12 / 20
第十二話 押し殺せない想い
しおりを挟む
その翌日、ジュリアスに呼び出され、ギィネヴィア邸を訪れたネヴィルに書斎のソファに腰掛け、ジュリアスは思い詰めた顔で告げた。
「シタンが知ってしまった。…身代わりにしていたこと」
「そうか…」
ネヴィルの反応は静かだ。まるでわかっていたように。
「どうすればいい。失いたくないんだ。
シタンだけは、失いたくないんだ」
「でも、紛れもなく事実だろう。
ラシードに似ていたから、後見を望んだのも。
目を背けても、お前の罪はなかったことにならないんだよ」
はっきりと告げたネヴィルに、ジュリアスは息を呑んで、そのあと自嘲に唇を歪めた。
「厳しいな」
「優しくして欲しい?」
「いや、そのくらいがちょうど良い。
もっともっと、私を責めて欲しいんだ」
顔を覆って、ジュリアスは呻くようにそう告げた。
自室のベッドに寝転がった、シタンの長い髪がシーツに散らばっている。
なにもしたくない。
出会ってそんなに経っていないのに、こんなに心を奪われていた。
馬鹿みたいだ。ジュリアスは自分を見ていなかったのに。
「シタン」
不意にコン、と扉がノックされて視線を億劫そうに向ける。
今の声はネヴィルだ。
「開いてます」
そう答えてベッドの上に起き上がると、ネヴィルが「失礼するよ」と断って入ってきた。
「ごめんね。あの馬鹿が」
「ネヴィルさんは、事情を知っていたんですね」
「うん、だから釘を刺してはいたんだ。身代わりにはするなって。
でも、あいつは歯止めがかからなかったみたいだ」
自分の責任のように謝るネヴィルの言葉すら煩わしい。
今は、ひどく自暴自棄で攻撃的な気分だ。
「どんな気分なんでしょう」
不意に、くっと歪な笑みを浮かべて漏らした。
「愛して、失った相手とうり二つの人間が現れるというのは」
「わからないな」
ネヴィルの返答はある意味予想通りだった。
「ネヴィルさんもラシードさんの親友だったんですよね?」
「そうだけど、俺はラシードのこと恋愛で見てないし」
ネヴィルはそう答えて、ため息を吐いた。
「というかね、ぶっちゃけて言えばラシードが生きていてもジュリアスの恋は叶っていないよ。ラシードはジュリアスに対して、そんな感情はなかったから。
本当だよ」
「でも」
「だからね、ラシードが生きていてもジュリアスは、君を特別に想ったかもしれないってこと」
なんて馬鹿みたいな気休めだ。それがなんだって言うんだ。
現にラシードは亡くなっていて、死者に勝てっこないのに。
「でもそれは、ラシードさんの身代わりとなにが違うんですか?」
尖った声で問いかけたシタンに、ネヴィルは息を呑んで、それから申し訳なさそうに、「そうだね…」
としか言わなかった。
夜になってもジュリアスに会う気にはならず、部屋にこもっていた。
部屋にいても思考は堂々巡りで、気晴らしにバルコニーに出る。
風が冷たくて、薄着で出たことを後悔した。
「寒…」
また強い風が吹く。身を震わせた時だ。
「大丈夫か?」
不意に、たくましい腕に背後から抱きしめられた。
その馴染んだ香りに、感触に呼吸が止まる。痛いほどに胸が締め付けられた。
「や、やめてください…!」
思わず突き飛ばすと、あまり力がこもっていなかったのか腕はすぐほどけた。
ショックを受けたその顔に、泣きたくなる。
まるで自分が悪者だ。
「やめて…。僕のことなんか、見ていないくせに」
「それは…」
「全部、嘘だったのか…?
僕の全てを知りたいと言ったことも、僕の笑顔が好きだと言ったことも。
僕の罪を全て許すと言ったことも、全部…?」
震える声で問いかける。まるで詰っているようだ。
「それは、………私は」
「嘘なら、もう僕に近寄らないで。
もう、ジュリアスの顔も見たくないんだ」
自暴自棄になったまま告げて、気づいて壊れたような笑いが漏れた。
「ふ、はは」
「シタン?」
「…あんなに呼べなかったあなたの名前なのに、こんなに大嫌いになったら、呼べるんだ」
「…あ」
あんなに呼びたくて、呼べなかったあなたの名前。
今なら呼べるなんて、なんて皮肉だ。
「変なの。変なの……」
笑っているのに、泣いているようで、堪えられなくなったようにジュリアスがもう一度、正面から抱きしめてきた。
そのまま頬を包んでキスをする。
我に返ったシタンが抵抗する前に、抱き上げると室内に運び、ベッドの上に降ろして覆い被さった。
「や、いや、やだ」
ジュリアスがなにをする気かを悟って、シタンが抵抗するがあまりに弱々しい。
「シタン、シタン…」
譫言のように名を呼んで、ジュリアスはシタンの頬に、それから首筋に口づける。
ボタンを外して、胸元にも唇を落とした。
胸を押してもびくともしない。
「やだ、やだやだ、ジュリアスの馬鹿。
馬鹿、馬鹿、だいきらい。
ジュリアスなんか、」
その先はもう聞きたくないとばかりに、幼子のように詰る唇をキスで塞ぐ。
涙があふれた。
「大嫌いだ…」
「私だって…!」
悲痛な声が頭上で響いた。暗がりで、陰になったジュリアスの表情が見えない。
「君の笑顔が見たかった。見たかったはずなのに。
今は、君の笑顔を見なければよかったと思っている」
「…卑怯だ」
手をシーツに縫い止めると、覆い被さってジュリアスはシタンを責めた。
「僕の心を慰めた声で、そんなことを言うの…」
「ひどいのは君だ」
甘く、切なく詰る声が落ちてくる。
不思議だ。悲しんでいるのは自分のはずなのに、ジュリアスのほうが泣いているように思えた。
ひどく、終わらない雨の中で、嘆き悲しんでいるように見えたのだ。
そんな姿を見せられて、どうやって拒んだらいい。
なにもわからなくなる。苦しいのに、愛しい。愛しくて、憎らしい。
恋が、こんなに苦しいものだと知らなかった。
ジュリアスが全て教えた。全てを、芽吹かせた。
この胸に咲いたのは、罪の証の赤い薔薇。叶わない、恋の花。
ああ、なんて残酷な運命だろう。
「泣き顔ですら私の心を射貫いたのに、笑顔を見てしまったらもう想いを押し殺せない」
そう告げたジュリアスがシタンの手首を縫い止める。
逃げられない。逃がさない。そんな強い愛執が、シタンを捕らえていた。
緋色の瞳が潤んで、雫が落ちた。
その瞳の中に、ジュリアスのアイスブルーの瞳だけが映っていた。
そっとジュリアスが顔を寄せる。
重なった唇は、ひどく冷たい、罪の味がした。
「シタンが知ってしまった。…身代わりにしていたこと」
「そうか…」
ネヴィルの反応は静かだ。まるでわかっていたように。
「どうすればいい。失いたくないんだ。
シタンだけは、失いたくないんだ」
「でも、紛れもなく事実だろう。
ラシードに似ていたから、後見を望んだのも。
目を背けても、お前の罪はなかったことにならないんだよ」
はっきりと告げたネヴィルに、ジュリアスは息を呑んで、そのあと自嘲に唇を歪めた。
「厳しいな」
「優しくして欲しい?」
「いや、そのくらいがちょうど良い。
もっともっと、私を責めて欲しいんだ」
顔を覆って、ジュリアスは呻くようにそう告げた。
自室のベッドに寝転がった、シタンの長い髪がシーツに散らばっている。
なにもしたくない。
出会ってそんなに経っていないのに、こんなに心を奪われていた。
馬鹿みたいだ。ジュリアスは自分を見ていなかったのに。
「シタン」
不意にコン、と扉がノックされて視線を億劫そうに向ける。
今の声はネヴィルだ。
「開いてます」
そう答えてベッドの上に起き上がると、ネヴィルが「失礼するよ」と断って入ってきた。
「ごめんね。あの馬鹿が」
「ネヴィルさんは、事情を知っていたんですね」
「うん、だから釘を刺してはいたんだ。身代わりにはするなって。
でも、あいつは歯止めがかからなかったみたいだ」
自分の責任のように謝るネヴィルの言葉すら煩わしい。
今は、ひどく自暴自棄で攻撃的な気分だ。
「どんな気分なんでしょう」
不意に、くっと歪な笑みを浮かべて漏らした。
「愛して、失った相手とうり二つの人間が現れるというのは」
「わからないな」
ネヴィルの返答はある意味予想通りだった。
「ネヴィルさんもラシードさんの親友だったんですよね?」
「そうだけど、俺はラシードのこと恋愛で見てないし」
ネヴィルはそう答えて、ため息を吐いた。
「というかね、ぶっちゃけて言えばラシードが生きていてもジュリアスの恋は叶っていないよ。ラシードはジュリアスに対して、そんな感情はなかったから。
本当だよ」
「でも」
「だからね、ラシードが生きていてもジュリアスは、君を特別に想ったかもしれないってこと」
なんて馬鹿みたいな気休めだ。それがなんだって言うんだ。
現にラシードは亡くなっていて、死者に勝てっこないのに。
「でもそれは、ラシードさんの身代わりとなにが違うんですか?」
尖った声で問いかけたシタンに、ネヴィルは息を呑んで、それから申し訳なさそうに、「そうだね…」
としか言わなかった。
夜になってもジュリアスに会う気にはならず、部屋にこもっていた。
部屋にいても思考は堂々巡りで、気晴らしにバルコニーに出る。
風が冷たくて、薄着で出たことを後悔した。
「寒…」
また強い風が吹く。身を震わせた時だ。
「大丈夫か?」
不意に、たくましい腕に背後から抱きしめられた。
その馴染んだ香りに、感触に呼吸が止まる。痛いほどに胸が締め付けられた。
「や、やめてください…!」
思わず突き飛ばすと、あまり力がこもっていなかったのか腕はすぐほどけた。
ショックを受けたその顔に、泣きたくなる。
まるで自分が悪者だ。
「やめて…。僕のことなんか、見ていないくせに」
「それは…」
「全部、嘘だったのか…?
僕の全てを知りたいと言ったことも、僕の笑顔が好きだと言ったことも。
僕の罪を全て許すと言ったことも、全部…?」
震える声で問いかける。まるで詰っているようだ。
「それは、………私は」
「嘘なら、もう僕に近寄らないで。
もう、ジュリアスの顔も見たくないんだ」
自暴自棄になったまま告げて、気づいて壊れたような笑いが漏れた。
「ふ、はは」
「シタン?」
「…あんなに呼べなかったあなたの名前なのに、こんなに大嫌いになったら、呼べるんだ」
「…あ」
あんなに呼びたくて、呼べなかったあなたの名前。
今なら呼べるなんて、なんて皮肉だ。
「変なの。変なの……」
笑っているのに、泣いているようで、堪えられなくなったようにジュリアスがもう一度、正面から抱きしめてきた。
そのまま頬を包んでキスをする。
我に返ったシタンが抵抗する前に、抱き上げると室内に運び、ベッドの上に降ろして覆い被さった。
「や、いや、やだ」
ジュリアスがなにをする気かを悟って、シタンが抵抗するがあまりに弱々しい。
「シタン、シタン…」
譫言のように名を呼んで、ジュリアスはシタンの頬に、それから首筋に口づける。
ボタンを外して、胸元にも唇を落とした。
胸を押してもびくともしない。
「やだ、やだやだ、ジュリアスの馬鹿。
馬鹿、馬鹿、だいきらい。
ジュリアスなんか、」
その先はもう聞きたくないとばかりに、幼子のように詰る唇をキスで塞ぐ。
涙があふれた。
「大嫌いだ…」
「私だって…!」
悲痛な声が頭上で響いた。暗がりで、陰になったジュリアスの表情が見えない。
「君の笑顔が見たかった。見たかったはずなのに。
今は、君の笑顔を見なければよかったと思っている」
「…卑怯だ」
手をシーツに縫い止めると、覆い被さってジュリアスはシタンを責めた。
「僕の心を慰めた声で、そんなことを言うの…」
「ひどいのは君だ」
甘く、切なく詰る声が落ちてくる。
不思議だ。悲しんでいるのは自分のはずなのに、ジュリアスのほうが泣いているように思えた。
ひどく、終わらない雨の中で、嘆き悲しんでいるように見えたのだ。
そんな姿を見せられて、どうやって拒んだらいい。
なにもわからなくなる。苦しいのに、愛しい。愛しくて、憎らしい。
恋が、こんなに苦しいものだと知らなかった。
ジュリアスが全て教えた。全てを、芽吹かせた。
この胸に咲いたのは、罪の証の赤い薔薇。叶わない、恋の花。
ああ、なんて残酷な運命だろう。
「泣き顔ですら私の心を射貫いたのに、笑顔を見てしまったらもう想いを押し殺せない」
そう告げたジュリアスがシタンの手首を縫い止める。
逃げられない。逃がさない。そんな強い愛執が、シタンを捕らえていた。
緋色の瞳が潤んで、雫が落ちた。
その瞳の中に、ジュリアスのアイスブルーの瞳だけが映っていた。
そっとジュリアスが顔を寄せる。
重なった唇は、ひどく冷たい、罪の味がした。
11
あなたにおすすめの小説
平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます
ふくやまぴーす
BL
旧題:平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます〜利害一致の契約結婚じゃなかったの?〜
名前も見た目もザ・平凡な19歳佐藤翔はある日突然初対面の美形双子御曹司に「自分たちを助けると思って結婚して欲しい」と頼まれる。
愛のない形だけの結婚だと高を括ってOKしたら思ってたのと違う展開に…
「二人は別に俺のこと好きじゃないですよねっ?なんでいきなりこんなこと……!」
美形双子御曹司×健気、お人好し、ちょっぴり貧乏な愛され主人公のラブコメBLです。
🐶2024.2.15 アンダルシュノベルズ様より書籍発売🐶
応援していただいたみなさまのおかげです。
本当にありがとうございました!
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
欠陥Ωは孤独なα令息に愛を捧ぐ あなたと過ごした五年間
華抹茶
BL
旧題:あなたと過ごした五年間~欠陥オメガと強すぎるアルファが出会ったら~
子供の時の流行り病の高熱でオメガ性を失ったエリオット。だがその時に前世の記憶が蘇り、自分が異性愛者だったことを思い出す。オメガ性を失ったことを喜び、ベータとして生きていくことに。
もうすぐ学園を卒業するという時に、とある公爵家の嫡男の家庭教師を探しているという話を耳にする。その仕事が出来たらいいと面接に行くと、とんでもなく美しいアルファの子供がいた。
だがそのアルファの子供は、質素な別館で一人でひっそりと生活する孤独なアルファだった。その理由がこの子供のアルファ性が強すぎて誰も近寄れないからというのだ。
だがエリオットだけはそのフェロモンの影響を受けなかった。家庭教師の仕事も決まり、アルファの子供と接するうちに心に抱えた傷を知る。
子供はエリオットに心を開き、懐き、甘えてくれるようになった。だが子供が成長するにつれ少しずつ二人の関係に変化が訪れる。
アルファ性が強すぎて愛情を与えられなかった孤独なアルファ×オメガ性を失いベータと偽っていた欠陥オメガ
●オメガバースの話になります。かなり独自の設定を盛り込んでいます。
●最終話まで執筆済み(全47話)。完結保障。毎日更新。
●Rシーンには※つけてます。
転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています
柚吉猫
BL
生前の記憶は彼にとって悪夢のようだった。
酷い別れ方を引きずったまま転生した先は悪役令嬢がヒロインの乙女ゲームの世界だった。
性悪聖ヒロインの弟に生まれ変わって、過去の呪縛から逃れようと必死に生きてきた。
そんな彼の前に現れた竜王の化身である騎士団長。
離れたいのに、皆に愛されている騎士様は離してくれない。
姿形が違っても、魂でお互いは繋がっている。
冷然竜王騎士団長×過去の呪縛を背負う悪役弟
今度こそ、本当の恋をしよう。
【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる
ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。
・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。
・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。
・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。
魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!
松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。
15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。
その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。
そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。
だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。
そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。
「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。
前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。
だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!?
「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」
初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!?
銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
抹茶砂糖
BL
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
第13回BL大賞にエントリーしています。
応援いただけるとうれしいです!
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる