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第一章 壊れた日常の始まり
乱暴と異常※
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父に隠れて、外で客を何度かとった後、呆気なく父にバレた。顔を殴られ、お腹に蹴りをいれられる。吐瀉物を床に撒き散らすも、父は何度も蹴り上げた。
お金は見つからないように、いつも持っていたが、父は目ざとく見つけるとそれを取り上げた。父はそれでも怒りが収まらず拳を振り上げた。「このあばたがっ」と罵った。俺が隠れて客をとっていたことがよほど許せなかったらしい。
「お前は……お前は俺のもんだ……」
父の怒りの暴力は今までで一番酷かった。基本的に客からの暴力を父は許さなかった。別料金を払うからと客に言われても断っていた。その理由は、次の客が痣を見て萎えるといけないからというものだった。そんなバカみたいな理由でも、父のその庇ってくれる言動が嬉しかった。
それなのに、今、父は身体のあちこちに、顔にさえも何度も拳を振り上げた。
目元や頬には痣ができて、洗面所のひび割れた鏡でその顔を見た時、悲しくなった。
(……智がいなくて良かった……)
智はちょうど叔母さんの家にいる時に熱を出して、帰ってきていない。この顔を見られたら心配するに決まっている。こんな姿の俺を見て、どうやって嘘をついたら良いか分からなかった。
(……迅が見たら父さんのことを殴りそうだ……)
ふと迅のことを思い出した。迅とはあれから会えていない。
迅が父を殴ったらどうなるのだろうか?父の体格はしっかりしている。迅は筋肉質だが細身だ。以前、吉田を殴った時のことを思い出すと、迅の力は強いし、喧嘩慣れもしていそうだった。でも、父には敵わないかもしれない。
(迅に……迅に会いたいな……)
どれくらいの時間、殴られたか分からない。父の暴力の波が収まり、深い呼吸をする。
この現実が悲しくて、虚しくて地に落ちそうだったのに、涙は出ない。
蹲りながら父を見上げた。父は苛立ちをまだ持っていたが、もう殴らなさそうだ。時計を見てチッと舌打ちする。
「ついてこい」
苛立ち交じりの声で父がそう言った。それはいつもの言葉だった。
その意味を悟って絶望した。
さすがに今日ばかりは客をとらなくていいだろう。そう考えていた。
顔だけでなくお腹や足、至る所に痣ができたのだから、今日くらいは客をとらなくても許されるのではないかと思っていたのだ。
でも、実際にはそんなことはなく、いつものように客をとらされた。
こんな時でも客をとらされるのかという絶望と、その客がいなければもっと殴られていたかもしれないと思うと、どちらに進んでも地獄には変わりなかった。
見慣れたホテルの部屋、いつものように父が仁王立ちでこちらを見ている。今日の客は、初めての相手で、俺の痣のある顔を見て驚いた表情をした。
(こんなに痣だらけならヤりたくないんじゃないか?どうか断ってくれますように……)
「え?殴ってもいいの?」
願いは虚しく、それどころか客は思いもよらない言葉を言い放った。見た目は普通の若い男は鼻息を荒くし、興奮した様子だ。まだ脱いでもいないのにズボンの下は硬くなっているのが分かる。
「顔はダメだ。あと大きく残るような痕や痣も。客が取れなくなったら困る。金を上乗せで払うならちょっとくらいならいい」
「おいおい、今こんな状態だからこれ以上酷くなってもいいだろ?」
「ダメだ」
客の言葉よりももっと酷い言葉を父が放つ。客は最初不服そうだったが、すぐにその条件を受け入れ、顔をニマニマと変化させた。早速、男は父に金を払うと、ベッドへと俺を突き飛ばした。
乱暴な手つきで男は服をまさぐる。殴られ、蹴られた肌を見て、男は息を飲み、すみずみまで舐めるように見た。男は興奮した様子を隠すことなく、そのまま乱暴に硬くなったペニスを捻じ込んだ。
「はぁ、はぁ、たまんねぇな……」
痣を舐め回し、キスをする男の手つきはまるで愛撫のようだ。男は目元の痣を手で撫でるとそのまま首筋へと手を下ろし、そのまま首をしめた。よく見ると肩に刺青が入っており、龍同様に普通の生業ではないのかもしれない。
「かはっ……」
(たすけて……このままでは死んでしまう……)
男の首を絞めるさじ加減は絶妙で意識を飛ばしそうになると緩められ、息を大きく吸い込んだのを確認するとまた首を絞める。いつものように目を閉じてやりすごしたいのに、恐怖で目を閉じることができない。このままだと本当に死んでしまうのではないかと思ったから。
「くっ、しまる……」
「も、やめ、うぐ……」
大きく息を吸った時に、辞めて欲しいと懇願するも、また首への力は強くなり息が止まる。もうこのまま命尽きてしまうのではないか?
それならいっそのこと早く終わらせて欲しい……。
死の恐怖に怯え、それでも死に抗おうとする。こんな状況でも父は助けることはない。
「くっ……」
「かはっ、かはっ、ぉえっ……」
男が盛大に中で果てたその瞬間、首に置かれた手の力が一層強まり、意識を一瞬失う。手がようやく首から離れ、解放された喉で大きく息を吸い込んだ。肺が苦しく、圧迫された喉を戻そうと何度もえずく。
男がもう一度俺の首へと手を伸ばそうとした。もしもう一度、この異常で乱暴なセックスをすると言われたら死を覚悟した。息も絶え絶えで動くことはできない。ゆっくりと目を閉じて男の次の行動を待ち構えるしかなかった。
「さすがに悪かったな。これで許してくれや」
次のセックスが始まる前に、父が男の手首を掴んだ。流石の父も俺が死ぬと思ったらしい。
男は結構な額の大金を机に置くと、部屋を後にした。
父は俺の心配などせず、そのお金を大事そうに懐にしまうと部屋を出て行った。
お金は見つからないように、いつも持っていたが、父は目ざとく見つけるとそれを取り上げた。父はそれでも怒りが収まらず拳を振り上げた。「このあばたがっ」と罵った。俺が隠れて客をとっていたことがよほど許せなかったらしい。
「お前は……お前は俺のもんだ……」
父の怒りの暴力は今までで一番酷かった。基本的に客からの暴力を父は許さなかった。別料金を払うからと客に言われても断っていた。その理由は、次の客が痣を見て萎えるといけないからというものだった。そんなバカみたいな理由でも、父のその庇ってくれる言動が嬉しかった。
それなのに、今、父は身体のあちこちに、顔にさえも何度も拳を振り上げた。
目元や頬には痣ができて、洗面所のひび割れた鏡でその顔を見た時、悲しくなった。
(……智がいなくて良かった……)
智はちょうど叔母さんの家にいる時に熱を出して、帰ってきていない。この顔を見られたら心配するに決まっている。こんな姿の俺を見て、どうやって嘘をついたら良いか分からなかった。
(……迅が見たら父さんのことを殴りそうだ……)
ふと迅のことを思い出した。迅とはあれから会えていない。
迅が父を殴ったらどうなるのだろうか?父の体格はしっかりしている。迅は筋肉質だが細身だ。以前、吉田を殴った時のことを思い出すと、迅の力は強いし、喧嘩慣れもしていそうだった。でも、父には敵わないかもしれない。
(迅に……迅に会いたいな……)
どれくらいの時間、殴られたか分からない。父の暴力の波が収まり、深い呼吸をする。
この現実が悲しくて、虚しくて地に落ちそうだったのに、涙は出ない。
蹲りながら父を見上げた。父は苛立ちをまだ持っていたが、もう殴らなさそうだ。時計を見てチッと舌打ちする。
「ついてこい」
苛立ち交じりの声で父がそう言った。それはいつもの言葉だった。
その意味を悟って絶望した。
さすがに今日ばかりは客をとらなくていいだろう。そう考えていた。
顔だけでなくお腹や足、至る所に痣ができたのだから、今日くらいは客をとらなくても許されるのではないかと思っていたのだ。
でも、実際にはそんなことはなく、いつものように客をとらされた。
こんな時でも客をとらされるのかという絶望と、その客がいなければもっと殴られていたかもしれないと思うと、どちらに進んでも地獄には変わりなかった。
見慣れたホテルの部屋、いつものように父が仁王立ちでこちらを見ている。今日の客は、初めての相手で、俺の痣のある顔を見て驚いた表情をした。
(こんなに痣だらけならヤりたくないんじゃないか?どうか断ってくれますように……)
「え?殴ってもいいの?」
願いは虚しく、それどころか客は思いもよらない言葉を言い放った。見た目は普通の若い男は鼻息を荒くし、興奮した様子だ。まだ脱いでもいないのにズボンの下は硬くなっているのが分かる。
「顔はダメだ。あと大きく残るような痕や痣も。客が取れなくなったら困る。金を上乗せで払うならちょっとくらいならいい」
「おいおい、今こんな状態だからこれ以上酷くなってもいいだろ?」
「ダメだ」
客の言葉よりももっと酷い言葉を父が放つ。客は最初不服そうだったが、すぐにその条件を受け入れ、顔をニマニマと変化させた。早速、男は父に金を払うと、ベッドへと俺を突き飛ばした。
乱暴な手つきで男は服をまさぐる。殴られ、蹴られた肌を見て、男は息を飲み、すみずみまで舐めるように見た。男は興奮した様子を隠すことなく、そのまま乱暴に硬くなったペニスを捻じ込んだ。
「はぁ、はぁ、たまんねぇな……」
痣を舐め回し、キスをする男の手つきはまるで愛撫のようだ。男は目元の痣を手で撫でるとそのまま首筋へと手を下ろし、そのまま首をしめた。よく見ると肩に刺青が入っており、龍同様に普通の生業ではないのかもしれない。
「かはっ……」
(たすけて……このままでは死んでしまう……)
男の首を絞めるさじ加減は絶妙で意識を飛ばしそうになると緩められ、息を大きく吸い込んだのを確認するとまた首を絞める。いつものように目を閉じてやりすごしたいのに、恐怖で目を閉じることができない。このままだと本当に死んでしまうのではないかと思ったから。
「くっ、しまる……」
「も、やめ、うぐ……」
大きく息を吸った時に、辞めて欲しいと懇願するも、また首への力は強くなり息が止まる。もうこのまま命尽きてしまうのではないか?
それならいっそのこと早く終わらせて欲しい……。
死の恐怖に怯え、それでも死に抗おうとする。こんな状況でも父は助けることはない。
「くっ……」
「かはっ、かはっ、ぉえっ……」
男が盛大に中で果てたその瞬間、首に置かれた手の力が一層強まり、意識を一瞬失う。手がようやく首から離れ、解放された喉で大きく息を吸い込んだ。肺が苦しく、圧迫された喉を戻そうと何度もえずく。
男がもう一度俺の首へと手を伸ばそうとした。もしもう一度、この異常で乱暴なセックスをすると言われたら死を覚悟した。息も絶え絶えで動くことはできない。ゆっくりと目を閉じて男の次の行動を待ち構えるしかなかった。
「さすがに悪かったな。これで許してくれや」
次のセックスが始まる前に、父が男の手首を掴んだ。流石の父も俺が死ぬと思ったらしい。
男は結構な額の大金を机に置くと、部屋を後にした。
父は俺の心配などせず、そのお金を大事そうに懐にしまうと部屋を出て行った。
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