7 / 12
報連相
しおりを挟む「爆弾、今日も休み?」
「来る気ないでしょ、授業もきいてないし。この前の実力テスト白紙でだしたらしいよ。」
「部活も3年の先輩と口論してから来てないよね、大人しいのかと思ったら急に声張り上げて怒鳴るし情緒不安定なんじゃね?」
「だから爆弾って言われてるんだって。火がついたら一瞬よ。」
「なんか本当兄貴さまさまだよね、ソウタ先輩も優しいけどさ、それがその不安定さを助長してるっていうかさ、いないとダメ的な。
兄貴いてもダメな時はあるけど。」
クラスの陸上部1年が話している。ゴールデンウィークも終わり、久しぶりの学校生活。陸上部はゴールデンウィークも数日練習日があったようだが、顔を出していない模様。ここ最近は、部活も始まりなかなかクラスのことも気にかけられない。結局会わずじまい。どうやらまた口論したようで、次は目撃者が多く、また相手が生徒だったことから大々的に晒されていた。本人はきていない。帰ってから、どうしたのと聞きたい気持ちも山々だが、本人の辛さを考えるとそれは出来そうにない。
「はい、でははじめますよ。」
工藤が入ってきて、朝のHRが始まった。
レンのことには触れずに、話をさっさと済ませて1限目が始まる。休み時間もほぼその話で持ちきり。
これでは、復活したとしても、隅においやってしまう。そう考えたメグは、放課後、部活までの時間を使って、ソウタのもとへ向かった。
幸い、2年の教室は人もほぼはけて、メグの存在に気が付いたソウタがこっち側にきてくれた。
「……ありがとうメグちゃん。気にしてくれてたんだね。」
「いえ、あまりにもすごくて、その、ゴールデンウィークより前の話。ずっとみんなそれについて話してて、ヤバい奴なんじゃないかって、爆弾ってあだ名で呼ばれてるし…。全然そんなことないはずなんですけど、どうやっていっていいのかわからなくて。」
ソウタはメグの話に耳を傾け、そして少し考え込んだ。
「うーん、なんていうか、アイツが一方的に距離置いてるから今。そりゃハブられるわなってかんじだし、なんにせ人付き合いが下手くそだからなんだよなあ。
前日のも、キャプテンに物言いしてたみたいで、席外してたから直前のことわからないんだけど、もう相当な地獄だったよ、アレ。レンがブチ切れて叫んでるのみたことあるでしょ。」
「ま、まあ。」
「小学生のときより感情がでるようになったけど、なんか、極端っていうか、なんていうか。」
「私のせいですよね……」
「え!?そんなことないと思うよ…?レンの感情を引き出してくれたメグちゃんにはすっげー感謝してるし。元々ああいう性格なんだと思う。病的な異常さ?みたいなのはあると思うよ。」
「そうなんですかね、、。」
「まあ、放っていいと思うよ。気分で動くところあるし。メグちゃんと絡みたかったら隙間みつけてくるでしょ、それが学校か、家か場所は違えどね。ごめんね、心配かけて。いまは家でも手つけられないほど荒れてて、俺もその週はほぼ外出てたし。そっとしとこうかな~って感じ。」
はははと笑いながら部活の用意を始めるソウタ。かける言葉が見つからず、メグも部活に向かった。
「どうした~?浮かない顔して。」
部活のウォーミングアップ中、同小出身の2年である寺口美里てらぐちみさとが声をかけてくれた。
同じ地区で小さい頃から仲良しのミサト。メグの姉、芽衣とは幼馴染でもある。姉と同じように慕ってきたミサトに話してみることにした。
「ミサトちゃん、ちょっと話聞いて、」
帰り際、ミサトを誘って一緒に帰ることになったメグ。
「へ~仲良いんだ、確かにメイのママ看護師だもんね。そこの繋がり?」
「うん、そうなの。仲良いんだけど、最近あんまり馴染めてなくて、いや、最近っていうか、昔からみたいなんだけどね。」
「噂すごいたってるもんね、2年の間では、ソウタくんとか瑠位るいくんとかが上手いこと宥めてるよ。だからそんな悪い噂にはなってないけど、前回のはヤバかったらしいよね。」
「うちのクラスでも持ち切りで、今日も休みだったんだけど。」
「あ、そっか同じクラスなのか笑」
「そうなの!!だから悩んでるの!」
「そっかそっかごめえん笑」
そういって1人で大爆笑するミサト。
「1回荒れてるとこみたことあるけど、あれあの後普通に教室で授業うけたんでしょ?」
「机に突っ伏してたけどね。」
「それが出来るってことは、案外ケロッとしてそうだけどね。明日からは普通にくるんじゃない?」
悩みを引きづらないタイプのミサトは、不安顔のメグを元気づけようと、明るい話題に持っていってくれた。そのおかげか不安な気持ちがなくなったメグはどんな姿でレンがこようとも、普通に接することを心に決めたのだった。
次の日ミサトの予想は的中した。
クラスメイトがざわつく中、ごく普通に入ってきて、何事も無かったかのように(寝て)過ごした。早退もせず、きっちり全部授業も(寝てたけど)受けた。遠くからそんなレンをみつめて微笑むメグであった。
「はい。」
「えっ、板書とったの?!?!レンが?!?うそ!!!」
徐々に寝る回数もなくなり、起きて授業を受けるようにもなった。ソウタが言った通り、話す余力がある時は放課後こんなふうに話しかけてくれて、ノートを見せてくれた。
「は?ばかにしてんの?笑ノートくらいとれるし。」
「やだあ~レンくんやれば出来る子じゃん~!感動しちゃった!」
大袈裟に驚くとレンもケラケラ笑った、
よかった、元に戻ってくれて。メグは安堵した。それでもやはりメグ以外は疎遠らしく、乗り気では無い様子。教師や先輩とも不仲。
先日は廊下で教師相手に揉めていた。一定の波があるようで、ずっと平常心でいるのはなかなか難しいらしい。こういう日はメグにも話しかけてこない。それでも、クラスメイトとはコミュニケーションをとろうとしている姿もあった、思わぬ刺客に少々顔が引き攣っていたクラスメイトだったが、レンがなにもしてこないとわかると徐々に話す回数も増えて言ったようだった。
0
あなたにおすすめの小説
レオナルド先生創世記
ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
花嫁御寮 ―江戸の妻たちの陰影― :【第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞】
naomikoryo
歴史・時代
名家に嫁いだ若き妻が、夫の失踪をきっかけに、江戸の奥向きに潜む権力、謀略、女たちの思惑に巻き込まれてゆく――。
舞台は江戸中期。表には見えぬ女の戦(いくさ)が、美しく、そして静かに燃え広がる。
結城澪は、武家の「御寮人様」として嫁いだ先で、愛と誇りのはざまで揺れることになる。
失踪した夫・宗真が追っていたのは、幕府中枢を揺るがす不正金の記録。
やがて、志を同じくする同心・坂東伊織、かつて宗真の婚約者だった篠原志乃らとの交錯の中で、澪は“妻”から“女”へと目覚めてゆく。
男たちの義、女たちの誇り、名家のしがらみの中で、澪が最後に選んだのは――“名を捨てて生きること”。
これは、名もなき光の中で、真実を守り抜いたひと組の夫婦の物語。
静謐な筆致で描く、江戸奥向きの愛と覚悟の長編時代小説。
全20話、読み終えた先に見えるのは、声高でない確かな「生」の姿。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる