せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

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第二章 ~ゲームの邪魔はしないから、せめてちょっとだけ~

年下相手に●●●1 $ルサー$

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*   *  * 時間は少し遡る *  *   *



『ルサーが若いオトコを囲ってる』


ここ何日か、こんな噂が飛び回ってるらしい。


元来、噂ってのは本人の耳に入るのが一番遅いってもんだ。
もっと前から……ひょっとしたら、アイツがウチに来たその日から、そんな噂は立ってたのかも知れねぇな。

ったく……年の差を考えろってんだ。
想像されてるようなコトなんか、あるワケ無ぇってのによ……。






 *   *   *   *   *   *


アイツが『怪我人』として連れて来られた時、ちょうど詰め所ン中はバタ付いてた。
大怪我って程のモンじゃなくて、アイツ自身も、目を引くような美少年にも不細工にも見えなかったからか、割と後回しな雰囲気で半ば放置されてた。
良く見りゃ人懐こそうで、ちょっとは整った風な顔してんのにな、雰囲気がなんかボンヤリしてたんだろ。

流石に怪我人をそのまんまで待たせるってのも可哀想だと思ってな。
怪我した事情を聞く担当は別な奴に任せるにしても、とりあえず手当だけしてやるツモリだったんだ。

……まァ、事情を聞くのも俺の仕事になっちまったがな。


手当てキット片手に処置室連れてったら、パッと見より怪我の場所が広そうだった。
擦り傷や小さな切り傷、打撲のような痕が、手の先や手首、肘の所にも。
この分じゃ背中とかにも傷があるだろうと判断したんだが。

ある意味じゃ、それが間違いだったかもな。


着てたシャツを脱がせてやったら……  カラダが……  凄い、ヤバかった……。


見た目の印象より、アイツは背が高くて、凄くエロかった。

身体付きも引き締まってて、胸から腹、腰へと続くラインの筋肉がやたら綺麗で。
ゴツくなる一歩手前でスマートさを保つ、ギリギリのバランスだった。
どうってことの無ぇ地味目の顔も、ボンヤリした表情も、こうやって上半身を晒したら、途端に妙にヨく見えて来るもんだ。
華奢な美少年顔や派手に色気がある顔じゃない分、逆にオトコらしく感じるって~か。
……身体の邪魔をしねぇ顔立ち、ってワケか。

明らかに俺より一回りは年下だろうってのに……つい見惚れちまって、一瞬、危ねぇトコだった。



動揺してるのがバレねぇよう、どうにか手当てを済ませてから。
他の兵で手ェ空いてる奴がいなかったし、山賊に襲われたって話まで飛び出したから、俺が聴取するハメになったんだが。

山賊の襲撃についてシッカリ説明したのに、アイツは、自分の名前は言わなかった。

それだけじゃない。
仕事の依頼人だの、自分が勤めてる養育所も。
自分に繋がりそうな人物や施設について、一切、俺に教えなかった。


「あぁ、そりゃ……困ったな?」

自分が言わねぇ一切の情報を、「記憶に無い」で済ませようとした。
流石にそれを信じる程、俺は子供じゃない。

こっちは仕事で聞いてんだ、個人的な趣味じゃねぇよ。
別にお前の名前とか住所とか聞いたって、どうもしねぇっての。

とは言えまぁ、本人が忘れたって言い張ってんなら、俺だって無理に聞き出すような真似はしねぇさ。
後で報告書を作る時に面倒になるかも知れねぇが、こ~いう場合は空欄でも仕方ねぇだろ。

口数も少なくなって飽きてたみてぇだし、程々の所で解放してやった。

俺が怪我を手当てした事に、礼を言って立ち上がった時の笑顔は、あんなヤバい身体してるのが嘘みてぇな人懐こい笑顔だった。




詰め所から出たアイツの後姿を、俺は窓から少しだけ離れた位置で見送った。
アイツは周囲を軽く見回して、すぐに何処かへと歩き出す。

これから行く場所なんざ、元から決めてあったみたいに、迷い無く。


自分の名前も分からねぇ、って言ってたクセにな……。

「記憶が無いにしちゃ、ちっとも困ってねェだろが。……嘘吐きめ。」


他の奴らの目を気にして、余計な世話を焼こうとしなくて良かったぜ。

俺は内心でそう、胸を撫で下ろした。
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