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顔合わせ
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今日はお父さんに朝から連れ出されていた。なんでも、朝から少し高めのレストランに行くらしい。何処からそんなお金が出ているのか。多分少しずつ貯めていたのだろう。
着いたお店の名前は「日本ノ店」と書いてあった(そのまんますぎない?)。お店の中に入ったら奥の個室に案内された。どうやら周りの人に声を聞かせたくないらしい。まあ当たり前か。個室の中には30代ぐらいの女性と同い年に見える少女が座っていた。彼女らが新しい家族になるのだろう。ただ、なんか少女のことを見たことがある気がするんだよな。気のせいだろうけど。
「こんにちは。道夫さん」
「ああ、こんにちは。会いたかったよ、芳江さん」
出会ってすぐ見てるこっちが恥ずかしくなるような内容を恥ずかしげもなく行い続けている。両親のイチャイチャとか見たくないから早く説明してほしい。
「じゃあ説明しようか。俺が大河 道夫だ。一応とある会社の社長をしている」
「じゃあ次は私ね。宮下 芳江です。道夫さんの秘書を務めてます」
まって、お父さんが社長とか今初めて知ったんだけど。少し前に聞いたときに、「ちょっとばかし偉いかな~」とか言ってたけど、ちょっとどころじゃないじゃん。普通に偉いじゃん。そして、芳江さんはお父さんの秘書だったんだ。どうしてお父さんがこんな美人さんと再婚するんだろうと思って「おい。次はお前の番だぞ。あとそれ以上言ったらお小遣い無しな」……ません。
「僕の名前は大河 雅弘です」
特にいうこともないのですぐに終わる。静まり返った……。さすがに短すぎたかもしれない。少しだけ後悔していると、目の前の女の子が話し出した。
「え、えっと私の名前は宮下 鈴音です。雅弘くんにはこういったほうがわかりやすいかな?」
と言いながら、前髪を横にずらした。そこには日本中の人が知っているのではないかと思われる顔が現れた。
「ついこの間までアイドルをやってた、宮下鈴だよ?」
嘘だろ……。最近までテレビで見ていた人がなんでここに?家庭の事情でアイドルを引退するって言ってたけど、それってこの再婚について?
理解が追い付かない僕とは裏腹に時間というのは容赦なく過ぎさる。早速最初の料理がきていた。というか頼んだ記憶ないんですけど。
「じゃあ自己紹介も終わったことだし、さっさと朝ご飯を食べて買い物に行くか」
「わかりました」
とんとん拍子で話が進んでいるが、正直なところ何も話についていけない。あの宮下鈴と兄妹になるのか?どっちが年上なんだ?
僕が色々と考えている正面で宮下鈴も何かを考えているようだった。
朝ごはんの顔合わせが終わり、買い物に行くらしいので、車に乗り込む。なぜか芳江さんと鈴音さんも同乗してきた。車はどうするのかと思ったら、電車で来ていたらしい。この後のことも見込んでいたのか。
車は4人乗りなので必然的にお父さんと芳江さんが前、僕と鈴音さんが後ろになる。話すことがないため沈黙が訪れるが、それを破ったのは鈴音さんだった。
「雅弘くんってさ、何歳?」
「え?16歳だよ」
「ふ~ん。同い年なんだ。じゃあ何月生まれ?」
「えと、5月」
「え、誕生月も一緒なんだ……」
さっきから彼女は何が知りたいんだろう?
「じゃ、じゃあ!何日生まれ⁈」
「5日だよ」
「やったー!私は2日生まれだから、私が姉ね!」
自分が姉であれたことに喜んでいるのか天使のような笑顔を見せてくる。その笑顔にこれから姉弟になろうかというのに、思わず見とれてしまった。
着いたお店の名前は「日本ノ店」と書いてあった(そのまんますぎない?)。お店の中に入ったら奥の個室に案内された。どうやら周りの人に声を聞かせたくないらしい。まあ当たり前か。個室の中には30代ぐらいの女性と同い年に見える少女が座っていた。彼女らが新しい家族になるのだろう。ただ、なんか少女のことを見たことがある気がするんだよな。気のせいだろうけど。
「こんにちは。道夫さん」
「ああ、こんにちは。会いたかったよ、芳江さん」
出会ってすぐ見てるこっちが恥ずかしくなるような内容を恥ずかしげもなく行い続けている。両親のイチャイチャとか見たくないから早く説明してほしい。
「じゃあ説明しようか。俺が大河 道夫だ。一応とある会社の社長をしている」
「じゃあ次は私ね。宮下 芳江です。道夫さんの秘書を務めてます」
まって、お父さんが社長とか今初めて知ったんだけど。少し前に聞いたときに、「ちょっとばかし偉いかな~」とか言ってたけど、ちょっとどころじゃないじゃん。普通に偉いじゃん。そして、芳江さんはお父さんの秘書だったんだ。どうしてお父さんがこんな美人さんと再婚するんだろうと思って「おい。次はお前の番だぞ。あとそれ以上言ったらお小遣い無しな」……ません。
「僕の名前は大河 雅弘です」
特にいうこともないのですぐに終わる。静まり返った……。さすがに短すぎたかもしれない。少しだけ後悔していると、目の前の女の子が話し出した。
「え、えっと私の名前は宮下 鈴音です。雅弘くんにはこういったほうがわかりやすいかな?」
と言いながら、前髪を横にずらした。そこには日本中の人が知っているのではないかと思われる顔が現れた。
「ついこの間までアイドルをやってた、宮下鈴だよ?」
嘘だろ……。最近までテレビで見ていた人がなんでここに?家庭の事情でアイドルを引退するって言ってたけど、それってこの再婚について?
理解が追い付かない僕とは裏腹に時間というのは容赦なく過ぎさる。早速最初の料理がきていた。というか頼んだ記憶ないんですけど。
「じゃあ自己紹介も終わったことだし、さっさと朝ご飯を食べて買い物に行くか」
「わかりました」
とんとん拍子で話が進んでいるが、正直なところ何も話についていけない。あの宮下鈴と兄妹になるのか?どっちが年上なんだ?
僕が色々と考えている正面で宮下鈴も何かを考えているようだった。
朝ごはんの顔合わせが終わり、買い物に行くらしいので、車に乗り込む。なぜか芳江さんと鈴音さんも同乗してきた。車はどうするのかと思ったら、電車で来ていたらしい。この後のことも見込んでいたのか。
車は4人乗りなので必然的にお父さんと芳江さんが前、僕と鈴音さんが後ろになる。話すことがないため沈黙が訪れるが、それを破ったのは鈴音さんだった。
「雅弘くんってさ、何歳?」
「え?16歳だよ」
「ふ~ん。同い年なんだ。じゃあ何月生まれ?」
「えと、5月」
「え、誕生月も一緒なんだ……」
さっきから彼女は何が知りたいんだろう?
「じゃ、じゃあ!何日生まれ⁈」
「5日だよ」
「やったー!私は2日生まれだから、私が姉ね!」
自分が姉であれたことに喜んでいるのか天使のような笑顔を見せてくる。その笑顔にこれから姉弟になろうかというのに、思わず見とれてしまった。
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※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
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