議な現象が起きたんだ。
閉じたままのアリアナの目から涙がひとすじ零れ落ちた。
それは彼女の頬を伝い、地面に落ちる頃には氷の粒となっていた。
「アリアナが……泣いてる」
そのことに僕は驚き、モニターを見上げる。
するとモニターの中のコピーのアリアナにも同じ現象が起きていたんだ。
コピーのアリアナは鈍い動きでミランダを追いながら、その目から氷の涙をポロポロと流していた。
やはりそうか。
オリジナルのアリアナの体の奥底にある意識がコピーに影響を及ぼしているんだ。
目を閉じたまま意識がないのに涙を流すアリアナの顔が悲しくて、僕は左手で彼女の涙を拭ってあげた。
凍りついた涙は冷たく、僕の指をひんやりと冷やす。
その涙が左手首のIRリングに触れた瞬間、無色透明のリングが青白い色にパッと染まった。
そして……アリアナの体を取り巻いていた冷たい空気が、リングを通して僕の左手首から体の中に入り込んできたんだ。
「ひえっ! な、何これ? 何なの?」
僕は戸惑って思わず声を漏らす。
冷気は左肘を通って左肩に達し、そこから頭と胸に広がっていく。
そして下半身へと伝わり、足の先まで満ちていく。
それは不思議な感覚だった。
冷たいけれど、スッと体の中を清めてくれるような清々しい感覚。
そして……。
「うううっ!」
冷気は僕の右肩に達すると、そこから下に向かって伸びていく。
そこには何もない。
僕の右腕は失われているんだから。
だけど……僕は失われた右腕がそこにあるかのような錯覚を覚えた。
「いや……」
さ、錯覚なんかじゃない!
僕の右肩から抜けていく冷気は凍てつく氷の塊となり、それが僕の右腕を形作っていく。
そう。
僕の右肩から伸びたそれは、氷によって作られた右腕だったんだ。
上腕、肘、二の腕から指先に至るまで、僕の手を完全に再現している。
ただ違うのは肌の色が全て白い氷の色をしていることであり、それは物凄く精巧に作られた氷像の腕のようだった。
そして不思議なことに、その腕に僕は確かに自分の右腕としての感覚を持っていた。
僕は恐る恐る指を動かす動作をしてみる。
すると氷で出来た指先がぎこちないながらも確かに動いてくれたんだ。
今度は腰に履いた剣帯に差した鞘から右手でタリオを抜いてみる。
すると以前のように僕は右手でタリオを握ることが出来た。
「す、すごい。僕の右腕の感覚が戻ってる」
そう言うと僕は興奮気味にタリオを振ってみた。
タリオの刀身がブンッと力強い音を立てて、空を切る。
タリオの柄を握る手には確かに力が入り、剣を思う存分に振るうことが出来るようになっていた。
自分の腕の感覚を確かめるように二度三度と剣を振るううちに、鈍い金色であるタリオの刀身が青白く輝き始める。
その変化に目を見張りつつ、僕はタリオに冷気の力が集中していくのを感じていたため、そのまま剣を振り続けた。
そして……五回に渡って剣を振るった結果、僕の眼前に突然1メートル四方の氷の塊が空中に現れて落下し、その辺にある机や棚を押しつぶしたんだ。
僕はその氷の塊に見覚えがあった。
それは確かに以前に見たものと同じだ。
「こ、これは……パ、永久凍土だ」
そう。
それはアリアナが自らの上位スキルで生み出す巨大な氷の塊で、フィールド上に一メートル四方の凍土を生み出す永久凍土だった。
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