せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

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第四章 ~なんだかんだでゲームに沿う形でハーレムっぽい感じになる~

オレが言うのも難だけど誤解はちゃんと解いた方がいい

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「カシュ、夜勤明けなんだろ? ちゃんと家で休まないと。カシュが気を遣って、どっかに行く必要なんか無い。」
「えっ、い…いいよ、だって…」
「良くない。」

振り払って逃げられないようにシッカリと、でも一応なるべく痛くないよう気を付けながら。
カシュの手を掴み直して、玄関の呼出ベルを鳴らす。

アパートメントの外観を見た限り、たぶん一軒一軒の部屋自体はそんなに広くなさそうだ。
ビリーが寝てたりトイレ中じゃなければ、すぐに出て来るだろう。


手を掴まれてるのにカシュがジリジリ離れようと画策する。

「家主のカシュを追い出さなきゃいけないような話なんか、するツモリ無い。」
「でも……きっと、ヴィルは…話し辛いよぉ……。それでなくても、ヴィル……遠慮がちだしぃ。……イグゥさんに告白、するんでもしないんでも。たっ……、他人がいちゃ…」
「他人じゃないだろっ。」

ちょっとだけどオレから離れたとこで、その台詞。
反射的にオレの声は強めになった。


オレの方にカシュを引き寄せる。
小柄な身体は、兵士をやってるのが心配になるくらい、簡単にオレにくっ付いた。


「ヴィルの恋人、って嘘だったのか? カシュが勝手に言ってただけ?」
「……それは、」
「昨日、ビリーは否定しなかったぞ。」
「……優しい、から。」

完全に俯かれたら、身長差の所為でオレにはカシュの表情が見えない。
カシュの顎を掌で包んで上向かせる。

合うハズの視線は、カシュが逸らした。


「そんな顔する前に、カシュの方こそビリーと話した方がいい。」

タチとネコの人数比に差があり過ぎる所為か、それともカシュの性格的なものかはハッキリ断定出来ないけど。
いつでも諦められる準備が出来てる。
いつでも捨てられる覚悟が出来てる。
今のカシュを見てたら、オレはそんな風に感じた。

昨日はオレ、自分の名前が分かった衝撃と嬉しさで、気に掛ける余裕が無かったけど。
カシュの言葉だと、ビリーはオレが好きだったらしくて……。それがどういう経緯でどんな結論になったかまでは流石に分かんないけど。
この表情は、自分の居場所が無いって感じてる子みたいな、そんな感じだ。



「オレとの話は、まぁ一旦置いとくぞ。でもカシュとの話は……。ビリーが、カシュをどう思ってるかは…」
「俺が、言う……話だから。」
「ぅおぉうっ!」

ビックリした! 間抜けな声、出た!


いつの間にか玄関の扉は開いてて、そこにビリーが立ってる。


今の出で立ちは、ウェーブが掛かった明るい色の髪を首の後ろ側で一纏めに。
昨日見たようなゴールドの髪留めや、首元のダブルチェーンは着けてないけど、ピアスは健在だった。
一言で表せば、極稀に休日の自宅で寛いでるパリピ……だ。
ビリーと言うよりは、ヴィルって感じ。分かり難いけどそんな感じ。

あんまり表情が動かないのは、ビリーのまんま。
だけどオレ、分かる。
普通に閉じてるように見える口の中、実は結構、食いしばってるのが。


慌てたカシュがオレの胸を押す。
この状況で逃げたりしないだろうから、その動きに任せてカシュを離した。

「…わっ! ヴィル、ぁの……っ。」
「……カシュ、お帰り。」
「おはよう、ビリー。ちょうどカシュが、詰め所から帰るのを見掛けてさ。せっかくだから、家に連れて来て貰ったんだ。」
「うん……。」

招いてくれてるかどうかも微妙な返事だけど、嫌がられてはいないようで取り敢えず一安心。
してる場合じゃないぞ。


たぶん、この後。ちゃんと話さなきゃいけない。
久し振りに会えたビリーと、いっぱい色々話したいのももちろんだけど。
出来れば、カシュが自分の中だけで何かの結論を出すのは、何とかしたい。

頭を使うのは得意じゃないし。
なんか、またオレが間抜けな状態を晒すだけ、にもなりそうだけどな。
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