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第五章 魔獣使いキーラ & 暗黒巫女アディソン
第8話 アルフレッド奮闘!
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氷の右腕と凍結ステルス・ナイフ。
手に入れた新たな力で僕は双子に立ち向かう。
最初のナイフから間髪入れずに僕はナイフを蛇に吐き出させ、それを投げつけた。
双子は舌打ちをすると僕の動作にタイミングを合わせて地面を転がりながら回避行動を取る。
すると彼女たちが一瞬前までいた地面にナイフが突き立ち、半径1メートルほどの範囲を凍りつかせた。
やっぱりそう簡単には当たってくれないか。
でも、おかげでジェネットの傍から双子を引き離すことが出来た。
続けざま僕が左手でナイフを投げるフリをして牽制すると、双子は回避行動を取る。
ナイフを目で識別することの出来ない双子は僕が本当に投げたかどうか分からないから、こうした動作をとるだけで僕は彼女らを牽制できるんだ。
その隙を狙って、僕は右手に握ったタリオを二回連続で振り払う。
氷で出来た僕の右腕に握られ刀身を青く染めたタリオが空を斬ると、1メートル四方の立方体である永久凍土が空中に発生して双子を襲う。
これだけの質量だと、受け止めるだけで大ダメージを免れないと悟ったのか、双子は大きくジャンプして永久凍土を避けながら僕から距離を取った。
「チッキショウ! 何なんだ!」
「こ、小癪なっ!」
キーラとアディソンはそれぞれバラバラに逃げながら口々に悪態をつく。
取るに足らない相手だと見下していた僕なんかに攻撃されて、よほど腹に据えかねているんだろう。
僕はステルス・ナイフと永久凍土を交互に放ち、双子に反撃の隙を与えない。
その間にも僕はIRリングの機能を起動して、自分のライフを仲間に分与するモードを選んだ。
僕自身もライフは50%ほどしか残っていなかったけど、すでに回復アイテムも底をついてしまっている僕は、残量の半分である25%のライフを不可視エネルギーに変換した。
するとIRリングから黄色い光で出来た手の平ほどの大きさの妖精が放出されて僕の目の前に浮かぶ。
それはあらかじめIRリングの取扱説明書で読んでいた通りの現象だった。
僕はそれを送る相手を目で見て念じる。
もちろん送る先は前方で倒れているジェネットだ。
双子には見えないその黄色の妖精は華麗に宙を舞うと、あっという間にジェネットの体に吸い込まれていった。
途端にジェネットの体がビクッと動き、倒れていた彼女が跳ね起きたんだ。
やった!
初めてIRリングを本来の使い方で使用して、僕はジェネットを回復させることに成功した。
ジェネットは驚きの眼差しを僕に向ける。
そして双子もジェネットが起き上がったのを見て、憤然と顔を歪めていた。
そんな双子に攻撃を続ける僕の傍にジェネットが駆け寄ってくる
彼女は不安そうな表情を浮かべていた。
「ア、アル様。私にライフを分け与えてくれたのですね。ご自分もライフが残り少なくなってしまわれるのに。それにその腕は……」
心配そうにそう言うジェネットの言葉を遮って僕は言った。
「正直どうしてこうなったのか自分でもよく分からない。だけど僕はこの力で戦うって決めたんだ。今から双子を戦闘不能になるギリギリまで追い込んで捕らえないといけない。ゲームオーバーにしてしまうと彼女らはまたどこかに移動してしまうから。僕が双子を止める」
決意を込めてそう告げるとジェネットは不安な表情でほんの数秒の間、僕を見つめていたけれど、やがて目を伏せてため息をついた。
そしてすぐ目を見開くと、少し怒ったように頬を膨らませる。
「もう。無茶ばかりされるんですから。アル様は」
「ごめん」
「ごめん、じゃありませんよ」
ツンとした口調でジェネットはそう言うと彼女得意の回復魔法である神の息吹で僕を回復してくれた。
上質の神聖魔法によって僕のライフはすぐに100%まで回復する。
「戦うならば体力を万全にしないと。アル様の戦い方はかなりご自分を痛めつけるので。私は心配なんですよ。でも……勝って下さい。でないと許しませんからね」
「ありがとう。ジェネット」
僕は視線を双子に集中させたままジェネットにお礼を言うと、タリオを振り続けて双子に向けて永久凍土を放ち続けた。
僕が放出した凍土がズシンズシンと大きな音を立てて大広間の中に蓄積していく。
それらから逃れ続ける双子に向けて、僕は蛇が絶え間なく吐き出してくれるステルス・ナイフを投げ続けた。
「ジェネット。回復アイテムは?」
僕は前を向いたまま背後のジェネットにそう尋ねる。
ジェネットの回復魔法は彼女自身を回復することが出来ない。
「いえ。先ほどからの不調でアイテム・ストックの中から全ての回復アイテムが消えてしまいました。残されたのはアビーの首輪だけです」
やっぱりおかしい。
勝手にアイテムが消えてしまうなんて。
ジェネットの体の中にはワクチンで消したはずのウイルスが何らかの変異を遂げて再び彼女の体を蝕んでいるんだ。
と、とにかく彼女のライフを全回復させておかないと。
「ジェネット。もう一度ライフを送るから」
「はい。ではアル様の減った分のライフをもう一度回復させましょう」
「法力の残量はまだ大丈夫?」
「ご心配なく。まだ数回は唱えられます」
ジェネットの言葉に僕は頷いた。
そして僕は再びIRリングの妖精でジェネットのライフを100%まで回復させ、ジェネットは神の息吹で僕を回復してくれた。
「アル様には勝機が見えているようですね。私は何をすれば?」
「うん……ジェネット、不調で辛いだろうけど、少しの間だけアディソンを足止めしてほしいんだ。その間に僕がキーラを取り押さえる」
そう言うと僕は双子相手に分散させていた攻撃をキーラに集中させながら駆け出した。
僕の背後でジェネットもアディソンに向かっていく気配がした。
彼女は僕を信じてくれている。
それを胸に強く刻みながら僕は自分自身を奮い立たせた。
ジェネットやミランダに守られているだけの存在でいるのはもう卒業だ。
彼女らと肩を並べて戦えるなんて大それたこと言わないけれど、ここで剣を振るって戦わなきゃ僕はいつまで経っても何も出来ない下級兵士のままだ。
そんなのはもう嫌なんだ。
僕は歯を食いしばるとタリオとステルス・ナイフを握りしめてキーラを追撃する。
キーラの行く手を阻むように永久凍土を放出し、そして下がろうとするキーラの後方にステルス・ナイフを投げつけて地面を凍結させ、逃げ道を潰す。
キーラはたたらを踏んで苛立ち紛れに声を荒げた。
「くそっ! 妙な力つけて強くなった気になってんじゃねえぞ! カスが!」
そう言うとキーラは左手を掲げて爆弾鳥を次々と呼び出し、僕に向けてけしかける。
すぐに僕はタリオをすぐ前方に向けて振るい、目の前に永久凍土をいくつも並べて防壁とした。
爆弾鳥は次々と永久凍土にぶつかり、爆発して大きな爆音と振動を響かせる。
だけど永久凍土はわずかに表面が溶けただけでビクともせずに僕を守ってくれた。
キーラは憤慨して舌打ちを響かせる。
「チッ! めんどくせえ! アタシのかわいい魔獣ども! このクソ生意気なザコ野郎を食いちぎってやれ!」
すると岩盤に覆われた地下の中だというのに、彼女の足先の地面がモコモコと盛り上がり、土の下から大蛇ほどもある巨大なミミズが多数現れた。
気持ち悪っ!
目も耳も鼻もないミミズは口だけは異様に大きく避けていて、鋭い牙が隙間なく生えている。
そのミミズたちは思った以上の速度で地面を這い寄ってくる。
その光景は背すじが寒くなるほどおぞましかったけれど、戦意高揚する僕は怯まなかった。
「はあっ!」
凍結ステルス・ナイフを投げつけてミミズの群れを凍りつかせると、タリオを振るってその頭上から永久凍土を降らせた。
巨大な凍土の塊に押しつぶされてミミズたちはあっという間に全滅する。
キーラは怒りに顔を歪めて悪態をついた。
「くっ! くそったれ!」
「てやあっ!」
僕は自分が持ち得る力と敏捷性を限界ギリギリまで用いて、フルストッロルでタリオを振り回す。
そしてキーラの周囲に次々と永久凍土を積み上げていく。
それはキーラの後方と左右を塞ぐように積み上がり、退路を断たれた彼女はもうこちらに向かってくるしかない。
僕はあらん限りの声をキーラに向けて張り上げた。
「来い! キーラ! 僕をその鞭で打ちたくて仕方ないんだろ! やってみろ!」
「上等だテメー! 後悔しやがれ! 肉が裂けて泣き叫ぶほどコイツでしばいてやる!」
そう叫ぶとキーラは獣属鞭で地面をビシッと打ち、猛然と地面を蹴ってこちらに疾走してくる。
来い来い来い。
もっとだ。
もっと引きつけろ。
一瞬のタイミングを逃すな。
絶対に勝つ!
華々しい勝利にはまるで縁のない僕だけど、今日だけは絶対に勝つんだ!
友達のために。
自分のために。
僕は自分自身にそう言い聞かせながら、眼前に迫り来るキーラを迎え撃った。
手に入れた新たな力で僕は双子に立ち向かう。
最初のナイフから間髪入れずに僕はナイフを蛇に吐き出させ、それを投げつけた。
双子は舌打ちをすると僕の動作にタイミングを合わせて地面を転がりながら回避行動を取る。
すると彼女たちが一瞬前までいた地面にナイフが突き立ち、半径1メートルほどの範囲を凍りつかせた。
やっぱりそう簡単には当たってくれないか。
でも、おかげでジェネットの傍から双子を引き離すことが出来た。
続けざま僕が左手でナイフを投げるフリをして牽制すると、双子は回避行動を取る。
ナイフを目で識別することの出来ない双子は僕が本当に投げたかどうか分からないから、こうした動作をとるだけで僕は彼女らを牽制できるんだ。
その隙を狙って、僕は右手に握ったタリオを二回連続で振り払う。
氷で出来た僕の右腕に握られ刀身を青く染めたタリオが空を斬ると、1メートル四方の立方体である永久凍土が空中に発生して双子を襲う。
これだけの質量だと、受け止めるだけで大ダメージを免れないと悟ったのか、双子は大きくジャンプして永久凍土を避けながら僕から距離を取った。
「チッキショウ! 何なんだ!」
「こ、小癪なっ!」
キーラとアディソンはそれぞれバラバラに逃げながら口々に悪態をつく。
取るに足らない相手だと見下していた僕なんかに攻撃されて、よほど腹に据えかねているんだろう。
僕はステルス・ナイフと永久凍土を交互に放ち、双子に反撃の隙を与えない。
その間にも僕はIRリングの機能を起動して、自分のライフを仲間に分与するモードを選んだ。
僕自身もライフは50%ほどしか残っていなかったけど、すでに回復アイテムも底をついてしまっている僕は、残量の半分である25%のライフを不可視エネルギーに変換した。
するとIRリングから黄色い光で出来た手の平ほどの大きさの妖精が放出されて僕の目の前に浮かぶ。
それはあらかじめIRリングの取扱説明書で読んでいた通りの現象だった。
僕はそれを送る相手を目で見て念じる。
もちろん送る先は前方で倒れているジェネットだ。
双子には見えないその黄色の妖精は華麗に宙を舞うと、あっという間にジェネットの体に吸い込まれていった。
途端にジェネットの体がビクッと動き、倒れていた彼女が跳ね起きたんだ。
やった!
初めてIRリングを本来の使い方で使用して、僕はジェネットを回復させることに成功した。
ジェネットは驚きの眼差しを僕に向ける。
そして双子もジェネットが起き上がったのを見て、憤然と顔を歪めていた。
そんな双子に攻撃を続ける僕の傍にジェネットが駆け寄ってくる
彼女は不安そうな表情を浮かべていた。
「ア、アル様。私にライフを分け与えてくれたのですね。ご自分もライフが残り少なくなってしまわれるのに。それにその腕は……」
心配そうにそう言うジェネットの言葉を遮って僕は言った。
「正直どうしてこうなったのか自分でもよく分からない。だけど僕はこの力で戦うって決めたんだ。今から双子を戦闘不能になるギリギリまで追い込んで捕らえないといけない。ゲームオーバーにしてしまうと彼女らはまたどこかに移動してしまうから。僕が双子を止める」
決意を込めてそう告げるとジェネットは不安な表情でほんの数秒の間、僕を見つめていたけれど、やがて目を伏せてため息をついた。
そしてすぐ目を見開くと、少し怒ったように頬を膨らませる。
「もう。無茶ばかりされるんですから。アル様は」
「ごめん」
「ごめん、じゃありませんよ」
ツンとした口調でジェネットはそう言うと彼女得意の回復魔法である神の息吹で僕を回復してくれた。
上質の神聖魔法によって僕のライフはすぐに100%まで回復する。
「戦うならば体力を万全にしないと。アル様の戦い方はかなりご自分を痛めつけるので。私は心配なんですよ。でも……勝って下さい。でないと許しませんからね」
「ありがとう。ジェネット」
僕は視線を双子に集中させたままジェネットにお礼を言うと、タリオを振り続けて双子に向けて永久凍土を放ち続けた。
僕が放出した凍土がズシンズシンと大きな音を立てて大広間の中に蓄積していく。
それらから逃れ続ける双子に向けて、僕は蛇が絶え間なく吐き出してくれるステルス・ナイフを投げ続けた。
「ジェネット。回復アイテムは?」
僕は前を向いたまま背後のジェネットにそう尋ねる。
ジェネットの回復魔法は彼女自身を回復することが出来ない。
「いえ。先ほどからの不調でアイテム・ストックの中から全ての回復アイテムが消えてしまいました。残されたのはアビーの首輪だけです」
やっぱりおかしい。
勝手にアイテムが消えてしまうなんて。
ジェネットの体の中にはワクチンで消したはずのウイルスが何らかの変異を遂げて再び彼女の体を蝕んでいるんだ。
と、とにかく彼女のライフを全回復させておかないと。
「ジェネット。もう一度ライフを送るから」
「はい。ではアル様の減った分のライフをもう一度回復させましょう」
「法力の残量はまだ大丈夫?」
「ご心配なく。まだ数回は唱えられます」
ジェネットの言葉に僕は頷いた。
そして僕は再びIRリングの妖精でジェネットのライフを100%まで回復させ、ジェネットは神の息吹で僕を回復してくれた。
「アル様には勝機が見えているようですね。私は何をすれば?」
「うん……ジェネット、不調で辛いだろうけど、少しの間だけアディソンを足止めしてほしいんだ。その間に僕がキーラを取り押さえる」
そう言うと僕は双子相手に分散させていた攻撃をキーラに集中させながら駆け出した。
僕の背後でジェネットもアディソンに向かっていく気配がした。
彼女は僕を信じてくれている。
それを胸に強く刻みながら僕は自分自身を奮い立たせた。
ジェネットやミランダに守られているだけの存在でいるのはもう卒業だ。
彼女らと肩を並べて戦えるなんて大それたこと言わないけれど、ここで剣を振るって戦わなきゃ僕はいつまで経っても何も出来ない下級兵士のままだ。
そんなのはもう嫌なんだ。
僕は歯を食いしばるとタリオとステルス・ナイフを握りしめてキーラを追撃する。
キーラの行く手を阻むように永久凍土を放出し、そして下がろうとするキーラの後方にステルス・ナイフを投げつけて地面を凍結させ、逃げ道を潰す。
キーラはたたらを踏んで苛立ち紛れに声を荒げた。
「くそっ! 妙な力つけて強くなった気になってんじゃねえぞ! カスが!」
そう言うとキーラは左手を掲げて爆弾鳥を次々と呼び出し、僕に向けてけしかける。
すぐに僕はタリオをすぐ前方に向けて振るい、目の前に永久凍土をいくつも並べて防壁とした。
爆弾鳥は次々と永久凍土にぶつかり、爆発して大きな爆音と振動を響かせる。
だけど永久凍土はわずかに表面が溶けただけでビクともせずに僕を守ってくれた。
キーラは憤慨して舌打ちを響かせる。
「チッ! めんどくせえ! アタシのかわいい魔獣ども! このクソ生意気なザコ野郎を食いちぎってやれ!」
すると岩盤に覆われた地下の中だというのに、彼女の足先の地面がモコモコと盛り上がり、土の下から大蛇ほどもある巨大なミミズが多数現れた。
気持ち悪っ!
目も耳も鼻もないミミズは口だけは異様に大きく避けていて、鋭い牙が隙間なく生えている。
そのミミズたちは思った以上の速度で地面を這い寄ってくる。
その光景は背すじが寒くなるほどおぞましかったけれど、戦意高揚する僕は怯まなかった。
「はあっ!」
凍結ステルス・ナイフを投げつけてミミズの群れを凍りつかせると、タリオを振るってその頭上から永久凍土を降らせた。
巨大な凍土の塊に押しつぶされてミミズたちはあっという間に全滅する。
キーラは怒りに顔を歪めて悪態をついた。
「くっ! くそったれ!」
「てやあっ!」
僕は自分が持ち得る力と敏捷性を限界ギリギリまで用いて、フルストッロルでタリオを振り回す。
そしてキーラの周囲に次々と永久凍土を積み上げていく。
それはキーラの後方と左右を塞ぐように積み上がり、退路を断たれた彼女はもうこちらに向かってくるしかない。
僕はあらん限りの声をキーラに向けて張り上げた。
「来い! キーラ! 僕をその鞭で打ちたくて仕方ないんだろ! やってみろ!」
「上等だテメー! 後悔しやがれ! 肉が裂けて泣き叫ぶほどコイツでしばいてやる!」
そう叫ぶとキーラは獣属鞭で地面をビシッと打ち、猛然と地面を蹴ってこちらに疾走してくる。
来い来い来い。
もっとだ。
もっと引きつけろ。
一瞬のタイミングを逃すな。
絶対に勝つ!
華々しい勝利にはまるで縁のない僕だけど、今日だけは絶対に勝つんだ!
友達のために。
自分のために。
僕は自分自身にそう言い聞かせながら、眼前に迫り来るキーラを迎え撃った。
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