初めまして日本から勇者やりに来ました結婚してくれ! ~異世界人は現地人を溺愛する~

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本編2 試される男

19・会話の為に名前を聞いただけだ @泉州

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「さて、と……。どこから始めるとしようか……。」

オレ、ロイズ、神官長。
三人が席に着いて、話し始めたのは神官長だった。

ロイズと二人で話せるのを期待してたオレはガッカリしたんだが。
そう思ったオレの考えを読んだみたいに、神官長が肩を竦めた。


「あー、悪いんだが…な? これからロイズと話すのは、ちょっとだけ待って貰えないか? 流石に今さっき会ったばかりで、どんな人間かも分からん相手をロイズと二人きりには、なかなか出来なくてな。」
「まぁ……だろうな。」

不本意だがまぁ確かに、神官長の言う事も分かる。
ハタから見ても、オレは明らかにロイズに惚れてるからな。
しかもロイズはちょくちょく、オレの心に可愛いのスマッシュヒットを決めてるワケだから、同じ職場の上司として心配になる気持ちは頷けるってモンだ。


ホッとした顔で神官長が言葉を続ける。


「分かってくれたようで何より、だ。異世界から来たって言うなら、幾つか確認させて欲しい事がある。それにコッチからも、この世界についても色々と説明しときたい。本当に手間ァ取らせて悪いんだが……ちょっとだけ時間、貰えるか?」
「神官長の話、ちゃんと聞いとけよ?」
「あぁ。もちろんだ、ロイズ。……オッサンの説明を聞こう。」

ロイズに言われてオレが頷かないワケがねぇわ。
向かい側にいるのはちょっと残念だが、ロイズの顔が見えるなら文句は言わねぇ。


先を促したオレに、神官長はちょっと顔を曇らせた。
その様子で、ロイズが何かに気付いたらしい。なんでか分からんがロイズは、オレの方に少し上体を傾ける。

おおっ? 何か知らねぇがラッキーだな、おい。


「おい、お前さ……さっきから神官長に向かって、オッサンだのお前だの…」
「…ロイズ、いいんだ、構うな。……その前にお前も、異世界人に向かって、お前って言うのをどうにか出来んか?」
「ロイズはそれでい~んだよ、オレは構わねぇ。他のオッサンなら腹立つがな。」
「だから、お前っ、……オッサンって言うな。」
「だから……ロイズも、な………。」

神官長は片手で自分の額を押さえ始めた。
それを見たロイズが「あっ、しまった……」って顔になる。


プリプリ怒るロイズが可愛くて、つい巫山戯ちまったがそろそろ止めとくか。
よく見りゃ神官長も、オッサンって呼ぶほど年上でも無さそうだ。もしかしたら案外、オレよりちょっとしか違わないんじゃねぇか?
いや、ホント……外国人の外見年齢は謎過ぎるんだって~の。


「分かった、ロイズの言う通りだな。オッサンとかお前とかは止めとく。……ロイズの反応が可愛すぎてな、ついつい。」
「……最後の一言は余計だ。」
「じゃあ、神官長だっけ? 名前は何ていうんだ?」

口を尖らせるロイズの反応も楽しみつつ。
神官長の名を聞いたのは、オレとしては自然な流れだと思うんだが。

なんでか神官長が息を呑む。
しかも驚いた目でジッとオレを見てから、長机の方にも視線をやった。


おい、神官長? ……そういう仕草は良くねぇぞ?
気にしなくていい、って言ったクセに、そっちの方に気が向いちまうだろが。


チラっと見たら……そんな事だろうとは思ってたがよ。シッカリ聞いてやがる。
司祭達も驚いてるが、……だから、何がそんなに驚かせてンだよ。



「……何か変な事を聞いたか?」
「いや……まさか聞かれるとは……。あぁ、済まん。俺は、イーシャだ。」
「イーシャだな。分かった。オレは、さっきロイズには伝えたんだが……泉州(センシュウ)だ。」
「……っ! ………そっ、…………そう、か。」
「???」

名前を聞いたり、言ったりするたびに、それか?
神官長、改め、イーシャは随分とリアクションがデカいな、おい。



………いや! 待て! ロイズが! ロイズもすげぇ驚いてるじゃねぇか!
目ぇ見開いて、口もちょっと開いてンのがメチャクチャ可愛いんだが、どうする?


ずっと見てたい気持ちもあるが、そうもしてられねぇ。


「ロイズ? どうした? も、もしかして……オレがロイズ以外の奴に、簡単に自分の名を教えたから。……ヤキモチか? ヤバい、嬉しい…」
「…なワケ無いだろ、あほっ!」


嫉妬はされなかったが、頬っぺたを膨らませたロイズが見られたのでヨシとするか。
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