14 / 39
幕間 遠い夏の残香
しおりを挟む
「ね、ねぇなこ。ホントにいいの?かってにおやしきをでちゃって」
不安そうな妹に和梧は得意げな顔で答える。
「へいきよ。もうわたしはあやかしばらいもできるんだもの。ちちうえもいえのみんなもおおげさなのよ。たまにはいきぬきしたっていいじゃない」
「で、でも、わたしはまだどのほしもつかえないし…」
「だいじょうぶ!ほんのちょっとでかけるだけなんだから!」
いきましょ、と手を引かれ本当に大丈夫だろうかと仁梧は後ろにある屋敷を振り返る。
─いえのひとたちがはなしているのをきいたの。こんばん、ちかくでおまつりがあるんですって!
そう誘われて屋敷を抜け出す事にした二人。敷地内から出てはならないという言いつけを破ってしまった事への罪悪感はあるが、仁梧も内心では初めて見る外の世界に胸が高鳴っていた。これから見物に行く"おまつり"というのが一体どんなものなのか想像もつかないが、和梧が一緒なら何でも楽しくなりそうな気がした。
門を潜り抜けた先にある坂道を町の灯りがある方向へ向かって下りていくと、次第にどこからか太鼓や笛などのお囃子が聞こえてくる。その音楽につられるように、気づけば周りには浴衣を着た男女や家族連れが大勢いた。
「ついたわ!ここね!」
仁梧は目の前に広がる光景に見惚れた。提灯の灯りが幻想的に会場の神社の参道を照らしている。参道沿いに並ぶ夜店からは活気のある客引きの声が聞こえ、すれ違う人々の顔は楽しげな笑顔で溢れていた。
「にこ、にこ!あそこみて!」
和梧が興奮気味に指差している先にあったのは、赤く艶々したりんご飴。綺麗に並べられたそれらを見た仁梧は、和梧と同じように目を輝かせる。
「お嬢ちゃん達双子かい?」
とそこに店主に声をかけられ、二人はびくりと身を固くする。双子は忌み子、縁起の悪い自分達がこんな場所にいたら出ていけと怒鳴られるだろうかと恐れた。
しかし、予想に反して店主はにかっと笑った。
「色違いの浴衣なんか着ちゃって微笑ましいねぇ。ほら、そんな可愛い二人に特別サービスだ。持っていきな」
そう言って差し出された二本のりんご飴に仁梧達は戸惑う。
「あ、ありがとう」
「気にすんな!祭り、楽しんでいけよ!」
思ってもみない言葉に顔を見合わせ、込み上げた嬉しさに顔を綻ばせて答えた。
「「ええ/はい!」」
それから二人は存分に祭りを楽しんだ。金魚すくいに射的、たこ焼きに焼きそば。金は持っていなかったので見ている事しかできなかったが、初めて二人で触れる外の世界はきらきらと輝いて見えた。
*
「はー、とってもたのしい!こんなのはじめてだわ!」
一通り夜店を見て回った仁梧達は、神社の境内の裏にある杉の木の下で休憩をしていた。勿体なくて食べられずにいるりんご飴をくるくる回しながら満足げに笑う和梧を見て、仁梧も嬉しそうに微笑む。
そのまま二人は黙ったまま、夜の空を見上げる。祭りの中心から離れた場所で聞く祭囃子は、どことなく物悲しく感じた。二人ともわかっていた。この辺りが潮時だと。
「もっとおまつりをたのしみたいけど、そろそろかえらないとまずいわよね、やっぱり」
「そうね。かえりましょうか」
後ろ髪を引かれる思いで家路につこうとしたその時だった。
〈グルルルル〉
「「!」」
獣の唸り声のようなものが側の木の影から聞こえる。ぱっと見ると、狼のような姿をした魍が牙を剥いてこちらへ近づいてこようとしていた。
「どうしてこんなところにもうが…!」
「なこ、さがって!」
動揺する和梧を背に隠し、守るように前に出る仁梧。日頃から徹底的に教育されているお陰か、竦んだ足でも反射的に動く事ができた。
「ま、まってにこ!いま、じゅうにしを…」
〈グアアアア!〉
「あぶない!」
どんと突き飛ばされ、地面に倒れ込む和梧。擦りむいた肘の痛みに顔を歪める。だがすぐに片割れの事を案じ前を向くと、魍に肩を噛みつかれている仁梧の姿があった。
「にこ!」
「う…な、こ…にげ、て…」
「ばか!そんなことできるわけ…」
そんなやりとりをしている間にも、魍は更に深く牙を食い込ませる。
「うあっ…」
「っ、に…」
刹那、魍が何かに吹き飛ばされた。
「御前!ご無事ですか⁉」
「おい、いたぞ!」
「あ…」
見慣れた一族の人間が数人、こちらへ駆け寄ってきたのを見て助かったのだと理解する。内一人が魍を完全に祓う傍ら、他の者達はこぞって和梧を案じる声をかけた。
「お怪我はありませんか、御前」
「家の者総出で探したのですよ!」
「ああ、でもご無事で良かった」
「ちがうの…にこが…にこをたすけて…!」
血だらけで倒れている片割れを診てやってくれと縋るように繰り返す。草むらの上には、落ちた二つのりんご飴がまるで血のように砕け散っていた。
*
和梧は障子の前で立ち尽くしていた。何度も開けようと手を伸ばしてはやめるといった動きを繰り返し、悩みに悩んだ末に覚悟を決めるようにすうっと深呼吸をすると、震えそうな声を抑えて呼びかける。
「にこ、わたしよ。はいってもいい?」
一拍置いてどうぞという返事が聞こえたので、そっと障子を開ける。布団の中にいた仁梧は、体を起こして和梧にふわりと笑いかけた。
「どうしたの?はなれまでくるなんて、ちちうえがしったらしかられてしまうわ」
「いっそしかってほしいくらいよ。こんかいのことはぜんぶわたしがわるいんだから。なのにちちうえも、いえのひとたちも、にこのことばかりせめて」
ぎゅっと悔しげに眉を顰める。今回の騒動、屋敷を無断で抜け出した事について椋礼は全ての咎を仁梧に背負わせた。曰く、祓戸家の次期当主である和梧を魍と遭遇させ、命の危機に晒した責任は大きいとの事だ。体を張って露払いの務めを全うしたというのに、それについては至極当然の事だと誰も評価はしなかった。
「あの、にこ…わたし…」
側に正座し、言葉を探すように目を泳がせる。ふと枕元に置かれた蚊取り線香に目が留まる。鼻を擽る独特の香りが、やけに強く感じた。
そんな姉に、仁梧は眉を下げて言った。
「ごめんね、なこ」
「え?」
「わたし、やくたたずで…けっきょく、ひとりじゃなこをまもれなかった。わたしはなこのつゆばらいなのに」
「っ…」
「ごめんね。つぎはちゃんとまもれるようにがんばるから。だから、またいっしょにおまつり…」
「そんなこというな!」
鋭い声が木霊する。続いて訪れた静寂。仁梧は突然怒鳴られて固まっており、和梧は薄らと涙の滲んだ目で仁梧を睨みつけている。
「な、こ…」
「やくたたずとか、つゆばらいとか、そんなこというな!にこはじゅうにしんせいのちからをつかえないんだから、しかたなかったのよ!わたしがもうをはらうべきだったの!にこにまかせちゃいけなかったのよ!」
「っ、ごめんなさい。わたしがちからぶそくだから…」
「だからちがうっていってるでしょ⁉」
癇癪を起こしたように叫び続ける姉に、仁梧はどうしていいかわからず謝る事しかできない。だがそれが更に和梧の怒りを買ってしまい、二人の間には気まずい空気が漂う。
「…もういい」
「なこ?」
「もうにこにはきたいしない。ずっとわたしのうしろにいて」
「ま、まって。ごめんなさい…!わたしがんばるから…!」
「とうぜんでしょ。わたしたちは"ならびのみおやのさいらい"といわれているんだもの。ちゃんとやくめをはたせるように、たんれんはおこたらないで。でもそれいじょうのことはしなくていい」
これからは、わたしひとりでたたかう。
それは事実上の戦力外通告だった。呆然とする仁梧を一瞥する事なく、部屋を後にする和梧。残された室内には、蚊取り線香の香りが哀しげに揺れていた。
不安そうな妹に和梧は得意げな顔で答える。
「へいきよ。もうわたしはあやかしばらいもできるんだもの。ちちうえもいえのみんなもおおげさなのよ。たまにはいきぬきしたっていいじゃない」
「で、でも、わたしはまだどのほしもつかえないし…」
「だいじょうぶ!ほんのちょっとでかけるだけなんだから!」
いきましょ、と手を引かれ本当に大丈夫だろうかと仁梧は後ろにある屋敷を振り返る。
─いえのひとたちがはなしているのをきいたの。こんばん、ちかくでおまつりがあるんですって!
そう誘われて屋敷を抜け出す事にした二人。敷地内から出てはならないという言いつけを破ってしまった事への罪悪感はあるが、仁梧も内心では初めて見る外の世界に胸が高鳴っていた。これから見物に行く"おまつり"というのが一体どんなものなのか想像もつかないが、和梧が一緒なら何でも楽しくなりそうな気がした。
門を潜り抜けた先にある坂道を町の灯りがある方向へ向かって下りていくと、次第にどこからか太鼓や笛などのお囃子が聞こえてくる。その音楽につられるように、気づけば周りには浴衣を着た男女や家族連れが大勢いた。
「ついたわ!ここね!」
仁梧は目の前に広がる光景に見惚れた。提灯の灯りが幻想的に会場の神社の参道を照らしている。参道沿いに並ぶ夜店からは活気のある客引きの声が聞こえ、すれ違う人々の顔は楽しげな笑顔で溢れていた。
「にこ、にこ!あそこみて!」
和梧が興奮気味に指差している先にあったのは、赤く艶々したりんご飴。綺麗に並べられたそれらを見た仁梧は、和梧と同じように目を輝かせる。
「お嬢ちゃん達双子かい?」
とそこに店主に声をかけられ、二人はびくりと身を固くする。双子は忌み子、縁起の悪い自分達がこんな場所にいたら出ていけと怒鳴られるだろうかと恐れた。
しかし、予想に反して店主はにかっと笑った。
「色違いの浴衣なんか着ちゃって微笑ましいねぇ。ほら、そんな可愛い二人に特別サービスだ。持っていきな」
そう言って差し出された二本のりんご飴に仁梧達は戸惑う。
「あ、ありがとう」
「気にすんな!祭り、楽しんでいけよ!」
思ってもみない言葉に顔を見合わせ、込み上げた嬉しさに顔を綻ばせて答えた。
「「ええ/はい!」」
それから二人は存分に祭りを楽しんだ。金魚すくいに射的、たこ焼きに焼きそば。金は持っていなかったので見ている事しかできなかったが、初めて二人で触れる外の世界はきらきらと輝いて見えた。
*
「はー、とってもたのしい!こんなのはじめてだわ!」
一通り夜店を見て回った仁梧達は、神社の境内の裏にある杉の木の下で休憩をしていた。勿体なくて食べられずにいるりんご飴をくるくる回しながら満足げに笑う和梧を見て、仁梧も嬉しそうに微笑む。
そのまま二人は黙ったまま、夜の空を見上げる。祭りの中心から離れた場所で聞く祭囃子は、どことなく物悲しく感じた。二人ともわかっていた。この辺りが潮時だと。
「もっとおまつりをたのしみたいけど、そろそろかえらないとまずいわよね、やっぱり」
「そうね。かえりましょうか」
後ろ髪を引かれる思いで家路につこうとしたその時だった。
〈グルルルル〉
「「!」」
獣の唸り声のようなものが側の木の影から聞こえる。ぱっと見ると、狼のような姿をした魍が牙を剥いてこちらへ近づいてこようとしていた。
「どうしてこんなところにもうが…!」
「なこ、さがって!」
動揺する和梧を背に隠し、守るように前に出る仁梧。日頃から徹底的に教育されているお陰か、竦んだ足でも反射的に動く事ができた。
「ま、まってにこ!いま、じゅうにしを…」
〈グアアアア!〉
「あぶない!」
どんと突き飛ばされ、地面に倒れ込む和梧。擦りむいた肘の痛みに顔を歪める。だがすぐに片割れの事を案じ前を向くと、魍に肩を噛みつかれている仁梧の姿があった。
「にこ!」
「う…な、こ…にげ、て…」
「ばか!そんなことできるわけ…」
そんなやりとりをしている間にも、魍は更に深く牙を食い込ませる。
「うあっ…」
「っ、に…」
刹那、魍が何かに吹き飛ばされた。
「御前!ご無事ですか⁉」
「おい、いたぞ!」
「あ…」
見慣れた一族の人間が数人、こちらへ駆け寄ってきたのを見て助かったのだと理解する。内一人が魍を完全に祓う傍ら、他の者達はこぞって和梧を案じる声をかけた。
「お怪我はありませんか、御前」
「家の者総出で探したのですよ!」
「ああ、でもご無事で良かった」
「ちがうの…にこが…にこをたすけて…!」
血だらけで倒れている片割れを診てやってくれと縋るように繰り返す。草むらの上には、落ちた二つのりんご飴がまるで血のように砕け散っていた。
*
和梧は障子の前で立ち尽くしていた。何度も開けようと手を伸ばしてはやめるといった動きを繰り返し、悩みに悩んだ末に覚悟を決めるようにすうっと深呼吸をすると、震えそうな声を抑えて呼びかける。
「にこ、わたしよ。はいってもいい?」
一拍置いてどうぞという返事が聞こえたので、そっと障子を開ける。布団の中にいた仁梧は、体を起こして和梧にふわりと笑いかけた。
「どうしたの?はなれまでくるなんて、ちちうえがしったらしかられてしまうわ」
「いっそしかってほしいくらいよ。こんかいのことはぜんぶわたしがわるいんだから。なのにちちうえも、いえのひとたちも、にこのことばかりせめて」
ぎゅっと悔しげに眉を顰める。今回の騒動、屋敷を無断で抜け出した事について椋礼は全ての咎を仁梧に背負わせた。曰く、祓戸家の次期当主である和梧を魍と遭遇させ、命の危機に晒した責任は大きいとの事だ。体を張って露払いの務めを全うしたというのに、それについては至極当然の事だと誰も評価はしなかった。
「あの、にこ…わたし…」
側に正座し、言葉を探すように目を泳がせる。ふと枕元に置かれた蚊取り線香に目が留まる。鼻を擽る独特の香りが、やけに強く感じた。
そんな姉に、仁梧は眉を下げて言った。
「ごめんね、なこ」
「え?」
「わたし、やくたたずで…けっきょく、ひとりじゃなこをまもれなかった。わたしはなこのつゆばらいなのに」
「っ…」
「ごめんね。つぎはちゃんとまもれるようにがんばるから。だから、またいっしょにおまつり…」
「そんなこというな!」
鋭い声が木霊する。続いて訪れた静寂。仁梧は突然怒鳴られて固まっており、和梧は薄らと涙の滲んだ目で仁梧を睨みつけている。
「な、こ…」
「やくたたずとか、つゆばらいとか、そんなこというな!にこはじゅうにしんせいのちからをつかえないんだから、しかたなかったのよ!わたしがもうをはらうべきだったの!にこにまかせちゃいけなかったのよ!」
「っ、ごめんなさい。わたしがちからぶそくだから…」
「だからちがうっていってるでしょ⁉」
癇癪を起こしたように叫び続ける姉に、仁梧はどうしていいかわからず謝る事しかできない。だがそれが更に和梧の怒りを買ってしまい、二人の間には気まずい空気が漂う。
「…もういい」
「なこ?」
「もうにこにはきたいしない。ずっとわたしのうしろにいて」
「ま、まって。ごめんなさい…!わたしがんばるから…!」
「とうぜんでしょ。わたしたちは"ならびのみおやのさいらい"といわれているんだもの。ちゃんとやくめをはたせるように、たんれんはおこたらないで。でもそれいじょうのことはしなくていい」
これからは、わたしひとりでたたかう。
それは事実上の戦力外通告だった。呆然とする仁梧を一瞥する事なく、部屋を後にする和梧。残された室内には、蚊取り線香の香りが哀しげに揺れていた。
11
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、そして政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に行動する勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、そして試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私が、
魔王討伐の旅路の中で、“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※「小説家になろう」にも掲載。(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる