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2章 島の外の世界とフローラ牧場
50話
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先ほどの戦闘では結果的にダメージはほとんどなかったが、駆けつけた千歳は回復魔法をふたりにかける。
「ありがとうございます。すいません、偉そうなことを言っておいて……」
「気にするなよ、俺は帆奈のパンツが見れてうれしかったよ」
「なっ、見えるわけないです! ちゃんとスパッツ履いてます!」
「え? 履いてなかったけど……」
「そんなはずは!」
焔の目の前で、帆奈は確認のためにスカートをめくりあげる。
「は、履き忘れてる……」
「おいっ、俺の目の前でやめなさい!」
「はっ、何見てやがるんですか!?」
「君が見せてきたんだろうが!」
「くっ、そうでした……」
自分からパンツを見せておいて、悔しがる帆奈。
その様子を見て、焔は思わず笑みをこぼす。
「な、なにを笑ってやがるんですか」
「何だろうな、こういうのが楽しいんだよな、友達みたいでさ」
「友達……ですか」
「ああ、帆奈が相手だとなんでか気を遣わないしな」
「何ですかそれは! 私にもちゃんと気を遣いやがれです! 私だって女の子なんですからね!」
「ははは、悪い悪い」
「はあ、仕方ないですね。友達のいない焔さんのために、私が友達になってあげましょう」
「おい、勝手に友達をいなくするな」
「いるんですか?」
「いるわ! ここに千歳だっているだろうが!」
「千歳さんは友達じゃなくてヒロインなんでしょう?」
「ヒロインでも親友なの!」
勝手に友達いない認定をされそうになって、焔は思わず反論をする。
しかし、その最中に本当に友達が少ないことに気づき、少し悲しくなっていた。
「そういえば、なんで帆奈は魔族なのにモンスターたちを倒してるんだ?」
焔は帆奈とかなり打ち解けてきたと思い、少し疑問だったことを聞いてみた。
同じ魔族に思われたくない、とは言っていたがそれだけではないような気がしていたからだ。
「……そうですね、私、実は魔族と人のハーフなんですよ」
「そんなことがあり得るのか」
「あるんですよ、同じように話ができますからね。そこに愛が生まれることだってあるんですよ」
確かに焔も明日香や目の前の帆奈には好意のようなものを持っている。
これが発展していけば、やがて結ばれたりすることもあるのだろう。
「だからというわけでもないんですけど、せっかくなのに仲良くできないのかなって」
「その割には遠慮なくさっきのモンスターを倒してた気がするけど」
「モンスターにも種類があるんです、あいつらはただ人や魔族も区別せずに襲いかかってくるように設定されているんですよ」
「そうなのか……」
設定という言葉が少し引っかかってはいたが、焔は少し安心もしていた。
モンスターたちはただ倒されるためだけに生み出されて消えていく、それだけの存在だということだ。
ならあまりモンスターの事情などは考えずに戦うことができる。
もし帆奈たちのようにそれぞれが感情を持ち、生きていたとしたら、これからの戦いはいろいろと考えてしまうことがある。
だから帆奈の話は焔には都合のいいものだった。
プルルやプリンのような存在はきっと特別なのだろう。
回復も済み、焔たちがそろそろこの場を立ち去ろうかと思った時だった。
いきなり天井から妙な光が放たれ、そこに魔法陣が描かれ、突然モンスターが三体出現した。
「なんだこいつら」
「さっきの仲間かもしれませんね」
さきほど倒したモンスターと外見はよく似ていた。
そのレベルは40ほどで、レベルが35を超えている今の焔なら十分に戦える相手だろう。
千歳もここまでの戦いでレベルが大きく上昇しているものの、まだ20前半なので無理はできない。
「千歳は離れていてくれ、ここは俺たちでなんとかする!」
「う、うん、わかった」
レベルは少し低いが、今回は三体。
一対一にできないのがつらいところだ。
「私が二体相手にします」
「悪いな、甘えさせてもらうよ」
「いいですよ、友達ですから」
「はは、ありがとな」
ふたりは刀と剣を構え、そして突撃を開始する。
帆奈はいきなり全体への氷魔法を使って、三体同時に攻撃をした。
さらに鮮やかな剣技で二体を交互に攻撃しながらLPを削っていく。
焔もレベルが自分よりも上のモンスター相手に、なるべく一撃も受けないように注意しながら刀を振るっていく。
しかしLPを三分の一くらいまで削ったところで、相手は予想外の行動をとってきた。
口の中に炎の玉を作りだし、それを一気に焔にむかって噴き出してくる。
今まで拳による攻撃に注意していた焔は、不意を突かれた形となり、思わずその場に固まってしまう。
「焔ぁあああ!」
千歳の悲鳴のような叫び声が聞こえる。
相当なダメージ、そして死が頭をよぎった時だった。
たまたま自身の前にかまえていた刀が、むかってくる炎を吸い上げ始めた。
「な、なんだ?」
炎をすべて吸い込んだ刀は、炎をまとった姿になる。
これは汐音がくれた刀、『焔』の能力の一つだった。
「すごいなこれ……」
状況はよくわかっていなかったが、戦いの途中だったためとりあえず反撃を開始する。
「お前の炎だ、自分で焼かれてみろ!」
焔が思いっきり刀で相手を切りつけると、そこから一気に火が全身に回る。
そしてLPが0になると、光の玉となって消えていった。
帆奈の方も無事に二体を仕留め終えていた。
「きゃあ!」
その時、千歳が悲鳴をあげ、慌ててそちらを振りむくと、そこにはもう一体のモンスターが千歳の方へむかっていた。
モンスターは三体ではなく四体いたのだ。
この距離では間に合わない。
帆奈も急いで魔法攻撃を発動しようとするが、すでにモンスターは千歳の目の前だった。
千歳は恐怖で抵抗もできず、ぎゅっとその場で目をつぶって震えていた。
しかしモンスターはそんな千歳の隣を素通りして、フロアの外へと走っていく。
「あ、あれ?」
なにも起きなかったことに驚き、千歳が目を開く。
そこに焔たちも駆けつけ、千歳の無事を確認する。
「千歳、大丈夫か?」
「う、うん」
「よかった……」
何事もなかったことに焔は安堵するが、帆奈は少し焦りを感じていた。
「もしかすると、あいつら地上へむかってるんじゃ……」
「なっ、このまままっすぐ行かれたら、牧場に出ちまうぞ」
「追いかけましょう!」
逃げて行ったモンスターのレベルも40だった。
追いつきさえすれば倒すことは容易だ。
焔たちは急いでそのモンスターの後を追っていった。
「ありがとうございます。すいません、偉そうなことを言っておいて……」
「気にするなよ、俺は帆奈のパンツが見れてうれしかったよ」
「なっ、見えるわけないです! ちゃんとスパッツ履いてます!」
「え? 履いてなかったけど……」
「そんなはずは!」
焔の目の前で、帆奈は確認のためにスカートをめくりあげる。
「は、履き忘れてる……」
「おいっ、俺の目の前でやめなさい!」
「はっ、何見てやがるんですか!?」
「君が見せてきたんだろうが!」
「くっ、そうでした……」
自分からパンツを見せておいて、悔しがる帆奈。
その様子を見て、焔は思わず笑みをこぼす。
「な、なにを笑ってやがるんですか」
「何だろうな、こういうのが楽しいんだよな、友達みたいでさ」
「友達……ですか」
「ああ、帆奈が相手だとなんでか気を遣わないしな」
「何ですかそれは! 私にもちゃんと気を遣いやがれです! 私だって女の子なんですからね!」
「ははは、悪い悪い」
「はあ、仕方ないですね。友達のいない焔さんのために、私が友達になってあげましょう」
「おい、勝手に友達をいなくするな」
「いるんですか?」
「いるわ! ここに千歳だっているだろうが!」
「千歳さんは友達じゃなくてヒロインなんでしょう?」
「ヒロインでも親友なの!」
勝手に友達いない認定をされそうになって、焔は思わず反論をする。
しかし、その最中に本当に友達が少ないことに気づき、少し悲しくなっていた。
「そういえば、なんで帆奈は魔族なのにモンスターたちを倒してるんだ?」
焔は帆奈とかなり打ち解けてきたと思い、少し疑問だったことを聞いてみた。
同じ魔族に思われたくない、とは言っていたがそれだけではないような気がしていたからだ。
「……そうですね、私、実は魔族と人のハーフなんですよ」
「そんなことがあり得るのか」
「あるんですよ、同じように話ができますからね。そこに愛が生まれることだってあるんですよ」
確かに焔も明日香や目の前の帆奈には好意のようなものを持っている。
これが発展していけば、やがて結ばれたりすることもあるのだろう。
「だからというわけでもないんですけど、せっかくなのに仲良くできないのかなって」
「その割には遠慮なくさっきのモンスターを倒してた気がするけど」
「モンスターにも種類があるんです、あいつらはただ人や魔族も区別せずに襲いかかってくるように設定されているんですよ」
「そうなのか……」
設定という言葉が少し引っかかってはいたが、焔は少し安心もしていた。
モンスターたちはただ倒されるためだけに生み出されて消えていく、それだけの存在だということだ。
ならあまりモンスターの事情などは考えずに戦うことができる。
もし帆奈たちのようにそれぞれが感情を持ち、生きていたとしたら、これからの戦いはいろいろと考えてしまうことがある。
だから帆奈の話は焔には都合のいいものだった。
プルルやプリンのような存在はきっと特別なのだろう。
回復も済み、焔たちがそろそろこの場を立ち去ろうかと思った時だった。
いきなり天井から妙な光が放たれ、そこに魔法陣が描かれ、突然モンスターが三体出現した。
「なんだこいつら」
「さっきの仲間かもしれませんね」
さきほど倒したモンスターと外見はよく似ていた。
そのレベルは40ほどで、レベルが35を超えている今の焔なら十分に戦える相手だろう。
千歳もここまでの戦いでレベルが大きく上昇しているものの、まだ20前半なので無理はできない。
「千歳は離れていてくれ、ここは俺たちでなんとかする!」
「う、うん、わかった」
レベルは少し低いが、今回は三体。
一対一にできないのがつらいところだ。
「私が二体相手にします」
「悪いな、甘えさせてもらうよ」
「いいですよ、友達ですから」
「はは、ありがとな」
ふたりは刀と剣を構え、そして突撃を開始する。
帆奈はいきなり全体への氷魔法を使って、三体同時に攻撃をした。
さらに鮮やかな剣技で二体を交互に攻撃しながらLPを削っていく。
焔もレベルが自分よりも上のモンスター相手に、なるべく一撃も受けないように注意しながら刀を振るっていく。
しかしLPを三分の一くらいまで削ったところで、相手は予想外の行動をとってきた。
口の中に炎の玉を作りだし、それを一気に焔にむかって噴き出してくる。
今まで拳による攻撃に注意していた焔は、不意を突かれた形となり、思わずその場に固まってしまう。
「焔ぁあああ!」
千歳の悲鳴のような叫び声が聞こえる。
相当なダメージ、そして死が頭をよぎった時だった。
たまたま自身の前にかまえていた刀が、むかってくる炎を吸い上げ始めた。
「な、なんだ?」
炎をすべて吸い込んだ刀は、炎をまとった姿になる。
これは汐音がくれた刀、『焔』の能力の一つだった。
「すごいなこれ……」
状況はよくわかっていなかったが、戦いの途中だったためとりあえず反撃を開始する。
「お前の炎だ、自分で焼かれてみろ!」
焔が思いっきり刀で相手を切りつけると、そこから一気に火が全身に回る。
そしてLPが0になると、光の玉となって消えていった。
帆奈の方も無事に二体を仕留め終えていた。
「きゃあ!」
その時、千歳が悲鳴をあげ、慌ててそちらを振りむくと、そこにはもう一体のモンスターが千歳の方へむかっていた。
モンスターは三体ではなく四体いたのだ。
この距離では間に合わない。
帆奈も急いで魔法攻撃を発動しようとするが、すでにモンスターは千歳の目の前だった。
千歳は恐怖で抵抗もできず、ぎゅっとその場で目をつぶって震えていた。
しかしモンスターはそんな千歳の隣を素通りして、フロアの外へと走っていく。
「あ、あれ?」
なにも起きなかったことに驚き、千歳が目を開く。
そこに焔たちも駆けつけ、千歳の無事を確認する。
「千歳、大丈夫か?」
「う、うん」
「よかった……」
何事もなかったことに焔は安堵するが、帆奈は少し焦りを感じていた。
「もしかすると、あいつら地上へむかってるんじゃ……」
「なっ、このまままっすぐ行かれたら、牧場に出ちまうぞ」
「追いかけましょう!」
逃げて行ったモンスターのレベルも40だった。
追いつきさえすれば倒すことは容易だ。
焔たちは急いでそのモンスターの後を追っていった。
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