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第一章 王国編第二部(中等部)
エピソード126 クラスメイトに注意
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春には出会いと別れがある。
オレにとって風化してはいけない事がある。一つは前世の思い出達…………そしてもう一つは異世界に転生してからのアレクサンダー帝国での母上との思い出…………別れと言えば別れになるのだろう……
だがオレにとっては決して忘れてはならない事で、生涯忘れぬように胸の中に刻み続けるだろう……
そしてモーガン達との出会いもあった。この異世界に来てから心許せる仲間達……オレの中の本当のスノウの心が、このまま仲間達とずっと一緒にいるのだろうと思っているからオレも……凄く寂しく想うのだろう…………
クラス分けでこんな想いをするとは…………
――数十分前――
「みなさん入学式おめでとうございます。私はこの学院の教頭を務めていますロレンヌと申します。中々みなさんと関わる機会が少ないとは思いますが先生の事を忘れないで欲しいと願っております。
それではクラス分けをしたいと思いますが、その前に一点。先程も申した通り、貴族と平民の垣根を超えた交流により新たな価値観や考えなど育まれていくという学院の理念により、学生生活では生徒同士貴族も平民も関係ない校則となっておりますので、貴族だから許される……等はありません。また家名で呼ぶ事もありません」
(なるほど、それなら平民も貴族子息や令嬢とコンタクトを取りやすく人脈作りがしやすいかも……オレはご遠慮願いたいが…………)
そしてそのまま
「まずは一組からいきます。アリアさん、ウィンディー様、…………」
(さっそくウィンディー王女には様付けですか…………垣根越えてないじゃん…………しかし王族だからなぁ……いくら教頭と言えども難しいよなぁ……それにしてもウィンディー王女は綺麗な顔立ちだけど本当に同い年なのか? 随分とお子ちゃま体型だなぁ)
オレはそんな事を考えているとロレンヌ教頭先生は次々と名前を呼んでいった。
「……………………ヘクター君、モースト君の以上二十三名が一組になります」
赤髪のソフトモヒカンに服の袖からちらりと見える両腕にタトゥーのようなものが入っていて、目つきが悪いヘクターと呼ばれた人物が挙動不審な様子で周りを見ていた。
そしてお目当ての物を見つけたように、ニヤリと笑みを浮かべてアリア様を見ていた。
(なんか気味の悪い奴だなぁ。コイツぜったいストーカーだろ。)
そして最後に呼ばれたモーストは爽やかさな少年のようで女子受けも良さそうな容姿で、茶髪のショートヘアーはセンター分けをしたいるが少し癖毛で外にハネていて、目の色は茶色で、チャームポイントで右目の側には泣きぼくろがある。立ち振る舞いも貴族らしくて女子人気が高そうだ。
「続いて二組になります」
(一クラス当たり二十二、三名か。初等部の倍の人数だな)
またオレは他事を考えていると次々と生徒の名前が呼ばれていった。そして聞いたことのある名前が呼ばれて現実の世界に帰ってきた。
「カーン君、クラリネさん」
初等部から共に学んだ学友達も中等部に進学していて、カーンはともかく、雑貨屋さんの一人娘の三つ編みおさげにメガネ装備の委員長キャラのクラリネさんがいるの素直に嬉しい。
平民は初等部卒業後に進学の道を選ぶ人が少ないからだ。
「……クライヴ君、フィーネさん、モーガン君の以上二十三名です」
(まさか! リアナとショーンと離れるとは……)
「流石にこれだけ人数が多いと仕方ないよね」
モーガンがオレに声をかけてくれた。
そんなにもオレは悲しい表情をしているのだろうか?
「リアナ~離れたくないよぉ。また一杯スイーツの店行こうね! アリアも誘って」
フィーネもリアナと離れるのは辛いらしい……
そんなオレ達を見ていた外野がざわざわと言い出した。
「ちょっと何あの二人! レベル高いって! 何処かの貴族の御子息なのかなぁ。お近づきになりたいわぁ」
「私はクライヴ君派よ。あの個性的な髪型オシャレだし、黒髪に黒い瞳がミステリアスで、あの綺麗なブラックオニキスの瞳に吸い寄せられようになるわ」
「何言ってるのよ! モーガン君の母性本能を掻き立てる可愛さは反則よ! もう私の全財産をモーガン君に捧げて良いわ」
(はぁ……有難い事だろうけど少しボリュームを下げて欲しいなぁ)
その時!
「フフフッあなた達に教えてあげましてよ! クライヴ君とモーガン君の尊さと、二人の愛の育みを!」
「自慢じゃありませんが私はモーガン君の笑顔が見れるよう二年間祈り続けたのよ」
「私はクライヴ君が攻めでモーガン君が受け等妄想しておりましたが、最近ではモーガン君の攻めの可能性を見出しましたわ」
そう高らかに声を上げているのは、初等部からずっとねっとりとした視線を二年間浴びさせられた女子三人衆だった…………
そして彼女らは新たなる同志を作り、女子六人衆になった。
これがこの学年の理念である貴族と平民の垣根を超えた交流により新たな価値観や考え方を知る事となる第一号の出来事となった………………
そんな間にロレンヌ教頭先生は三組の発表をしていた。
「エルザさん、サッソ君、ショーン君」
エルザと呼ばれた少女は、髪の色は緑色で丸みのある前下がりショートボブに緑色の瞳にパッチリ二重に、細身だがスタイルが良く元気いっぱいな印象を受けた。
(エルザ………………確かサンダース辺境伯家の御令嬢で、ルーシー様の友人だったはず。くれぐれも粗相のないようにしないと!)
もう一人のサッソは貴族の我儘息子と言った言葉がピッタリでマナーとか練習していないのが丸わかりの貴族らしくない所作、そして軽肥満の身体に少し着崩した制服姿。そのサッソはカーンと何かを話していた
「………………リアナさんの以上二十二名になります」
「これからは別の空間で学ぶ事になるのは少し寂しいものだね」
オレ達は五人のクラスが決まり、最初にリアナが言った。どこか寂しさを紛らわすように微笑みながら……
「まぁ一生の別れじゃないよ。しばらくは学院に慣れるまではハッピースマイルポテイトンと冒険者稼業は一旦止める? どうするクライヴ?」
モーガンが湿っぽい雰囲気を変えてオレに話を振ってきた。
「そうだな……しばらくは学院に慣れる事に専念しよう」
オレ達は話し終えてからそれぞれのクラスの所に移動した。
「クライヴ注意して! カーンとサッソって人がクライヴを睨んでるよ」
モーガンがオレの耳元で伝えてくれてオレは周りを見渡した。
すると親の仇と言わんばかりの表情でこちらを見ているカーンとサッソがいた…………
(オレが一体何をしたんだい君達に?)
オレにとって風化してはいけない事がある。一つは前世の思い出達…………そしてもう一つは異世界に転生してからのアレクサンダー帝国での母上との思い出…………別れと言えば別れになるのだろう……
だがオレにとっては決して忘れてはならない事で、生涯忘れぬように胸の中に刻み続けるだろう……
そしてモーガン達との出会いもあった。この異世界に来てから心許せる仲間達……オレの中の本当のスノウの心が、このまま仲間達とずっと一緒にいるのだろうと思っているからオレも……凄く寂しく想うのだろう…………
クラス分けでこんな想いをするとは…………
――数十分前――
「みなさん入学式おめでとうございます。私はこの学院の教頭を務めていますロレンヌと申します。中々みなさんと関わる機会が少ないとは思いますが先生の事を忘れないで欲しいと願っております。
それではクラス分けをしたいと思いますが、その前に一点。先程も申した通り、貴族と平民の垣根を超えた交流により新たな価値観や考えなど育まれていくという学院の理念により、学生生活では生徒同士貴族も平民も関係ない校則となっておりますので、貴族だから許される……等はありません。また家名で呼ぶ事もありません」
(なるほど、それなら平民も貴族子息や令嬢とコンタクトを取りやすく人脈作りがしやすいかも……オレはご遠慮願いたいが…………)
そしてそのまま
「まずは一組からいきます。アリアさん、ウィンディー様、…………」
(さっそくウィンディー王女には様付けですか…………垣根越えてないじゃん…………しかし王族だからなぁ……いくら教頭と言えども難しいよなぁ……それにしてもウィンディー王女は綺麗な顔立ちだけど本当に同い年なのか? 随分とお子ちゃま体型だなぁ)
オレはそんな事を考えているとロレンヌ教頭先生は次々と名前を呼んでいった。
「……………………ヘクター君、モースト君の以上二十三名が一組になります」
赤髪のソフトモヒカンに服の袖からちらりと見える両腕にタトゥーのようなものが入っていて、目つきが悪いヘクターと呼ばれた人物が挙動不審な様子で周りを見ていた。
そしてお目当ての物を見つけたように、ニヤリと笑みを浮かべてアリア様を見ていた。
(なんか気味の悪い奴だなぁ。コイツぜったいストーカーだろ。)
そして最後に呼ばれたモーストは爽やかさな少年のようで女子受けも良さそうな容姿で、茶髪のショートヘアーはセンター分けをしたいるが少し癖毛で外にハネていて、目の色は茶色で、チャームポイントで右目の側には泣きぼくろがある。立ち振る舞いも貴族らしくて女子人気が高そうだ。
「続いて二組になります」
(一クラス当たり二十二、三名か。初等部の倍の人数だな)
またオレは他事を考えていると次々と生徒の名前が呼ばれていった。そして聞いたことのある名前が呼ばれて現実の世界に帰ってきた。
「カーン君、クラリネさん」
初等部から共に学んだ学友達も中等部に進学していて、カーンはともかく、雑貨屋さんの一人娘の三つ編みおさげにメガネ装備の委員長キャラのクラリネさんがいるの素直に嬉しい。
平民は初等部卒業後に進学の道を選ぶ人が少ないからだ。
「……クライヴ君、フィーネさん、モーガン君の以上二十三名です」
(まさか! リアナとショーンと離れるとは……)
「流石にこれだけ人数が多いと仕方ないよね」
モーガンがオレに声をかけてくれた。
そんなにもオレは悲しい表情をしているのだろうか?
「リアナ~離れたくないよぉ。また一杯スイーツの店行こうね! アリアも誘って」
フィーネもリアナと離れるのは辛いらしい……
そんなオレ達を見ていた外野がざわざわと言い出した。
「ちょっと何あの二人! レベル高いって! 何処かの貴族の御子息なのかなぁ。お近づきになりたいわぁ」
「私はクライヴ君派よ。あの個性的な髪型オシャレだし、黒髪に黒い瞳がミステリアスで、あの綺麗なブラックオニキスの瞳に吸い寄せられようになるわ」
「何言ってるのよ! モーガン君の母性本能を掻き立てる可愛さは反則よ! もう私の全財産をモーガン君に捧げて良いわ」
(はぁ……有難い事だろうけど少しボリュームを下げて欲しいなぁ)
その時!
「フフフッあなた達に教えてあげましてよ! クライヴ君とモーガン君の尊さと、二人の愛の育みを!」
「自慢じゃありませんが私はモーガン君の笑顔が見れるよう二年間祈り続けたのよ」
「私はクライヴ君が攻めでモーガン君が受け等妄想しておりましたが、最近ではモーガン君の攻めの可能性を見出しましたわ」
そう高らかに声を上げているのは、初等部からずっとねっとりとした視線を二年間浴びさせられた女子三人衆だった…………
そして彼女らは新たなる同志を作り、女子六人衆になった。
これがこの学年の理念である貴族と平民の垣根を超えた交流により新たな価値観や考え方を知る事となる第一号の出来事となった………………
そんな間にロレンヌ教頭先生は三組の発表をしていた。
「エルザさん、サッソ君、ショーン君」
エルザと呼ばれた少女は、髪の色は緑色で丸みのある前下がりショートボブに緑色の瞳にパッチリ二重に、細身だがスタイルが良く元気いっぱいな印象を受けた。
(エルザ………………確かサンダース辺境伯家の御令嬢で、ルーシー様の友人だったはず。くれぐれも粗相のないようにしないと!)
もう一人のサッソは貴族の我儘息子と言った言葉がピッタリでマナーとか練習していないのが丸わかりの貴族らしくない所作、そして軽肥満の身体に少し着崩した制服姿。そのサッソはカーンと何かを話していた
「………………リアナさんの以上二十二名になります」
「これからは別の空間で学ぶ事になるのは少し寂しいものだね」
オレ達は五人のクラスが決まり、最初にリアナが言った。どこか寂しさを紛らわすように微笑みながら……
「まぁ一生の別れじゃないよ。しばらくは学院に慣れるまではハッピースマイルポテイトンと冒険者稼業は一旦止める? どうするクライヴ?」
モーガンが湿っぽい雰囲気を変えてオレに話を振ってきた。
「そうだな……しばらくは学院に慣れる事に専念しよう」
オレ達は話し終えてからそれぞれのクラスの所に移動した。
「クライヴ注意して! カーンとサッソって人がクライヴを睨んでるよ」
モーガンがオレの耳元で伝えてくれてオレは周りを見渡した。
すると親の仇と言わんばかりの表情でこちらを見ているカーンとサッソがいた…………
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