10 / 54
兄:ミジェ編 〜魔術室長の魔術セクハラが酷いんですけど!?〜
こんなひと時が楽しいんだ
「へぇ、聞いたことないっす」
「だろう? 城で少しだけ試飲したんだけど、濃厚で甘いのに口当たりがとても良い果実酒なんだ。色がまた良くてね」
「うっわ、めっちゃ楽しみ!とにかく入ってください 」
チェイス室長がそこまで言う酒ってのも興味があるし、放っといたら酒飲む前にいいとこ全部言っちゃいそうな勢いだから、とりあえず飲みながら話を聞こうと招き入れた。
よく見るとチェイス室長は円筒形のポットまでぶら下げていて、オレの視線に気づいたのか開けて中身を見せてくれる。
「ちゃんと食べる物も買ってきたんだった。さっき買ったばかりだからまだ温かいね」
「至れり尽くせり……!」
しかもコレ、オレが大好きなごろごろ野菜のポトフだ! この店のはホロリと口の中でとろけるくらいに煮込んであって、噛まなくても舌で潰すだけでなくなっちゃうくらいに柔らかいんだ。疲れてる時にはこれがべらぼうに美味い。
「良かった、嬉しそうだね。この前買ってきた時、美味しそうに食べてたから」
「大好きっす!」
「そ、そうか……!」
チェイス室長がこっちまで幸せになるような笑顔を浮かべるから、ますます楽しくなってくる。
大皿を無骨な木のテーブルのど真ん中にドンと置くと、チェイス室長が買ってきたポトフを注ぎ込んでくれて、ふわぁ……っとあったかそうな湯気が立ち昇った。それだけでもうめちゃくちゃに美味しそうだ。
酒とポトフがあるから他は手抜きでオーケーだ。あとはパンと肉だな。
いそいそとキッチンに向かい、肉とパンを切り分ける。あとはオレの自慢の魔道具に放り込むだけ……と思ったら、チェイス室長がキッチンにひょこっと顔を出した。
「焼けばいいんだろう? 手伝うよ」
「ありがたいっす」
この人かなり偉い人の筈なのに、こうやって何でも手伝ってくれるんだよな。やっぱ基本的にいい人なんだろうなぁ。肉とパンを渡したら、慣れた手つきで魔道具を操作してくれる。
現在オレの家で大活躍している魔道具は、実はチェイス室長に頼まれて作ったものだ。家事が面倒だというこの人のために、パン焼き機と肉をジューシーに焼く魔道具を開発した時に、研究段階で作った試作品だったりする。
基本的な構造が同じだから、もちろんチェイス室長もなんなく使えてしまうのだ。
オレが皿を並べて洗って切っただけのサラダをのせる数分で、肉とパンも美味しそうに焼きあがって香ばしい匂いが漂ってくる。最高に美味そう。
これに美味しい酒が加わるだなんて、なんて贅沢な食卓だろう。
チェイス室長と過ごすこんななんでもないひと時が、不思議と楽しいんだよなぁ。
「だろう? 城で少しだけ試飲したんだけど、濃厚で甘いのに口当たりがとても良い果実酒なんだ。色がまた良くてね」
「うっわ、めっちゃ楽しみ!とにかく入ってください 」
チェイス室長がそこまで言う酒ってのも興味があるし、放っといたら酒飲む前にいいとこ全部言っちゃいそうな勢いだから、とりあえず飲みながら話を聞こうと招き入れた。
よく見るとチェイス室長は円筒形のポットまでぶら下げていて、オレの視線に気づいたのか開けて中身を見せてくれる。
「ちゃんと食べる物も買ってきたんだった。さっき買ったばかりだからまだ温かいね」
「至れり尽くせり……!」
しかもコレ、オレが大好きなごろごろ野菜のポトフだ! この店のはホロリと口の中でとろけるくらいに煮込んであって、噛まなくても舌で潰すだけでなくなっちゃうくらいに柔らかいんだ。疲れてる時にはこれがべらぼうに美味い。
「良かった、嬉しそうだね。この前買ってきた時、美味しそうに食べてたから」
「大好きっす!」
「そ、そうか……!」
チェイス室長がこっちまで幸せになるような笑顔を浮かべるから、ますます楽しくなってくる。
大皿を無骨な木のテーブルのど真ん中にドンと置くと、チェイス室長が買ってきたポトフを注ぎ込んでくれて、ふわぁ……っとあったかそうな湯気が立ち昇った。それだけでもうめちゃくちゃに美味しそうだ。
酒とポトフがあるから他は手抜きでオーケーだ。あとはパンと肉だな。
いそいそとキッチンに向かい、肉とパンを切り分ける。あとはオレの自慢の魔道具に放り込むだけ……と思ったら、チェイス室長がキッチンにひょこっと顔を出した。
「焼けばいいんだろう? 手伝うよ」
「ありがたいっす」
この人かなり偉い人の筈なのに、こうやって何でも手伝ってくれるんだよな。やっぱ基本的にいい人なんだろうなぁ。肉とパンを渡したら、慣れた手つきで魔道具を操作してくれる。
現在オレの家で大活躍している魔道具は、実はチェイス室長に頼まれて作ったものだ。家事が面倒だというこの人のために、パン焼き機と肉をジューシーに焼く魔道具を開発した時に、研究段階で作った試作品だったりする。
基本的な構造が同じだから、もちろんチェイス室長もなんなく使えてしまうのだ。
オレが皿を並べて洗って切っただけのサラダをのせる数分で、肉とパンも美味しそうに焼きあがって香ばしい匂いが漂ってくる。最高に美味そう。
これに美味しい酒が加わるだなんて、なんて贅沢な食卓だろう。
チェイス室長と過ごすこんななんでもないひと時が、不思議と楽しいんだよなぁ。
あなたにおすすめの小説
愛され少年と嫌われ少年
透
BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。
顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。
元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。
【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】
※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。
オメガに転化したアルファ騎士は王の寵愛に戸惑う
hina
BL
国王を護るαの護衛騎士ルカは最近続く体調不良に悩まされていた。
それはビッチングによるものだった。
幼い頃から共に育ってきたαの国王イゼフといつからか身体の関係を持っていたが、それが原因とは思ってもみなかった。
国王から寵愛され戸惑うルカの行方は。
※不定期更新になります。
僕に双子の義兄が出来まして
サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。
そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。
ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。
…仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。
え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
贖罪公爵長男とのんきな俺
侑希
BL
異世界転生したら子爵家に生まれたけれど自分以外一家全滅という惨事に見舞われたレオン。
貴族生活に恐れ慄いたレオンは自分を死んだことにして平民のリオとして生きることにした。
一方公爵家の長男であるフレドリックは当時流行っていた児童小説の影響で、公爵家に身を寄せていたレオンにひどい言葉をぶつけてしまう。その後すぐにレオンが死んだと知らされたフレドリックは、以降十年、ひたすらそのことを悔いて生活していた。
そして十年後、二人はフレドリックとリオとして再会することになる。
・フレドリック視点は重め、レオン及びリオ視点は軽め
・異世界転生がちょいちょい発生する世界。色々な世界の色々な時代からの転生者の影響で文明が若干ちぐはぐ。
・世界観ふんわり 細かいことは気にしないで読んでください。
・CP固定・ご都合主義・ハピエン
・他サイト掲載予定あり