130 / 228
第一章 王国編第一部(初等部)
エピソード? リアナサイド 前編続き
しおりを挟む
クセ毛と言うよりも見た事がない程の凄いクセ毛? にサイドの髪が刈り上げている部分とその上から髪が覆い被さっている……奇抜と言うか個性的と言うのだろうか?
見た事ない髪型をした男の子がこちらを見ていた。服装からして平民だと思うが、私の見る平民達はもっと落ち着いた短い髪型が殆どだったと思うが……
平民であろう男の子が、ぼくを不思議そうに見ているので何かが付いているのだろうか?
恥ずかしい事だが急いで家を飛び出したからそれも仕方ない。
「ん? ぼくの顔に何かついてるかい」
ぼくは彼に聞いてみると彼は恐縮して話しかけてきた。
「私の名前はクライヴと申します。先程はすみませんでしたヘンダーソン様。まさか貴族の方が入寮するとは思いませんでしたので少々驚きました」
なんと平民でぼくの同じぐらいの歳なのに礼節をわきまえているとは……個性的な髪型をしている事で人ととなりを決めつけてしまった……ぼくはまだまだ平民の事を知らないようだ。騎士を志す人間として守るべき者達を知らぬとは恥ずべき事だ。
しかしこのクライヴと言う彼は高い教養を持っているようで、貴族への対応も慣れているとは……
「止めてくれ、ぼくは騎士になる夢があるのだが、父上に反対されて勘当された身なんだ。だから家を出て来たので気軽にリアナと呼んでくれないか? それに同じ学院に入学するルームメイトではないか? 言葉を崩してくれると嬉しいんだが」
「わかったよ、よろしくリアナ。他の二人を紹介するよ」
そう言ってクライヴは二人の女の子を紹介してくれた……のだがプラチナヘアーの整った顔立ちの女の子が突然ぼくに勢い良く話しかけてきた。
フィーネという女の子はぼくの事をカッコいい? 騎士みたい? と言ってくれた。
まさかこんなすぐに騎士みたいとぼくの一番嬉しい言葉を言ってくれるなんて……思った事を口にする子なのだろうか、フィーネは元気で人懐っこい性格でとても好感が持てた。
もう一人の女の子はモーガンと言うらしい。モーガンも上級貴族のような品の良さを感じる。
見た目は褐色の肌にシルバーブロンドのショートボブで笑顔が可愛らしい女の子だが、何故名前が男の子のような名前なのだろうか?
「いや、こちらこそ。使用人がいない環境には慣れておらず、少しわからぬ事があり色々と迷惑をかける事が多いと思うがよろしく頼む」
そしてフィーネに引っ張られて、ぼくは部屋を選びに三階に向かった。
しかしモーガンは何故かついてこずクライヴと話をしていた。
「モーガン、どうしたんだい? 三階に上がらないのかい?」
するとモーガンは苦笑しながらぼくに説明をした。
「背も低いし、声も高いからよく間違えられるんだけど、ボクは男だからクライヴと同じ二階のエリアに住んでるんだよ。でも言われ慣れているから気にしなくて良いよ」
まさかモーガンが男の子とは…………
なんたる失態をしてしまったんだ…………
ぼくはモーガンを傷つけてしまったのではないだろうか……騎士を志す者としてあるまじき行為だ!
「すまない! ぼくが勝手に勘違いしてしまい、モーガンに不快な思いをさせてしまって……せめてもの償いとして、ぼくに出来る事があれば何でも言ってくれたまえ!」
クッ! 自分が情けない! ぼくはまたも人を見た目で判断してしまった…………
その後はフィーネに三階に行って部屋を決めようと催促されて、正直フィーネに助けられた……
そしてフィーネと三階に行くと、どの部屋も同じ作りになっていた。
「リアナ。ここはどの部屋も同じ作りなんだって、どの部屋にする? ちなみにアタシはこの部屋なんだよ」
「ふむ、そうだなぁ。せっかくこうしてフィーネ達に出会えたのも何かの縁だろう。ぼくはフィーネの向かい側の部屋にするよ」
「やったー! これからよろしくねリアナ」
「フフッ……ああ、こちらこそよろしくフィーネ」
ぼくの事を騎士みたいと初めて言ってくれたフィーネとは、とても話しやすくてすぐに仲良くなった。
部屋が決まったので、ぼくは荷物を下ろして部屋に整理していった。
「これは!」
皮袋の中身を整理していくと、入れた覚えのないヘンダーソン家の家紋入りの剣が紐で縛っている皮袋に入っていた。
「誰が……もしかしてレベッカお姉様が……」
家出をする前に装飾品を売りに行った時に、ぼくの部屋にお父様を通さないように使用人には伝えていた……もし入れるとすればレベッカお姉様しかいない…………
この剣は…………レベッカお姉様からのいつでも帰れる場所を用意していると言う意味とぼくの小さい頃から夢だった騎士を目指す事を応援するという意味が込められているのだろう。
「フフッ……こんなぼくに優しく手を差し伸べるのが、やはりレベッカお姉様だなぁ。ぼくは立派な騎士になってからヘンダーソン家に行きお父様と話をしよう……それまでは絶対に帰らない」
この家紋入りの剣はぼくのそんな意志表示の為に部屋の壁に立てかける事にした。
後は……シンプルなチュニックとズボンのみと割とシンプルな衣類とお母様の形見のネックレスけだけなので部屋の整理に時間はかからなかった。
「リアナ? フィーネだけど入ってもいい?」
「ああ。もう部屋の整理は終えたのでいつでもどうぞ」
ぼくは扉を開けてフィーネを招き入れた。
「ええぇ! ちょっと何もないじゃない。服も男の子っぽいし、せっかくスタイル良いのに勿体ないよ」
まさかのフィーネからの第一声がダメ出しとは……まぁでもその素直さが心地良いな。
「期待はずれな部屋だろう。ぼくは小さい頃から騎士になるのが夢なんだ。だからドレスを着飾ってパーティーに出るよりも護衛兵達と一緒に汗水流して訓練をする方が好きなんだ。その為どうしても服装が男性っぽい物になってしまうんだよ」
「じゃあ今度買いに行こうよ。一着ぐらい必要だしアタシもパーティーとかマナーとかよく分からないからリアナが教えてよ」
こんなにもグイグイと来るのにぼくは慣れているないので、フィーネの熱意に負けて「分かった」と返事をしてしまった…………騎士に二言はない!
必ず約束は守らねば!
「じゃあ、アタシはクライヴ達を呼んでくるね」
「えっ? ちょ、ちょっと待ちたまえフィーネ」
ぼくが顔を上げてフィーネに声をかけたが…………既にそこにはフィーネは存在しなかった……開かれた扉がゆっくりと閉まった。
その後すぐに三人達がやってきた。
みんなシンプルと言っているが、そもそも女子の部屋に男子が入ってくるのはどうかとおもうのだが……平民では当たり前の事なのだろうか?
そんな疑問だらけの中、みんなで夕食に行く事になったが、そこでも衝撃を受けた!
な、な、な、なんと言う事なんだ! メニューが全く分からないとは…………
ぼくはフィーネに合わせてキノコと豆のパスタを食べる事にした。
そして夕食後にそれぞれ明日の予定について話をした。どうやらみんな今日色々と家具や生活必需品を買いに行っていたらしく、明日も買い物に行くのはと話をしているが、ぼくに気を遣ってくれているのだろう。
「ぼくは特に買い足すようなものはないかな」
ぼくがそう言うと、モーガンがみんなで親睦深める為にランチはどうかと、みんなが納得する提案をした。
モーガンは周りの空気を読んで会話をコントロールするのに長けているのだな。
フィーネは相変わらず天真爛漫と言うか素直な発言をして、クライヴはお金の事を気にしていた。
王立学院初等部は平民が通えると言っても、入学金の小金貨二枚は平民にとって大金なのだろう。
するとモーガンが、日々の生活や二年後の王立学院中等部の入学金の事も考慮して冒険者協会に登録して自分達でできる依頼を調べてみようと提案した。
なるほど! 確かに冒険者として腕を磨き、高等部卒業後に騎士団の入団試験を受けるのが騎士になる為の一番の近道ではないか! つい笑みが溢れてしまう。
「フフ、腕鳴らしにいいな」
「良いねぇ! これでランチ代を稼ぐぞぉ!」
みんなもワクワクしているようだが、フィーネはランチ代目的とフィーネならではの考え方をしていた。
しかしクライヴが水を差すような発言をした。
「まぁ、危なくないんだったらオレも賛成するよ。討伐依頼とか痛いのは勘弁してくれ」
何を言っているんだクライヴは! 自分の身を守る術を身につけるのは当たり前ではないのだろうか? その為には多少は痛い目をするのが成長に繋がるのではないか?
「クライヴ! 男なのに何を情けない事を言っているのだ! 王都は治安が良いが、他の街やその街道等危険はいくらでもあるんだぞ! 自分の身を守る術を身につけないと、他の人を危険に晒す事にも繋がるんだぞ! その為まずは一つ一つ自分達の力量の範囲で己を高める事も必要じゃないか! 君はそういう事も考えての発言なのか!」
「リアナ、クライヴはそんな奴じゃないよ! アタシを命懸けで守ってくれたもん!」
「ボクもフィーネから話を聞いたけど、あんまりクライヴは自分の事話したがらないから誤解されやすいんだ。さっきの発言もみんなの事を思っての発言だと思うよ」
フィーネとモーガンがクライヴを庇っているが、どうしてもぼくの心がモヤモヤとする。こんな冷静になれない人間が騎士になれるのか? ぼくは一度頭を冷やしてクライヴに謝った。
「そうとは知らずクライヴすまなかった。ぼくは少し冷静さを欠いていたようだ。これではまだまだ騎士の道は遠いな」
そしてモーガンの案で午前中は自由行動となったが、フィーネがお金を持っていないのだろうか? 何かソワソワとしていた。
もしお金が無いのなら、ぼくが少し渡してもいいのだが、初対面の人間からお金を渡されるのはフィーネにとって重荷にならないのだろうか?
「フィーネ! オレが出すから良いよ。だからその作戦で決定で」
クライヴが即座にフィーネを助けていた。先程はクライヴの事を悪く言ってしまったが中々男らしい所があるじゃないか…………ん? もしかして二人はお付き合いをしているのだろうか?
まぁ二人の恋路も気になるが……明日は冒険者協会に行くので、念の為に二つの剣の手入れをしておこう。
しかしそんな事より、この食堂は何であんなわかりにくいメニュー名なのだろうか…………………
見た事ない髪型をした男の子がこちらを見ていた。服装からして平民だと思うが、私の見る平民達はもっと落ち着いた短い髪型が殆どだったと思うが……
平民であろう男の子が、ぼくを不思議そうに見ているので何かが付いているのだろうか?
恥ずかしい事だが急いで家を飛び出したからそれも仕方ない。
「ん? ぼくの顔に何かついてるかい」
ぼくは彼に聞いてみると彼は恐縮して話しかけてきた。
「私の名前はクライヴと申します。先程はすみませんでしたヘンダーソン様。まさか貴族の方が入寮するとは思いませんでしたので少々驚きました」
なんと平民でぼくの同じぐらいの歳なのに礼節をわきまえているとは……個性的な髪型をしている事で人ととなりを決めつけてしまった……ぼくはまだまだ平民の事を知らないようだ。騎士を志す人間として守るべき者達を知らぬとは恥ずべき事だ。
しかしこのクライヴと言う彼は高い教養を持っているようで、貴族への対応も慣れているとは……
「止めてくれ、ぼくは騎士になる夢があるのだが、父上に反対されて勘当された身なんだ。だから家を出て来たので気軽にリアナと呼んでくれないか? それに同じ学院に入学するルームメイトではないか? 言葉を崩してくれると嬉しいんだが」
「わかったよ、よろしくリアナ。他の二人を紹介するよ」
そう言ってクライヴは二人の女の子を紹介してくれた……のだがプラチナヘアーの整った顔立ちの女の子が突然ぼくに勢い良く話しかけてきた。
フィーネという女の子はぼくの事をカッコいい? 騎士みたい? と言ってくれた。
まさかこんなすぐに騎士みたいとぼくの一番嬉しい言葉を言ってくれるなんて……思った事を口にする子なのだろうか、フィーネは元気で人懐っこい性格でとても好感が持てた。
もう一人の女の子はモーガンと言うらしい。モーガンも上級貴族のような品の良さを感じる。
見た目は褐色の肌にシルバーブロンドのショートボブで笑顔が可愛らしい女の子だが、何故名前が男の子のような名前なのだろうか?
「いや、こちらこそ。使用人がいない環境には慣れておらず、少しわからぬ事があり色々と迷惑をかける事が多いと思うがよろしく頼む」
そしてフィーネに引っ張られて、ぼくは部屋を選びに三階に向かった。
しかしモーガンは何故かついてこずクライヴと話をしていた。
「モーガン、どうしたんだい? 三階に上がらないのかい?」
するとモーガンは苦笑しながらぼくに説明をした。
「背も低いし、声も高いからよく間違えられるんだけど、ボクは男だからクライヴと同じ二階のエリアに住んでるんだよ。でも言われ慣れているから気にしなくて良いよ」
まさかモーガンが男の子とは…………
なんたる失態をしてしまったんだ…………
ぼくはモーガンを傷つけてしまったのではないだろうか……騎士を志す者としてあるまじき行為だ!
「すまない! ぼくが勝手に勘違いしてしまい、モーガンに不快な思いをさせてしまって……せめてもの償いとして、ぼくに出来る事があれば何でも言ってくれたまえ!」
クッ! 自分が情けない! ぼくはまたも人を見た目で判断してしまった…………
その後はフィーネに三階に行って部屋を決めようと催促されて、正直フィーネに助けられた……
そしてフィーネと三階に行くと、どの部屋も同じ作りになっていた。
「リアナ。ここはどの部屋も同じ作りなんだって、どの部屋にする? ちなみにアタシはこの部屋なんだよ」
「ふむ、そうだなぁ。せっかくこうしてフィーネ達に出会えたのも何かの縁だろう。ぼくはフィーネの向かい側の部屋にするよ」
「やったー! これからよろしくねリアナ」
「フフッ……ああ、こちらこそよろしくフィーネ」
ぼくの事を騎士みたいと初めて言ってくれたフィーネとは、とても話しやすくてすぐに仲良くなった。
部屋が決まったので、ぼくは荷物を下ろして部屋に整理していった。
「これは!」
皮袋の中身を整理していくと、入れた覚えのないヘンダーソン家の家紋入りの剣が紐で縛っている皮袋に入っていた。
「誰が……もしかしてレベッカお姉様が……」
家出をする前に装飾品を売りに行った時に、ぼくの部屋にお父様を通さないように使用人には伝えていた……もし入れるとすればレベッカお姉様しかいない…………
この剣は…………レベッカお姉様からのいつでも帰れる場所を用意していると言う意味とぼくの小さい頃から夢だった騎士を目指す事を応援するという意味が込められているのだろう。
「フフッ……こんなぼくに優しく手を差し伸べるのが、やはりレベッカお姉様だなぁ。ぼくは立派な騎士になってからヘンダーソン家に行きお父様と話をしよう……それまでは絶対に帰らない」
この家紋入りの剣はぼくのそんな意志表示の為に部屋の壁に立てかける事にした。
後は……シンプルなチュニックとズボンのみと割とシンプルな衣類とお母様の形見のネックレスけだけなので部屋の整理に時間はかからなかった。
「リアナ? フィーネだけど入ってもいい?」
「ああ。もう部屋の整理は終えたのでいつでもどうぞ」
ぼくは扉を開けてフィーネを招き入れた。
「ええぇ! ちょっと何もないじゃない。服も男の子っぽいし、せっかくスタイル良いのに勿体ないよ」
まさかのフィーネからの第一声がダメ出しとは……まぁでもその素直さが心地良いな。
「期待はずれな部屋だろう。ぼくは小さい頃から騎士になるのが夢なんだ。だからドレスを着飾ってパーティーに出るよりも護衛兵達と一緒に汗水流して訓練をする方が好きなんだ。その為どうしても服装が男性っぽい物になってしまうんだよ」
「じゃあ今度買いに行こうよ。一着ぐらい必要だしアタシもパーティーとかマナーとかよく分からないからリアナが教えてよ」
こんなにもグイグイと来るのにぼくは慣れているないので、フィーネの熱意に負けて「分かった」と返事をしてしまった…………騎士に二言はない!
必ず約束は守らねば!
「じゃあ、アタシはクライヴ達を呼んでくるね」
「えっ? ちょ、ちょっと待ちたまえフィーネ」
ぼくが顔を上げてフィーネに声をかけたが…………既にそこにはフィーネは存在しなかった……開かれた扉がゆっくりと閉まった。
その後すぐに三人達がやってきた。
みんなシンプルと言っているが、そもそも女子の部屋に男子が入ってくるのはどうかとおもうのだが……平民では当たり前の事なのだろうか?
そんな疑問だらけの中、みんなで夕食に行く事になったが、そこでも衝撃を受けた!
な、な、な、なんと言う事なんだ! メニューが全く分からないとは…………
ぼくはフィーネに合わせてキノコと豆のパスタを食べる事にした。
そして夕食後にそれぞれ明日の予定について話をした。どうやらみんな今日色々と家具や生活必需品を買いに行っていたらしく、明日も買い物に行くのはと話をしているが、ぼくに気を遣ってくれているのだろう。
「ぼくは特に買い足すようなものはないかな」
ぼくがそう言うと、モーガンがみんなで親睦深める為にランチはどうかと、みんなが納得する提案をした。
モーガンは周りの空気を読んで会話をコントロールするのに長けているのだな。
フィーネは相変わらず天真爛漫と言うか素直な発言をして、クライヴはお金の事を気にしていた。
王立学院初等部は平民が通えると言っても、入学金の小金貨二枚は平民にとって大金なのだろう。
するとモーガンが、日々の生活や二年後の王立学院中等部の入学金の事も考慮して冒険者協会に登録して自分達でできる依頼を調べてみようと提案した。
なるほど! 確かに冒険者として腕を磨き、高等部卒業後に騎士団の入団試験を受けるのが騎士になる為の一番の近道ではないか! つい笑みが溢れてしまう。
「フフ、腕鳴らしにいいな」
「良いねぇ! これでランチ代を稼ぐぞぉ!」
みんなもワクワクしているようだが、フィーネはランチ代目的とフィーネならではの考え方をしていた。
しかしクライヴが水を差すような発言をした。
「まぁ、危なくないんだったらオレも賛成するよ。討伐依頼とか痛いのは勘弁してくれ」
何を言っているんだクライヴは! 自分の身を守る術を身につけるのは当たり前ではないのだろうか? その為には多少は痛い目をするのが成長に繋がるのではないか?
「クライヴ! 男なのに何を情けない事を言っているのだ! 王都は治安が良いが、他の街やその街道等危険はいくらでもあるんだぞ! 自分の身を守る術を身につけないと、他の人を危険に晒す事にも繋がるんだぞ! その為まずは一つ一つ自分達の力量の範囲で己を高める事も必要じゃないか! 君はそういう事も考えての発言なのか!」
「リアナ、クライヴはそんな奴じゃないよ! アタシを命懸けで守ってくれたもん!」
「ボクもフィーネから話を聞いたけど、あんまりクライヴは自分の事話したがらないから誤解されやすいんだ。さっきの発言もみんなの事を思っての発言だと思うよ」
フィーネとモーガンがクライヴを庇っているが、どうしてもぼくの心がモヤモヤとする。こんな冷静になれない人間が騎士になれるのか? ぼくは一度頭を冷やしてクライヴに謝った。
「そうとは知らずクライヴすまなかった。ぼくは少し冷静さを欠いていたようだ。これではまだまだ騎士の道は遠いな」
そしてモーガンの案で午前中は自由行動となったが、フィーネがお金を持っていないのだろうか? 何かソワソワとしていた。
もしお金が無いのなら、ぼくが少し渡してもいいのだが、初対面の人間からお金を渡されるのはフィーネにとって重荷にならないのだろうか?
「フィーネ! オレが出すから良いよ。だからその作戦で決定で」
クライヴが即座にフィーネを助けていた。先程はクライヴの事を悪く言ってしまったが中々男らしい所があるじゃないか…………ん? もしかして二人はお付き合いをしているのだろうか?
まぁ二人の恋路も気になるが……明日は冒険者協会に行くので、念の為に二つの剣の手入れをしておこう。
しかしそんな事より、この食堂は何であんなわかりにくいメニュー名なのだろうか…………………
0
あなたにおすすめの小説
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
元・異世界一般人(Lv.1)、現代にて全ステータスカンストで転生したので、好き放題やらせていただきます
夏見ナイ
ファンタジー
剣と魔法の異世界で、何の才能もなくモンスターに殺された青年エルヴィン。死の間際に抱いたのは、無力感と後悔。「もし違う人生だったら――」その願いが通じたのか、彼は現代日本の大富豪の息子・神崎蓮(16)として転生を果たす。しかも、前世の記憶と共に授かったのは、容姿端麗、頭脳明晰、運動万能……ありとあらゆる才能がカンストした【全ステータスMAX】のチート能力だった!
超名門・帝聖学園に入学した蓮は、学業、スポーツ、果ては株や起業まで、その完璧すぎる才能で周囲を圧倒し、美少女たちの注目も一身に集めていく。
前世でLv.1だった男が、現代社会を舞台に繰り広げる、痛快無双サクセスストーリー! 今度こそ、最高に「好き放題」な人生を掴み取る!
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる