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夕闇の優しさ
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「ようこそ、典祓庁へ。歓迎するぜ、お二人さん」
対異能者特別チームへの参加の話があった翌日。仁梧と和梧は典祓庁を訪れていた。
省庁が建ち並ぶ東京のど真ん中。今までにもオフィス街に来た事はあったが、また違った雰囲気を感じる。何より仁梧にとって陽が出ている内に屋敷の外に出る事はなかった為、明るい中で見る景色は何もかもが物珍しく道中の車の中から夢中になって次々と変わる風景を眺めていた。
典祓庁へ到着すると、入り口に透が出迎えに来てくれていた。冒頭の台詞を受けて仁梧はぺこりと会釈をするが、和梧はと言えば完全に無視を貫いている。対照的な二人の反応を可笑しそうに見ながら、透は庁舎の中へ促した。
「顔合わせっつっても、今日会うのはほとんど典祓庁の人間だ。安心して素顔を晒せるぜ?」
道中歩きながらそう言われ、和梧はぴしゃりと言い放つ。
「どの辺りが安心してなのか微塵もわからないわ。むしろ意地でも顔を隠してやりたいわよ」
「そんな事言われると、取ってやりたくなるのが人の性ってやつなんだよな」
「ちょっと!」
急に立ち止まり、紗をさっと取ってしまった透に和梧は憤慨の声を上げる。
「まあまあ。ぶっちゃけ言うけど、こんなもんで顔を隠したところで喋ってるとこ見りゃどっちが御前かなんて一目瞭然だぜ?実際、現場を見てた討伐局の連中の間じゃ祓戸の次期当主は気が強いって共通認識がもう出来上がってるからな」
「っ」
きっと和梧に睨みつけられ、仁梧は思わず首を竦める。普段から散々御前の影としての言動を心がけよと言い含められているにも拘らず、全く姉のように堂々と振る舞えていない自覚はあったからだ。
「そういうわけだからさ。今日は顔合わせなんだから、肝心の顔が見えなきゃどうしようもねぇだろ。ほら、君も」
そう促され、仁梧はどうすればいいかと和梧を見る。苦虫を嚙み潰したような顔だが、好きにすればと言われ戸惑いながら紗を取る。外で素顔を見せる事などないので何だか心許ない気がするが、布越しではない明るい光景にまた気分が高揚していくのがわかった。
二人並んで立つ姿をまじまじと見ながら、透は感心したように言う。
「黙ってると改めてそっくりだよなぁ」
「双子なんだから当たり前でしょ」
「そりゃそうだ。こんだけ同じ顔なら、どっちを姉貴にしようがわかんねぇのも無理ねぇか」
「「⁉︎」」
予想だにしない言葉に、驚きが顔に出るのを隠す余裕はなかった。それを見た透は、にやっと笑いながら続ける。
「本来姉として先に生まれた方を後から生まれた片割れを守る露払いとする為に妹として扱い、後から生まれた方を長子とする。数百年前には普通の家庭でも実在した風習なんだろ?それを未だに受け継いでるなんて、よっぽど祓戸家にとって双子ってのは特別な存在なんだな」
「どうしてそんな事…」
「舐めてもらっちゃ困るな。こう見えて、結構優秀なんだぜ?心配すんなって。口は堅い方だからさ。まあ、バレたところでだから何だって気もするけどな」
「っ」
ばっと紗を奪い返す和梧。それに対して、透はおっかねぇなと大袈裟に両手を上げてみせる。
「やっぱり政府の人間なんて信用ならない」
「はは、否定はしねぇよ。仕事以上に関わっても、碌な事はねぇからな」
意外な一言に、和梧だけでなく仁梧も虚をつかれる。まさか、その政府の人間本人からそのような台詞が出るとは思わなかったのだ。
そんな二人の心情を知ってか知らずか、ズボンのポケットに両手を入れた透はじゃあ行きますかとまた歩き始めるのだった。
*
顔合わせは何とも粛々と進められた。典祓庁側からの好奇の視線はばしばしと感じたが特に問題らしい問題はなく、今後に向けてどう動くべきか、政府と祓戸家双方の方針を摺り合わせたところで話し合いはお開きとなった。
帰りは透が送ってくれると言い、彼の運転で二人は家路についていた。行きと違う夕暮れの街並みは、また違った顔を見せているように感じた。
「ねぇ、道間違えてるわよ」
「え?」
和梧の言葉に仁梧は驚く。後部座席から身を乗り出す彼女に倣って透を見つめると、ルームミラー越しに彼と目が合った。
「あ、バレた?実は付き合ってほしい場所があってさ。ちょっと時間貰えないかな~なんて」
「はぁ?一体どこに連れていこうって言うの?」
「いいからいいから。お兄さんを信じなさい」
「あなたを信じるくらいなら妖の言う事を信じるわよ」
「とことん信用ねぇな~」
言葉では残念がっているが、顔は楽しげに笑っている。仁梧自身、彼の言動に振り回されている印象はあったが、その為人はそう悪くはないのではないかと思っているのでそれほど不安はない。それを言うと和梧は怒り狂うであろう事は火を見るより明らかなので絶対口にはしないのだが。
そうして車は祓戸家のある町とは違う方向を目指して走った。向かった先は…
「ほら、着いたぜ」
「ここは…」
「海?」
夕陽が沈みかけた海岸。オレンジ色の波が穏やかに波打っている。和梧の呟いた単語に仁梧は首を傾げて尋ねる。
「"うみ"?」
「おいおい。まさかとは思ってたけど、もしかして影前は海見るの初めてか?」
「あ…はい。私は妖祓い以外で家を出る事はまずありませんので」
それを聞いた透はぽかんと口を開ける。
「マジ?じゃあ学校も行ってねぇの?」
「学校どころか、表向きの戸籍には名前すら登録されてないわよ。祓戸椋礼の娘は私一人って事になってるわ。双子って事がバレたら、いざという時に影武者の役目を果たせないもの」
「はー。一般家庭育ちの俺にゃ、到底理解できねぇ感覚だな」
仁梧はぽりぽりと頭を掻く透を見上げる。
「界野さんは…異能の家系の生まれではないのですか?」
「おー、パンピーもパンピー。俺だけが異能を持って生まれたよ」
「ぱん…?」
「一般人って事よ」
言葉の意味がわからず考えていると、和梧が説明してくれた。
「まあ、俺の事はいいだろ。それよりも、折角連れてきたんだからこの景色を楽しんでくれよ」
「「え?」」
綺麗に声が揃ったのが可笑しかったのか、くっと喉が鳴る音がする。そのまま肩が震えているのを見た和梧が顔を赤くして詰め寄る。
「ちょっと!笑う事ないでしょ⁉︎変な事を言ったのはそっちじゃない!」
「悪い悪い。でも見てみろよ。なかなか絶景だろ?」
そう言われて、二人は改めて目の前に広がる光景に目を向ける。初めて見る冬の海辺は凍えそうなほど寒いというのに、仁梧は何か心にぽっと温かいものが灯る感覚を覚えた。
隣にいる和梧も同じ気持ちだろうかと僅かに視線を横にずらすと、何とも感情の読みづらい仏頂面が見えた。
「異形や異能なんてもんに囲まれてると、知らず知らずの内に心は磨り減っていっちまう。だから、そういう時にはこんな風に気分転換するんだよ。特に海はいいぜ。ベタだけど、嫌な事ぜーんぶ吹っ飛ばしてくれるからな」
「私達を気遣おうってわけ?少なくとも、私は政府の人間に心配されるほど柔じゃないわよ」
「そう言う奴に限って脆かったりするんだよ。年上のアドバイスは聞いておいて損はないぜ、勝気で完璧な祓戸次期当主様」
な?と話を振られた仁梧は何と返していいかわからず、海の方へ視線を戻す。
─異形や異能なんてもんに囲まれてると、知らず知らずの内に心は磨り減っていっちまう。だから、そういう時にはこんな風に気分転換するんだよ
(気分転換…)
今まで自分にそんな事を言ってくれる人間はいなかった。使命を果たせ、和梧の露払いとして生きろとそればかり言われて育った。
辺りを見れば、夕陽が沈みかけ先程よりも足元の影が濃くなっているのがわかる。ざざん、と打ち寄せる波の音に耳を澄ませれば初めて聞くその音色はとても優しく、いつまでも聞いていたい気がした。
対異能者特別チームへの参加の話があった翌日。仁梧と和梧は典祓庁を訪れていた。
省庁が建ち並ぶ東京のど真ん中。今までにもオフィス街に来た事はあったが、また違った雰囲気を感じる。何より仁梧にとって陽が出ている内に屋敷の外に出る事はなかった為、明るい中で見る景色は何もかもが物珍しく道中の車の中から夢中になって次々と変わる風景を眺めていた。
典祓庁へ到着すると、入り口に透が出迎えに来てくれていた。冒頭の台詞を受けて仁梧はぺこりと会釈をするが、和梧はと言えば完全に無視を貫いている。対照的な二人の反応を可笑しそうに見ながら、透は庁舎の中へ促した。
「顔合わせっつっても、今日会うのはほとんど典祓庁の人間だ。安心して素顔を晒せるぜ?」
道中歩きながらそう言われ、和梧はぴしゃりと言い放つ。
「どの辺りが安心してなのか微塵もわからないわ。むしろ意地でも顔を隠してやりたいわよ」
「そんな事言われると、取ってやりたくなるのが人の性ってやつなんだよな」
「ちょっと!」
急に立ち止まり、紗をさっと取ってしまった透に和梧は憤慨の声を上げる。
「まあまあ。ぶっちゃけ言うけど、こんなもんで顔を隠したところで喋ってるとこ見りゃどっちが御前かなんて一目瞭然だぜ?実際、現場を見てた討伐局の連中の間じゃ祓戸の次期当主は気が強いって共通認識がもう出来上がってるからな」
「っ」
きっと和梧に睨みつけられ、仁梧は思わず首を竦める。普段から散々御前の影としての言動を心がけよと言い含められているにも拘らず、全く姉のように堂々と振る舞えていない自覚はあったからだ。
「そういうわけだからさ。今日は顔合わせなんだから、肝心の顔が見えなきゃどうしようもねぇだろ。ほら、君も」
そう促され、仁梧はどうすればいいかと和梧を見る。苦虫を嚙み潰したような顔だが、好きにすればと言われ戸惑いながら紗を取る。外で素顔を見せる事などないので何だか心許ない気がするが、布越しではない明るい光景にまた気分が高揚していくのがわかった。
二人並んで立つ姿をまじまじと見ながら、透は感心したように言う。
「黙ってると改めてそっくりだよなぁ」
「双子なんだから当たり前でしょ」
「そりゃそうだ。こんだけ同じ顔なら、どっちを姉貴にしようがわかんねぇのも無理ねぇか」
「「⁉︎」」
予想だにしない言葉に、驚きが顔に出るのを隠す余裕はなかった。それを見た透は、にやっと笑いながら続ける。
「本来姉として先に生まれた方を後から生まれた片割れを守る露払いとする為に妹として扱い、後から生まれた方を長子とする。数百年前には普通の家庭でも実在した風習なんだろ?それを未だに受け継いでるなんて、よっぽど祓戸家にとって双子ってのは特別な存在なんだな」
「どうしてそんな事…」
「舐めてもらっちゃ困るな。こう見えて、結構優秀なんだぜ?心配すんなって。口は堅い方だからさ。まあ、バレたところでだから何だって気もするけどな」
「っ」
ばっと紗を奪い返す和梧。それに対して、透はおっかねぇなと大袈裟に両手を上げてみせる。
「やっぱり政府の人間なんて信用ならない」
「はは、否定はしねぇよ。仕事以上に関わっても、碌な事はねぇからな」
意外な一言に、和梧だけでなく仁梧も虚をつかれる。まさか、その政府の人間本人からそのような台詞が出るとは思わなかったのだ。
そんな二人の心情を知ってか知らずか、ズボンのポケットに両手を入れた透はじゃあ行きますかとまた歩き始めるのだった。
*
顔合わせは何とも粛々と進められた。典祓庁側からの好奇の視線はばしばしと感じたが特に問題らしい問題はなく、今後に向けてどう動くべきか、政府と祓戸家双方の方針を摺り合わせたところで話し合いはお開きとなった。
帰りは透が送ってくれると言い、彼の運転で二人は家路についていた。行きと違う夕暮れの街並みは、また違った顔を見せているように感じた。
「ねぇ、道間違えてるわよ」
「え?」
和梧の言葉に仁梧は驚く。後部座席から身を乗り出す彼女に倣って透を見つめると、ルームミラー越しに彼と目が合った。
「あ、バレた?実は付き合ってほしい場所があってさ。ちょっと時間貰えないかな~なんて」
「はぁ?一体どこに連れていこうって言うの?」
「いいからいいから。お兄さんを信じなさい」
「あなたを信じるくらいなら妖の言う事を信じるわよ」
「とことん信用ねぇな~」
言葉では残念がっているが、顔は楽しげに笑っている。仁梧自身、彼の言動に振り回されている印象はあったが、その為人はそう悪くはないのではないかと思っているのでそれほど不安はない。それを言うと和梧は怒り狂うであろう事は火を見るより明らかなので絶対口にはしないのだが。
そうして車は祓戸家のある町とは違う方向を目指して走った。向かった先は…
「ほら、着いたぜ」
「ここは…」
「海?」
夕陽が沈みかけた海岸。オレンジ色の波が穏やかに波打っている。和梧の呟いた単語に仁梧は首を傾げて尋ねる。
「"うみ"?」
「おいおい。まさかとは思ってたけど、もしかして影前は海見るの初めてか?」
「あ…はい。私は妖祓い以外で家を出る事はまずありませんので」
それを聞いた透はぽかんと口を開ける。
「マジ?じゃあ学校も行ってねぇの?」
「学校どころか、表向きの戸籍には名前すら登録されてないわよ。祓戸椋礼の娘は私一人って事になってるわ。双子って事がバレたら、いざという時に影武者の役目を果たせないもの」
「はー。一般家庭育ちの俺にゃ、到底理解できねぇ感覚だな」
仁梧はぽりぽりと頭を掻く透を見上げる。
「界野さんは…異能の家系の生まれではないのですか?」
「おー、パンピーもパンピー。俺だけが異能を持って生まれたよ」
「ぱん…?」
「一般人って事よ」
言葉の意味がわからず考えていると、和梧が説明してくれた。
「まあ、俺の事はいいだろ。それよりも、折角連れてきたんだからこの景色を楽しんでくれよ」
「「え?」」
綺麗に声が揃ったのが可笑しかったのか、くっと喉が鳴る音がする。そのまま肩が震えているのを見た和梧が顔を赤くして詰め寄る。
「ちょっと!笑う事ないでしょ⁉︎変な事を言ったのはそっちじゃない!」
「悪い悪い。でも見てみろよ。なかなか絶景だろ?」
そう言われて、二人は改めて目の前に広がる光景に目を向ける。初めて見る冬の海辺は凍えそうなほど寒いというのに、仁梧は何か心にぽっと温かいものが灯る感覚を覚えた。
隣にいる和梧も同じ気持ちだろうかと僅かに視線を横にずらすと、何とも感情の読みづらい仏頂面が見えた。
「異形や異能なんてもんに囲まれてると、知らず知らずの内に心は磨り減っていっちまう。だから、そういう時にはこんな風に気分転換するんだよ。特に海はいいぜ。ベタだけど、嫌な事ぜーんぶ吹っ飛ばしてくれるからな」
「私達を気遣おうってわけ?少なくとも、私は政府の人間に心配されるほど柔じゃないわよ」
「そう言う奴に限って脆かったりするんだよ。年上のアドバイスは聞いておいて損はないぜ、勝気で完璧な祓戸次期当主様」
な?と話を振られた仁梧は何と返していいかわからず、海の方へ視線を戻す。
─異形や異能なんてもんに囲まれてると、知らず知らずの内に心は磨り減っていっちまう。だから、そういう時にはこんな風に気分転換するんだよ
(気分転換…)
今まで自分にそんな事を言ってくれる人間はいなかった。使命を果たせ、和梧の露払いとして生きろとそればかり言われて育った。
辺りを見れば、夕陽が沈みかけ先程よりも足元の影が濃くなっているのがわかる。ざざん、と打ち寄せる波の音に耳を澄ませれば初めて聞くその音色はとても優しく、いつまでも聞いていたい気がした。
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