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第一章
第8話 踏み出せない一歩
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昼休みを迎えても、教室では大爆発の話題が続いている。
その一方、三浦は会話に参加せずに自分の席で何かを考えながらノートに書き込みをしていた。
三浦が何をしようとしているのかは分からないが、約束通り俺の能力について黙ってくれているので、ホっとする。
でも根本的な問題は何も解決していない。
俺がこの能力に振り回されている限り、騒動を巻き起こす危険が常につきまとう。
周りにこれ以上迷惑を掛けないためにも能力を制御できるようになりたいけど、その方法が全然分からないんだよなあ……。昨日、あれこれ試しても成果は全く無かったし。
そもそも能力を制御する手がかりすらゼロというのが厳しすぎる。
だからといって、このまま何もしないのも騒ぎを起こした身としては後ろめたい。
こうなったら能力を制御する方法を見つけるのは後回しにして、どれくらいの動作までなら能力が発動させないで済むのかを見極めるか……。
下手に身体を動かさないのが一番安全だけど、5月の今から体育の授業を全部休むわけにもいかない。
とはいえ俺が大爆発を起こしたせいで、今現在この地区に警察や自衛隊が大勢いる。
下手に身体を動かして能力が発動した所を目撃されたら、取り調べどころじゃ済まないだろう。
仕方ない、明日から土曜日で休みだし少し遠出してみるか。
少し調べれば、人気の無さそうな森とかも見つけられるはず――。
「なあ、聖也」
俺の考えは一樹の呼びかけで中断された。
「え? ああ一樹か」
「みんなが話題にするのも分かるけど、爆発の件で騒いでばかりいても仕方ないよな」
「お、おう、そうだよな……」
騒動の原因が自分であるという負い目があるため、一樹への相槌がどうしてもぎこちない感じになる。
「だからさ、少しはいつも通りゲームの話でもしようぜ」
「あ、ああ……そうだ。新しい格ゲーを買ったって言ってたけど、どんな感じなんだ?」
「おお、なかなか面白かったぜ。操作は簡単だけど結構奥深いし、ストーリーもかなり読み応えあったんだ。これならRPG好きなお前でもハマるんじゃないって思ったな。割とストーリー重視派だろ?」
「あー、確かに。俺そういうの好きかも」
俺は格ゲーもそこそこやるけど、ストーリーを楽しみたいからという理由でRPGを遊ぶ方がはるかに多い。そして、俺がスマホのアプリよりもゲーム機派なのは、そっちの方がストーリに重点を置いているゲームが多いのが理由だったりする。
「だろ? 俺は結構遊んだからソフトを貸すよ。それでお前が上達したら対戦しようぜ」
「え?」
気持ちはありがたいが、今の俺がゲームをプレイすれば、理不尽としか言えない強さで相手を蹂躙するチート状態になってしまう。だから、一樹が希望するまともな対戦をすることができないんだ。
でも、そんな俺の事情を話すわけには……。
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、昨日も言った用事があって、今はあんまりゲームができないんだよ。それにこの前全クリしたゲームの2周目も残ってるから……当分はいいかな」
「そっかあ……。じゃあ早く用事とゲームの2周目を片付けてくれよ。オンライン対戦も悪くはないけど、相手と顔を合わせての対戦がやりたいんだよ、俺は」
「ああ、悪いな……」
何が悲しくて、一樹にいちいち嘘を吐かなきゃならないのか。
本当なら一樹にも俺の能力を打ち明けるべきなんだろう。
しかし俺の能力とやらかした出来事を一樹が知った時の反応が怖くて、どうしても言い出すことができない。
今になって三浦の方から話しかけてきて、受け入れてくれたのがどれだけありがたいかが身に染みる。
でもそんな都合のいい話がそうそうあるはずもない。
分かってはいるが、俺は次の一歩を踏み出せなかった。
その一方、三浦は会話に参加せずに自分の席で何かを考えながらノートに書き込みをしていた。
三浦が何をしようとしているのかは分からないが、約束通り俺の能力について黙ってくれているので、ホっとする。
でも根本的な問題は何も解決していない。
俺がこの能力に振り回されている限り、騒動を巻き起こす危険が常につきまとう。
周りにこれ以上迷惑を掛けないためにも能力を制御できるようになりたいけど、その方法が全然分からないんだよなあ……。昨日、あれこれ試しても成果は全く無かったし。
そもそも能力を制御する手がかりすらゼロというのが厳しすぎる。
だからといって、このまま何もしないのも騒ぎを起こした身としては後ろめたい。
こうなったら能力を制御する方法を見つけるのは後回しにして、どれくらいの動作までなら能力が発動させないで済むのかを見極めるか……。
下手に身体を動かさないのが一番安全だけど、5月の今から体育の授業を全部休むわけにもいかない。
とはいえ俺が大爆発を起こしたせいで、今現在この地区に警察や自衛隊が大勢いる。
下手に身体を動かして能力が発動した所を目撃されたら、取り調べどころじゃ済まないだろう。
仕方ない、明日から土曜日で休みだし少し遠出してみるか。
少し調べれば、人気の無さそうな森とかも見つけられるはず――。
「なあ、聖也」
俺の考えは一樹の呼びかけで中断された。
「え? ああ一樹か」
「みんなが話題にするのも分かるけど、爆発の件で騒いでばかりいても仕方ないよな」
「お、おう、そうだよな……」
騒動の原因が自分であるという負い目があるため、一樹への相槌がどうしてもぎこちない感じになる。
「だからさ、少しはいつも通りゲームの話でもしようぜ」
「あ、ああ……そうだ。新しい格ゲーを買ったって言ってたけど、どんな感じなんだ?」
「おお、なかなか面白かったぜ。操作は簡単だけど結構奥深いし、ストーリーもかなり読み応えあったんだ。これならRPG好きなお前でもハマるんじゃないって思ったな。割とストーリー重視派だろ?」
「あー、確かに。俺そういうの好きかも」
俺は格ゲーもそこそこやるけど、ストーリーを楽しみたいからという理由でRPGを遊ぶ方がはるかに多い。そして、俺がスマホのアプリよりもゲーム機派なのは、そっちの方がストーリに重点を置いているゲームが多いのが理由だったりする。
「だろ? 俺は結構遊んだからソフトを貸すよ。それでお前が上達したら対戦しようぜ」
「え?」
気持ちはありがたいが、今の俺がゲームをプレイすれば、理不尽としか言えない強さで相手を蹂躙するチート状態になってしまう。だから、一樹が希望するまともな対戦をすることができないんだ。
でも、そんな俺の事情を話すわけには……。
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、昨日も言った用事があって、今はあんまりゲームができないんだよ。それにこの前全クリしたゲームの2周目も残ってるから……当分はいいかな」
「そっかあ……。じゃあ早く用事とゲームの2周目を片付けてくれよ。オンライン対戦も悪くはないけど、相手と顔を合わせての対戦がやりたいんだよ、俺は」
「ああ、悪いな……」
何が悲しくて、一樹にいちいち嘘を吐かなきゃならないのか。
本当なら一樹にも俺の能力を打ち明けるべきなんだろう。
しかし俺の能力とやらかした出来事を一樹が知った時の反応が怖くて、どうしても言い出すことができない。
今になって三浦の方から話しかけてきて、受け入れてくれたのがどれだけありがたいかが身に染みる。
でもそんな都合のいい話がそうそうあるはずもない。
分かってはいるが、俺は次の一歩を踏み出せなかった。
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