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ざわめき
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「あの、ヒカルちゃん…?」
木陰に座っていたヒカルにメグが声をかける。運よくレンはいない。
「佐々木さん、だっけ?どうしたの??」
「ちょっと話があるの…いま時間いいかな?」
「うんいいよ、なあに?」
ヒカルはメグをみた。
純粋な目だ。まっすぐ、こちらを覗いている。
まずは、順を追って、適当に話題を振る。
「なかなかお話したことないな、っておもって。ほら、ヒカルちゃん、休み時間はいないじゃない。」
「まだ引っ越してきたばかりで、色々忙しくて、ごめんね。」
「ううん、いいの。お友達になりたいなって思って!」
「……!わたしも!」
キラキラとした表情でヒカルは笑った。
しばらく、たわいもない会話をした。好きな物の話、部活はなにが好きか、時間をかけて話した。
慣れてきたところで、本題に入る。
「ところでヒカルちゃんってさ、どこから転校してきたの?」
"どこから"その言葉にビクリと体を震わせたヒカル。それは心を読まなくても、顔にはっきり現れた。
「遠くから…!」
「遠くって??」
「あれ……あの私……どこから、いや……あの。」
不意をつかれたように笑顔が消えた。ボソボソと話す姿。なにやら考えこんでいる。元々住んでいた場所。それがわかっていればこんなことにはならない。まだ幼いならまだしも、中学生にもなって、元住んでいた場所がわからない、となるとやはり。確信をつくメグ。
「ねえ、もう1つ質問していい……?」
慌てるヒカルをよそに深堀りしていく。
「ヒカルちゃんって、1回死んでるよね…?」
ヒカルの顔が青ざめた。
その瞬間ヒカル目からぽろぽろと涙が零れた。
「なんで、なんで知ってるの……レンくんと、私しか知らないのに。」
急に取り乱したヒカルをみて、メグは目線を逸らさずに問いを引下げようとはしない。
やはり、上野光は、この世に存在しないようだ。
「ヒカルちゃん、今ね、ヒカルちゃんはレンによって恐ろしいことをやらされてるの…。」
工藤に言われた、再生技術の話をヒカルに伝えた。
「……じゃあ、もし私が本当に生き返ってしまったら、メグちゃんのクラスメイトは死んじゃうの??」
話を一通り聞いたヒカルは、今自分が置かれている状況を知り、憔悴しきった様子だった。レンから話されているのか、超能力の理解も早かった。
「…悪いことしてたんだね。レンくん、そんなこと一言も言ってなかった。もう1回、2人でいようって。それだけ。……本当にごめんなさい。」
「いいよ。でね、ヒカルちゃん、協力して欲しいの。レンを止めて…お願い。」
「うん、わかった。頑張ってみる。」
メグと話をしたヒカルは、急ぐようにレンの方へ向かった。
「レン君!!」
「あ、ヒカル!探してたよ!!」
「あのね、話があるの。」
いつも笑顔なはずのヒカルが真顔で淡々と話す姿に思わずレンも引き下がった。
「私ね、その、やっぱり死んでたままのほうがいいのかなって思うの。再生技術っていうんだってね、私のために犠牲が出るって。」
ヒカルのそんな声を聞いて
一気に形相が変わるレン。
「え?なんでそんなこというの?っていうか再生技術のことなんで知ってんの……?折角ここまできたのに、今更諦められるかよ。いいよ別に。ユウリなんて、」
いいって。そんな風に言おうとしたとき、
ヒカルが突如レンに詰め寄った。
「いいわけないでしょ、それで、その子が死んで、そりゃレンくんは私もいて嫌な人もいなくなって、都合がいいかもしれない。でも嫌だって思う人がいるの、辛い人がいるの。私が死んだ時にレンくんが嫌だって思ったのと同じだよ。そんなこと、今すぐやめてほしい、まだ完全に生き返ったわけじゃないんでしょ、だったら止めて。私のことはいいから、その子のために。」
「ふざけんじゃねえよ、なんでだよ。ヒカルはオレと一緒にいたくねえの??」
「別にそんなこといってない、言ってな」
ヒカルが言い終わるまでに錯乱したレンが彼女の首元を掴んだ。先程まで嬉々としてヒカルを迎え入れていたレンとはかけ離れている。
「うっ…ぐ、…」
「折角オレが苦労してやったのに…どれだけ時間かけたと思ってんだよ。勝手な口きくな。」
「…っ、レン君痛い、離して……。」
「ヒカル、この再生技術は一回しか無理なんだよ、無駄にはできない。」
掴まれて苦しむヒカルをよそに、一切諦めようとしないレン。
「オレはヒカルと一緒に居たいってずっと願ってた。それが叶ってオレも嬉しい。ヒカルも嬉しいでしょ?嬉しいって言って。」
「……はあ、はあ。」
やっとのことで解放されたヒカルは苦しそうに喉元を抑え、レンを見上げている。
「言って早く。嬉しいでしょ?」
「う、嬉しいよ…」
「ね、でしょ、嬉しいでしょ。だからオレは絶対諦めないよ。」
木陰に座っていたヒカルにメグが声をかける。運よくレンはいない。
「佐々木さん、だっけ?どうしたの??」
「ちょっと話があるの…いま時間いいかな?」
「うんいいよ、なあに?」
ヒカルはメグをみた。
純粋な目だ。まっすぐ、こちらを覗いている。
まずは、順を追って、適当に話題を振る。
「なかなかお話したことないな、っておもって。ほら、ヒカルちゃん、休み時間はいないじゃない。」
「まだ引っ越してきたばかりで、色々忙しくて、ごめんね。」
「ううん、いいの。お友達になりたいなって思って!」
「……!わたしも!」
キラキラとした表情でヒカルは笑った。
しばらく、たわいもない会話をした。好きな物の話、部活はなにが好きか、時間をかけて話した。
慣れてきたところで、本題に入る。
「ところでヒカルちゃんってさ、どこから転校してきたの?」
"どこから"その言葉にビクリと体を震わせたヒカル。それは心を読まなくても、顔にはっきり現れた。
「遠くから…!」
「遠くって??」
「あれ……あの私……どこから、いや……あの。」
不意をつかれたように笑顔が消えた。ボソボソと話す姿。なにやら考えこんでいる。元々住んでいた場所。それがわかっていればこんなことにはならない。まだ幼いならまだしも、中学生にもなって、元住んでいた場所がわからない、となるとやはり。確信をつくメグ。
「ねえ、もう1つ質問していい……?」
慌てるヒカルをよそに深堀りしていく。
「ヒカルちゃんって、1回死んでるよね…?」
ヒカルの顔が青ざめた。
その瞬間ヒカル目からぽろぽろと涙が零れた。
「なんで、なんで知ってるの……レンくんと、私しか知らないのに。」
急に取り乱したヒカルをみて、メグは目線を逸らさずに問いを引下げようとはしない。
やはり、上野光は、この世に存在しないようだ。
「ヒカルちゃん、今ね、ヒカルちゃんはレンによって恐ろしいことをやらされてるの…。」
工藤に言われた、再生技術の話をヒカルに伝えた。
「……じゃあ、もし私が本当に生き返ってしまったら、メグちゃんのクラスメイトは死んじゃうの??」
話を一通り聞いたヒカルは、今自分が置かれている状況を知り、憔悴しきった様子だった。レンから話されているのか、超能力の理解も早かった。
「…悪いことしてたんだね。レンくん、そんなこと一言も言ってなかった。もう1回、2人でいようって。それだけ。……本当にごめんなさい。」
「いいよ。でね、ヒカルちゃん、協力して欲しいの。レンを止めて…お願い。」
「うん、わかった。頑張ってみる。」
メグと話をしたヒカルは、急ぐようにレンの方へ向かった。
「レン君!!」
「あ、ヒカル!探してたよ!!」
「あのね、話があるの。」
いつも笑顔なはずのヒカルが真顔で淡々と話す姿に思わずレンも引き下がった。
「私ね、その、やっぱり死んでたままのほうがいいのかなって思うの。再生技術っていうんだってね、私のために犠牲が出るって。」
ヒカルのそんな声を聞いて
一気に形相が変わるレン。
「え?なんでそんなこというの?っていうか再生技術のことなんで知ってんの……?折角ここまできたのに、今更諦められるかよ。いいよ別に。ユウリなんて、」
いいって。そんな風に言おうとしたとき、
ヒカルが突如レンに詰め寄った。
「いいわけないでしょ、それで、その子が死んで、そりゃレンくんは私もいて嫌な人もいなくなって、都合がいいかもしれない。でも嫌だって思う人がいるの、辛い人がいるの。私が死んだ時にレンくんが嫌だって思ったのと同じだよ。そんなこと、今すぐやめてほしい、まだ完全に生き返ったわけじゃないんでしょ、だったら止めて。私のことはいいから、その子のために。」
「ふざけんじゃねえよ、なんでだよ。ヒカルはオレと一緒にいたくねえの??」
「別にそんなこといってない、言ってな」
ヒカルが言い終わるまでに錯乱したレンが彼女の首元を掴んだ。先程まで嬉々としてヒカルを迎え入れていたレンとはかけ離れている。
「うっ…ぐ、…」
「折角オレが苦労してやったのに…どれだけ時間かけたと思ってんだよ。勝手な口きくな。」
「…っ、レン君痛い、離して……。」
「ヒカル、この再生技術は一回しか無理なんだよ、無駄にはできない。」
掴まれて苦しむヒカルをよそに、一切諦めようとしないレン。
「オレはヒカルと一緒に居たいってずっと願ってた。それが叶ってオレも嬉しい。ヒカルも嬉しいでしょ?嬉しいって言って。」
「……はあ、はあ。」
やっとのことで解放されたヒカルは苦しそうに喉元を抑え、レンを見上げている。
「言って早く。嬉しいでしょ?」
「う、嬉しいよ…」
「ね、でしょ、嬉しいでしょ。だからオレは絶対諦めないよ。」
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