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第六章 ~ゲームと違ってオレのハーレムは自動生成されない~
お迎えが来るまで思い出話でもしようか
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ビリーと二人、詰め所前の道端で素朴顔兵士の『お迎え』を待ってる。
せっかくだから、二人で色々な話もしながら。
こないだビリーに頼んだ、養育所の皆にオレの無事を知らせて欲しいって件。
ちゃんとやっといてくれた、ってさ。
詰め所に来る前に手紙を出してくれたそうだ。
良かった、良かった。そこは気に掛かってたんだよな。
養育所の住所、オレは思い出してなかったから。手紙を出すのも出来なくってさ。
でさ……。
ビリーに手紙を出して貰った今、この段階になって気付いたんだけどさ。
養育所の住所を、ビリーから聞いて。
オレが自分で、手紙を出せば、良かったんじゃないか?
なんで今までこの発想が無かったのか。
自分でも呆れた。ビリーにも申し訳ない気分になる。
「……ビリー。…あの、なんか……ゴメン。」
「? ……別、に?」
「後で住所、何かにメモしてくれ……。オレも近い内に出すから……。」
「ぅん……いいよ。」
一応、この場で口頭でも聞いとくオレ。
さっそく教えて貰った養育所の、その所在地に。
オレは結構、かなり、割かし本気でビックリした。
オレが暮らしてた養育所って、さ……。
……リスタニア国に、あったんだ。
いゃ、メッチャ遠くないか? ゲームの知識だとメチャクチャ遠いぞ?
ゲーム画面のどこかで簡単な世界地図的な物を見たけど、だいぶ離れてたぞ?
養育所がリスタニア国にあったんなら、オレがセンセイとして契約を取り付けた町は、少なくとも国内にあったハズだから……。
仕事の途中で、山賊っぽい集団から襲われたのも、まだリスタニア国内だって考えていいハズだ。
道の途中で馬車から飛び出して、坂道を転がって、そこからオレは徒歩でノマルの町に辿り着いた……って。
えっ、ええぇっ?
そんなの、本当だとしたら流石にオレ、健脚過ぎだろぉ!
どこをどう彷徨ったか、そんなの最初っから覚えてないけどさ。だけど、何日も何日もってワケじゃなかったぞ。
そんなだったら、いくら何でも飢えで動けなくなるだろ。
一体、どうなってるんだ? ワープか? テレポートか?
それっぽい記憶……無いなぁ。有るワケがない。
いくらゲーム世界だからって、起動中の転移板を踏んだんでもあるまいし。
これはどういうことなのか、と。オレは考え込んだ。
「……遠い、よね。」
考えようとしたオレは、感慨深げなビリーの声で考えるのを止めた。
たぶんオレが唸りながら頭を捻ったところで、どれも推測でしかない。きっと正解は分かんないからな。
「あぁ、……遠いな。」
今の何秒間。空白の時間。
いかにも、自分もシミジミしてました、って風に返事するオレ。
「…ぃ、イグゥに……ここで、会えたの……、……嬉しい。」
「オレも、ビリーとまた会えたのは凄く嬉しいぞ。こんな遠くの町でさ……。オレがノマルの町に来たのは、本当に偶然だけど……ビリーとも、凄い奇跡みたいな偶然だよな。」
「……う、んっ。」
おっ、と。また急にオレ、饒舌になっちゃったぞ。
あんまりオレが長々喋ったら、ビリーが口を挟み難くなるから気を付けなきゃな。
「ハーレムを作る手続きとかが落ち着いたら、顔見せにちょっと戻りたいな。……そう簡単に行ける距離じゃないんだけどさ。」
「転移板……、使っ…たら?」
ビリーの提案に、オレは目を瞠った。
そうだ、その方法があった。
「リスタニア、にも……教会…あるよ……。」
「そっか。この町の教会から、リスタニアにある教会まで転移板を利用すれば……。だいぶ移動時間が短縮出来るな。」
ハーレムを作った早々には、メリクルみたいな専用の転移板を作るのは無理だろう。
だけど新米の天守でも、教会が管理してる転移板を利用するのは可能だからな。
リスタニアは自分のハーレムがある町じゃないから、利用料金無料の恩恵は受けれないけど。有料で利用すればいいんだ。天守料金は一般利用者よりも安価だしさ。
養育所にダイレクトで飛ぶのは出来なくても、同じ国内に飛んでおけば、通常移動でもかなりラクになるな。
「懐かしい……。俺、も……久々に…」
「一緒に行こうか、ビリー。」
「うんっ……行く……。センセイ達、……アレス…所長、みんな…元気、かな……。」
「アっ……! ……っそ、そうだな元気かな元気だったな。」
「? ……変な、イグゥ。」
ここに来て、もう一つビックリだ。
そして思い出した。
養育所の所長は子供達から、「所長」「アレス所長」って呼ばれてた。
でも、ごくごく稀に。
大人のセンセイが「でんか」って呼び間違えてるのを聞いた記憶を、思い出した。
恐らく所長は。
本名、アレイスティ。
リスタニア国の第一王子で、ルサーの兄さんで。
もしかしたら……金獅子ハーレムの、イクシィズの、本妻……。
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