8 / 51
初恋の君 前編
しおりを挟む
アロイスはあまり身体が丈夫な子供ではなかった。
子供の頃には季節の変わり目には必ずといっていいほど風邪をひいては熱を出し、ずいぶんと両親を心配させたものだ。
ロワール王国の貴族は十四歳になると王城へ上がることを許される。けれどそれは貴族の籍があれば誰でもというわけではなく、文もしくは武の分野において優秀と認められた者に限られていた。
侯爵家に生まれながらも、病弱なアロイスがこのままでは王城へ上がることができないのではないかと心配した両親は、王国の南に位置するアルザスへと彼を送り出した。
アルザスは一年中温暖な気候で、温かな風が吹き付ける保養地として有名な街だ。
そこでアロイスは初恋の君に出会った。
◇◇◇◇
王都から移動してきてすぐに風邪をひいてしまい、二、三日前までベッドの住人となっていたアロイスは、ようやく出歩けるほどに回復した。
昨日の朝にはすっかり熱が下がっていたのだが、乳母のグレースは外出を許してくれず、ベッドで過ごすように命じられてしまった。
風邪をひいて寝込むのも早いが、若さゆえに回復も早かったアロイスは、退屈のあまりグレースに黙って屋敷を抜け出し、アルザスの街を探検することにした。
アルザスは暖かく過ごしやすいが、若い年頃の少年にとっては少々刺激に欠ける。
街を歩いてみても、アロイスと近しい年頃の少年の姿をほとんど見かけない。
仕事を引退し、余生をのんびりと過ごしているような壮年から老年に差し掛かるような人たちばかりが目に付いた。
これではとても遊び相手を見つけられそうにない。
アロイスが過ごす屋敷は丘の上にあり、街を一望できる。
屋敷から見えた港に来てみたはいいが、小さな漁港しかなく、活気に満ちているとは言いがたい。
特に見るべきものも見つからず、アロイスはふてくされながら、港近くの路地を抜け、海岸へ移動した。
白い砂浜に打ち寄せる波は穏やかで、アロイスは誘われるように波打ち際に足を踏み入れた。
砂浜の不思議な感触を踏みしめながら歩いていると、いきなり波が打ち寄せてきて、アロイスの靴を濡らした。
「つめたっ!」
背筋がゾクリとするほど水が冷たい。いくらアルザスが温暖な土地とはいえ、水に入って遊ぶには早すぎた。
アロイスは安易に足を濡らしてしまったことを後悔する。
靴はぐっしょりと海水に濡れ、歩くたびにゴボゴボといやな音を立てている。
すっかり気分が落ち込んでしまう。
このまま探検を諦めて屋敷に帰ったとしても、抜け出したことに気づいたグレースから叱られるのがわかっているだけに、帰りにくい。
アロイスが肩を落としたとき、高く澄んだ声がかけられた。
「見慣れない子ね」
慌てて振り向いたアロイスの目に、可愛らしい少女の姿が映る。
太陽のように輝く薄い金色の髪、澄んだ水色の瞳を持つ少女は、いたずらっぽい笑みを浮かべていた。
アロイスよりも年はいくらか下のようだ。着ているのはありふれた膝丈のドレスで、さほど上質ではないところを見るに、貴族ではなさそうだった。
性別も年齢も違う彼女では、とてもアロイスの遊び相手になりそうもない。
落胆を感じたアロイスは、ぶっきらぼうに返事をした。
「二、三日前にこの街に来たから」
「ふうん……。ねえ、その靴、わざとそうしているの?」
アロイスの無愛想な態度にもめげず、少女はアロイスに問いかけてきた。
「まさか!」
「だよね」
気持ちの悪い感触に、今すぐ靴を脱いでしまいたいというのがアロイスの本音だった。だが、靴を脱いでしまえば屋敷まで裸足で帰ることになる。
アロイスは少女の視線を振り切るように、意地になって海岸を歩き出した。
少女もアロイスのあとをついて歩き出す。
アロイスが一歩進むたびに、ゴボゴボと靴が音を立てた。
「……ねえ」
「なんだよ。用もないのについてくるな」
アロイスは振り返りもせず、邪険に言い放つ。
「えっと、その靴、乾かしてあげようか?」
「え?」
アロイスは大きく目を見開き、足を止めた。
「乾かせるのか?」
願ってもない申し出に、アロイスは思わず少女に詰め寄る。
「うん。一度靴と靴下を脱いでくれる?」
「あ、ああ」
アロイスは言われるままに、慌てて靴を脱いだ。
濡れた靴と靴下を少女に差し出すと、彼女はそれを砂浜の上に並べて置く。
「ちょっと待っててね」
少女は真剣な表情で靴の前に立つと、手を大きく広げた。
少女の手が動いた軌跡に白い光が浮かび上がり、魔法陣を描いていく。
円や直線を組み合わせた複雑な図形は、魔法を使うための回路図だ。
とても自分より幼い少女が描いたとは思えない複雑な文様が、二つ、三つと空中に浮かび上がる。少女は空中の魔法陣を両手につかんだかと思うと、それらを重ね、砂の上のアロイスの靴に向かって振り下ろした。
すると、靴と靴下からぱらぱらと白い砂粒のようなものが飛び出した。しゅうっと音を立てて水分が蒸気となり、見る間に靴の色が変わって乾いていくのがわかった。
「……すごい」
間近で魔法を見るのは初めてだったアロイスは、ひたすら彼女の技に感心した。
魔力はそこそこ持っているアロイスだが、この魔法陣を描く才能がなかったために、魔法を使うことは諦めた。
魔法陣を込めた道具を使えば魔法を使うことはできるが、あらかじめ道具を用意しなければならないし、道具はそれほど簡単に手に入るものでも、安価なものでもない。
そんなわけで、早々に魔法使いになることを諦めたアロイスは軍人を目指している。
とはいっても、この病弱な身体を治さなければそれも難しいだろう。
「これで乾いたと思うよ」
靴を差し出してきた少女に、アロイスは素直に礼を述べた。
「ありがとう……。すごく、助かった」
「うふふ。どういたしまして。あんまり上手じゃないから、恥ずかしいんだけどね」
恥ずかしそうに頬を染める少女から、アロイスは差し出された靴を受け取る。
アロイスの彼女に対する態度は、決して良いものではなかったはずなのに、少女はなんの見返りも求めず助けてくれた。
こんな風に間近で魔法を見るのも初めてだったし、彼女の描いた魔法陣はとても美しく見えた。彼女は上手じゃないと謙遜するが、アロイスの目には十分素晴らしく見えたのだ。
アロイスの胸は先ほどからなぜか不自然に高まっている。
アロイスは内心で首をひねった。
「なあ、名前なんていうんだ? 俺はアル」
アロイスは彼女には愛称を呼んで欲しくて、正式な名前ではなく愛称を教える。
「私はレティよ」
「レティ……か」
彼女の名前を呟くと、アロイスの胸に温かなものが込み上げた。
「レティは、このあたりに住んでいるのか?」
「そうよ。お母さんとふたり」
「ふうん」
母親とふたりというのは、なにか訳があるのだろう。けれど、悲しそうなレティの表情に、それ以上聞くのはためらわれた。
「レティは明日もここにいる?」
「うん。この辺で遊んでることが多いかな?」
「じゃあ、明日もここで会おう。明日こそ一緒に遊ぼうか」
「うふふ。いいよ」
にこりと笑ったレティに、アロイスの胸が高鳴る。どうしていいのかわからず、アロイスは駆け出した。
「じゃあなっ!」
「うん。またね!」
元気に手を振るレティに手を振り返して、アロイスは屋敷へ続く道を走る。
明日はなにをして遊ぼうかと、いまから楽しみで仕方がなかった。
子供の頃には季節の変わり目には必ずといっていいほど風邪をひいては熱を出し、ずいぶんと両親を心配させたものだ。
ロワール王国の貴族は十四歳になると王城へ上がることを許される。けれどそれは貴族の籍があれば誰でもというわけではなく、文もしくは武の分野において優秀と認められた者に限られていた。
侯爵家に生まれながらも、病弱なアロイスがこのままでは王城へ上がることができないのではないかと心配した両親は、王国の南に位置するアルザスへと彼を送り出した。
アルザスは一年中温暖な気候で、温かな風が吹き付ける保養地として有名な街だ。
そこでアロイスは初恋の君に出会った。
◇◇◇◇
王都から移動してきてすぐに風邪をひいてしまい、二、三日前までベッドの住人となっていたアロイスは、ようやく出歩けるほどに回復した。
昨日の朝にはすっかり熱が下がっていたのだが、乳母のグレースは外出を許してくれず、ベッドで過ごすように命じられてしまった。
風邪をひいて寝込むのも早いが、若さゆえに回復も早かったアロイスは、退屈のあまりグレースに黙って屋敷を抜け出し、アルザスの街を探検することにした。
アルザスは暖かく過ごしやすいが、若い年頃の少年にとっては少々刺激に欠ける。
街を歩いてみても、アロイスと近しい年頃の少年の姿をほとんど見かけない。
仕事を引退し、余生をのんびりと過ごしているような壮年から老年に差し掛かるような人たちばかりが目に付いた。
これではとても遊び相手を見つけられそうにない。
アロイスが過ごす屋敷は丘の上にあり、街を一望できる。
屋敷から見えた港に来てみたはいいが、小さな漁港しかなく、活気に満ちているとは言いがたい。
特に見るべきものも見つからず、アロイスはふてくされながら、港近くの路地を抜け、海岸へ移動した。
白い砂浜に打ち寄せる波は穏やかで、アロイスは誘われるように波打ち際に足を踏み入れた。
砂浜の不思議な感触を踏みしめながら歩いていると、いきなり波が打ち寄せてきて、アロイスの靴を濡らした。
「つめたっ!」
背筋がゾクリとするほど水が冷たい。いくらアルザスが温暖な土地とはいえ、水に入って遊ぶには早すぎた。
アロイスは安易に足を濡らしてしまったことを後悔する。
靴はぐっしょりと海水に濡れ、歩くたびにゴボゴボといやな音を立てている。
すっかり気分が落ち込んでしまう。
このまま探検を諦めて屋敷に帰ったとしても、抜け出したことに気づいたグレースから叱られるのがわかっているだけに、帰りにくい。
アロイスが肩を落としたとき、高く澄んだ声がかけられた。
「見慣れない子ね」
慌てて振り向いたアロイスの目に、可愛らしい少女の姿が映る。
太陽のように輝く薄い金色の髪、澄んだ水色の瞳を持つ少女は、いたずらっぽい笑みを浮かべていた。
アロイスよりも年はいくらか下のようだ。着ているのはありふれた膝丈のドレスで、さほど上質ではないところを見るに、貴族ではなさそうだった。
性別も年齢も違う彼女では、とてもアロイスの遊び相手になりそうもない。
落胆を感じたアロイスは、ぶっきらぼうに返事をした。
「二、三日前にこの街に来たから」
「ふうん……。ねえ、その靴、わざとそうしているの?」
アロイスの無愛想な態度にもめげず、少女はアロイスに問いかけてきた。
「まさか!」
「だよね」
気持ちの悪い感触に、今すぐ靴を脱いでしまいたいというのがアロイスの本音だった。だが、靴を脱いでしまえば屋敷まで裸足で帰ることになる。
アロイスは少女の視線を振り切るように、意地になって海岸を歩き出した。
少女もアロイスのあとをついて歩き出す。
アロイスが一歩進むたびに、ゴボゴボと靴が音を立てた。
「……ねえ」
「なんだよ。用もないのについてくるな」
アロイスは振り返りもせず、邪険に言い放つ。
「えっと、その靴、乾かしてあげようか?」
「え?」
アロイスは大きく目を見開き、足を止めた。
「乾かせるのか?」
願ってもない申し出に、アロイスは思わず少女に詰め寄る。
「うん。一度靴と靴下を脱いでくれる?」
「あ、ああ」
アロイスは言われるままに、慌てて靴を脱いだ。
濡れた靴と靴下を少女に差し出すと、彼女はそれを砂浜の上に並べて置く。
「ちょっと待っててね」
少女は真剣な表情で靴の前に立つと、手を大きく広げた。
少女の手が動いた軌跡に白い光が浮かび上がり、魔法陣を描いていく。
円や直線を組み合わせた複雑な図形は、魔法を使うための回路図だ。
とても自分より幼い少女が描いたとは思えない複雑な文様が、二つ、三つと空中に浮かび上がる。少女は空中の魔法陣を両手につかんだかと思うと、それらを重ね、砂の上のアロイスの靴に向かって振り下ろした。
すると、靴と靴下からぱらぱらと白い砂粒のようなものが飛び出した。しゅうっと音を立てて水分が蒸気となり、見る間に靴の色が変わって乾いていくのがわかった。
「……すごい」
間近で魔法を見るのは初めてだったアロイスは、ひたすら彼女の技に感心した。
魔力はそこそこ持っているアロイスだが、この魔法陣を描く才能がなかったために、魔法を使うことは諦めた。
魔法陣を込めた道具を使えば魔法を使うことはできるが、あらかじめ道具を用意しなければならないし、道具はそれほど簡単に手に入るものでも、安価なものでもない。
そんなわけで、早々に魔法使いになることを諦めたアロイスは軍人を目指している。
とはいっても、この病弱な身体を治さなければそれも難しいだろう。
「これで乾いたと思うよ」
靴を差し出してきた少女に、アロイスは素直に礼を述べた。
「ありがとう……。すごく、助かった」
「うふふ。どういたしまして。あんまり上手じゃないから、恥ずかしいんだけどね」
恥ずかしそうに頬を染める少女から、アロイスは差し出された靴を受け取る。
アロイスの彼女に対する態度は、決して良いものではなかったはずなのに、少女はなんの見返りも求めず助けてくれた。
こんな風に間近で魔法を見るのも初めてだったし、彼女の描いた魔法陣はとても美しく見えた。彼女は上手じゃないと謙遜するが、アロイスの目には十分素晴らしく見えたのだ。
アロイスの胸は先ほどからなぜか不自然に高まっている。
アロイスは内心で首をひねった。
「なあ、名前なんていうんだ? 俺はアル」
アロイスは彼女には愛称を呼んで欲しくて、正式な名前ではなく愛称を教える。
「私はレティよ」
「レティ……か」
彼女の名前を呟くと、アロイスの胸に温かなものが込み上げた。
「レティは、このあたりに住んでいるのか?」
「そうよ。お母さんとふたり」
「ふうん」
母親とふたりというのは、なにか訳があるのだろう。けれど、悲しそうなレティの表情に、それ以上聞くのはためらわれた。
「レティは明日もここにいる?」
「うん。この辺で遊んでることが多いかな?」
「じゃあ、明日もここで会おう。明日こそ一緒に遊ぼうか」
「うふふ。いいよ」
にこりと笑ったレティに、アロイスの胸が高鳴る。どうしていいのかわからず、アロイスは駆け出した。
「じゃあなっ!」
「うん。またね!」
元気に手を振るレティに手を振り返して、アロイスは屋敷へ続く道を走る。
明日はなにをして遊ぼうかと、いまから楽しみで仕方がなかった。
0
あなたにおすすめの小説
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
勘違い妻は騎士隊長に愛される。
更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。
ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ――
あれ?何か怒ってる?
私が一体何をした…っ!?なお話。
有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。
※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
片想いの相手と二人、深夜、狭い部屋。何も起きないはずはなく
おりの まるる
恋愛
ユディットは片想いしている室長が、再婚すると言う噂を聞いて、情緒不安定な日々を過ごしていた。
そんなある日、怖い噂話が尽きない古い教会を改装して使っている書庫で、仕事を終えるとすっかり夜になっていた。
夕方からの大雨で研究棟へ帰れなくなり、途方に暮れていた。
そんな彼女を室長が迎えに来てくれたのだが、トラブルに見舞われ、二人っきりで夜を過ごすことになる。
全4話です。
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
夫婦戦争勃発5秒前! ~借金返済の代わりに女嫌いなオネエと政略結婚させられました!~
麻竹
恋愛
※タイトル変更しました。
夫「おブスは消えなさい。」
妻「ああそうですか、ならば戦争ですわね!!」
借金返済の肩代わりをする代わりに政略結婚の条件を出してきた侯爵家。いざ嫁いでみると夫になる人から「おブスは消えなさい!」と言われたので、夫婦戦争勃発させてみました。
愛しい人、あなたは王女様と幸せになってください
無憂
恋愛
クロエの婚約者は銀の髪の美貌の騎士リュシアン。彼はレティシア王女とは幼馴染で、今は護衛騎士だ。二人は愛し合い、クロエは二人を引き裂くお邪魔虫だと噂されている。王女のそばを離れないリュシアンとは、ここ数年、ろくな会話もない。愛されない日々に疲れたクロエは、婚約を破棄することを決意し、リュシアンに通告したのだが――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる