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9:「これは、ノーカンじゃないから」
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ラブホテルを出たところですぐに別れるべきだった――向かい合ってハンバーガーをかじりながら、廉太郎は少しだけ後悔する。
宿泊時間を終えて外に出る頃には、昼をとっくに過ぎていたのだ。朝食も食べずに眠り続けていたせいで、腹が減って判断力が鈍っていた。
そうでも思わないと、廉太郎は自分自身の行動の意味を説明できなかった。
「意外と、少食なんだな」
「あー……まぁ、うん」
高校生ならファストフードだろう、と安直な考えで連れてきたはいいものの、大芽は微妙な顔でポテトをつまんでいる。
もしかしてファストフードは嫌いだったのだろうかと不安になりながら、廉太郎は会話のきっかけを探そうとする。
「あの」
「あのさ」
どうにも耐えきれずに声を絞り出した瞬間に、同じ事を考えていたらしい大芽も口を開いていた。
重なった声とぶつかりあった視線に、廉太郎と大芽は思わず笑い声を漏らしてしまう。
一気に緊張が解けて、廉太郎は肩の力が抜ける。脱力したように椅子へ背を預けると、大芽が先にどうぞ、と視線を向けてきた。
「昨日は……その、ありがとう。って、改めてお礼をしておきたくて。このあと、まだ時間あるか? さすがにコレじゃ、お礼にならないし」
「……ふっ」
「なっ、なんで笑うんだ」
「いや? 律儀だな~と思って。廉太郎が礼をすることなんて何もないのに。むしろ迷惑料だってふんぞり返るくらいがちょうど良いと思うけどね? 俺に散々……」
「ま!!」
廉太郎の大声と倒れた椅子の音が店内に響き渡った。こんなところで何を言うつもりだと焦ったせいで、逆に注目を浴びてしまう。
一手に集まった視線に廉太郎は顔を赤くしながら、「す、すみません……っ」と頭を下げる。
大芽は唇を噛み締めたまま、必死に笑いを堪えていた。
「あ、あはっ……ははっ、ふぐっ……あんた、マジで面白すぎ……っ」
「焦ったんだ……! 大芽がこんなところで、その……あのこと、話そうとするから」
「俺だって一応、TPOの判断くらいつくって。信用ないなー」
「あ、あんなことしておいてどの口が……」
「あんなこと、ね」
大芽は廉太郎の言葉を引き取って、意味深に瞳を伏せた。その視線の先に自分の胸――乳首があることに気付いて廉太郎は慌てて両腕で胸を隠す。
「見るなっ」
「ははっ、かーわい」
「可愛くない!」
「それで? 食べ終わったけど、廉太郎はどんなお礼をしてくれんの?」
噛み付く廉太郎を無視して、大芽はバーガーの包装紙を丸めた。ぽい、と廉太郎のトレイに投げ捨てて、テーブルに頬杖を突く。
可愛らしい、というよりも妖しげな色気を感じて廉太郎は言葉に詰まる。
「と、特に決めてない……。行きたいところがあるなら合わせる」
「ん~……あ、じゃあ映画。気になってるやつがあったんだよね」
「映画? そんなのでいいのか」
「うん。それに、映画ってデートコースの定番じゃん?」
「デッ……」
また大声を出して立ち上がりそうになり、廉太郎は歯を食いしばった。浮いた腰を椅子に下ろし、落ち着けと言うように息を吐く。その様子を眺める大芽の瞳は、ニヤニヤと面白そうだ。
「わかった」
動揺して大芽の思うつぼになるのは癪に障る。いつまでも年下に振り回されてばかりでは、情けないというものだ。
廉太郎は大芽のトレイを奪い取ると、年上の威厳を見せつけるように
「行くぞ、大芽」
と立ち上がった。
***
日曜日の映画館はカップルが多い。すれ違う二人組の「デート」を横目にしながら、廉太郎はなぜか居心地の悪さを感じている。
友人同士で来ている同性の二人組もいるというのに、大芽が口にした「デート」という言葉を意識してしまうのか、二人組というだけでもう「そう」としか見えなくなっているのだ。
「変な顔してどうしたの」
「うわっ」
いつの間にか発券機でチケットを発券していた大芽が、音もなく廉太郎の隣に立った。
「ふっ、驚きすぎ。ぼーっとしてんなよ」
過剰反応した姿を笑われて、廉太郎はむっと眉を寄せる。誰のせいで……と思ったが、口にすれば意識していることがバレてしまうだろう。
廉太郎は無視して歩きだそうとしたが、突然大芽に肘を掴まれた。
「っ、なに」
廉太郎の目の前を、高校生らしい集団が横切っていく。前に出した足を思わず止めると、よろけて転びそうになってしまった。その身体を、大芽の腕が抱き止める。
「ぶつかる」
「……あ、ありがとう」
「これも、ノーカンってことで良い?」
「……――っ!!」
これも、と囁かれた意味に気付いて廉太郎の顔が一気に赤く染まった。しかし続く言葉を塞ぐように、大芽は廉太郎の腕を引いて劇場ホールへと向かい始める。
『十五時十分より開始の「恋に似たもの」、ただいまより入場を開始いたします』
タイミングを見計らったように入場開始のアナウンスが流れ、廉太郎は文句も言えず流されるまま足を進めるしかなかった。
「面白かったな、廉太郎」
映画館を出ると、大芽は上機嫌に廉太郎の顔を覗き込んだ。廉太郎は何も答えられず、ただただ大芽の視線から顔を逸らしている。
大芽が面白かったのは映画の内容ではなく、映画を見た廉太郎の反応だろう。
映画の内容そのものは、事故死とされた男の死因を探るミステリーだった。担当刑事が捜査を続けるうちに、死んだ男に固執するようになり――というサスペンス要素と男性同士の激しめなベッドシーンに廉太郎は居た堪れない気持ちになってしまったのだ。
「……聞いてないぞ」
「なにが?」
廉太郎は恨みがましく大芽を睨むが、大芽は空とぼけて笑っている。廉太郎の口から説明させようとしているのが丸わかりだった。「い、言わないからな」
「だから、なにがって」
「……くっ」
こんなことなら映画なんて付き合うんじゃなかった、と後悔が過る。大画面のスクリーンで見たベッドシーンを思い出しそうになり、廉太郎は頭を振る。
「あはは、犬みてぇ」
「犬じゃない」
「ワン、って言ってよ」
「言わない」
犬みたいだと笑われて、廉太郎は大芽を睨み付けた。しかし大芽は余裕ぶった表情で、廉太郎を見つめ返している。
これ以上何を言っても余計にからかわれるだけだと悟ったのか、廉太郎は大きく溜め息を吐く。大芽を置いて駅方面に歩き出すと、慌てて大芽が追いかけてきた。
「ちょっと、置いていくなよ」
「置いていくなも何も、映画は終わったんだからもう帰る」
「なんだ、デートはもうおしまい?」
大芽はつまらなさそうに呟くと、廉太郎の手を掴んだ。廉太郎はびくっと肩を震わせて、掴まれた手に視線を落とす。
「……手」
触れないと約束したはずなのに。
大芽は廉太郎の言葉など無視するかのように、掴んだ手に力を込める。
振り払ってしまえばいい。そう思うのに、なぜか廉太郎は動くことができなかった。
だって、触れた手のひらは温かい。背中を撫でてくれた優しさを思い出してしまう。廉太郎は黙ったまま、俯いて唇を噛み締める。
「これは、ノーカンじゃないから」
そんな廉太郎の耳元に、大芽が息を吹きかけた。囁かれた言葉と近付いた体温に、廉太郎は顔を上げる。
「じゃあ、またな」
目が合うと、大芽は廉太郎の髪をわしゃわしゃとかき混ぜて笑った。
「お、俺は犬じゃないぞ!」
「あはは、ワン!」
叫ぶ廉太郎の声をからかいながら、大芽は背中を向けて去って行った。
宿泊時間を終えて外に出る頃には、昼をとっくに過ぎていたのだ。朝食も食べずに眠り続けていたせいで、腹が減って判断力が鈍っていた。
そうでも思わないと、廉太郎は自分自身の行動の意味を説明できなかった。
「意外と、少食なんだな」
「あー……まぁ、うん」
高校生ならファストフードだろう、と安直な考えで連れてきたはいいものの、大芽は微妙な顔でポテトをつまんでいる。
もしかしてファストフードは嫌いだったのだろうかと不安になりながら、廉太郎は会話のきっかけを探そうとする。
「あの」
「あのさ」
どうにも耐えきれずに声を絞り出した瞬間に、同じ事を考えていたらしい大芽も口を開いていた。
重なった声とぶつかりあった視線に、廉太郎と大芽は思わず笑い声を漏らしてしまう。
一気に緊張が解けて、廉太郎は肩の力が抜ける。脱力したように椅子へ背を預けると、大芽が先にどうぞ、と視線を向けてきた。
「昨日は……その、ありがとう。って、改めてお礼をしておきたくて。このあと、まだ時間あるか? さすがにコレじゃ、お礼にならないし」
「……ふっ」
「なっ、なんで笑うんだ」
「いや? 律儀だな~と思って。廉太郎が礼をすることなんて何もないのに。むしろ迷惑料だってふんぞり返るくらいがちょうど良いと思うけどね? 俺に散々……」
「ま!!」
廉太郎の大声と倒れた椅子の音が店内に響き渡った。こんなところで何を言うつもりだと焦ったせいで、逆に注目を浴びてしまう。
一手に集まった視線に廉太郎は顔を赤くしながら、「す、すみません……っ」と頭を下げる。
大芽は唇を噛み締めたまま、必死に笑いを堪えていた。
「あ、あはっ……ははっ、ふぐっ……あんた、マジで面白すぎ……っ」
「焦ったんだ……! 大芽がこんなところで、その……あのこと、話そうとするから」
「俺だって一応、TPOの判断くらいつくって。信用ないなー」
「あ、あんなことしておいてどの口が……」
「あんなこと、ね」
大芽は廉太郎の言葉を引き取って、意味深に瞳を伏せた。その視線の先に自分の胸――乳首があることに気付いて廉太郎は慌てて両腕で胸を隠す。
「見るなっ」
「ははっ、かーわい」
「可愛くない!」
「それで? 食べ終わったけど、廉太郎はどんなお礼をしてくれんの?」
噛み付く廉太郎を無視して、大芽はバーガーの包装紙を丸めた。ぽい、と廉太郎のトレイに投げ捨てて、テーブルに頬杖を突く。
可愛らしい、というよりも妖しげな色気を感じて廉太郎は言葉に詰まる。
「と、特に決めてない……。行きたいところがあるなら合わせる」
「ん~……あ、じゃあ映画。気になってるやつがあったんだよね」
「映画? そんなのでいいのか」
「うん。それに、映画ってデートコースの定番じゃん?」
「デッ……」
また大声を出して立ち上がりそうになり、廉太郎は歯を食いしばった。浮いた腰を椅子に下ろし、落ち着けと言うように息を吐く。その様子を眺める大芽の瞳は、ニヤニヤと面白そうだ。
「わかった」
動揺して大芽の思うつぼになるのは癪に障る。いつまでも年下に振り回されてばかりでは、情けないというものだ。
廉太郎は大芽のトレイを奪い取ると、年上の威厳を見せつけるように
「行くぞ、大芽」
と立ち上がった。
***
日曜日の映画館はカップルが多い。すれ違う二人組の「デート」を横目にしながら、廉太郎はなぜか居心地の悪さを感じている。
友人同士で来ている同性の二人組もいるというのに、大芽が口にした「デート」という言葉を意識してしまうのか、二人組というだけでもう「そう」としか見えなくなっているのだ。
「変な顔してどうしたの」
「うわっ」
いつの間にか発券機でチケットを発券していた大芽が、音もなく廉太郎の隣に立った。
「ふっ、驚きすぎ。ぼーっとしてんなよ」
過剰反応した姿を笑われて、廉太郎はむっと眉を寄せる。誰のせいで……と思ったが、口にすれば意識していることがバレてしまうだろう。
廉太郎は無視して歩きだそうとしたが、突然大芽に肘を掴まれた。
「っ、なに」
廉太郎の目の前を、高校生らしい集団が横切っていく。前に出した足を思わず止めると、よろけて転びそうになってしまった。その身体を、大芽の腕が抱き止める。
「ぶつかる」
「……あ、ありがとう」
「これも、ノーカンってことで良い?」
「……――っ!!」
これも、と囁かれた意味に気付いて廉太郎の顔が一気に赤く染まった。しかし続く言葉を塞ぐように、大芽は廉太郎の腕を引いて劇場ホールへと向かい始める。
『十五時十分より開始の「恋に似たもの」、ただいまより入場を開始いたします』
タイミングを見計らったように入場開始のアナウンスが流れ、廉太郎は文句も言えず流されるまま足を進めるしかなかった。
「面白かったな、廉太郎」
映画館を出ると、大芽は上機嫌に廉太郎の顔を覗き込んだ。廉太郎は何も答えられず、ただただ大芽の視線から顔を逸らしている。
大芽が面白かったのは映画の内容ではなく、映画を見た廉太郎の反応だろう。
映画の内容そのものは、事故死とされた男の死因を探るミステリーだった。担当刑事が捜査を続けるうちに、死んだ男に固執するようになり――というサスペンス要素と男性同士の激しめなベッドシーンに廉太郎は居た堪れない気持ちになってしまったのだ。
「……聞いてないぞ」
「なにが?」
廉太郎は恨みがましく大芽を睨むが、大芽は空とぼけて笑っている。廉太郎の口から説明させようとしているのが丸わかりだった。「い、言わないからな」
「だから、なにがって」
「……くっ」
こんなことなら映画なんて付き合うんじゃなかった、と後悔が過る。大画面のスクリーンで見たベッドシーンを思い出しそうになり、廉太郎は頭を振る。
「あはは、犬みてぇ」
「犬じゃない」
「ワン、って言ってよ」
「言わない」
犬みたいだと笑われて、廉太郎は大芽を睨み付けた。しかし大芽は余裕ぶった表情で、廉太郎を見つめ返している。
これ以上何を言っても余計にからかわれるだけだと悟ったのか、廉太郎は大きく溜め息を吐く。大芽を置いて駅方面に歩き出すと、慌てて大芽が追いかけてきた。
「ちょっと、置いていくなよ」
「置いていくなも何も、映画は終わったんだからもう帰る」
「なんだ、デートはもうおしまい?」
大芽はつまらなさそうに呟くと、廉太郎の手を掴んだ。廉太郎はびくっと肩を震わせて、掴まれた手に視線を落とす。
「……手」
触れないと約束したはずなのに。
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振り払ってしまえばいい。そう思うのに、なぜか廉太郎は動くことができなかった。
だって、触れた手のひらは温かい。背中を撫でてくれた優しさを思い出してしまう。廉太郎は黙ったまま、俯いて唇を噛み締める。
「これは、ノーカンじゃないから」
そんな廉太郎の耳元に、大芽が息を吹きかけた。囁かれた言葉と近付いた体温に、廉太郎は顔を上げる。
「じゃあ、またな」
目が合うと、大芽は廉太郎の髪をわしゃわしゃとかき混ぜて笑った。
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