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第三章 ~改めてゲームを見守ろうとしてから自分の名前を思い出すまで~
名前も知らない男と●●●6 $リオ$
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おれはタチだと判断されて、あっさりハーレムを追い出された。
最後まで天守の名前を知らないまま。
今更知りたくもねーよ、最低野郎が……上等だ、バぁ~~~っカ!
ハーレム妻だった証のリングは、取り上げられる前に叩き付けてやった。
それまでおれは大人しくしてたから、タチなのがバレて本性を曝け出したって思ったんだろう。
騙されたって目でおれを睨み付けた天守の顔は滑稽だったから、それだけは覚えててやる。
地味で質素な馬車に乗せられて、おれは王都を出発した。
ここが王都だなんて知らなかったよ、おれ。
町に来た時は奥様の馬車に乗せて貰ってたし、着いて早々にハーレム入りして、それからはずっと寝室で監禁状態だったから。
もしタチじゃなかったら、あのままずっとハーレムにいたんだよな……。
考えたらゾッとした。
大勢の人が見てる中でハーレムの馬車に乗った所為らしいけど。
こんな短い期間で、妻のリングを着けてないおれが、町をウロウロされちゃ迷惑なんだとさ。
そんな理由でおれは、かなり遠くの町まで連れてかれる予定。
文句を言う気力も萎えた。疲れた。
……おれ、迷惑を通り越して酷い目に遭わされたんだけど?
それとも何? ハーレムって、あれが普通?
もう、どーでもいーよ。
この町で暮らしたい気持ちなんか無いし。
おれだって……あの男と同じ町で、同じ空気を吸ってたくない。
おれが乗ってる馬車に窓なんて無い。万が一にでも、おれの姿が外から見えないように。
最後だから、街並みぐらいは見たかったよ。
……もう来る事は無い。さよなら。
道中は町も村も寄って貰えず、野営を繰り返す。
やがて、町が見えて来た。
馬車は街道を外れて停まり、おれはそこで降ろされた。
おれの分だけ身軽になった馬車の姿は、すぐに見えなくなった。
僅かな荷物を抱えて一人、草むらで立ち尽くす。
王都にいたんだよね。おれ……。悪い夢でも見てたみたい。
王都での最悪な記憶が夢じゃないって示すものは。
奮発して買った華奢な衣装と、おれの腰に出来た『割れた実』の痣。それと、ハーレムへの借金。
……宮での滞在費を請求されたんだ。かなりの金額だった。
普通なら、ハーレムに入る側がそんな費用を払う事は無い。だけど。
だけど……おれはタチ、だったから。
おれは『ネコの外見を偽装して天守を騙そうとした不届き者のタチ』って責められて。
本当なら罪人として衛兵に突き出すって所だけど、『滞在費』を支払う事で『有料滞在者』になるらしい。
ハッキリ言って、払えない。だから借金になった。
だって払わなきゃ。罪人になっちゃう。
ハーレムの天守を騙そうとした罪だから重罪人だ。子供に対する性犯罪者と同じ扱いされる。
普通の犯罪者は労役場に入るけど。重罪人は山とか、厳しい環境での強制労働だ。
重罪人……殺人者と、子供を狙った性犯罪者。
特に後者への罰は厳しい。去勢した上での強制労働だ。
子供を性的な対象にする性癖って、一生治らないから。
そんな重罪人達と、同じ所で生きるなんて耐えられない。
絶対、また……あんな事になる……。
だから……納得行かない借金だけど、それを踏み倒す事も出来ない。
* * * * * *
しばらく月日が流れて。
おれは、ノマルの町まで流れて来た。十八歳になってた。
流れに流れ過ぎた所為で、ここが王都に近いのか遠いのかも分からない。
だけど町の大きさも程好いし、道行く人々には色々な人がいて、まぁまぁ活気もあって。
そろそろ何処かに住みたいって考えてたから。ちょうどいいかな、って思った。
おれみたいなのが紛れ込んでも、あんまり目立たなそうで。
実は王都を出た後。兵士になってたんだ、おれ。
似合わないの分かってたけど、他に働く所が無くて。
見付からなかったワケじゃない。見た目のお陰で、おれは何処の町でも接客業……宿屋とか料理屋……で雇って貰えるから。
でもすぐに辞める事になる。
店の主人や店員から誘われたり、客から手を出されたり。……襲われた事もある。
相手はタチに限らなくて……いや、ネコの方が多かったと思う。おれがネコに見えるようで、いわゆる『ネコ同士の慰め合い』を求められた。
嫌になって兵士になったけど。結局それも続かなかった。
兵舎で襲われた。ネコの群れに。文字通り。
何かの切っ掛けでおれがタチだってバレて、一気に広まったんだな。
風呂場で押さえ付けられて、代わる代わるに跨られた。
仕事終わりから明け方まで搾り取られて、お陰で日中は全然使い物にならない。
そんな日がしばら~く続いて、おれはクビになった。
それからはちょっと普通に働いたり、行きずりでタチを売ったりだ。
ノマルの町は、酒場や娼館が賑わってる所が気に入った。
住人の数を考えれば多すぎるぐらいなのは、この町に立ち寄る旅人が多いからだろうな。
何処に行っても同じなら。そういう男なんだろ、って見られるなら。
もういっそ、そういう仕事をした方がいい。
おれはこの町で。
生まれて初めて、娼館で働く事にした。
最後まで天守の名前を知らないまま。
今更知りたくもねーよ、最低野郎が……上等だ、バぁ~~~っカ!
ハーレム妻だった証のリングは、取り上げられる前に叩き付けてやった。
それまでおれは大人しくしてたから、タチなのがバレて本性を曝け出したって思ったんだろう。
騙されたって目でおれを睨み付けた天守の顔は滑稽だったから、それだけは覚えててやる。
地味で質素な馬車に乗せられて、おれは王都を出発した。
ここが王都だなんて知らなかったよ、おれ。
町に来た時は奥様の馬車に乗せて貰ってたし、着いて早々にハーレム入りして、それからはずっと寝室で監禁状態だったから。
もしタチじゃなかったら、あのままずっとハーレムにいたんだよな……。
考えたらゾッとした。
大勢の人が見てる中でハーレムの馬車に乗った所為らしいけど。
こんな短い期間で、妻のリングを着けてないおれが、町をウロウロされちゃ迷惑なんだとさ。
そんな理由でおれは、かなり遠くの町まで連れてかれる予定。
文句を言う気力も萎えた。疲れた。
……おれ、迷惑を通り越して酷い目に遭わされたんだけど?
それとも何? ハーレムって、あれが普通?
もう、どーでもいーよ。
この町で暮らしたい気持ちなんか無いし。
おれだって……あの男と同じ町で、同じ空気を吸ってたくない。
おれが乗ってる馬車に窓なんて無い。万が一にでも、おれの姿が外から見えないように。
最後だから、街並みぐらいは見たかったよ。
……もう来る事は無い。さよなら。
道中は町も村も寄って貰えず、野営を繰り返す。
やがて、町が見えて来た。
馬車は街道を外れて停まり、おれはそこで降ろされた。
おれの分だけ身軽になった馬車の姿は、すぐに見えなくなった。
僅かな荷物を抱えて一人、草むらで立ち尽くす。
王都にいたんだよね。おれ……。悪い夢でも見てたみたい。
王都での最悪な記憶が夢じゃないって示すものは。
奮発して買った華奢な衣装と、おれの腰に出来た『割れた実』の痣。それと、ハーレムへの借金。
……宮での滞在費を請求されたんだ。かなりの金額だった。
普通なら、ハーレムに入る側がそんな費用を払う事は無い。だけど。
だけど……おれはタチ、だったから。
おれは『ネコの外見を偽装して天守を騙そうとした不届き者のタチ』って責められて。
本当なら罪人として衛兵に突き出すって所だけど、『滞在費』を支払う事で『有料滞在者』になるらしい。
ハッキリ言って、払えない。だから借金になった。
だって払わなきゃ。罪人になっちゃう。
ハーレムの天守を騙そうとした罪だから重罪人だ。子供に対する性犯罪者と同じ扱いされる。
普通の犯罪者は労役場に入るけど。重罪人は山とか、厳しい環境での強制労働だ。
重罪人……殺人者と、子供を狙った性犯罪者。
特に後者への罰は厳しい。去勢した上での強制労働だ。
子供を性的な対象にする性癖って、一生治らないから。
そんな重罪人達と、同じ所で生きるなんて耐えられない。
絶対、また……あんな事になる……。
だから……納得行かない借金だけど、それを踏み倒す事も出来ない。
* * * * * *
しばらく月日が流れて。
おれは、ノマルの町まで流れて来た。十八歳になってた。
流れに流れ過ぎた所為で、ここが王都に近いのか遠いのかも分からない。
だけど町の大きさも程好いし、道行く人々には色々な人がいて、まぁまぁ活気もあって。
そろそろ何処かに住みたいって考えてたから。ちょうどいいかな、って思った。
おれみたいなのが紛れ込んでも、あんまり目立たなそうで。
実は王都を出た後。兵士になってたんだ、おれ。
似合わないの分かってたけど、他に働く所が無くて。
見付からなかったワケじゃない。見た目のお陰で、おれは何処の町でも接客業……宿屋とか料理屋……で雇って貰えるから。
でもすぐに辞める事になる。
店の主人や店員から誘われたり、客から手を出されたり。……襲われた事もある。
相手はタチに限らなくて……いや、ネコの方が多かったと思う。おれがネコに見えるようで、いわゆる『ネコ同士の慰め合い』を求められた。
嫌になって兵士になったけど。結局それも続かなかった。
兵舎で襲われた。ネコの群れに。文字通り。
何かの切っ掛けでおれがタチだってバレて、一気に広まったんだな。
風呂場で押さえ付けられて、代わる代わるに跨られた。
仕事終わりから明け方まで搾り取られて、お陰で日中は全然使い物にならない。
そんな日がしばら~く続いて、おれはクビになった。
それからはちょっと普通に働いたり、行きずりでタチを売ったりだ。
ノマルの町は、酒場や娼館が賑わってる所が気に入った。
住人の数を考えれば多すぎるぐらいなのは、この町に立ち寄る旅人が多いからだろうな。
何処に行っても同じなら。そういう男なんだろ、って見られるなら。
もういっそ、そういう仕事をした方がいい。
おれはこの町で。
生まれて初めて、娼館で働く事にした。
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