5 / 6
5.
「……は?」
「だって、たまにしか会えないし、連絡もほとんどない。会えばあったで抱き合うだけだし、すぐ帰るじゃないか」
「ちょ、ちょっと待て!」
遥斗は勢いで言っていて、悲しくなってしまう。また、ポロリと涙があふれた。溢れる寸前だった想いが、とうとう決壊した。
慌てた泰生はベッドに座り、まだ素肌をさらしていた遥斗を、シーツで包んで抱きしめる。落ち着かせるように、背中をトントンとあやすようにたたいた。
泰生はしばらく考えこんでいたが、おそるおそる遥斗に聞いてきた。
「……もしかして、俺はお前に好きだと伝えていなかったのか?」
「えっ?」
遥斗は自分に都合のいい幻聴を聞いた気がした。
「……そんなの、初めて聞いた」
「すまない。こんなに不安にさせていたんだな。最近は元気なさそうで、遥斗も仕事で疲れているのに、無理をさせていたのかと思って、我慢していたんだ。」
遥斗は驚いて、涙が止まってしまった。泰生の遥斗を抱く力が少し強くなる。
「我慢していたの?」
「ああ。遥斗に触れずにはいられないから、せめて負担にならないようにと思っていた。」
「負担?」
「一度だけにしようと思って。でも顔を見れば、際限なく求めてしまいそうだった。バックからなら、遥斗も翌日に負担はかからないと思っていたから。」
遥斗は、じわじわと期待してしまう。
「……セフレだから、欲の発散の為だけかと思ってた。」
「すまない。遥斗も俺と同じ気持ちだと思っていた」
「えっ?」
「どんなに遅くても会ってくれるし、別れる時は寂しそうに見つめてきてたから」
遥斗はとっくに気持ちがバレていたことが気恥ずかしくて、少しだけ拗ねてみせた。
「でも、キスくらいはして欲しかった」
「俺もしたかった」
「ん……」
優しくキスされて、遥斗の胸は震えた。官能をもたらすものではなく、慈しまれていると実感できるキスだ。
遥斗は、泰生を失うのが怖くてずっと胸に秘めていた言葉をついに口にした。
「好きだよ、泰生。失うのが怖くて、ずっと言えなかった。やっと言えた……」
「俺も遥斗のことが好きだ。不安にさせてごめんな」
「嬉しい……泰生」
しばらく二人は、通じあった気持ちを噛み締めるように抱きしめ合った。
あなたにおすすめの小説
お酒に酔って、うっかり幼馴染に告白したら
夏芽玉
BL
タイトルそのまんまのお話です。
テーマは『二行で結合』。三行目からずっとインしてます。
Twitterのお題で『お酒に酔ってうっかり告白しちゃった片想いくんの小説を書いて下さい』と出たので、勢いで書きました。
執着攻め(19大学生)×鈍感受け(20大学生)
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
弟と妹より劣る僕が自信家を演じてたら、部下にバレた件
ゆきりんご
BL
【重い感情を隠している年下敬語攻め×自己肯定感低い年上受け】
イリアスは職場で「優秀で顔もそこそこ良くて頼りになる上司」を演じているが、本当は自信がない。付き合っていた相手に振られることが続いてさらに自信をなくした。自棄になろうとしていたところを、気になっていた部下に止められて、成り行きで体の関係を持つことになり……?
お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)
平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法
あと
BL
「よし!別れよう!」
元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子
昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。
攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。
……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。
pixivでも投稿しています。
攻め:九條隼人
受け:田辺光希
友人:石川優希
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグ整理します。ご了承ください。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。