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【閑話】2月2日はにゃんにゃんの日

【閑話】2月2日はにゃんにゃんの日(ビリー カシュ 2/2)

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「次……カシュ、だよ?」
「えっ、嘘っ……。」

さっさとノルマを終えたような雰囲気を漂わせたビリーがカシュを突っついた。
でもその顔は、非常に楽しみにしてるって明らかだ。
もちろんオレも、期待に満ちた力強い眼差しをカシュに向ける。
カシュは見る見る内に真っ赤になって、恐る恐るって感じで自分を指さした。


「に…二十七歳っ! だから!」
「あぁそれは知ってる。全っ然、問題無い。」
「……大丈夫。」
「大丈夫じゃないよ、問題だらけだってばぁ。」
「そんなワケない、きっと似合う。きっと可愛いし、似合う。見たい。頼む。」
「俺も、見…たい……。……カシュ。ダメ……?」

オレもだけど、カシュに関してはビリーも俄然、乗り気だ。
テーブルにグッズを置いたときには微妙な反応だったビリーも、実際にカシュが猫耳を持ってるのを見たら滾って来たんだろう。
その気持ち、オレも良く分かるぞ。


「……見たって面白くないよぉ?」

恥ずかしがるカシュは、オレとビリーのお願い攻勢に折れてくれた。
モジモジしながらジッと見てた猫耳カチューシャを、えいや~って感じで勢いをつけて自分の頭に装着する。
手袋を嵌めるのにちょっと手間取ったから、それはオレとビリーで両側から、それぞれ片手ずつ担当して嵌めた。これもある意味、共同作業だな。



「カシュ……。……可愛い。」
「恥ず…かしい、よぉ。」
「可愛い、よ…凄く……。」
「可愛くない。……二十七歳。」
「関係、無いよ……可愛い。に、…似合って、る……。」
「そんなの、ヴィルの方が……。」

イチャイチャしてるぞ。
ビリーとカシュ、猫耳を着けた状態の二人がイチャイチャしてるぞ。

柔らかなベリーショートのカシュの髪と猫耳を、ビリーが撫でる。
カシュとビリーと、それぞれの猫耳も揺れて。
可愛い猫ちゃん二匹がキャッキャウフフしてるの、メッチャ可愛い。
見てるだけで滾る。
二人まとめてワシャワシャしたい。

嗚呼……。眼福、ここに極まれり。



だけどゴメン。
そこに……割って入る、オレ!


「カシュ! にゃ……。にゃん、は?」
「えっ?」

一瞬、ポカーンって顔になるカシュ。忘れてたっぽい。
ビリーも忘れてたっぽい。
だけどオレは忘れない。


「にゃんって言ってくれ、にゃんって。……可愛い感じで!」
「か、可愛いは無理だよぉ。」
「無理じゃない、今も充分に可愛いから、諦めるな。……さぁ!」
「ぅぁ…ぁう~……。」
「……カシュ。大丈夫……可愛い、から……。」

またもやオレとビリーでお強請りだ。
カシュも、またもや真っ赤になって。
蚊の鳴くような声で。
ちょっと目も潤んで。


「にゃん……。」


オレは満足した。感謝した。
しみじみと息を吐く。

だってこんなに可愛い。
まるで子猫のような可愛さだ。
鳴いた次の瞬間、恥ずかしさの余り、両手で顔を隠すなんて。可愛さマックスだろ。


「はぁ~、可愛いなぁ、カシュ。」
「うん……可愛い、よ。」
「じゃあ次はビリー。……にゃん、って。可愛い感じで。」
「……さっきの、可愛く…なかった……?」

気を良くしたオレ、ビリーにお代わりをお強請りする。
瞬きしたビリーは上目遣いで、ちょっと唇を尖らせた。
一見、拗ねたような表情。

だけどオレは追及する。
そうじゃないって、分かってるから。


「さっき、ワザと可愛くしなかっただろう? だから、お代わり。……ダメか?」
「あ……。バレ、てた……。」
「バレてるって。ちゃんと分かるんだからな? ……普段からビリーは可愛いんだから。もっと凄い可愛いに決まってるだろ。可愛いビリー、見たい、見たいぞ。」
「なんか……はっ、恥ずかしく、て……。つい……。」

ビリーもほんのりピンク色に染まって来た。
昔と変わらない、はにかむ笑顔で。自分の顔を手でペシペシやってる。
でも猫手袋を嵌めてるから、ペシペシじゃなくて、ぽふぽふになってる。


「……イグゥ。……ごっ、誤魔化し、たりし…て、……ゴメン、……にゃん。」
「ビリー。……可愛い。」
「ヴィル、可愛い~っ。」

にゃん、の変化球を喰らった。どストライク。
上級者か。

ビリーの可愛さに、オレはどきゅーんズキューン状態だ。
今さっきまで「可愛い、可愛い」って言われて動揺しまくりだったカシュも、ビリーの可愛さにヤラれてる。


「ビリー、今のっ。今の、もっかい。」
「ゴメン……にゃん。」
「ヴィル、可愛い~。」
「……それだ。カシュ、頼みがある。……可愛いにゃん、って言ってくれないか。」
「えぇ~? ……もぉ~。……か、可愛い…にゃん。」

喰らったばかりの変化球を、カシュにも強請ってみた。
自分だけじゃないって心強さがあったからか、応じてくれるカシュ。

予測した通り、やっぱり、良かった。
語尾に「にゃん」って付けるの、いいなぁ。
可愛いは正義だよな、うん。


思わぬ収穫を得て、オレはほくほくした。


「はぁ~、いい……。ビリーもカシュも可愛いにゃん。」
「え……?」
「え……?」

真顔でコッチを振り返る二人を見て、オレは自分の失敗を悟った。


オレが「にゃん」って言う必要は無かったぞ……。
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