せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

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第三章 ~改めてゲームを見守ろうとしてから自分の名前を思い出すまで~

プレゼントを買おうと思って

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ルサーを詰め所に送り届けてから、オレは一旦、家に戻った。

いつもはそっから町の中をぶら付くんだけど、今日は、昨夜汚しちゃった色々な物を洗って置かないとさ。
ソファカバーとか、食卓や床を拭いた布巾とか雑巾とか。
明日はルサーがお休みだから、ついでに他のも……洗濯の類は今日中に済ませちゃえ。


片っ端から洗って、干して……洗濯が終わった頃にはお昼を過ぎてた。
適当に残り物で一人ランチを摂って、オレは出掛ける支度をする。

……お店の開店時間を考えたら、今からの方がちょうど良い頃合いかな。

玄関ドアを施錠して、大事な鍵は腰ポーチにちゃんと仕舞う。
わざわざルサーが作ってくれた合鍵だからな、落としたり失くしたりしたら大変だ。






オレは珍しく、ヒーローやネームドキャラの鑑賞以外の目的で、町に出掛けた。
いつもより遅めの時間なのは、ある物を買いたいからだ。
まだ目的の物がハッキリしてるんじゃないけど、そういう系統のグッズが無いかな~って思って。

人通りが多くて明るい道を上って、途中の分かれ道から酒場通りに入って行くと、段々と通行人がまばらになって来た。
昨夜から飲んでたような人はもう帰宅してるだろうし、これから飲むにはまだ時間が早いから。

酒場通りの途中から、お店が段々賑やかになって、通りの奥は娼館エリアだ。
今日のオレの、目的地は娼館だ。


誤解しないでくれ。オレ、娼夫を買いに来たわけじゃないぞ。単なる買い物だ。

たぶん他の所でも、ひょっとしたら雑貨屋さんとかに売ってるかも知れないけど、何となく娼館の方が色々な種類を置いてそうな気がして。
あと、雑貨屋さんに入っちゃったら、欲しい物が無かった場合に何も買わずに出て来るって……オレにはちょっと難しくって。余計な買い物しちゃいそうだから。
娼館なら、そういうトコに気を遣わなくて良さそうだよな。


オレは、お風呂やベッドで使う、マッサージオイル的な物を買いに来たんだ。
それじゃなかったら、日本でも流行ってたような、良い匂いのするアロマ…とか? サラリーマン御用達の滋養強壮剤みたいのがあれば、それでもいいな。


昨夜も……初めての夜もそうだったけど、オレ。
ルサーが結構年上って忘れて、割かし無茶しちゃうんだよな。
翌朝のルサーはツラそうだから、その疲れを癒せるようなのが何かあればプレゼントしたいんだ。

ポーチにちょっとはお金が入ってる。
オレ、初契約の仕事のときに、町に着いたら養育所のみんなにお土産を買うつもりでいたから。幾らかのお金は持って来てた。
ルサーに世話になってるから全然使ってなくて、そのまま残ってるんだ。

「オレが買えるような金額ならいいんだけどな。」

そうだ。どうせなら、あのオネェ店員のお店で買おうかな。
店の場所は知ってるし、昨夜はちょっと迷惑も掛けたっぽいからさ。こないだ『サービス』もして貰ったし。



娼館でプレゼントを買ったら、生鮮市場で買い物して、ルサーを迎えに行こう。

呑気に考え事をしてるオレの耳に。


ガラガラ、ッシャーーーン!


何か大きな物が倒れるような、転がるような、とにかく凄い音が聞こえた。

場所は、酒場通りの終わりくらい。
飲み屋と連れ込み宿と娼館が交ざり合って、ゴチャッてる。
そこの路地から、なんか雰囲気の良くない声も聞こえて来た。

「……なんだ?」

この時間なら流石に酔っ払いの喧嘩じゃないだろ。
とりあえず一応、様子だけ見に行くかな。


建物の陰へ近付いたら、やっぱり、酔っ払いじゃない人同士で揉めてるような声がする。
なるべく目立たないように、オレはそっと覗いた。



大して広くない路地。
建物の脇で箱が引っくり返ってて、中から酒瓶がゴロゴロ転げ出したり割れたりしてた。

箱に凭れ掛かるように倒れ込んだ誰かを、男が乱暴に掴んで立たせる。
その奥にも、ニヤニヤしながら見てる男が二人、だ。


腕を掴まれて、対面する男達を睨み付けてるのは。

「あ……。リッカ、だ……。」
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