267 / 286
番外編 小話
太陽が爆発した絵の謎
しおりを挟む
※本編タイトル『転移魔術』の時の絵の話。
『スハン、これ結局何の絵だったんだ?』
今日は薬屋をお休みして、図書館にいるスハンに会いに来ていた。大輝さんはユーシアさんに会いに行ってから来るとのことで、後から合流だ。そして、俺の手元にはニコちゃんマークが2つ描かれ、その横には太陽が爆発したような絵が描いてある。
スハンとお喋りしたくて書物庫で書類整理の手伝いをしていたらこの紙が出てきたのだ。そして、この絵は以前俺が図書館で言葉の勉強をしていた時にスハンとやり取りしたときのものだ。
ニコちゃんマークはよく描いていて、お互いにありがとうとか感謝を伝える時に描いてたんだけど、この太陽が爆発したような絵は突然スハンが描いたので分からなかった覚えがある。あの時もこの絵が何か分からなくて、それをスハンが描いてるっていうのが面白くて笑ったんだったな、と思い出した。
(その時、思わず涙がポロっと出て、それを良太に見られて大変だったけど……)
スハンは俺が話しかけたことに気付いて紙を覗き、恥ずかしそうな表情をした。スハンも自分が描いたことを思い出したようだ。そのスハンの表情が面白くて俺はまたクスクスと笑った。
『何してるんだ?』
図書館へとやって来た大輝さんが俺とスハンが楽しそうにしているのを見て安心するような笑みを浮かべた後、俺たちが何を見ているのか気になり尋ねた。
『以前、俺とスハンが絵でやり取りしていた時の紙が出てきたんですけど、スハンの描いた絵が何か分からなくて……』
そう言って俺は大輝さんに太陽が爆発した絵が描かれた紙を大輝さんに見せた。
大輝さんもクスっと笑うと、スハンはますます恥ずかしくなったのか頬を赤くして俺たちを睨んだ。
『細胞の絵なんじゃないのか?』
そう言えばこの絵が描かれた時、医学の本を持ち出していたんだっけ?
じゃぁ、スハンはその医学の本を見て細胞の絵を描こうと思ったってことかな?
スハンはまた俺のことをじとーっと見る。それはまるで俺にも描けと言っているようだ。観念して俺も紙に絵を描いた。
少し丸みを帯びさせた四角を描き、中に小さな丸や楕円形など描いた。
でも、スハンも大輝さんも2人して首を傾げてる。
(えぇ?!俺なりに上出来だと思ったんだけど……)
『ほら、よく小学校とかで習う植物の細胞!』
2人が全然分かってくれなくて、少し声を荒げて俺の描いた絵の答えを伝えた。
2人は俺の様子が面白かったのか、声を出して笑っている。
『じゃ、じゃぁ、次は大輝さんの番ですよ』
大輝さんが俺から鉛筆を受け取り、さらさらと紙に絵を描き始めた。
『…………』
『…………』
あまりの大輝さんの絵のうまさにスハンも俺も、じとーっと大輝さんを見ていた。
『な、なんだよ……』
大輝さんはちょっと恥ずかしくなったのか、大輝さんが少したじろいでいてそれが面白くて2人で笑うと大輝さんもつられて笑った。
『スハン、これ結局何の絵だったんだ?』
今日は薬屋をお休みして、図書館にいるスハンに会いに来ていた。大輝さんはユーシアさんに会いに行ってから来るとのことで、後から合流だ。そして、俺の手元にはニコちゃんマークが2つ描かれ、その横には太陽が爆発したような絵が描いてある。
スハンとお喋りしたくて書物庫で書類整理の手伝いをしていたらこの紙が出てきたのだ。そして、この絵は以前俺が図書館で言葉の勉強をしていた時にスハンとやり取りしたときのものだ。
ニコちゃんマークはよく描いていて、お互いにありがとうとか感謝を伝える時に描いてたんだけど、この太陽が爆発したような絵は突然スハンが描いたので分からなかった覚えがある。あの時もこの絵が何か分からなくて、それをスハンが描いてるっていうのが面白くて笑ったんだったな、と思い出した。
(その時、思わず涙がポロっと出て、それを良太に見られて大変だったけど……)
スハンは俺が話しかけたことに気付いて紙を覗き、恥ずかしそうな表情をした。スハンも自分が描いたことを思い出したようだ。そのスハンの表情が面白くて俺はまたクスクスと笑った。
『何してるんだ?』
図書館へとやって来た大輝さんが俺とスハンが楽しそうにしているのを見て安心するような笑みを浮かべた後、俺たちが何を見ているのか気になり尋ねた。
『以前、俺とスハンが絵でやり取りしていた時の紙が出てきたんですけど、スハンの描いた絵が何か分からなくて……』
そう言って俺は大輝さんに太陽が爆発した絵が描かれた紙を大輝さんに見せた。
大輝さんもクスっと笑うと、スハンはますます恥ずかしくなったのか頬を赤くして俺たちを睨んだ。
『細胞の絵なんじゃないのか?』
そう言えばこの絵が描かれた時、医学の本を持ち出していたんだっけ?
じゃぁ、スハンはその医学の本を見て細胞の絵を描こうと思ったってことかな?
スハンはまた俺のことをじとーっと見る。それはまるで俺にも描けと言っているようだ。観念して俺も紙に絵を描いた。
少し丸みを帯びさせた四角を描き、中に小さな丸や楕円形など描いた。
でも、スハンも大輝さんも2人して首を傾げてる。
(えぇ?!俺なりに上出来だと思ったんだけど……)
『ほら、よく小学校とかで習う植物の細胞!』
2人が全然分かってくれなくて、少し声を荒げて俺の描いた絵の答えを伝えた。
2人は俺の様子が面白かったのか、声を出して笑っている。
『じゃ、じゃぁ、次は大輝さんの番ですよ』
大輝さんが俺から鉛筆を受け取り、さらさらと紙に絵を描き始めた。
『…………』
『…………』
あまりの大輝さんの絵のうまさにスハンも俺も、じとーっと大輝さんを見ていた。
『な、なんだよ……』
大輝さんはちょっと恥ずかしくなったのか、大輝さんが少したじろいでいてそれが面白くて2人で笑うと大輝さんもつられて笑った。
10
あなたにおすすめの小説
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 1000 Thank_You!!
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる