人生に絶望していたら異世界のデスゲームに巻き込まれました~ヤンデレ悪魔を召還したので、最期まで楽しもうと思います!~

雨宮 叶月

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第一ゲーム アサルト・スクール

デスゲームの始まり

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「皆さん、朝食はいかがでしたか?これからも期待してくださいね!」
7時40分ちょうど、ファーストが現れた。

「では、今から第1ゲーム、アサルト・スクールの説明に移ります。このゲームでは、皆さんに銃で殺し合いをしていただきます!」

「嘘……殺し合い…?」
「やだ…!怖い…!」
「死なないって言ってたじゃんか…」
物騒な言葉でクラスメイトが息をのむ。

「皆さんには、召喚したパートナーとチームを組み、夜風中学校を基盤としたステージに転移していただきます。イメージとしては、FPSゲームですね。でも安心してください!撃たれても、『完全な死』はありませんよ?撃たれた場合、視界の端が少し赤くなります。そして、撃たれるほど痛みは強くなっていきます。一定の傷を負った場合ここに転送されますが、痛みはゲームが終わるまでそのままです!」

私は目を見張った。絶対に生き残ってやる。痛いのはもう嫌だ。

「殺し合いの練習ですよ。人の心を撃つ前に、銃の扱いに慣れてもらわなければ!期間は5日間、パートナーも合わせて…数は70です!そして、生き残った人には…私が一つだけ、願いを叶えて差し上げます!あ、元の世界に帰る、パートナー変更など、叶えられないものもございますが。」

願い…か。難しいな、元の世界だったら金やセキュリティー万全な家、進学権利を要求するのだが。

「ただ、このゲームには、生命刻印タイマーペナルティというルールがあります!」

(生命刻印タイマーペナルティ……)

面白そうな名前だ。

「片方が死ぬと、もう片方の銃に『刻印』が刻まれます。『刻印』は40分後、死と同じ痛みを発現させます。『刻印』を解除するには、他者を3人、殺してください!皆さんとパートナーのどちらかがゲーム開始から30分間誰も撃たなかった場合、そして撃ってから30分間誰も撃たなかった場合も『刻印』は発動します!そうですねぇ…言葉で説明しても実感が湧かないと思うので、『3回撃たれた時の痛み』を今から皆さんに体験してもらいますね!」

(…は?)

「え?」
「は、ちょっと待っ!」

ファーストが腕を振る。私はぎゅっと体に力を込めた。

……痛い。お腹を刺された、いや殴られた気分だ。

「ぎゃああああああ!」
「痛い!痛い…!」
「もう嫌だよ…!」

「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」

冷や汗が流れる。クラスメイトの悲鳴も頭に入ってこない。

……同じだ。母に殴られる時と。

しかし、ふと気付いた。ディーが、私の手を握ってくれていた。
痛みの余韻が消える。


「ふふ、痛いでしょう?『死』の痛みはこの程度ではありませんよ!」

ぐすぐすと泣き出す子もいた。
…何てか弱い。きっと家族に大切にされてきたのだろう。


「では、今から転移する前に、皆さんには着替えてきてもらいます!各部屋に、皆さんの好み、そして似合いそうな服をクローゼットに用意しました!もちろん制服でも構いませんが、動きやすいほうが良いと思いますよ!ではどうぞ!着替えたら戻ってきてくださいね。」

一部の男子が、よろよろと立ち上がる。

「……もう大丈夫。ありがとう。」

ディーの手を離す。そして一緒に部屋へと向かった。



ドアの前に近付くと、ガチャッ、と音がした。クローゼットを探す。

「…あった」

←女性用、男性用→という表示が出る。私は寝室、脱衣所にディー。

「着替え終わったらここで待ってて」

ディーにそう声をかけると、私は寝室のドアを閉めた。そしてクローゼットを開ける。

(わぁ……)

可愛くてかっこいいものばかり。しかし、用意されているのは漆黒一色。

(…これにしよう)

しっかりとした素材の黒のシャツに、太ももまでの、スカートのようにふわりとした折り目がついているショートパンツ。ベルトからシルバーチェーンが出ているのが可愛い。
そして、ショートパンツの裾ほどまでの、オーバーサイズの薄いジャケット。

着てみると、意外と露出が高くて恥ずかしい。

(髪も下ろして保護色にするか…)
ヘアゴムをほどき、なぜかあったヘアブラシでかみをすいた。

寝室のドアを開けると、ディーが既にそこにいた。

目が合うと、お互いに口元を手で押さえた。

「めっちゃ可愛い…」
「似合いすぎる…」

ディーも漆黒一色。
黒いシャツに、ベルト、黒いズボン。指先が出たグローブ。
一見シンプルだが、スタイルが一層引き締まって見える。深みのある青い髪と漆黒のバランスが良い。


「でも露出多いな……。」

ディーが私をじっと見つめてくるので顔を手で覆うと、瞬時に引き剝がされる。そして、いつの間にかディーの胸の中にいた。

(……え????)

手が腰で回され、耳元に吐息がかかる。私もディーの背中に手を添えたが、抱きしめられる力が強くなった。

約20秒間そうしていた。ディーはゆっくりと私から離れると、笑顔のまま私の手を引いた。

この男、メロい。

「行こうか。」
「…うん。」
私は頷いた。



大聖堂に戻ると、クラスメイトが半分以上いた。私たちを見て驚きの声を上げる。

「成瀬さんたちめっちゃスタイル良い…」
「あれって、成瀬さん…?え、めっちゃ可愛くね…!?」
「かっこよすぎる…お似合いだ…」
「ディオラルさん尊い!」

(ふふふふふ…!あー、気分が良い!)

私は髪を結んでいるときと下ろしているときではだいぶ雰囲気が違う。
私の身長は169.9cm。ディーは180cmは優に超えているだろう。
成宮さんの取り巻きの男子たちも私を見ていた。

その目に浮かんでいる感情については、考えないことにする。

「皆さん、集まったようですね。では今から学校型ステージに転移します!はい転移3秒前!3、2、1!」

ファースト、展開が早すぎる。

合図とともに、私たちの体は大聖堂から移動した。


「え……?夜風中…?」
誰かがそう声を上げた。でもそれほど、その学校は私たちの中学校に似ていた。

「皆さん、ご注目ください!今回のデスゲームは、こちらで行います!皆さんの中学校をイメージとして造りました!構造もほぼ同じですが……4階、5階をつくり、最上階には吹き抜けに近い階段のフロアもございます!」

なるほど、つまり夜風中が大きくなっただけか。

「今から、皆さんを学校のランダムな場所に配置します。移動した瞬間、デスゲームの始まりです!一応パートナーと一緒にさせますが、その後は別行動でも構いませんよ?また、銃の形式もランダムです!では皆さん、準備はいいですか?」

ごくりと唾を飲む。深呼吸をした。

「さあ、第1ゲーム、アサルト・スクール。デスゲームの開幕です!」




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