【完結保証】超能力者学園の転入生は生徒会長を溺愛する

兔世夜美(トヨヤミ)

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第七章 星間の黒麒麟

第二話 神の手にまだ触れない

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 Sランクの更に上。
 真の最上位。
 ――SSランク。

 NOAには三人しかいない希少ランク。
 その中の一人が時波であり、化野朔螺。
 化野に勝てるSランクはいない。
 ならば、同じSSランクの時波は勝てるのか?
 恐ろしくて、九生に問えなかった。
「吾妻」
 放課後。
 教室でぼんやり考え込んでいた吾妻の名前を呼んで、白倉は机の前に立った。
「ああ、白倉。
 なに?」
「今日からしばらく、一緒に帰れないけど、いい?」
「…………えっ!?」
 自分をじっと見つめて、微かに寂しそうな表情を浮かべる白倉の言葉を、すぐに理解できなかった。
「どうして!?」
「え、あ、うん」
 椅子を蹴倒して立ち上がり、白倉の横に回り込んで肩を掴んで自分の方を向かせる。
 白倉は心底申し訳なさそうに眉尻を下げる。
「あのな、二つ目の力が、まだ制御うまくできないから、訓練したいんだ。
 チーム戦本戦には使えるようにしたいし」
「…なら、僕も一緒に行ったら駄目?」
 白倉の用事を聴いて、吾妻は内心ホッとした。
 誰かと用事ではないらしい。
「俺も一緒に行きたいけど、…吾妻に立ち入り許可が出るかわからん」
「…?
 NOA内の施設じゃないの?」
 自分はSランクだし、NOA内の施設なら大概入れるはずだ。
 首を傾げる吾妻の背後で席を立った時波が、藍澤を伴ってこちらに歩いてきた。
真桜しんおうの地下にある地下都市を知らないのか?」
「…?」
 尋ねられても、さっぱりわからない。
「真桜」はNOAのある都市の名前だが、地下都市なんて聴いたこともない。
 吾妻は首を左右に振る。
「真桜の地下に同じ面積で作られた人工都市だ。
 街全体をNOAの十倍の防護壁で覆ってあって、暴走キャリアの中でも危険な能力の持ち主はここで覚醒訓練を行う。
 万一暴走した場合、NOAでは対応できない可能性も高いからな」
「…なるほど」
「俺や時波は、能力が危険だったし、暴走キャリアだから入れるけど、吾妻はどうだろう…」
 厳密に言えば、自分はもう違うが、と白倉は言い置く。
 時波は腕を組んだ。
「そうだな。
 地下都市はセキュリティが厳しいから、吾妻のような特に問題のない生徒は入れないと思う」
「…本当に?」
 吾妻は一気に悲しくなってそう問う。時波は頷いた。
 時波が嘘を吐いているのでは、と思ったが、白倉や藍澤も頷くので、本当らしい。
 正確にはいくら吾妻相手でも、時波は嘘を吐くということをしないのだが、それを吾妻は知らない。
「俺も訓練があるから行くぞ?
 あと藍澤もだよな?」
「ああ」
 時波の言葉に、藍澤が頷く。
「だから安心しろ。
 白倉を危険なことには遭わせん」
「…余計、さみしい…」
 吾妻は情けない声で呟いた。
 同じチームの自分以外全員留守になるなんて。
「……」
 あまりにひどく落ち込む吾妻を見て、時波はため息を吐いた。
 めんどうくさいんだろうか、と藍澤は思ったが、時波はしかたないという風に吾妻を見上げる。
「一応行ってみるか?
 許可が出るかもしれないし」
「…本当に!?」
「確実に出るとは言えないから、入り口でお前だけ別れることになるかもしれないし、その可能性の方が高いが、それでもいいならついて来い」
「行くよ!」
 吾妻は一気に表情を明るくして笑うと、白倉に抱きつく。
 顔を赤くした白倉を抱きしめてはしゃぐ吾妻を見遣って、時波はまたため息。
「よかったのか?」
 時波が白倉を妹か弟のように愛しているのは藍澤も理解した。
 そんな風に時波から妥協するなんて、意外だ。
「しかたないだろう。
 吾妻がいないと、白倉が落ち込むんだ…」
 時波は心底しかたない、という風だ。
 藍澤は納得する。
 いくら吾妻が気に入らなくとも、白倉は可愛いのか。
 吾妻が白倉を抱きしめたまま、時波を振り返る。
「ありがとうな!」
 満面の笑みでお礼を言われた時波は視線を逸らして黙ってしまった。
 その頬が微かに赤い。
 お前のためではないと言いすごく、お礼を言われて満更でもない。
 といったところだろうか。藍澤はそう思った。



「あ」
 NOAの三階廊下。
 鞄を下げて歩いてくる岩永を見かけて、志津樹は微笑んだ。
 手を振ると、気づいた岩永は一瞬やはり苦手オーラを出したが、以前ほどではないのか自分から近寄ってきた。
「こんにちは」
「こんにちは。
 帰るとこ?」
「はい」
 にこにこ微笑んで答えると、岩永は「ふうん」と呟いた。
「用事ですか?」
「職員室に」
 職員室は三階だ。
 志津樹は納得した。
「俺も一緒にいたらいけません?」
 自分を指さして問う。
「うーん。ごめん。
 他の人に聴かれたらあかん話やねん」
「そうですか。じゃあしかたないですね」
 それならしかたない。諦めるか。
 廊下には自分と岩永だけ。
 以前ほど岩永が警戒しないのは、兄の存在が常に心にあるからだろう。
「行く前に少し、話していいですか?」
「…?
 少しなら」
 以前の岩永ならば、即断っただろう。
 嬉しいような悲しいような。
「俺、兄さんにしょっちゅうあなたの話を聴いていたって言ったじゃないですか」
「…ああ」
 岩永は壁にもたれて、微かに複雑そうな顔をした。
「あなたのことばっかり話すし、嬉しそうだし、恋人だって本人も言ってましたし。
 そういえば、“お前には会わせられん。好みのタイプ似てるやろ”って言われたことあったんです。今思い出したけど」
 志津樹の言葉に岩永はびっくりしたらしく、自分を見上げてきた。
 微笑みかけて、話を続ける。
「ただね、いつからかあなたの話を全くしなくなって、いつも辛そうで張りつめたような空気背負ってるようになっちゃって。
 今思えば、あなたが兄さんのこと忘れてからああなったんだろうなって」
「…うん」
「俺の知ってる兄さんって、いつも穏やかで優しい人だったから、ここに来て驚いたんです。
 険しい顔ばっかしてるし、雰囲気はとげとげしいし。
 …岩永さんは、今はどう思います?」
 不意に尋ねられて、岩永は驚いた。
「今の兄さん」
「……、あー、…」
 村崎の声や、言葉、表情を思い返して、少し恥ずかしくなった。
「…いつも穏やかやし、優しい」
「でしょ?
 それが兄さんの普通です」
 巨体に似合わず、おっとりしていて、みんなの後ろで見守っていて、穏やかで聞き上手で。
 あの日から、村崎は変わった。
 そう思ったけど、違った。
「岩永さんのおかげです」
 志津樹の言葉に、確信する。
 村崎は元々、そういう人なんだ。
 自分が今まで目にしてきた厳しい表情や冷たい言葉は、彼の本来ではなかった。
「だからね、あなたがいないとダメなんですよ。
 あの人。
 岩永さんがいないとちっともダメみたい」
 我が事のように嬉しそうな志津樹の表情を見て、岩永は今更に気づいた。
 今までずっと“嵐”と呼んできた志津樹が、何事もなかったように自分を名字で呼んでいる。
 そういえば、先日、街案内で出かけた時、既にそう呼んでいた。
 気づかなかった。
「兄さんのこと、ずっと諦めないでいてくれて有り難うございます」
 心からの言葉だと、感じた。
 暖かい声だった。
「これからも、兄さんのこと頼みますね」
 志津樹はそう言って、もたれていた背中を壁から離し、鞄を持ち直す。
「…俺の方がお願いしたいわ」
 赤くなった顔を押さえて呟いたら、彼は明るく微笑んだ。

「志津樹」

 いきなり岩永の背後から地を這うような声がして、岩永も志津樹も肩が跳ねる。
 振り返ると村崎が立っている。
「なに、しとったんや?」
 岩永の肩を掴んで抱き寄せてから、怒ったような声音で問う。
「あ、いや、なにもしてないよ?
 兄さんの話してただけで。ね?」
 志津樹が慌てて否定した。
 兄の誤解がわかったからだ。
 岩永もこくこく頷く。
「…ほんまか?」
「うん…」
 村崎に尋ねられて、岩永は肯定する。
「もうなんにもしないよ。
 今は完璧兄さんのものでしょその人。
 俺が前に手を出したのは、兄さんがそっぽ向いてたからじゃない」
「…」
 はっきりそう言われると、村崎も強く出れない。
 自覚はある。
「兄さんがその人を完全に諦めたら、手を出すよ。
 ま、そんな日もう来ないだろうけど」
 志津樹は笑って言い、鞄を肩にかける。
 関係を揶揄した言葉に、村崎と岩永は恥ずかしくなって黙り込む。
「じゃ、岩永さん、また」
 手を振って、志津樹は背中を向けて歩きだす。
 村崎も志津樹が岩永を名字で呼んでいると気づいたのが、目を見張ってから、安堵に口を緩ませた。
「そういや、お前はなんでここに?」
「あ、職員室に用事があって…」
 肩を抱かれたまま村崎に尋ねられて、岩永は素直に答えた。
 それから、村崎の姿を見て、思いつく。
「…一緒に来てくれへん?」
 少し不安そうにお願いされて、村崎は察した。
「制御装置のことか?」
「…うん」
 肩を抱く手を離して、心細そうに俯く岩永の頭を優しく撫でた。
「わかった」
「ええん?」
「頼まれんでもついてくわ」
 重ねて優しく言うと、岩永はホッとした様子だった。
 岩永と村崎が職員室に入っていったあと、志津樹はふと足を止めて振り返った。
 百メートルは離れた位置に職員室の扉がある。
 廊下には自分一人だけ。
「…他の人には、って、兄さんはいいのか」
 敵わない、と思う。
 それにしても、やっぱり予想は当たっていた。
 大体はわかっている。だからこそ、以前、流河に確認したのだ。
 兄が岩永のことを話題にしなくなったタイミング。
 一年以上前に起ことたNOA壊滅事件と前後している。
 だから、自分は事件に“嵐”が巻き込まれた、と推測した。
 だが、実際に彼に出会って、それは違うと思った。
 おそらく、約一年前の壊滅事件を引き起こした張本人こそが、岩永だ。
 でも、言う気はない。
 兄と岩永が笑って一緒にいられるなら、それでいいと本心で思う。
 志津樹は足を返して、今度こそ振り返らずに廊下を歩いていった。



「そろそろ門限だな…」
 その日、映画を見に出かけた雪代は、腕時計を見てそう呟いた。
 劇場から遅れて出てきた化野が、雪代の方に駆け寄ってきた。
 後ろから若松が歩いてくる。
「鷹明ー!
 ちょっとどっか寄ってこ?」
 雪代の腕に絡んできて、化野は甘えた声を出した。
 外見だけ見ればかわいらしいのだろうが、その中身を熟知している雪代や若松としては、とてもそうは思えない。
「喉がかわいたのか?」
「そう。
 あの劇場の飲み物おいしくない」
 はっきり言い切って、化野は「だからどっかで買っていこ?」と強請る。
「持ち帰りで買っていくくらいなら大した時間のロスじゃないからいいが、自分で並んで買え」
「ひどい鷹明!
 俺が鷹明や若松を使いっ走りにすると思うの!?」
 化野は不愉快だ、とむくれて文句を言う。
 雪代は真顔で、
「使いっ走りにするとは思ってない」
 と答えた。
 その返事に、化野は途端に満足そうに笑顔を浮かべた。
「ただ、」
「じゃあさ、じゃんからで負けた人が三人分買って来るってことにしよう。
 そうした方がロス少ないし」
「――――と、言うとは思っていた」
 化野の提案の前後を挟んで雪代は発言し、やっぱりな、と呟く。
「なんだよ。
 じゃんからなんだから不公平じゃないよ?」
「…お前がじゃんからで負けたことがそもそもあったか…?」
 隣に並んだ若松が小声で言う。
 化野は聞こえたらしく、若松を睨んだ。
 若松は無言で帽子を目深に被る。
「大体、俺より鷹明や若松の方が手が大きいじゃない」
「じゃんからをする前にそういう発言が出る時点で自分の勝利を疑ってないだろう」
 雪代が淡々と意見として言った。
 化野は自信気に頷く。
「まあいいさ。いつものことだから。
 征一郎。
 時に訊くが、ジュースを買ってくるのと、その間朔螺のお守りをするの、どっちがいい?」
「……」
 雪代の問いに、若松は決めかねた顔で考え込む。
「あ、ひどい」
 化野が呟いた。
「大体なにがお守りだよ。
 普段お守りされてるの土岐也じゃない」
「普段はな。
 俺たち三人だけになると、お前がその対象になることも…」
 実際はお守りというか、“いじられてる役”ともいうが、と思いながら雪代はふと視線を動かした。
 騒がしい声が聞こえた気がしたからだ。
「お前ら、おとなしくしろっ!」
 その声は、背後で聞こえた。
 若松と雪代が振り返ると、化野を羽交い締めにして、頭に手をかざしている男がいる。
「こいつに怪我させたくなかったら――――…な、なんだよその顔!?」
 まだ若い男だが、ナイフの類を持っていないということは、超能力者だ。
 雪代と若松が浮かべた、心底気の毒そうな表情に、男は当惑する。
「…よりによって、朔螺を人質に選ぶとは…」
「なんというか、…哀れすぎるな」
 若松と雪代は全く慌てずに、心から男を哀れむ。
「あれならまだ、俺かお前の方が被害は少ないだろうに…」
「…怪我はひとときで癒えても、精神ダメージはそうそう治らないからな。
 一生もののトラウマをこんなことで作るとは、可哀想な…」
「だからなんでそんな気の毒なものを見る眼をすんだよ!!!?」
 男はわけがわからない不安に襲われて叫ぶ。
 雪代はため息を吐いた。
「悪いことは言わない。
 さっさとその手を離せ。
 若いようだし、まだ死にたくはないだろう?」
「そうだ。
 手を離してはやく逃げろ。
 俺達が抑えておいてやるから」
「……は?」
 男は本気で混乱した。
 自分が人質を取っているのに、目の前の少年達は自分を“被害者”のように扱う。
 意味がわからない。
 怖くなって、腕の中の少年を見下ろした。
 彼は男の視線に気づいて、にっこり微笑む。
 それはとても美しい笑みだったが、男にそう認識する術はない。
 ただ背筋を焼いた恐怖に任せて、力を放った。



「二人ともひどいなー」
 化野は少し乱れた着衣を整えて、ぶすくれた。
 地面には文字通り、氷の超能力で凍り付いた男が転がっている。
 化野はといえば、無傷だ。
 服にも損傷はない。
「助けてくれないんだもの」
 詰ると、雪代は心底意外そうに言う。
「お前に助けなんてものが必要だとは驚きだな」
「ひっどーい」
「なにをかわいこぶって」
 雪代は腕を組んで、先を歩きだす。
 化野は早足で雪代を追う。
 若松が雪代の隣で頷いた。
「お前を助けになど行かんぞ。
 一緒くたに返り討ちだ」
「征一郎の言うとおり。
 巻き添えを食うのはごめんだからな」
「本当にひどいなあ」
 雪代は呟く。
 本当になにを言う。
「世界に、お前に勝てるヤツが果たしているのか?」
 尋ねてみると、化野はきょとんとして、それから艶やかに微笑んだ。
「さあ?
 ――――いないんじゃ、ないかな?」
 不敵な響きの声音は高い。
 それを“不遜”だと思ったことは一度もない。
「だろう?」
 それでいい。
 雪代も若松も、心底そう思う。

“不敗”。
 そういう神話。伝説。
 それが、自分たちの目の前の男だ。
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