せっかくBLゲームに転生したのにモブだったけど前向きに生きる!

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第六章 ~ゲームと違ってオレのハーレムは自動生成されない~

窓の外側に出っ張りがあったから

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教会へハーレムタグを取りに行った日から、三日経った。


あの日は宿屋を出た後、ビリーが手配してくれた馬車に乗っかって。
せっかくだから、リオが入院してる病院まで送って貰ったんだ。
オレからリオにタグを手渡して。
ルサーの帰宅時間にもギリギリで間に合った。

妻達が持つハーレムタグは、リングが作られるまでの暫定的な身分証明にもなる、大事な物だからな。
オレが預かってるのは分かってても、出来上がりの日から何日経っても手元に届かなかったら、リオだって不安に感じるだろうし。
出来れば早めに渡したかったから、当日中に渡せたのは本当に良かった。
リオも喜んでくれたし。
……オレがヘロヘロだった所為で、リオに心配させちゃったのは悪かったな。




今朝はいつも通り、ルサーを兵士の詰め所まで送り届けて。帰りに生鮮市場ストリートに寄って、食材を買ってから家に戻って来た。
天気も良いから午前中に、ルサーとオレの服を洗濯して庭に干す。
お昼御飯の時間になるまで、まだ余裕がある。


「部屋の掃除は午後からでいいかな。」

洗濯物を干したついでに、オレはそのまま庭で軽くストレッチを始めた。
ビリーとのアレで、自分の体力が落ちてるって言うか。ノマルの町に来てから随分、鍛練を怠けてたなぁ~って思い出して。
空いてる時間に筋力トレーニングくらいはしようかな、って考えたんだ。


一緒にトレーニングしてくれる人がいれば、もっと楽しいし効率的なんだよなぁ。
今度、ビリーを誘ってみようか。
それか……そうだ。町の兵士って、鍛錬してるよな? それに参加させて貰えないかなぁ。無理かなぁ。
難しそうだな、オレ、兵士じゃないもんな。


「そうだ、兵士になろうかな? いや、無いな。」

自分で言った瞬間、否定するオレ。
天守が兵士になるのって、なんだかメンドくさそうだもんな。
組織的に考えても、仮にも『天守様』は一構成員として扱いにくいだろう。
周りの同僚も困らせちゃいそうだし、止めといた方が良さそうだ。



しょうがなく一人、黙々と身体を動かすオレ。
入念に手足を解して、柔軟運動も……うん、身体は硬くなってないようだな。そこは安心したぞ。
それから、筋肉痛が無くなってるのにもホッとした。

あの日の翌朝は、ホント、酷かったからさ。
背中、腹、腰、太腿が重たくてダルいってのもあったし、腕にも微妙に力がちゃんと入ってない感じがして。
久しぶりの筋肉痛。しかも、いつもの筋肉トレーニングや訓練後のソレとは違ってたから、結構キツかったんだよ。
新鮮って言えば新鮮か? いや、出来ればもう、あんまり味わいたくないな。



腹筋や背筋は、庭に生えてる木の枝に足を引っ掛けた体勢でやる。
片腕立て伏せも軽くやっとくか。
それからケンスイ運動は……ドコでやろうかな。
木の枝は高さが程よくても、太いし斜めだし。
物干し台は洗濯物で使用中だし、そもそもオレがぶら下がるには強度が不安だ。


場所を求めて彷徨ってたオレの視線は、家を見て止まった。
壁に何箇所か、窓。窓下には雨だれを伝わせる為の出っ張りがある。

ちょっとウズウズした。


「どうだろう……? 届くかな、あれ。」

家の壁から出来るだけ離れて、庭のギリギリまで行く。
振り返って距離を目測するオレ。


「……よしっ。」

勢い良くダッシュして壁際で跳ねる。
壁を踏み下ろすように一歩、二歩、一気に二階の窓へ駆け上がっ…

「ぅわ……っ!」

行き過ぎた。
駆け上がり過ぎた所為で上手く出っ張りを掴めなくて、オレの身体は地面へ落ちる。


今のは完全に、勢いの付け過ぎだ。
跳ね上がりはもうちょいソフトでいいかも。



反省を生かして再チャレンジ。
さっきより全体的にちょい緩めな感じでちょうど良かった。
無事に成功して、窓の出っ張りに掴まるオレ。

ふ~ん、成程ね~。出っ張りを掴むだけならコレくらいでいい……か。
二階の窓って意外と侵入しやすいんだな。
そう言えば養育所で、センセイ逹から言われたっけ。
二階の窓もちゃんと閉めるよう、気を付けなきゃ。ルサーにも言っとこう。


決意するオレの、今の体勢。二階からぶら下がってる。
知らない人が見たら、間違いなく不審者。通報されちゃうレベル。
兵士が呼ばれて来たら、ここがルサーの家だってバレる。かなり恥ずかしいヤツだ。

つい、いけるかな~って思って、やっちゃったけど。
通行人の誰かに見付かる前に降りようかな、って思い始めた頃。


やっぱりな、って展開で。
オレは声を掛けられた。
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