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7 嫌いになるぞ!
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一番のお気に入りなクマチャンをオレに投げ付けるとか。
やっぱり今、クソ王子はかなりヤバい。
恥ずかしがっている場合じゃねぇな。
しゃあない、アレを…やるか……。
覚悟を決めたオレは、割と頻繁にやった事のある最終手段を取る事にした。
投げ付けられたクマチャンを、正面がクソ王子に向くように抱え直す。
なるべくクマチャンの陰に、オレの身体が隠れるように。
片腕で抱えながら、反対側の手で、クマチャンの右前足を掴んだ。
ピルピルっ。
可愛く動かしてやると、途端にクソ王子がワクワクした顔になった。
楽しそうな笑顔に、またクマチャンをぶつけたくなる衝動が湧く。
それをおくびにも出さねぇで、オレはクマチャンをピョンピョン跳ねさせながら、クソ王子の近くまで移動した。
こういうのは勢いが大事だからな。
躊躇したり、時間を掛けて考えていたら、出来なくなるんだ。
「…く、………。」
「……く?」
クソ王子が期待に満ちた眼差しで、コテンと首を傾げる。
口の中が急に渇いて、唇がワナワナ震えそうだ。
「くっ……クマチャン☆パンチ。…だぞっ………。」
ぽふうっ!
オレはクマチャンの右前足でクソ王子を叩くというか、突つくよう動かした。
こんな事で破顔するクソ王子が憎い。
「えい、えいっ。パンチ☆ パンチ☆ キック☆」
ぽふぽふ、ぽっふぽふ。
パンチやキックを繰り出すクマ……いや、クマチャンに繰り出させるオレ。
面白くも何ともねぇ『ぬいぐるみ劇場』だ。演者はオレ一人。観客はクソ王子一人。
ちなみに、どうでもいい事だが。オレなりに頑張って、子供っぽい声を出している。
いいトシして、オレは何をしているんだ……。
とか思ったら負けだ。余計に恥ずかしいだけだ。
クソ王子を大人しくさせる為の、かなり有効な方法なんだぞ。割り切れよ、オレ。
最終的にはちゃんと女装してくれるぐらい、落ち着かせなきゃならねぇんだ。
「……か、わいい…………。」
「っく、クマチャンはぁ、おこって…ぃるんだぞ……っ。」
かなり痛い。オレの心が激痛で悲鳴を上げている。
なんでオレは、こんな事をしているんだ。
だがクソ王子はまんまと『可愛い』に対してヨロめいた。
効果ありだ。
ここぞとばかりに、クマチャンをくねらせてプリプリしている演出をする。
「おしろで…はたらくヒトにぃ……、ひ……ヒドイこと、しちゃぁ、ダメっ…なんだぞ……。」
顔が熱い。火を噴くみたいに顔が熱い。耳も熱い。
いっそ笑ってくれ。
いや、誰か、代わってくれ。
「ぅん~? 酷くないって。気持ち良くしようとしただけ、だから~。……なんだったら、クマチャンにもしてやろぉか~?」
「だっ、ダメだぞっ、ぜったい、ダメっ! パンチ☆ キック☆ キック☆」
もぉ、ナニ言ってんだよ、クソ王子、調子に乗るな!
オレもナニやってんだよ、何が「パンチ☆」だ、何が「キック☆」だ!
「どうしよっかなぁ~。なんか最近、クマチャン、俺に対して冷たいしなぁ~。」
クソ王子の口元はニヤニヤとだらしない。
ちょっとは大人しくなったが、まだ『可愛い』が足りないようだ。
どうやら、念の為に持って来させたアイツらの出番、だな。
「クソおうじ、ダッコしろ。」
「ぶ、ふ…っ。」
クソ王子の顔面を中心に体当たりさせるように、クマチャンを押し付けた。
ちゃんと抱き締めた事を確認して、オレは寝室の隣へ戻り。
さっき室内に放り入れたっきりになっていた、リスクンとオサルサンを持って来る。
一人でぬいぐるみ二つとか、頑張れば持てるもんだな。
オレはリスクンとオサルサンを抱えて。
クマチャンを抱えたクソ王子と対面する。
「だめだよ、くそおうじぃ。くまちゃんだって、おこるよ。」
喋っている風に、二つのぬいぐるみを揺らした。
オレはかなり大変だが、キャッキャしているように可愛いく見える。
なお、リスクンもオサルサンも、キャラ個性の差は特に無い。
「はんせいしろっ。もう、しちゃダメだよぉ。」
「んな事、言われてもなぁ~。」
「いいからっ、もう、ふくきて~。」
「服かぁ……。」
「いい加減にしろっ、嫌いになるぞ!」
グダグダと粘る態度にムカッと来て。
思わず怒鳴ったオレの腕ごと、クソ王子はぬいぐるみを抱き締める。
「分かった。分かったから……俺を嫌うな。」
「……わかったなら、いい、よぉ。」
可愛いぬいぐるみを複数持って来させといて良かった。
クソ王子は……とりあえず落ち着いた、んだよな?
やっぱり今、クソ王子はかなりヤバい。
恥ずかしがっている場合じゃねぇな。
しゃあない、アレを…やるか……。
覚悟を決めたオレは、割と頻繁にやった事のある最終手段を取る事にした。
投げ付けられたクマチャンを、正面がクソ王子に向くように抱え直す。
なるべくクマチャンの陰に、オレの身体が隠れるように。
片腕で抱えながら、反対側の手で、クマチャンの右前足を掴んだ。
ピルピルっ。
可愛く動かしてやると、途端にクソ王子がワクワクした顔になった。
楽しそうな笑顔に、またクマチャンをぶつけたくなる衝動が湧く。
それをおくびにも出さねぇで、オレはクマチャンをピョンピョン跳ねさせながら、クソ王子の近くまで移動した。
こういうのは勢いが大事だからな。
躊躇したり、時間を掛けて考えていたら、出来なくなるんだ。
「…く、………。」
「……く?」
クソ王子が期待に満ちた眼差しで、コテンと首を傾げる。
口の中が急に渇いて、唇がワナワナ震えそうだ。
「くっ……クマチャン☆パンチ。…だぞっ………。」
ぽふうっ!
オレはクマチャンの右前足でクソ王子を叩くというか、突つくよう動かした。
こんな事で破顔するクソ王子が憎い。
「えい、えいっ。パンチ☆ パンチ☆ キック☆」
ぽふぽふ、ぽっふぽふ。
パンチやキックを繰り出すクマ……いや、クマチャンに繰り出させるオレ。
面白くも何ともねぇ『ぬいぐるみ劇場』だ。演者はオレ一人。観客はクソ王子一人。
ちなみに、どうでもいい事だが。オレなりに頑張って、子供っぽい声を出している。
いいトシして、オレは何をしているんだ……。
とか思ったら負けだ。余計に恥ずかしいだけだ。
クソ王子を大人しくさせる為の、かなり有効な方法なんだぞ。割り切れよ、オレ。
最終的にはちゃんと女装してくれるぐらい、落ち着かせなきゃならねぇんだ。
「……か、わいい…………。」
「っく、クマチャンはぁ、おこって…ぃるんだぞ……っ。」
かなり痛い。オレの心が激痛で悲鳴を上げている。
なんでオレは、こんな事をしているんだ。
だがクソ王子はまんまと『可愛い』に対してヨロめいた。
効果ありだ。
ここぞとばかりに、クマチャンをくねらせてプリプリしている演出をする。
「おしろで…はたらくヒトにぃ……、ひ……ヒドイこと、しちゃぁ、ダメっ…なんだぞ……。」
顔が熱い。火を噴くみたいに顔が熱い。耳も熱い。
いっそ笑ってくれ。
いや、誰か、代わってくれ。
「ぅん~? 酷くないって。気持ち良くしようとしただけ、だから~。……なんだったら、クマチャンにもしてやろぉか~?」
「だっ、ダメだぞっ、ぜったい、ダメっ! パンチ☆ キック☆ キック☆」
もぉ、ナニ言ってんだよ、クソ王子、調子に乗るな!
オレもナニやってんだよ、何が「パンチ☆」だ、何が「キック☆」だ!
「どうしよっかなぁ~。なんか最近、クマチャン、俺に対して冷たいしなぁ~。」
クソ王子の口元はニヤニヤとだらしない。
ちょっとは大人しくなったが、まだ『可愛い』が足りないようだ。
どうやら、念の為に持って来させたアイツらの出番、だな。
「クソおうじ、ダッコしろ。」
「ぶ、ふ…っ。」
クソ王子の顔面を中心に体当たりさせるように、クマチャンを押し付けた。
ちゃんと抱き締めた事を確認して、オレは寝室の隣へ戻り。
さっき室内に放り入れたっきりになっていた、リスクンとオサルサンを持って来る。
一人でぬいぐるみ二つとか、頑張れば持てるもんだな。
オレはリスクンとオサルサンを抱えて。
クマチャンを抱えたクソ王子と対面する。
「だめだよ、くそおうじぃ。くまちゃんだって、おこるよ。」
喋っている風に、二つのぬいぐるみを揺らした。
オレはかなり大変だが、キャッキャしているように可愛いく見える。
なお、リスクンもオサルサンも、キャラ個性の差は特に無い。
「はんせいしろっ。もう、しちゃダメだよぉ。」
「んな事、言われてもなぁ~。」
「いいからっ、もう、ふくきて~。」
「服かぁ……。」
「いい加減にしろっ、嫌いになるぞ!」
グダグダと粘る態度にムカッと来て。
思わず怒鳴ったオレの腕ごと、クソ王子はぬいぐるみを抱き締める。
「分かった。分かったから……俺を嫌うな。」
「……わかったなら、いい、よぉ。」
可愛いぬいぐるみを複数持って来させといて良かった。
クソ王子は……とりあえず落ち着いた、んだよな?
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