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第五話 不可解な気持ち
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フィンのそばは居心地が良い。落ち着く。
今までひとところに留まって生きて来なかったレンドーサが、一ヶ月以上同じ場所にいることも、一人の人間のそばに留まることもはじめてのことだった。
「…つか、ほんと」
ある日の昼下がり、レンドーサはリビングの戸口に佇んだまま困ったように息を吐く。
視線の先には大きなソファに横たわってうたた寝するフィンの姿がある。
「…欠片もオレになにかされるとか、疑ってもいねーんだろうな」
そうつぶやく声も、なんだか安堵がにじんでいた。
自分のことを忌み嫌うことも、おそれることもない。
自分のそばで安らいで、自然体でいてくれる。
それにむずがゆいような、くすぐったいような心地になるのだ。
惹かれるように近寄ると、ソファの空いたスペースに腰を下ろす。
手を伸ばせば触れられる距離にフィンの頭があった。
艶やかな髪が伝う白い首筋に自然と視線が吸い寄せられる。
まただ。なんだか、ひどく甘い香りがする。
祭服はまとっておらず、白いシャツとズボンだけの格好をしたフィンにそっと手を伸ばし、シャツのボタンを外す。
胸元にある悪魔の刻印を見ると、胸がざわついた。
言いようのない不快感───いや、それでは生温いような濁った感情が湧く。
なんか、無性に苛立つ。
する、と首筋に手を滑らせるとフィンが「ん」とちいさく声を漏らした。
ややあってぼんやりとまぶたを開け、こちらを見る。
「…レン、くん?」
「…あ」
名を呼ばれてどうしようと焦ったが、触れた手を離したくなかった。
「…どうしました?
…なにか、ありましたか?」
眠そうなまなざしに宿るのは、気遣うような、やさしい色だ。
それに胸がうずいて、きつく締め付けられる。
どうして、いつだってそんな風に、慈しむように自分を見るのだろう。
いつも、忌み嫌われてきた。同族にすら馬鹿にされて。
そんな自分を、いつもやさしく見つめてくれるその瞳に、ずっと自分だけが映っていればいいのになんてふっと思った。
だが不意に伸びてきた腕が首に絡んでびっくりする暇もなく、ぎゅうっと抱きしめられる。
「え」
まるで幼子をあやすようにレンドーサを抱きしめたまま、フィンはまた目を閉じた。
「フィン…?」
おそるおそる名を呼ぶが返事はない。
心臓がバカみたいに暴れている。身体がやけに熱い。
「…うそだろ。
寝やがった」
こぼれた声は途方に暮れたような響きなのに、どこか甘い。
まさか寝ぼけてたのか?
そう思うけど、首に巻き付いた腕の感触がなんだかひどくあたたかくて代えがたくて、離したくないなんて思って。
とくとくと、おだやかな心音が伝わってくる。フィンの、生きている証の鼓動。
それだけでひどく落ち着くんだ。
ああ、やっぱりとても甘い香りがする。
抱き込まれたまま眠ることも出来ずにいた。触れる体温や甘やかな匂いにドキドキして。
数十分が経ったころだろうか。
腕の中でフィンが身じろぎした。
「フィン?」
起きたのかと思って名を呼ぶと、ちいさく声を漏らしてまぶたが開く。
そしてフィンはレンドーサを見て寝ぼけた顔でしばらく固まった。
レンドーサはなんだかのんきに「あ、寝ぼけた顔かわいい」なんて思ってしまう。
不意にフィンがレンドーサの首に回していた腕をほどき、ばっと身を起こした。
その頬が赤く色づいている。
「すみ、ません。
私…」
そう謝る声も泣きそうな響きで、顔は羞恥で真っ赤だ。
どうやら自分が寝ぼけてレンドーサを抱きしめたと理解したらしい。
「あの、私が抱きしめてしまっていたんですよね?
…寝ぼけていたとはいえ、すみません」
恥ずかしくて仕方ないという顔で、手で隠すようにしながら謝ったフィンに胸の辺りがぎゅっと締め付けられる。
甘くうずくような感覚は、もっと味わいたくなるものだ。
だってそんな真っ赤になって恥ずかしそうに、泣きそうになって、かわいいだろ。
そう無意識のうちに思ってからすぐハッとする。
いや、かわいいってなんだよ。四十代の男に。
「…すみません。
恥ずかしいですね。
四十も過ぎた男が、なに子どもみたいなことを…」
「さみしいの?」
自分の不可解な感情から目をそらすように、ごまかすようにレンドーサが告げた問いかけは、無意識のうちの自分の本心からのものだったのかもしれない。
必死に謝るフィンの姿がかわいくて、でもなんだか、泣き出しそうなその表情がやけに頼りなくて、胸を騒がせたから。
「さみしいの?
あんた」
フィンはその問いかけに目を瞠って口を閉じた。
「こんなとこで、ずっとひとりで、…さみしいのか?」
フィンは否定しようと口を開いて、また閉じるとあきらめたように、どこか安堵したように微笑んだ。
「…かも、しれません」
そう、切なさのにじんだ声で肯定する。
「私は、…さみしかったのかもしれない。
ずっと、こんな場所にひとりで、理解してくれる家族も、いなくて。
さみしかったのかもしれません」
レンドーサから少し視線を外して、自嘲のように笑って告げるその表情も声音ももの悲しい。
それを見ただけで、聞いただけで無性にどうにかしてやりたい衝動に駆られるんだ。
「だから、…きみが来てから、楽しいんです。
毎日の天気とか、食事とか、そんな他愛ないことを話して、分かち合える相手がいて。
そんな些細な日常を共に過ごせる相手がいることが、こんなに、かけがえのないことだと思いませんでした」
(それは、オレもだ)
そう、強く思った。
フィンに出会うまでは、レンドーサだって知らなかった。
平穏な日々を一緒に過ごして、他愛ない話をして笑って、そんな平凡で退屈な日々がこんなに心安らぐものだなんて、ずっと知らなかった。
フィンに出会うまでは。
「“呪憑き”になるまでは、そんな人々が私にもいたはずなんですが…今となっては、もう」
そのあとはか細く途切れて消えた。
息絶えるように、儚く。
フィンの家族は、おそらくフィンを生贄に差し出したのだろう。
我が子を、自分の保身のために。
その裏切りの痛みが、絶望がどれほどにフィンを傷つけ、奈落の底に突き落としたのか。
無意識だった。
立ち上がるとフィンのそばに立って、腕を伸ばしてそのちいさな頭にそっと触れる。
「レンくん…?」
腕の中でフィンが戸惑ったように自分を呼ぶ。
その声も幼子のようにいとけない響きで、ぎゅっと胸を強く掴むんだ。
「言っとくけど、オレは百年以上生きてるからな。
オレから見たら、ガキだぞあんた」
何度も口を開いて閉じて、やっとの思いで言えたのはそんな一言だけで。
それでも、それだけで安心したようにフィンがほっと息を吐いた。
する、と、レンドーサの手をゆるく握ると、額を擦りつけるようにして、
「ありがとう、ございます」
そう、神様に祈るようにか細い声が告げる。
「…きみに会えてよかった」
なんだろう。
ひどく、切なくて苦しくて、うれしい。
胸を締め付ける感傷は、あたたかくて甘やかな痛みだ。
フィンと過ごす日々はおだやかであたたかくて、やさしくて。
ただ平穏に過ぎる、他愛ない日々。
そんな時間を、そんな存在を、まるでずっと、求めていたかのような気がした。
その数日後だった。
レンドーサがフィンに頼まれて食料の買い出しに教会の外に出ていたときだ。
買い物を終えて教会に戻ってきた矢先、教会の庭で突然背後から鋭い声を投げられた。
「動くな」
その冷たい声と背中に感じる射殺すような視線に、遅まきに自分の迂闊さを悔やむ。
完全に油断していた。
今までならこんなことはなかったのに、フィンとここで過ごした日々があまりにおだやかで平和ボケしていたのだろうか。
知らない男の声だ。
だが、おそらく悪魔祓いだろう。悪魔祓いならば、自分が悪魔だとわかるはずだ。
「おまえ、悪魔だな。
なぜここにいる?」
敵に対する尋問のような台詞に、遅れて「いや、普通はそうだ」と思った。
普通、悪魔は人間の敵だ。誰だってそう思う。
フィンが特殊だったのだ。
悪魔の自分をそのまま受け入れて、畏れもせずにそばにいてくれた彼が。
「やめてください」
不意に響いたのはフィンの凜とした声で、それを聞いただけで胸にわき上がった安堵に自分でも驚いた。
視線を動かすと教会から出て来たフィンがこちらに歩いてくる。
「やめてください。
リュシアンさん」
「…フィン」
背後に立つ男───リュシアンというらしい───はフィンの制止にやや迷ったようだったが、再度言葉を重ねられて逡巡のあとに手に握っていた銀の銃を下ろした。
普段、温和なフィンらしからぬ厳しい口調に戸惑ったように。
レンドーサはゆっくり振り返って、彼の顔を見る。
四十代くらいのそれなりに整った風貌の男だ。
スーツにジャケット、その上にコートを羽織った姿で手に銀色の悪魔祓い用の銃を握っている。
このリュシアンという男はフィンの知り合いなのか?
「どうしたんですか。
リュシアンさん。
あなたらしくもない。
いくら悪魔相手でも理由も聞かずに殺そうとするなんて」
「…おまえの教会にいなければ、こんな過剰な反応はしない」
銃を下ろしたことでフィンの口調や表情がやややわらぐ。
リュシアンはちいさくため息を吐くと、苦々しい声でそう答えた。
「すみません。
レンドーサくん。
だいじょうぶですか?」
「…あんたの知り合い?」
「私の友人の悪魔祓いです」
普段はここまで血気盛んではないんですが、とフィンが苦笑する。
まあそりゃ、友人の住む教会に悪魔がいたら普通は躊躇なく排除しようとするだろうな、とレンドーサも納得した。
「…おまえ、こいつと親しいのか?」
「レンくんはリュシアンさんが思うような子じゃありませんよ。
なんせ、一ヶ月はここにいますけど私、彼に傷つけられたこと一度もないです」
「…………………おまえは、なんでそう」
フィンはリュシアンを安心させるために言ったのだろうが、盛大にあきれさせている。
それはそうだ。悪魔だとわかった上で一ヶ月以上同じ場所に住まわせる悪魔祓いは普通いない。
「まあ、こんなところで立ち話もなんですし、中に入って話しませんか?」
だがフィンはどこまでもマイペースだ。
そんなフィンの性格にも慣れているのか、リュシアンはまたため息を吐くと頷いた。
「あ、レンくん。
お茶いれてきてくれますか?」
「は?オレが?」
リビングに入るなりそう言ったフィンにレンドーサはつい頓狂な声を漏らしてしまう。
「だって、私がいれに行ったらきみ、リュシアンさんとここで二人きりになっちゃいますけど」
「…行ってくる」
もっともなことを言ったフィンにレンドーサは渋々キッチンに向かった。
さすがにさっき自分に銃口を向けたばかりの悪魔祓いと二人きりになるのは嫌だったらしい。
「…ずいぶん飼い慣らされているというか、おとなしいな」
ソファに座ったリュシアンがレンドーサの後ろ姿を見送ってそうこぼした。
「心配してくださったんですか?」
「当たり前だ」
「ありがとうございます。
でもだいじょうぶですよ。
私はあなたより強いです」
フィンはリュシアンのそばに立ったまま、祭服で隠れた自分の胸元に手を当てる。
「私は“呪憑き”なんですから」
ゆるやかな微笑みは見惚れるほど優美なのに、どこか人形のような無機質さを感じさせる。
リュシアンはそれを見てかすかにため息をこぼした。
少ししてレンドーサが三人分の紅茶の入ったカップを持って戻ってくる。
「ほら」
カップの載ったトレイをテーブルの上に置いて向かいのソファにどかりと座ったレンドーサに、リュシアンがしみじみともう一度、
「ほんとうに飼い慣らされているな」
とつぶやいた。
「あ?」
「いや、悪魔祓いなのに悪魔を居候させるフィンもフィンだが、普通に居候している悪魔も悪魔だな、と」
「………いや、そりゃ、…その」
リュシアンの言葉に反論しようとして、なにも言葉が浮かばなかった。
なんと答えればいいのかわからなかったのだ。
まさか悪魔が「居心地が良い」とか平和ボケしたことを言うわけにもいかないだろう。
「改めて紹介しますね。
レンくん。
彼はリュシアンさん。
私と同じ悪魔祓いです。
“呪憑き”ではありませんが」
「古くからの友人でな。
まだこいつが悪魔祓いになる前からの付き合いだ」
「ふーん」
フィンとリュシアンの言葉に一応は頷いたが、なんだかやけに胸の辺りがムカムカする。
なんだこの感覚。
「しかし、なんだって悪魔を居候させているんだ?」
「行き倒れになっていたのでつい」
「は?悪魔が?」
「彼、吸血鬼なんですけどものすごい偏食なんですよ。
普通の人間の血が受け付けないらしくて。
珍しいでしょう?
だからつい」
いろいろ調べてみたくて、とフィンが笑って言えば、リュシアンが納得したように苦笑いした。
「相変わらず学者気質は直らんな。
まあ元々学者だったんだから仕方ないか」
「は?
学者だったのか?
なりたかった、じゃなくて」
「ああ、悪魔祓いになる前、二十代のころの話だ。
こいつが悪魔祓いになったのは三十過ぎてからのことだからな」
「…へえ」
ああ、まただ。腹の底からわき上がってくるこの、どろりとした感情の正体がわからない。
自分の知らないフィンの過去をリュシアンが語るたびに、飲み下せない苦い感情が浮かぶのだ。
「それで、どうして急にいらっしゃったんですか?」
「いや、近くまで来たから顔を見に来ただけだ」
「そうですか」
リュシアンの顔を見て、フィンがおだやかに微笑んで答える。
そのやさしい表情や言葉に、じくじくと胸が痛む。
なんで、こんな苦しくなるんだ。
一時間ほど話して、リュシアンは帰っていった。
ほんとうにフィンの顔を見に来ただけらしい。
一応レンドーサのことを気にしていた───というかフィンのそばに置いていてだいじょうぶなのか案じていたのだろうが、自分がなにか言ってもフィンが譲らないことはわかっていたのだろう。
なにか言いたげにしながらも、言葉を呑み込んでいたようだった。
「ずいぶん親しげだったな」
リュシアンが帰ったあと、リビングのソファに座ったままぽつりとつぶやいた声は、まるで吐き捨てたような忌々しい響きになってしまい、レンドーサ自身を驚かせた。
なんだ。なんでこんな、苛々してんだオレ。
いや、苛立ちとかじゃ生温い。この腹の奥底にある、焼け付くような感覚はなんだ。
「古い友人なんです。
昔からの。
ただ遠くに住んでいますから、滅多には会えませんが」
「…好きなの?」
「はい?」
自分の胸の中で暴れる感情の正体すら掴めないまま、まるで詰問するように口にした。
「気を許してる感じした」
「…はあ、まあ、…それは、気心知れた友人ですから」
フィンはやけに剣呑なレンドーサの態度に戸惑いながらも正直に答える。
「…いないって言ったじゃん」
「え?」
「理解してくれるやつとかいないって」
すぐにハッとして口を閉じた。
いや、今、なに言った?
なに言おうとしたんだオレは。
これじゃ、ガキが拗ねてるみたいじゃないか。
フィンの理解者は、フィンが気を許してそばにいられるのは自分だけだと、そうじゃなかったのかと責めるような言葉だ。
これじゃまるで、嫉妬みたいな。
「レンくん」
レンドーサの胸中に気づいたのかはわからない。
ただフィンはゆるく微笑んで静かにレンドーサの名を呼んだ。
その瞳に浮かぶのは、なにもかもあきらめたような切ない色だ。
「私は、彼に一度も呪いを継がされたことに対する本音も、さみしいという思いも口にしたことはありませんでしたよ」
はっきりと告げた声にも、それがにじんでいた。
もう二度と手に入らないものを懐かしむような、惜しむような響きだ。
嘆き疲れてあきらめたような、もの悲しい。
その言葉に、その響きに、レンドーサは声を失った。
「彼は確かに気心知れた友人ですが、私とはやはりちがうと、私のほんとうの気持ちを理解出来ないだろうと、どこかで一線を引いてしまうんです。
彼は悪魔祓いですが、彼には家族がいます。
…私と、同じではないんです」
侘しいと泣くような、迷子が親を求めて叫ぶようなそんな声だった。
絶望に潰える寸前のような、そんな儚い。
それは、自分の求めていた言葉のはずだ。
安堵したはずなのに、なんでこんなに胸が痛い?
まるでフィンの心の傷口にナイフを突き立てて抉ったような、惨いマネをしたような罪悪感で胸が塞ぐ。
「…悪い」
無意識に口にしたのは、短い謝罪だった。
「…………悪い」
それしか言えなかった。
自分だけが特別だと、その言葉を望んでいたはずなのに。
自分の台詞に自分自身で嫌悪する、この痛みはなんだ。
今までひとところに留まって生きて来なかったレンドーサが、一ヶ月以上同じ場所にいることも、一人の人間のそばに留まることもはじめてのことだった。
「…つか、ほんと」
ある日の昼下がり、レンドーサはリビングの戸口に佇んだまま困ったように息を吐く。
視線の先には大きなソファに横たわってうたた寝するフィンの姿がある。
「…欠片もオレになにかされるとか、疑ってもいねーんだろうな」
そうつぶやく声も、なんだか安堵がにじんでいた。
自分のことを忌み嫌うことも、おそれることもない。
自分のそばで安らいで、自然体でいてくれる。
それにむずがゆいような、くすぐったいような心地になるのだ。
惹かれるように近寄ると、ソファの空いたスペースに腰を下ろす。
手を伸ばせば触れられる距離にフィンの頭があった。
艶やかな髪が伝う白い首筋に自然と視線が吸い寄せられる。
まただ。なんだか、ひどく甘い香りがする。
祭服はまとっておらず、白いシャツとズボンだけの格好をしたフィンにそっと手を伸ばし、シャツのボタンを外す。
胸元にある悪魔の刻印を見ると、胸がざわついた。
言いようのない不快感───いや、それでは生温いような濁った感情が湧く。
なんか、無性に苛立つ。
する、と首筋に手を滑らせるとフィンが「ん」とちいさく声を漏らした。
ややあってぼんやりとまぶたを開け、こちらを見る。
「…レン、くん?」
「…あ」
名を呼ばれてどうしようと焦ったが、触れた手を離したくなかった。
「…どうしました?
…なにか、ありましたか?」
眠そうなまなざしに宿るのは、気遣うような、やさしい色だ。
それに胸がうずいて、きつく締め付けられる。
どうして、いつだってそんな風に、慈しむように自分を見るのだろう。
いつも、忌み嫌われてきた。同族にすら馬鹿にされて。
そんな自分を、いつもやさしく見つめてくれるその瞳に、ずっと自分だけが映っていればいいのになんてふっと思った。
だが不意に伸びてきた腕が首に絡んでびっくりする暇もなく、ぎゅうっと抱きしめられる。
「え」
まるで幼子をあやすようにレンドーサを抱きしめたまま、フィンはまた目を閉じた。
「フィン…?」
おそるおそる名を呼ぶが返事はない。
心臓がバカみたいに暴れている。身体がやけに熱い。
「…うそだろ。
寝やがった」
こぼれた声は途方に暮れたような響きなのに、どこか甘い。
まさか寝ぼけてたのか?
そう思うけど、首に巻き付いた腕の感触がなんだかひどくあたたかくて代えがたくて、離したくないなんて思って。
とくとくと、おだやかな心音が伝わってくる。フィンの、生きている証の鼓動。
それだけでひどく落ち着くんだ。
ああ、やっぱりとても甘い香りがする。
抱き込まれたまま眠ることも出来ずにいた。触れる体温や甘やかな匂いにドキドキして。
数十分が経ったころだろうか。
腕の中でフィンが身じろぎした。
「フィン?」
起きたのかと思って名を呼ぶと、ちいさく声を漏らしてまぶたが開く。
そしてフィンはレンドーサを見て寝ぼけた顔でしばらく固まった。
レンドーサはなんだかのんきに「あ、寝ぼけた顔かわいい」なんて思ってしまう。
不意にフィンがレンドーサの首に回していた腕をほどき、ばっと身を起こした。
その頬が赤く色づいている。
「すみ、ません。
私…」
そう謝る声も泣きそうな響きで、顔は羞恥で真っ赤だ。
どうやら自分が寝ぼけてレンドーサを抱きしめたと理解したらしい。
「あの、私が抱きしめてしまっていたんですよね?
…寝ぼけていたとはいえ、すみません」
恥ずかしくて仕方ないという顔で、手で隠すようにしながら謝ったフィンに胸の辺りがぎゅっと締め付けられる。
甘くうずくような感覚は、もっと味わいたくなるものだ。
だってそんな真っ赤になって恥ずかしそうに、泣きそうになって、かわいいだろ。
そう無意識のうちに思ってからすぐハッとする。
いや、かわいいってなんだよ。四十代の男に。
「…すみません。
恥ずかしいですね。
四十も過ぎた男が、なに子どもみたいなことを…」
「さみしいの?」
自分の不可解な感情から目をそらすように、ごまかすようにレンドーサが告げた問いかけは、無意識のうちの自分の本心からのものだったのかもしれない。
必死に謝るフィンの姿がかわいくて、でもなんだか、泣き出しそうなその表情がやけに頼りなくて、胸を騒がせたから。
「さみしいの?
あんた」
フィンはその問いかけに目を瞠って口を閉じた。
「こんなとこで、ずっとひとりで、…さみしいのか?」
フィンは否定しようと口を開いて、また閉じるとあきらめたように、どこか安堵したように微笑んだ。
「…かも、しれません」
そう、切なさのにじんだ声で肯定する。
「私は、…さみしかったのかもしれない。
ずっと、こんな場所にひとりで、理解してくれる家族も、いなくて。
さみしかったのかもしれません」
レンドーサから少し視線を外して、自嘲のように笑って告げるその表情も声音ももの悲しい。
それを見ただけで、聞いただけで無性にどうにかしてやりたい衝動に駆られるんだ。
「だから、…きみが来てから、楽しいんです。
毎日の天気とか、食事とか、そんな他愛ないことを話して、分かち合える相手がいて。
そんな些細な日常を共に過ごせる相手がいることが、こんなに、かけがえのないことだと思いませんでした」
(それは、オレもだ)
そう、強く思った。
フィンに出会うまでは、レンドーサだって知らなかった。
平穏な日々を一緒に過ごして、他愛ない話をして笑って、そんな平凡で退屈な日々がこんなに心安らぐものだなんて、ずっと知らなかった。
フィンに出会うまでは。
「“呪憑き”になるまでは、そんな人々が私にもいたはずなんですが…今となっては、もう」
そのあとはか細く途切れて消えた。
息絶えるように、儚く。
フィンの家族は、おそらくフィンを生贄に差し出したのだろう。
我が子を、自分の保身のために。
その裏切りの痛みが、絶望がどれほどにフィンを傷つけ、奈落の底に突き落としたのか。
無意識だった。
立ち上がるとフィンのそばに立って、腕を伸ばしてそのちいさな頭にそっと触れる。
「レンくん…?」
腕の中でフィンが戸惑ったように自分を呼ぶ。
その声も幼子のようにいとけない響きで、ぎゅっと胸を強く掴むんだ。
「言っとくけど、オレは百年以上生きてるからな。
オレから見たら、ガキだぞあんた」
何度も口を開いて閉じて、やっとの思いで言えたのはそんな一言だけで。
それでも、それだけで安心したようにフィンがほっと息を吐いた。
する、と、レンドーサの手をゆるく握ると、額を擦りつけるようにして、
「ありがとう、ございます」
そう、神様に祈るようにか細い声が告げる。
「…きみに会えてよかった」
なんだろう。
ひどく、切なくて苦しくて、うれしい。
胸を締め付ける感傷は、あたたかくて甘やかな痛みだ。
フィンと過ごす日々はおだやかであたたかくて、やさしくて。
ただ平穏に過ぎる、他愛ない日々。
そんな時間を、そんな存在を、まるでずっと、求めていたかのような気がした。
その数日後だった。
レンドーサがフィンに頼まれて食料の買い出しに教会の外に出ていたときだ。
買い物を終えて教会に戻ってきた矢先、教会の庭で突然背後から鋭い声を投げられた。
「動くな」
その冷たい声と背中に感じる射殺すような視線に、遅まきに自分の迂闊さを悔やむ。
完全に油断していた。
今までならこんなことはなかったのに、フィンとここで過ごした日々があまりにおだやかで平和ボケしていたのだろうか。
知らない男の声だ。
だが、おそらく悪魔祓いだろう。悪魔祓いならば、自分が悪魔だとわかるはずだ。
「おまえ、悪魔だな。
なぜここにいる?」
敵に対する尋問のような台詞に、遅れて「いや、普通はそうだ」と思った。
普通、悪魔は人間の敵だ。誰だってそう思う。
フィンが特殊だったのだ。
悪魔の自分をそのまま受け入れて、畏れもせずにそばにいてくれた彼が。
「やめてください」
不意に響いたのはフィンの凜とした声で、それを聞いただけで胸にわき上がった安堵に自分でも驚いた。
視線を動かすと教会から出て来たフィンがこちらに歩いてくる。
「やめてください。
リュシアンさん」
「…フィン」
背後に立つ男───リュシアンというらしい───はフィンの制止にやや迷ったようだったが、再度言葉を重ねられて逡巡のあとに手に握っていた銀の銃を下ろした。
普段、温和なフィンらしからぬ厳しい口調に戸惑ったように。
レンドーサはゆっくり振り返って、彼の顔を見る。
四十代くらいのそれなりに整った風貌の男だ。
スーツにジャケット、その上にコートを羽織った姿で手に銀色の悪魔祓い用の銃を握っている。
このリュシアンという男はフィンの知り合いなのか?
「どうしたんですか。
リュシアンさん。
あなたらしくもない。
いくら悪魔相手でも理由も聞かずに殺そうとするなんて」
「…おまえの教会にいなければ、こんな過剰な反応はしない」
銃を下ろしたことでフィンの口調や表情がやややわらぐ。
リュシアンはちいさくため息を吐くと、苦々しい声でそう答えた。
「すみません。
レンドーサくん。
だいじょうぶですか?」
「…あんたの知り合い?」
「私の友人の悪魔祓いです」
普段はここまで血気盛んではないんですが、とフィンが苦笑する。
まあそりゃ、友人の住む教会に悪魔がいたら普通は躊躇なく排除しようとするだろうな、とレンドーサも納得した。
「…おまえ、こいつと親しいのか?」
「レンくんはリュシアンさんが思うような子じゃありませんよ。
なんせ、一ヶ月はここにいますけど私、彼に傷つけられたこと一度もないです」
「…………………おまえは、なんでそう」
フィンはリュシアンを安心させるために言ったのだろうが、盛大にあきれさせている。
それはそうだ。悪魔だとわかった上で一ヶ月以上同じ場所に住まわせる悪魔祓いは普通いない。
「まあ、こんなところで立ち話もなんですし、中に入って話しませんか?」
だがフィンはどこまでもマイペースだ。
そんなフィンの性格にも慣れているのか、リュシアンはまたため息を吐くと頷いた。
「あ、レンくん。
お茶いれてきてくれますか?」
「は?オレが?」
リビングに入るなりそう言ったフィンにレンドーサはつい頓狂な声を漏らしてしまう。
「だって、私がいれに行ったらきみ、リュシアンさんとここで二人きりになっちゃいますけど」
「…行ってくる」
もっともなことを言ったフィンにレンドーサは渋々キッチンに向かった。
さすがにさっき自分に銃口を向けたばかりの悪魔祓いと二人きりになるのは嫌だったらしい。
「…ずいぶん飼い慣らされているというか、おとなしいな」
ソファに座ったリュシアンがレンドーサの後ろ姿を見送ってそうこぼした。
「心配してくださったんですか?」
「当たり前だ」
「ありがとうございます。
でもだいじょうぶですよ。
私はあなたより強いです」
フィンはリュシアンのそばに立ったまま、祭服で隠れた自分の胸元に手を当てる。
「私は“呪憑き”なんですから」
ゆるやかな微笑みは見惚れるほど優美なのに、どこか人形のような無機質さを感じさせる。
リュシアンはそれを見てかすかにため息をこぼした。
少ししてレンドーサが三人分の紅茶の入ったカップを持って戻ってくる。
「ほら」
カップの載ったトレイをテーブルの上に置いて向かいのソファにどかりと座ったレンドーサに、リュシアンがしみじみともう一度、
「ほんとうに飼い慣らされているな」
とつぶやいた。
「あ?」
「いや、悪魔祓いなのに悪魔を居候させるフィンもフィンだが、普通に居候している悪魔も悪魔だな、と」
「………いや、そりゃ、…その」
リュシアンの言葉に反論しようとして、なにも言葉が浮かばなかった。
なんと答えればいいのかわからなかったのだ。
まさか悪魔が「居心地が良い」とか平和ボケしたことを言うわけにもいかないだろう。
「改めて紹介しますね。
レンくん。
彼はリュシアンさん。
私と同じ悪魔祓いです。
“呪憑き”ではありませんが」
「古くからの友人でな。
まだこいつが悪魔祓いになる前からの付き合いだ」
「ふーん」
フィンとリュシアンの言葉に一応は頷いたが、なんだかやけに胸の辺りがムカムカする。
なんだこの感覚。
「しかし、なんだって悪魔を居候させているんだ?」
「行き倒れになっていたのでつい」
「は?悪魔が?」
「彼、吸血鬼なんですけどものすごい偏食なんですよ。
普通の人間の血が受け付けないらしくて。
珍しいでしょう?
だからつい」
いろいろ調べてみたくて、とフィンが笑って言えば、リュシアンが納得したように苦笑いした。
「相変わらず学者気質は直らんな。
まあ元々学者だったんだから仕方ないか」
「は?
学者だったのか?
なりたかった、じゃなくて」
「ああ、悪魔祓いになる前、二十代のころの話だ。
こいつが悪魔祓いになったのは三十過ぎてからのことだからな」
「…へえ」
ああ、まただ。腹の底からわき上がってくるこの、どろりとした感情の正体がわからない。
自分の知らないフィンの過去をリュシアンが語るたびに、飲み下せない苦い感情が浮かぶのだ。
「それで、どうして急にいらっしゃったんですか?」
「いや、近くまで来たから顔を見に来ただけだ」
「そうですか」
リュシアンの顔を見て、フィンがおだやかに微笑んで答える。
そのやさしい表情や言葉に、じくじくと胸が痛む。
なんで、こんな苦しくなるんだ。
一時間ほど話して、リュシアンは帰っていった。
ほんとうにフィンの顔を見に来ただけらしい。
一応レンドーサのことを気にしていた───というかフィンのそばに置いていてだいじょうぶなのか案じていたのだろうが、自分がなにか言ってもフィンが譲らないことはわかっていたのだろう。
なにか言いたげにしながらも、言葉を呑み込んでいたようだった。
「ずいぶん親しげだったな」
リュシアンが帰ったあと、リビングのソファに座ったままぽつりとつぶやいた声は、まるで吐き捨てたような忌々しい響きになってしまい、レンドーサ自身を驚かせた。
なんだ。なんでこんな、苛々してんだオレ。
いや、苛立ちとかじゃ生温い。この腹の奥底にある、焼け付くような感覚はなんだ。
「古い友人なんです。
昔からの。
ただ遠くに住んでいますから、滅多には会えませんが」
「…好きなの?」
「はい?」
自分の胸の中で暴れる感情の正体すら掴めないまま、まるで詰問するように口にした。
「気を許してる感じした」
「…はあ、まあ、…それは、気心知れた友人ですから」
フィンはやけに剣呑なレンドーサの態度に戸惑いながらも正直に答える。
「…いないって言ったじゃん」
「え?」
「理解してくれるやつとかいないって」
すぐにハッとして口を閉じた。
いや、今、なに言った?
なに言おうとしたんだオレは。
これじゃ、ガキが拗ねてるみたいじゃないか。
フィンの理解者は、フィンが気を許してそばにいられるのは自分だけだと、そうじゃなかったのかと責めるような言葉だ。
これじゃまるで、嫉妬みたいな。
「レンくん」
レンドーサの胸中に気づいたのかはわからない。
ただフィンはゆるく微笑んで静かにレンドーサの名を呼んだ。
その瞳に浮かぶのは、なにもかもあきらめたような切ない色だ。
「私は、彼に一度も呪いを継がされたことに対する本音も、さみしいという思いも口にしたことはありませんでしたよ」
はっきりと告げた声にも、それがにじんでいた。
もう二度と手に入らないものを懐かしむような、惜しむような響きだ。
嘆き疲れてあきらめたような、もの悲しい。
その言葉に、その響きに、レンドーサは声を失った。
「彼は確かに気心知れた友人ですが、私とはやはりちがうと、私のほんとうの気持ちを理解出来ないだろうと、どこかで一線を引いてしまうんです。
彼は悪魔祓いですが、彼には家族がいます。
…私と、同じではないんです」
侘しいと泣くような、迷子が親を求めて叫ぶようなそんな声だった。
絶望に潰える寸前のような、そんな儚い。
それは、自分の求めていた言葉のはずだ。
安堵したはずなのに、なんでこんなに胸が痛い?
まるでフィンの心の傷口にナイフを突き立てて抉ったような、惨いマネをしたような罪悪感で胸が塞ぐ。
「…悪い」
無意識に口にしたのは、短い謝罪だった。
「…………悪い」
それしか言えなかった。
自分だけが特別だと、その言葉を望んでいたはずなのに。
自分の台詞に自分自身で嫌悪する、この痛みはなんだ。
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