せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

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第六章 ~ゲームと違ってオレのハーレムは自動生成されない~

何があったかを聞いてもいいんだろうか

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養育所については何か分かんない内に、芋づる式で色々思い出せた。
まだ何か、それを忘れてるってことすら思い出せてない『何か』があるかも知れないけど、とりあえず今の所はもうこれ以上は無さそうだ。
アレス所長がまだイクシィズのハーレムと関わってるのかどうか。気になると言えば気になる、けど。その辺りについても今度、養育所に帰ったら確認するんでいいだろう。


いやぁ~、それにしても……あの所長がルサーの兄さん、かぁ。
言われてみれば確かに、ちょっと似てるような……そうでもないような。

ゴメン、嘘だ。
いや、気付かないってば。
だってさ、ゲームの知識があったってさ。リスタニア国の王太子って、イラストでババーンって出てるワケじゃないんだ。
しかも所長の外見、三十代から四十歳くらいだぞ? あぁ、ルサーがたぶん三十二歳かそこらだから、アレス所長は推定三十六歳か、三十七歳辺りか。ゲーム知識があったって、全っ然、思い付かないって。
……うん、オレが気付かなくても仕方ないな。

よし、オレの後悔と反省、終了~。




そんな感じで、分かった内容をちょっと整理してたら。
兵士の詰め所の扉が開いた。

そろそろお迎えの時間かな~ってソッチを振り向いたら、出て来たのはルサー。


「……なんだ。意外と近くに居たんだな。」
「ルサ~っ、迎えに来たぞっ。」

ルサーの顔を見て、ついヘラヘラしちゃったオレ。
ちょっと得意げに言ったオレを見るルサーは、ちょっと微妙な表情だ。

「……おう。」


え、っと……? ルサー、どうしたんだろう?
怒ってるワケじゃなさそうなんだけど、何となく、不機嫌になるのを我慢してるような顔に見える。
あっ、もしかして。オレのすぐ隣にいるビリーを紹介してないから、かも。
何も知らないルサーから見れば、オレを迎えに来てみたら見知らぬ男と並んでた、って状況だもんな。
誤解したルサーが嫌な気持ちになる前に、すぐ紹介しなきゃ。


「あ、そうだ、ルサー。……えっとぉ、この人、オレの幼馴染みのビリー。そんで、カシュの恋人のヴィルでもある。」
「んん? ……あぁ、そうだったな。」
「ぁの……、よろしく…お願い、します……。」
「ん、おぉ…まぁヨロシク頼む。とりあえず中に入れ。奥に案内してやるから。」

ビリーの紹介の仕方でちょっ考え込んだオレ。
結局は変な言い方……なんか二人いるみたいな言い方になっちゃったけど、ルサーがちゃんと理解してくれて良かったぞ。


ルサーはビリーとシンプルに挨拶して、詰め所内の方を顎で指し示した。
中に入るルサーの後ろを、オレとビリーがくっ付いてく。
背後から見るルサーの背中と言い、歩くルサーの靴音の硬さやテンポと言い、何となくだけど……何かあったのかな、って感じだ。
何か事件が起きたって程じゃないんだけど、さっき微妙な表情をしてたように、ちょっとした苛立ちを抑え込んでるって印象。



何かあったのかって、ルサーに聞くのは後にするとして。
あと、急にオレ、素朴顔の兵士の名前を聞いてない、って思い出したんだけど。それを尋ねるのもまた今度にするとして。
詰め所内に足を踏み入れてみると、雰囲気は割といつも通りっぽく戻ってた。


一階の奥まった位置にある『関係者以外立ち入り禁止』って書いてある扉を抜けて、廊下を進んでく。
先導してくれてるルサーが言うには、カシュはそっちに居るんだってさ。
昨日、フィロウと一緒に連れてかれた大きな会議室っぽい部屋とは別な方。



扉を開けると、そこは休憩室みたいな部屋だった。

ちゃんとした応接セットじゃない感じで、ただ幾つかの長ソファや一人掛けソファが置いてある。
ソファの近くには、移動出来そうな小さなテーブルが複数。長いテーブルは全部、壁際に寄せられてた。
部屋の奥の方は一段、二段くらい高くなってる。そこにカーペットが敷かれてて、ゴロ寝とかが出来る感じだ。


……まぁそれはいいんだけど。


「グスっ……グス……。ふぇぇ…」
「………。」

長ソファで泣いてるのはカシュだ。
大泣きじゃない。我慢しようとしてるけど涙が止めれない、って感じで。

カシュは嗚咽を漏らしながら、同じソファに腰掛けたエステードさんにギュッて、しがみ付いてる。
そのエステードさんは、どうして自分がココに居るんだろう、みたいな表情だった。



一体、何があったんだ?
……って、オレが聞いてもいいもん、なのか?
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