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第六章 終結(神殿編)
不屈の心 良太side
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口の中が切れ、血の味がする。殴られた頬は徐々に熱を持ち始めた。近くの水場で濡らした布で腫れた頬を冷やす。それでもまだジンジンと痛む。でも、それ以上に心の奥底から燃え上がるような憎しみと怒りで震えた。
(短剣で少しでも切りつけることできれば状況は変わったのに……)
戦争もホルアンの施した結界を解くことも失敗に終わった。ゆうにぃも一度は手元に戻って来たのに、奪い返された。ゆうにぃの抱きしめた温もりを思い出すかのように手を開き、視線を落とす。
(いや、まだチャンスはある……)
ゆうにぃが向かっているのはナミルだ。ケッシナの森の崖でバルドから聞いた内容を思い出す。
~~~~~~~~~~
『この前聞いていたあれは……』
『あぁ、それは救世主様の言う通りだった。やはりナミルへ行くための供え物を集めている。今度の審査の場所はグルファン王国の神聖なる森だ』
『……そう分かった』
~~~~~~~~~~
グルファン王国の神聖なる森ーーそこに行けば必ずゆうにぃは現れる。今までは僕が追いかけていた。でも、今度は向こうからこちらへとやって来る。月と太陽が重なる審査の日までもう少し。開いていた手をぎゅっと握りしめ、前を向く。
「ゆうにぃをナミルには行かせない」
まだゆうにぃが滞在しているであろうルウファを静かに木々が生い茂る森の中から見た。
(短剣で少しでも切りつけることできれば状況は変わったのに……)
戦争もホルアンの施した結界を解くことも失敗に終わった。ゆうにぃも一度は手元に戻って来たのに、奪い返された。ゆうにぃの抱きしめた温もりを思い出すかのように手を開き、視線を落とす。
(いや、まだチャンスはある……)
ゆうにぃが向かっているのはナミルだ。ケッシナの森の崖でバルドから聞いた内容を思い出す。
~~~~~~~~~~
『この前聞いていたあれは……』
『あぁ、それは救世主様の言う通りだった。やはりナミルへ行くための供え物を集めている。今度の審査の場所はグルファン王国の神聖なる森だ』
『……そう分かった』
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グルファン王国の神聖なる森ーーそこに行けば必ずゆうにぃは現れる。今までは僕が追いかけていた。でも、今度は向こうからこちらへとやって来る。月と太陽が重なる審査の日までもう少し。開いていた手をぎゅっと握りしめ、前を向く。
「ゆうにぃをナミルには行かせない」
まだゆうにぃが滞在しているであろうルウファを静かに木々が生い茂る森の中から見た。
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