父親に売られた兄は夕闇に翻弄される

miian

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第一章 壊れた日常の始まり

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 どれぐらいの日が経ったのか分からない。龍と会う回数は減ったが、父が連れて来た客を取ることが増えてきた。いつからかは分からない。俺の心は死に、生きる希望も無くなっていた。

 一度、自ら命を断とうか悩んだ。でも、やはりその時も、智のことが頭を過った。叔母さんが気にかけてくれるとは言え、どこまで守ってくれるか分からない。智が俺の代わりに身体を売ることになってしまったらと思うと何もできなかった。

「……はぁ」

 先の見えない地獄。いつ終わる?今日、明日終わるとは思えない。悲しいのに涙も出ない。心身ともに疲れ果てた。少し休みたい。でも、今日も客が待っている。吐き気を催しながら授業が終わった学校から出てすぐの時だった。

「弘人くん?」

 1人の若い男が声をかけてきた。見覚えのない顔だが、向こうはこちらを見てニヤニヤと嫌な笑みを浮かべている。

「これ、ばら撒かれたくなかったらやらせてよ」

 こちらへ近づくと一枚の写真をこちらに突き付けた。隠し撮りの写真だ。男のモノをしっかり咥え込んだお尻の穴。両手は男の手でベッドシーツに縫い付けられており、自身の顔もしっかりと写っている。あからさまに写真を撮ろうとする人には、さすがに父も注意する。ただ最近はそんなことをする客はいなかった。この写真の角度から真正面でないとありえない。たまに服を脱がずにやる客がいる。そのうちの一人なのだろう。何も言わずにいると、男は俺が了承したと思ったのか路地裏へと連れて行った。

(もうどうでもいいや……もう、つかれた……)

 もう何人の男に抱かれたか分からない汚い身体。ただ最近は汚れてしまったという悲しみよりも、最初は痛みしかなかった行為がいつの間にか身体は快楽として感じている自分が気持ち悪かった。


『ふふっ、感じて可愛いね』


『エッチな子だね』


『もう中だけでイケるの?淫乱だね』


 行為の際中、男たちが俺に向かってそう言った。その言葉がまた自分を惨めにさせた。

(……いや、お金を貰えて気持ちが良いのならもう気にしなくていいのかな?気乗りしない時だって目をつぶっておけばすぐに終わる。ほんの少し自分が我慢すればいいだけ……)

 目の前の男が早速ズボンをカチャカチャと下ろし始めた。ただ、ここでタダでやらせてしまうのも癪だ。本来ならわずかながらでもお金がもらえるのだから。

「やらせてやる。でも、お金は払って」
「なんだよ、生意気なやつだな。分かったよ、金は払ってやる。父親に結構取られてんだろ?その分やるよ。その代わりこれからもやらせろよ」

 ダメもとで目の前の男に言うと、意外にも男はすぐに承諾した。

「じゃぁ、先にお金……」

 お金を先に貰おうとするも男は、俺の身体を壁に押し付けるとズボンをずり下げ無理やりやろうとしてきた。

「ちょっ、おかね……それにこんなとこで……」

 薄暗い裏道とは言え、ここは外だ。万が一にでも誰かに見られたらと思うと気が気ではない。

「うっせぇな、あばずれ。とっととケツ出せよ」

 男が俺の頭を掴むとガンと壁に打ち付けた。額から暖かい液体がツーっと垂れる。

「ちょっ、痛い、やめて」

 尚も抵抗すると、男は舌打ちして男の方を向かせると頬を殴った。

「めんどくせぇな、萎えちまっただろ。おい、しゃぶれ」

 跪かされ男の汚いペニスが目の前に出される。客はこぞってこの行為をさせたがる。

 過去の嫌な光景を思い出す。

 渋る俺に何人かの客は無理やり口に捻じ込ませ強引にさせられたこともある。気色が悪いしやりたくない行為だ。

 男は他の客と違わず頭を鷲摑みにし無理やり口に含ませようとした。
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