【完結保証】超能力者学園の転入生は生徒会長を溺愛する

兔世夜美(トヨヤミ)

文字の大きさ
102 / 103
第十章 Butterfly Effect

第二十二話 夢ならどうか醒めないで

しおりを挟む
 やり直せるなら、俺はその手を振り払う。
「大丈夫」
 そう言って微笑んで、背中を向ける。
 記憶が消えたっていい。
 振り向いてもらえなくても、笑ってもらえなくてもいい。
 村崎が生きているなら、それだけでいい。

 寝台に横たわった村崎の顔を見下ろす。
 暖かい手に触れた。
 倒れた自販機にぶつかって、倒れて頭を打った。
 ただの脳震盪で、大事ないと聞いた。
 この結果を招いたのは自分だ。
 自分が真面目に戦っていればよかった。
 流河も優衣も責めなかった。
 彼らの優しさを、辛く感じた。
 不意に鳴り出したのは村崎のスマートフォンだ。
 枕元に置かれたスマートフォンが鳴っている。
 思わず手に取った。
 サブディスプレイに浮かんだ名前は、自分の名前。
 あいつだ。
 開いて、通話ボタンを押した。
「……もしもし」
 耳に触れるのはノイズの音。それから、風の音。

「よう。
 ドッペルゲンガー。
 今から会おうか」

 間違いなくもう一人の自分。この世界の岩永嵐。
 でも、別人のような錯覚。
 村崎のスマートフォンに自分が出たのに、全く驚かない。
 いや、自分が出ると確信していた。
 得体の知れない、そんな恐ろしさがある響き。
「……どうして?」
 唾を飲み込み、そう尋ねると、向こうで彼が笑った。

「怯えとんの?」

 違う。
 本当に、これは、もう一人の自分?
 こんな威圧的に話さないはずだ。
 こんな風に、優位な態度はとれない。

「決着をつけよう。
 俺が負けたら、なんでも欲しいもんあげる」

 違う。
 そんな条件を出せないはず。
 だって彼は自分よりずっと弱い。
 彼は一体。
「……どこに?」
 それでもそう返していた。
 場所を聞いていた。
 恐れ。戸惑い。焦り。そして、かすかな期待。
 彼はNOAから歩いて数十分の森林公園を指定した。
 通話が終わる。スマートフォンを閉じて、息を吐いた。
 眠る村崎の頬に触れて、そっと額に口づけた。
 わずかな時間でも、そばにいられたこと。
 許してくれたこと。
 ただ、嬉しかった。
 微笑みかけて、背中を向ける。
 部屋を出て公園に向かった。
 転移の力を使い、数分でたどり着く。
 森林公園は敷地が広く、入り口から果ては見えない。
 夜の闇が迫る、不気味なくらい静かな空間。
 月に照らされた遊歩道を歩く。
 不意に前から聞こえてきた音に、顔をそちらに向けた。
 これは吾妻の靴音だ。ずっとそばにいたからわかる。
 靴を鳴らして歩いてきたのはやはり吾妻。
 ほっとして駆け寄る。
「お前、ずっとどこ行ってたん」
「…どっか行ってたのはあんたも」
「…まあ」
 それは確かにそうだ。
 とにかく会えて良かった。
 安堵した自分の肩に触れ、吾妻は無表情で口を開く。
「すまん。
 岩永」
「…え?」
 唐突な謝罪の意味を掴む前に、異変を察知した。
 風が止まる。虫の鳴き声が消えた。
 遊歩道の脇に見える池の水面を見やる。
 水面は全く揺れず、凍り付いたようだ。
 いつの間にか、彼はそこにいた。
 池の水面の上に立ち、こちらを見て微笑んでいる。
「………なんで」
 かすれた声が出た。
 だって、これは時間凍結だ。
 白倉から奪った?
 いや、精巧すぎる。自分ですら、ここまで完璧な時間凍結は不可能だ。
 彼は軽い足取りで池の上を歩き、欄干を飛び越えて遊歩道に着地した。
「来てくれてどうも。
 そんなに驚く?」
「……なんやこれ」
 全く綻ぶ様子がない。
 静謐な世界。不気味なほどに、なんの音もない。
「……お前、ほんまに」
「この世界の俺かって?
 そんなん、決まってるやん。
 なあ?」
 彼は微笑み、自分の背後に佇む吾妻に視線を向けた。
「吾妻」
 まるで仲間のような口振りだ。
 息をのみ、吾妻の顔を見上げる。
 吾妻の顔に、驚きや動揺は見られない。
「…吾妻?」
「すまん。
 俺は、今は…こいつの味方」
 吾妻は静かに謝る。
 肩から手を離し、歩いて彼のそばに行く。
 彼の傍らに立って、こちらを見た。
「…………なんの冗談や。
 お前。
 そいつの味方って、お前、目的は…!」
「それ、岩永に言えることじゃないだろ?」
 吾妻の声は淡々としていたが、どこか責めるようだった。
 吾妻は悲しい瞳で自分を見つめる。
「…諦めてるくせに。
 自分だけ、楽になろうとしてるくせに」
「……………」
 言葉がなにも浮かばない。
 見開いた瞳が大きく揺れた。
「こいつは、俺の願いを叶えてくれる。
 俺の白倉に、会わせてくれる。
 だから、俺はこいつに味方する」
「………なんやそれ。
 ありえん。
 そいつが、叶えられるわけ…」
 から笑いを浮かべて言いかけ、向かいに立つ彼の妖しい笑みを見て、言葉を失った。
 嘘を吐いている顔ではない。
 そもそも信じられる証拠がなければ、吾妻が信じるはずがない。
 彼は一体、どんな証拠を見せたんだ?
「お前も俺の話を聞けば、同じ気持ちになると思うで?
 お前が望む静流に、会える」
「嘘や!」
 間髪入れず否定したのは、多分、彼への敵愾心だけが理由だ。
 心はざわめいている。
 揺らいでいる。
 嘘だ。でももし本当なら、もし、本当に村崎に会えるならば。
 知りたいと望む自分がいる。焦がれる自分がいる。
「まあ、お前が素直に聞くとは思ってない。
 お前は特に強情やし、俺への敵意は並はずれとる。
 やから、勝負しようや。
 俺が負ければお前になんでもやる。
 …静流でもええよ?」
 一歩前に足を踏み出し、彼は悠然と微笑む。
 信じられない気持ちで一杯だ。
 冗談でも、彼はそんな風に言えない。
 村崎を賭けられない。
 なのに、どうして。
「…ただし、俺が勝ったら、お前は俺に従え」
「…」
 茫然としながら、胸に沸くのはただ、彼への敵意。
 自分は彼が憎い。嫌いだ。
 その気持ちの根底はきっと、ただの嫉妬。劣等感。
 ただただ、幸せな世界で、村崎のそばにいられる彼が、妬ましいだけ。
 それでも、今の自分を支える力だ。
 自分の周囲を風が踊る。
 一瞬でふくれあがった吹雪が、その場の空気を冷やしていく。
 彼はのんびりとそれを見つめ、瞬きした。
 吾妻が地面を蹴って、その場から離れる。
 その行動に目を瞠った。
 てっきり、二対一だと思っていた。だからこんなに彼が自信満々なのだと。
「お前相手に二人がかりとか、やるわけないやろ。
 俺は一人で、お前に勝てるよ」
「抜かせっ!」
 既視感だ。
 以前もここで、彼と戦った。
 自分が圧倒的に優勢だった。
 結論としては心中未遂され、ドローに終わったが。
 人差し指を立て、彼を指さす。
 吹雪はうなりを上げ、彼に襲いかかった。
 本来なら、彼には防げないほどの力だ。
 彼が手を軽く振り、生み出した風は小さい。
 なのにあっさりと吹雪を切り裂き、かき消した。
「………っ」
「さて、こっちから行くで」
 彼が風をまとって宙に浮かんだ。
 背筋を走った恐怖に、反射的に放った炎の矢は、彼の手前で風に吹き消される。
 一気に高めた閃光を撃ち出す。
 彼が同時に撃ったかまいたちがぶつかって、相殺した。
 不意に風が舞った空から彼の姿が消える。
 息をのんだ。足下の影が伸び、自分の身体を拘束する。
「降参する?
 ちょっとわかってきたやろ。
 勝てへんこと」
 背後で声が聞こえた。
 とん、と指先が背中に触れる。
「別に続けてもええけど、…胸、貫かれたら痛いよな?」
 その声は自分と同じ低い声なのに、やはり不気味に聞こえる。
「……どうして」
 譫言のように、震えながら紡ぐ。
「…何で、お前がそんな力…」
 つい最近まで、自分に歯が立たなかったのに。
 不意に背後から抱きしめられた。
 耳元に触れた声は、随分懐かしく感じる。
 信じられない思いで、振り返った。
 目の前で、身を離した彼の姿が変貌する。
 影に包まれ、一瞬で変わった。
 そこに佇んでいた、黒髪に眼鏡の男に、瞳を見開く。
「…久しぶり、岩永」
「…………………嘘」
 一瞬、こちらの世界の彼かとも思う。
 でも違う。
 身長が、雰囲気が、違う。
 懐かしい気配。懐かしい微笑みだ。
「会いに来た。
 俺の話を聞いて、信じろ。
 ……そばにおるから。
 …俺は、生きてるから」
 自分の身体を拘束していた影が消える。
 自由になった腕で、彼にしがみついた。
「…優衣!」
 涙が浮かんで、頬を流れる。
 死んだはずだった。
 もうどこにもいないはずの彼が、目の前にいる。
 腕の中にいる。
 これが現実ならば、何も要らない。
 夢じゃないなら、それだけでいい。
 やり直せるなら、俺はその手を振り払う。
 あの日、四年前の五月二十日。
 棄権しよう、と言った村崎の言葉に、
「大丈夫」
 そう言って微笑んで、背中を向ける。
 あの日、自分が棄権しなければ、今でも村崎はそばにいてくれた。
 記憶が消えたっていい。
 振り向いてもらえなくても、笑ってもらえなくてもいい。
 村崎が生きているなら、それだけでいい。
 この悪夢が終わるなら、それだけでいい。
 光が、初めて見えた気がした。
 目を閉じて、身体から力を抜く。
「…おい、岩永!?」
 彼の声がする。
 懐かしい、低いその声。
 これが夢じゃないなら、それだけでいい。



 学園に帰ると、雪代たちが出迎えた。
 流河たちもいて、心配そうな顔をしていた。
 その中で村崎だけが、なにもかもわかったような顔をして、自分を見て微笑んだ。
「よかったん?」
「なにがや?」
 少し肌寒い夜の礼拝堂。
 村崎と二人きりの空間に声が響く。
「…あいつ、雪代たちに引き渡して。
 随分気を許しとったみたいやから」
 少し気に入らなくてそう言うと、村崎は朗らかに笑った。
「そんなことを言われてもな。
 そもそもあいつは、儂のものやないし、そんなことしたら向こうの儂が怒るやろう」
「………静流って」
 岩永は少し驚き、彼の顔を見上げる。
「……なんか、驚かんな?
 俺のことにしても。
 俺、変やろう?
 流河たちはびっくりしとったし。
 …なあ」
 以前の自分なら、圧倒的に強かったもう一人の自分を倒せない。
 吾妻のことも説得できない。
 その理由をまだ誰にも言っていないのに、村崎だけは動じない。
「…それがどうした?」
「…それがって…」
 穏やかで揺らがない、今の村崎に、岩永の方が戸惑う。
 絶対怒ると思った。怒って問いつめると思った。
 あの夜みたいに。
「驚く気持ちがないと言ったら嘘やが…、もう、やめたんや。
 お前を疑う気は、もうどこにもない」
「……静流」
 岩永の手をそっと掴む。
 少し冷えた手。
「お前はお前や。
 儂の愛しい、たった一人の男や。
 それだけでええ。
 …そばにおってくれるなら、儂はもう、それだけでええ。
 …記憶があってもなくても、純情でも不敵でも、得体が知れなくても、…儂の好きなお前や」
「…………」
 村崎の微笑み。真っ直ぐな瞳にも、嘘はなくて。
 泣きそうになる。
 ポケットから取り出したものを、村崎に差し出す。
 一つの小さなお守り。
「…静流に渡すって、いつかあげるって、約束したやろう。
 …昨日から、記憶の境が曖昧で、壊滅事件の後のことも、少しわかるから。
 ………俺が渡したかった」
 村崎は瞳を見開き、潤ませる。
 震えた手が、手ごとお守りを包み込んだ。
 村崎の顔を見上げて、顔をほころばせる。
「愛しとる」
 告げた瞬間、優しいキスが唇に触れた。
 抱きしめられて、腕を背中に回す。
 ステンドグラスから眩しい月明かりが降り注いでくる。
 ただ抱き合って、村崎の体温や口づけを感じていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】 23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも! そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。 お願いですから、私に構わないで下さい! ※ 他サイトでも投稿中

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。 また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

異世界転移したら、神の力と無敵の天使軍団を授かったんだが。

猫正宗
ファンタジー
白羽明星は気付けば異世界転移しており、背に純白の六翼を生やした熾天使となっていた。 もともと現世に未練などなかった明星は、大喜びで異世界の大空を飛び回る。 すると遥か空の彼方、誰も到達できないほどの高度に存在する、巨大な空獣に守られた天空城にたどり着く。 主人不在らしきその城に入ると頭の中にダイレクトに声が流れてきた。 ――霊子力パターン、熾天使《セラフ》と認識。天界の座マスター登録します。……ああ、お帰りなさいルシフェル様。お戻りをお待ち申し上げておりました―― 風景が目まぐるしく移り変わる。 天空城に封じられていた七つの天国が解放されていく。 移り変わる景色こそは、 第一天 ヴィロン。 第二天 ラキア。 第三天 シャハクィム。 第四天 ゼブル。 第五天 マオン。 第六天 マコン。 それらはかつて天界を構成していた七つの天国を再現したものだ。 気付けば明星は、玉座に座っていた。 そこは天の最高位。 第七天 アラボト。 そして玉座の前には、明星に絶対の忠誠を誓う超常なる存在《七元徳の守護天使たち》が膝をついていたのだった。 ――これは異世界で神なる権能と無敵の天使軍団を手にした明星が、調子に乗ったエセ強者を相手に無双したり、のんびりスローライフを満喫したりする物語。

魔王城の清掃係ですが、ラスボスに懐かれて世界を磨くことになりました

由香
恋愛
異世界に転移したら、なぜか魔王城の清掃係に就職していました。 巨大な玉座、血のついた回廊、禍々しい装飾品の数々。 今日も黙々と床を磨いていたら―― 「お前の磨いた床は、よく眠れる」 恐怖の象徴と名高い魔王様に懐かれました。 見た目は完全にラスボス。 中身はちょっと不器用で、独占欲強めの努力型。 勇者は帰還の道を示し、魔王は隣を選べと願う。 光と闇のはざまで、選ぶのは――ただの清掃係。 戦争よりも、まず床。 征服よりも、まず対話。 これは、世界最強の存在に溺愛されながら 世界平和を“足元から”始める物語。 甘くて、少し熱くて、ちゃんと選ぶ恋。

薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。  ─── からの~数年後 ──── 俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。  ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。 「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」  そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か? まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。  この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。  多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。  普通は……。 異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話。ここに開幕! ● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。 ● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。

処理中です...