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第六章 ~ゲームと違ってオレのハーレムは自動生成されない~
ケンカの吹っ掛け方が下手過ぎる
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エステードさんが「メリクルじゃない」って断言したし、オレ自身も「違うな」って感じてるけど。呼び方は『仮メリクル』のまま進めとく。
「やっぱり約束した本人じゃなきゃ、頼み事の対応は無理か?」
「……、奴ではキミを手助け出来な…」
「オレを手助けすると思って、メリクルと代わってくれ。」
よく聞こえなかった、なんて言い逃れ出来ないように。
オレは仮メリクルの目を見て、ハッキリと声に出した。
「俺はメリクルだと言ってるだろう? 奴は、動作不良が酷過ぎる。」
「……うん、そうだな。でも……そっちのメリクルと代わってくれ。」
「イグゥ? キミには特別に目を掛ける気でいたんだぞ? まさか本気で言ってるわけじゃないよな? メリクルは日頃から、子供達の話を微笑んで聞いてくれる『優しいお兄ちゃん』だろう? でも奴は、そうじゃない。」
自分じゃなく、荒っぽい方……仮メリクル曰く、欠陥のある方……を望まれたのがよっぽど衝撃なんだろう。
自分の方が相応しいってアピールする仮メリクルの声は、ちょっと焦ってるようだ。
オレに目を掛ける気でいた、って言葉も胡散臭い。
だって、リオが入院してる病院の近場で会った仮メリクルの態度からは、そんな感じはしなかったから。
「……再会した時、キミはガッカリしたはずだ。」
確かにオレが再会したメリクルはもう『お兄ちゃん』じゃなかった。
もしかしたらオレの記憶にある『お兄ちゃん』キャラは、あのメリクルじゃなかったのかも知れない。子供時代のオレが懐いてたのは仮メリクルかも知れないし、他の別人だったのかも知れない。
でも今になって真相なんて分かんないし。
それに……。
「前提が違ってる。子供の頃のオレならともかく……成長した今、メリクルが『優しいお兄ちゃん』キャラかどうかってのは、大して重要な問題じゃないんだ。それに……悪いんだけどさ、オレにはアンタも『優しいお兄ちゃん』って思えないな。」
「俺と奴が同じに見えるとでも?」
「まさか。そんなワケない。別人だって分かってる。」
目を見開いた仮メリクルは、何か不穏な感じを察したっぽい。
その予感は合ってる。
オレは仮メリクルを否定するから。
それが仮メリクルに「死ね」と言ってるようなものだとしても。
「アンタはサポートキャラなんだろうけどさ。役に立たない助言は要らない。」
「役に立たない、だと?」
「誰だって、価値が低いなんて言われたら傷付くんだ。そんな暴言を吐いたのと同じ口から出る言葉を、有難く聞けるワケないだろ。」
「不慣れな天守が正しく判断出来るよう、時として厳しい言葉を使う事もある。」
「……っ。ポイントが高いか低いかでしか妻を見てないように、アンタはオレのことも……天守のシルシがあるって点でしか見てないんだな……。」
「当然だ。」
「だったらオレはもう、アンタに用は無い。さっさとメリクルに代わってくれ。それがアンタに出来る唯一の手助けだって、分かってくれないか?」
「唯一とは失礼だな。俺に出来る事はもっと沢山あるぞ?」
「……だからなんだ。」
「考え直すべきだ。」
お互いに目を逸らさず、一歩も引かず。
オレが言いたかった台詞は大体言えた。
仮メリクルの台詞も、もし反論して来るならこんな感じかな~って、予測した内容とほぼ同様だ。
だけどオレの予想外に。
仮メリクルがオレに敵意を表さない。
「……考え直す余地なんか、無い。」
おかしいぞ。こんなにオレが言ってるのに。
リオやエステードさんに向けた不機嫌顔とか敵意とか、あれは何処に行ったんだ?
サポキャラだから、天守キャラには悪感情を向けないように設定されてるのか?
ハッキリした『害意』じゃなくてもいいから、ちょっとはムッとして貰わないと予定が狂うって言うか。せめてオレと『言い争う』程度にはなって貰わないと……。
天守同士の争いに、ならないじゃんか。
オレ……ケンカ仕掛けるの、下手過ぎか?
こんな風に小賢しく考えてないで、もっと激昂すべきだったのか。でも今更急に激怒とか出来ないぞ。
あぁオレがモブだからかっ。
天守である前にモブキャラだから、自力じゃイベントは起こせないのか。
オレがそうやって考えてたら。
横からフィロウが仮メリクルを捕まえた。
「つまり? メリクル…さん、じゃないって事だよね?」
ワナワナしたフィロウが仮メリクルの胸元を掴み上げる。
兄であるエステードさんを侮辱された怒りの所為か、意外なくらいに力強い。
仮メリクルがちょっと爪先立ちになってる。
これが身長差、か……!
「黙って聞いてればお兄さんの事、好き勝手に暴言吐いといて……さっきもそうだけど……、本物の恋人でも許せないのに…」
「キミには関係の無い事だ。」
「イグゥにも嫌がられてるの、分かるでしょ。偽者の手助けは要らないって言ってるんだよ。早く代わって……偽物メリクルは退場して!」
「メリクルは俺だ!」
「違うっ! 本物のメリクルさんを返してあげて……っ!」
「なんだと……っ! っぐ…ぅ………っ!」
声を荒げながら睨み合うフィロウと仮メリクル。
二人とも瞳に天守のシルシが浮かび上がってる。
それってつまり、今、天守同士の争いをしてるってワケで……。
そうか、これが。
モブ天守と、モブじゃない天守との差、か……!
「やっぱり約束した本人じゃなきゃ、頼み事の対応は無理か?」
「……、奴ではキミを手助け出来な…」
「オレを手助けすると思って、メリクルと代わってくれ。」
よく聞こえなかった、なんて言い逃れ出来ないように。
オレは仮メリクルの目を見て、ハッキリと声に出した。
「俺はメリクルだと言ってるだろう? 奴は、動作不良が酷過ぎる。」
「……うん、そうだな。でも……そっちのメリクルと代わってくれ。」
「イグゥ? キミには特別に目を掛ける気でいたんだぞ? まさか本気で言ってるわけじゃないよな? メリクルは日頃から、子供達の話を微笑んで聞いてくれる『優しいお兄ちゃん』だろう? でも奴は、そうじゃない。」
自分じゃなく、荒っぽい方……仮メリクル曰く、欠陥のある方……を望まれたのがよっぽど衝撃なんだろう。
自分の方が相応しいってアピールする仮メリクルの声は、ちょっと焦ってるようだ。
オレに目を掛ける気でいた、って言葉も胡散臭い。
だって、リオが入院してる病院の近場で会った仮メリクルの態度からは、そんな感じはしなかったから。
「……再会した時、キミはガッカリしたはずだ。」
確かにオレが再会したメリクルはもう『お兄ちゃん』じゃなかった。
もしかしたらオレの記憶にある『お兄ちゃん』キャラは、あのメリクルじゃなかったのかも知れない。子供時代のオレが懐いてたのは仮メリクルかも知れないし、他の別人だったのかも知れない。
でも今になって真相なんて分かんないし。
それに……。
「前提が違ってる。子供の頃のオレならともかく……成長した今、メリクルが『優しいお兄ちゃん』キャラかどうかってのは、大して重要な問題じゃないんだ。それに……悪いんだけどさ、オレにはアンタも『優しいお兄ちゃん』って思えないな。」
「俺と奴が同じに見えるとでも?」
「まさか。そんなワケない。別人だって分かってる。」
目を見開いた仮メリクルは、何か不穏な感じを察したっぽい。
その予感は合ってる。
オレは仮メリクルを否定するから。
それが仮メリクルに「死ね」と言ってるようなものだとしても。
「アンタはサポートキャラなんだろうけどさ。役に立たない助言は要らない。」
「役に立たない、だと?」
「誰だって、価値が低いなんて言われたら傷付くんだ。そんな暴言を吐いたのと同じ口から出る言葉を、有難く聞けるワケないだろ。」
「不慣れな天守が正しく判断出来るよう、時として厳しい言葉を使う事もある。」
「……っ。ポイントが高いか低いかでしか妻を見てないように、アンタはオレのことも……天守のシルシがあるって点でしか見てないんだな……。」
「当然だ。」
「だったらオレはもう、アンタに用は無い。さっさとメリクルに代わってくれ。それがアンタに出来る唯一の手助けだって、分かってくれないか?」
「唯一とは失礼だな。俺に出来る事はもっと沢山あるぞ?」
「……だからなんだ。」
「考え直すべきだ。」
お互いに目を逸らさず、一歩も引かず。
オレが言いたかった台詞は大体言えた。
仮メリクルの台詞も、もし反論して来るならこんな感じかな~って、予測した内容とほぼ同様だ。
だけどオレの予想外に。
仮メリクルがオレに敵意を表さない。
「……考え直す余地なんか、無い。」
おかしいぞ。こんなにオレが言ってるのに。
リオやエステードさんに向けた不機嫌顔とか敵意とか、あれは何処に行ったんだ?
サポキャラだから、天守キャラには悪感情を向けないように設定されてるのか?
ハッキリした『害意』じゃなくてもいいから、ちょっとはムッとして貰わないと予定が狂うって言うか。せめてオレと『言い争う』程度にはなって貰わないと……。
天守同士の争いに、ならないじゃんか。
オレ……ケンカ仕掛けるの、下手過ぎか?
こんな風に小賢しく考えてないで、もっと激昂すべきだったのか。でも今更急に激怒とか出来ないぞ。
あぁオレがモブだからかっ。
天守である前にモブキャラだから、自力じゃイベントは起こせないのか。
オレがそうやって考えてたら。
横からフィロウが仮メリクルを捕まえた。
「つまり? メリクル…さん、じゃないって事だよね?」
ワナワナしたフィロウが仮メリクルの胸元を掴み上げる。
兄であるエステードさんを侮辱された怒りの所為か、意外なくらいに力強い。
仮メリクルがちょっと爪先立ちになってる。
これが身長差、か……!
「黙って聞いてればお兄さんの事、好き勝手に暴言吐いといて……さっきもそうだけど……、本物の恋人でも許せないのに…」
「キミには関係の無い事だ。」
「イグゥにも嫌がられてるの、分かるでしょ。偽者の手助けは要らないって言ってるんだよ。早く代わって……偽物メリクルは退場して!」
「メリクルは俺だ!」
「違うっ! 本物のメリクルさんを返してあげて……っ!」
「なんだと……っ! っぐ…ぅ………っ!」
声を荒げながら睨み合うフィロウと仮メリクル。
二人とも瞳に天守のシルシが浮かび上がってる。
それってつまり、今、天守同士の争いをしてるってワケで……。
そうか、これが。
モブ天守と、モブじゃない天守との差、か……!
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